飛行機雲   作:神風

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※海軍又、マリンフォードについて、壮大なる捏造、妄想が入っています。
※20歳未満の者の喫煙は、法律で禁じられています。



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 休日、スモーカーの為に島を案内することになった。

 マリンフォードは海兵たちの家族が住む島、生活に必要なものは全て揃っている。

 また、あらゆる島の出身者が集まる為、様々な島の文化がこの地に根付き、ここだけで世界を旅するような気分も味わえる。

 もちろん、海兵育成アカデミー内でも購買はあるが、扱っているものは数が限られ、娯楽も少ない。

 アカデミー入学後初めての休日なので観光がてら出かける同期も多いようだ。玄関で待ち合わせしている者が多い。

 

 2人は同室なので待ち合わせ、なんてまどろっこしいことはなしだ。

 

「で?どこに行くんだ?」

「この島で買い物するなら、って所と将校御用達シガーバー「!?」に煙草卸してる爺さんのとこ。安く買えるぜ」

「お前な」

「俺らがバーに行ったって浮くだろ、未来の上司に目をつけられるのもやだし」

「そりゃそうだがな」

「偉くなったら行けばいいじゃないか。な?お前ならすぐだろうさ」

 

 昇進なんですぐだろうなぁ、たしかローグタウンにいた時は大佐だっけな。

 

「部下がつくなら可愛い子がいいよなぁ〜」

「使えるやつならなんでもいいだろ」

「いいか?部下との人間関係が良好であることって重要だと思うぞ、マジで」

 

 まず初めに見かけたのは洋裁店。

 海兵の衣服に関して全てが揃うここでは将校のコートの留め具、ネクタイピンやスカーフ等細やかな洒落だけでなく、個性を出したい者が気に入りそうなものばかり置かれている。

 将校クラスになると皆個性的で、遠目に見ても誰か分かる。個人の我儘を叶えてくれるようだ。

 

「制服とか、ここで仕立ててもらえるけど自分の好みがあれば大体は聞いてくれる。ガープ中将の犬帽子もここで買ったって噂だぜ。店員も流石に止められなかったみたいだな」

「ガープ中将ってあの英雄ガープか?」

「そうそう。ガープ中将の船、船首にまで犬飾ってるぜ。造船の時、父さん達が最後まで渋ったらしいけど、押し通されたらしい」

「お前の父親、工廠勤務なのか」

「あれ、言ってなかったっけ?うん。軍艦バカってあだ名で通ってる。今度バカ紹介するよ」

「親父の呼び方じゃねぇだろうがそれは」

 

 

 お次は食料品市場。

 あらゆる島から輸入された食品が並ぶ光景は圧巻だ。多くの人々が行き交い、新鮮な魚や野菜、果物に肉が店に並ぶ。店先に立つ者が今日のおすすめと声を張り、呼び込む活気に満ちた市場。

 それがここのいつもの光景だ。

 

「お、アカデミー生か?がんばれよ!この裏手で定食屋もやってるから良かったら寄っていきな。アカデミー生ならお安くしとくよ!」

「おぉい、アカデミー生!コロッケ揚げたてだぞ!食ってけ!」

「タンパク質とれよ!筋肉育たねぇぞ!」

 

 

 海軍を中心として生活が回っているため、海兵の卵の成長を見守る世話焼きが多い。

 ひとたびアカデミーの制服で歩けば、あちらこちらから呼び止められるだろう。

 

 見慣れぬ商品や呼び止められる事に気を取られ、いつの間にかスモーカーはカイルと引き離されていた。

 

「おい、カイル!待て」

「ん?わっ、スモーカーごめん、気づかなかった」

「ここはいつもこんななのか」

「こんなって?あぁ、今日は休日だしな。あと、アカデミー生は島全体でサポートされてるみたいなもんだから。財布持ち歩かなくてもここ通れば何かしらくれるよ。島外から来たら驚くよな。コロッケ貰った?そこの店美味いぞ。ま、先行投資されてるって思えばいい。スモーカーの場合体格もいいし、将来有望だと思われてんじゃないか?」

 

 貰ったコロッケを食いながら市場を歩く。

 アカデミーは優秀な海兵を育てるために、設けられた機関だ。優秀な者が育てば海軍の為となり、ゆくゆくは世界の平和に繋がるというわけだ。だから島全体でアカデミーをサポートし見守っていく。

 

 実はアカデミーに入学すると、学生手当、所謂給与が貰える。

 学費は無料で、卒業後海軍へそのまま。エスカレーター式である。

 

 貧しい者が生きる為に入軍するなんてざらにある。入学する母数が大きければ大きいほど、将来使える駒が増えるって寸法だ。

 財源がどこからきてるか、というのを考えれば嫌になるが……正義を語るのも金がいるのだ。

 

 頭が腐っているのに手足が清らかなわけない、とは思うが実際正義の為に奮闘する人々は実在するのだ。やるせない。

 世界政府は20の王であった天竜人により創設された機関。海軍は世界政府によって設立された機関。

 逆らえるわけが無い。

 天竜人の選民意識の果てしなさには目眩がする。あれが許されてしまうからさらに増長するのだ。

 そもそもだ、1つの組織が世界を独占支配しているこの図がおかしい。

 三権分立のように、お互いに見張り合う存在が必要なのでは。まぁ、革命軍なるものが出てきているから任せればいいか。

 

 現段階で一海兵の卵に出来ることはありませーん!

 あとこんなこと考えてると知られたら消されるかもしれないのでおくびにもだしませーん!

 ただ俺は飛行機作って飛びたいだけでーす!

 しかしそれがただの殺戮兵器として利用されるなら話は別でーす!

 

 うんうん唸って考えることを放棄した俺の隣でコロッケをつまむスモーカー、ちゃっかり串揚げも貰ってやがる

 

「あ、ずるい。俺も欲しい、半分ちょうだい」

「嫌だ」

「ケチ」

 

 市場を抜けたあと、お目当てのタバコ屋だ。

 父さんが吸っているので身近にあり、小さな頃からよくお使いでここまで買いに行かされたものだ。余分に買って内緒で吸ってる。バレてるだろうけど。

 

 店先には葉巻を燻らせる老人が1人。実にうまそうに喫んでいる。

 

「よぉ、カイル。今日は親父の遣いじゃなさそうだな」

「うん、今日はお客の紹介。俺のアカデミーの同室で、入学早々ヤニ没収されたスモーカー君です。お前いつも何吸ってんの?」

「カイルてめぇ喧嘩売ってんのか?……この銘柄あるか?」

「あぁ、あるよ。1箱500ベリーだ。カートンで買っていくか?しかし、お前ら煙草の味覚えるには早いんじゃないか?」

「何を今更。お客増えるんだし、嬉しいことでしょうが」

「へっ、13から吸ってるワシが言うことじゃないがね」

 

 早速購入した煙草を堪能するスモーカーは絵にはなっていたが、やはり葉巻でないとしっくり来ない。

 

「ね、爺ちゃん吸ってるみたいな葉巻でオススメない?」

「なぁにバカ言ってんだ、カイル。おめぇらみたいな若造が葉巻なんぞ100年早いわ」

「そこをなんとかさ、ね、お願い。今度初任給で一緒に飲みに行こ?」

 

 爺さん知ってるぞ、孫いないから俺を孫代わりにしてるの。俺に甘いの知ってるぞ。押せ押せ!くらえ、可愛い顔!

 

「仕方ねぇなぁ。アカデミー入学祝いだ。うまい吸い方教えてやる、お前ら吸ってけ!」

「「ありがとうございます!!」」

 これで葉巻喫むスモーカー(若)が見れるぞ!もしかして、これがきっかけになるのか?

 

「いいか、若造共。煙草は肺まで、葉巻は口までだ。フィルターがねぇから肺まで入れるとキツい。シガーカッターでヘッドとフット切った後、ライターでフットをゆっくり炭化させる。吸い方は自由だ。紙巻きたばこみたいに頻繁に灰は落とすなよ、2cmぐらい溜めて折るように落とせ」

 

 2人して葉巻講座を受け、実際に吸ってみる。

 吸口が細くないのは慣れないが、豊かな味と香りが漂い、いつのまにかレコードからはジャズが流れ、時間をかけて吸う贅沢な空間が広がる。

「「はぁ……うめぇ」」

 

「こんなの吸いながら酒とか珈琲とか最高じゃん……スモーカー、やっぱりだめだよ、これは体に悪い。一緒に長生きしよ」

「はっ……分かりきったこと言うな。お前が言い出したことだろうが、きっちり責任取って共倒れしやがれ」

 

 鼻で笑い、プハァと煙をふきかけるスモーカーを直視してしまって変な気分だ。

 

「あー……くそ」

 項垂れ、もう一吸い

 ちくしょう、やっぱスモーカーってかっこいいなぁ

 

 1本吸い終わる頃には2人共、葉巻の似合う男になると心に誓った。あと、ふかすだけにしような。

 

 店を後にし、初体験に満足気なスモーカーを横にこれからどうするか考える。

 飯にしてもいいけど、微妙な時間だし、うーん

 

 

「あら、カイル君。あなたも観光?」

 声をかけてきたのはヒナ嬢、同じく観光していたようだ。

「や、ヒナ嬢。スモーカーにこの島案内してたんだ。俺、マリンフォード出身だから」

「あら、そうなの。……ところで、あなた達この匂いどうしたの?なんだか、甘い匂いだけど」

「えっ、なに、臭う?」

 

 さっきまで堪能していたからか、服にまで染み付いたのかもしれない。すんすん自分を嗅いでみる。

 帰ったら速攻風呂&洗濯しよ。女の子に臭うって言われた辛い。

 

「2人でヤニ吸ってたんだよ。文句あるか」

「ヤニって……あなた達まだ未成年じゃ」

「自己責任だろ。なんだ、チクるのか?それとも、お前も興味があるのか?」

「な「スモーカー、突っかからないの。ごめんね、ヒナ嬢。男の子は悪い事したがるもんだからさ、見逃してくれると嬉しいなぁ」

「おい、カイルてめぇ引っ張るんじゃ「うるせっ、さっさと帰って風呂入るぞ。女の子に臭うとか言われたんだぞバカ!ヒナ嬢、色々ごめんね!じゃあね!」

 

 スモーカーの腕を掴み、さっさと寮へと帰ってきた。ヒナ嬢なにか言おうとしてたけど、あのままだと喧嘩しそうだったし……

 

「ほっときゃ良かっただろうが」

「お前が突っかかるからぁ、っていうのは本当だけど、こんな状態の俺らゼファー先生に見られたらよ?今度は何周走らされるか、何セット筋トレさせられるか。シャワー室はいつでも使えるからさっさと流そうぜ」

「む……」

 




次回
スモやん飛ぶってよ
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