異常で過負荷で言葉使いでもマスターになれますか? 作:球磨川善吉
目を開けると燃え盛る場所にいた。地面は倒壊した建物の瓦礫で埋め尽くされ、辺りには誰も居ない。ここは、地獄?
それしては建物が現代的すぎる。てか地獄に建物ってあるのか? 夢? そもそもなんでこんな場所に居るんだ? 俺の記憶はおそらく、昨晩風呂に入ったところまでだ。意味が分からん。
着ている服は無地の半袖と黒のジャージか。こんな服持ってないんだが。手始めにポッケに手を突っ込むと折りたたまれた紙が入っていた。読み上げると、、、
『貴方は、
は? 異常と過負荷と言葉ってめだかボックスに出てくる能力じゃん。てか能力名ダサい。キャスキルってなんやねん。
『それらを作る際は、「
いたずらにしてはやけに込み入った説明だな。夢にしては変に具体的すぎる。 マジで現実?
『また、3つ目の能力を作った際に100%に満たなかった場合は100%になるように能力を調整します。よき人理焼却を』
人?の後の文字はかすれていて読めない。こんなに真新しい紙なのになんでここだけ汚れてるんだ?わけわかめ。
とりあえず、夢かどうかを確かめるために能力を作ってみるか。実は最近オリジナルの
・・・だからこんな夢見るのか?
「能力作成!!! 遊び使い!!!」
念じるや否や俺の目の前には42%の文字が現れた。手を伸ばすもVRの中の文字のように透過していて触れない。
まじで? しかもいつの間にか消えてるし。幻覚? うーん。まだ分からんな。この能力の効果がでないとなんとも言えない。
てなわけで早速試してみよう。俺が作った能力の種類は
えーと、なんかないか。周りにあるのは炎と瓦礫とその破片くらい? うーん・・・ 石でやってみるか。俺がチョイスしたのは至って普通のちょっと小ぶりな石だ。
石・・・意思、遺志。いやダメだ。目に見える物に変えないと分からない。
「・・・『小石』『来い死』なーんつって」
あ、あれ? 石が消えた?
――その瞬間、ガシャリ、と。後ろから瓦礫を踏む音がする。一歩ずつ、一歩ずつ、確実にこちらに向かっている。
せ、生存者なら一声かけてほしいんだけどなぁ・・・
意を決して後ろを振り返ると、布切れを首と腰に巻いた骸骨、いわゆるスケルトンが目と鼻の先にいた。左手には鉈のようなものが握られている。
目の前のあり得ない光景に呆けていたその時――
「――――あっぶな!」
スケルトンが武器を振り下ろしてきた。
やべえ! 殺される! 来い死とか言うんじゃなかった! バカじゃねえのか!?
後悔先に立たず。俺は気がつくと走り出していた。目的地も定まらないままに街を駆ける。
スケルトンに一面炎の街。俺が遊ぶゲームの最初の場面に似ている。もしかして・・・ここはfgoの世界か!? そうすると、手紙のかすれていた、人?から始まる言葉は人理修復か・・・?
とりあえず主人公たちと合流するのがベストか!? ただ、彼らがいつどこに居るのか分からない。加えてこの冬木?のマップも覚えてない。
衛宮家の土蔵もありか? たしか、魔法陣があったはず。それを使って
幸い、スケルトンの足は速くない。武器を投げてくるって訳でもない。目的地にたどり着く前に体力の限界が来たら、適当に能力作るか!
「はぁはぁ・・・ふー」
穂群原学園という学校の剣道場に逃げ込めた。もうfgoで確定だろう。よくここまで来れたわ。
幸いにも鍵は開いた状態だった。戸締まりはしたが、長くは持たなないだろう。剣道場に入るときに、振り返ると数十体の個体がいた。これは能力作らないとダメっぽいな。
とりあえず能力を試したら速攻で逃げよう。・・・イケるか? ドアが破られるまでが勝負だ。
「えーっと、竹刀、竹刀・・・あった!」
俺の秘策、それは竹刀だ。俺は勢いで遊び使いを作ったけど、遊びで作ったわけじゃない(迫真)。
多分俺は英霊と契約する。そうじゃないときついしそうであってほしい(願望) 。さすがにfgoに転生してマスター適正がないわけない・・・ないよね?
そこに行き着くためには生き抜くことが重要だ。そしてマスターになったら尚更死ねない。つまり『死なない』ことが重要だ。
感の良い人ならもう分かったかもしれない。
「
・・・特に派手な演出はなかったけどこれで大丈夫なはず。これをやりたいが為にあの能力を作ったと言っても過言じゃない。これで俺は死なないはず。
一応他の竹刀にも名前をつけるか。名前を付けるだけで永久に不死になってたらいいんだけど、壊されたら無効化されるかもしれない。
「えーと。右から順にムラマサ、エクスカリバー、カリバーン、干将、莫耶」
電光丸以外はロッカーにいれたままにしよう。念の為、ね。
新しい能力も作っちゃおう。今のままだときつい。うーん。使いづらい
・・・『追い込まれるほど頑丈になるスキル』とかどうかな? 今みたいに大量に敵が居て、時間がかかっても確実に処理をする。
これからも見据えて、一撃必殺の攻撃は備えるだけ無駄な気がするし、短期戦よりも長期戦に強く出られる方がいいはず。
時間が余ったし、名前も凝ったの作るか。追い込まれるほど強くなるから『虐』の文字は入れたい。四字熟語・・・被虐体質? いや、ダメだな。パッションリップと被る。自虐史観・・・くらいしか思いつかん。うーーーん。よし、決めた!
「能力作成。
追い込まれるほど頑丈になる過負荷。%は・・・0!? まあ、今は置いておこう。うん。
少しして――ドカン、と一際大きな音が鳴った後、けたたましい数のスケルトンが流れ込んできた。
・・・身体が硬い。さっきは落ち着いてたのに。
ふう、と息を吐いて
それにしても敵多すぎじゃねえか!? さっき見たときより2倍くらいに増えてるんだけど。いや、死ななきゃ、どうとでもなる!! 当たって砕けても死なないから問題は無い! むしろ強くなる!!
勢いよく俺が駆けると同時に、シュルシュルとした風切り音と共に矢が飛んでくる。
身体を右に逸らすことで間一髪で避けることができた。どうやら弓持ちが後ろで待機しているらしい。
矢は・・・スケルトンの骨の間をすり抜けてここまで到達したのか? アーチャー適正ありすぎだろ。電光丸で叩いても無理そうだったら
そうして息をついたのも束の間、腹部から背中に熱い塊が突き抜けたような痛みがした。
「...ッ!」
口元から赤い雫が滑り落ちる。
自分の腹部を見ると槍が貫通している。
息ができない。脳の感覚すべてが痛みに焼かれ、思考が止まる。
刺された槍は少しづつ回転し、俺の肉を抉りとる。じわりじわりと刺すような痛みが広がっていく。
口に溜まった血を吐く間もなく、悶える暇もない。腹が裂かれ、貫かれる。ただ、傷が増える度に身体が刃を通さなくなっている。そのせいか突き刺した武器は身体から抜きづらくなっている。
身体は耐えていても、精神はそれを許容できない。あまりの痛みに立つことすらままならない。
―――そして首をめがけて鉈が振り落とされた。
「あ―――」
「ん」
目を開けると、身体は地面に横たわっていた。首が尋常じゃないくらい痛い。
「・・・は?」
――ありえない。俺の目の前には、首が切断された俺らしき肉体があり、その周りには青い石と赤茶色の骨、と血が散乱している。
え。もしかして首切られた!?
胴を動かそうとすると目の前の首なしの身体がムクリと起き上がった。・・・冗談よしてや。そうして俺が居るところまで操作して、俺・・・の首を持ち上げることができた。これ治るか?
首を強引に切断面につけると、あっという間に首が固定された。
足下の石を見るとお馴染みのクラスの絵が描かれている。輝石かな? 見たところ、剣と弓と槍がある。
「・・・勝った、のか?」
能力名は言えなかったけど、機能したらしい。わんちゃん俺の悶える声が名前として登録されたかも。追い詰められすぎて俺の身体がカチコチになってスケルトンが自滅したのか? 相手の知能が低いおかげでなんとかなったな。
俺が過負荷から作ったのは、原作だと
まあ、一番癖のない異常を残せたのはでかい。
過負荷《マイナス》を作ったことで俺の人格が変わるかな?とも思ったけど何も変化はない。いつも通りの俺だ。いいぞ^~コレ~。
素早く、竹刀とドロップした素材を詰めるだけ詰めて、衛宮邸へ向かおう!
電光丸を持って街を駆ける。さっきとは打って変わって化け物の気配もない。だいぶ走ったが衛宮邸らしき建物を見つけることが出来た。
敷地に入ると、ピンクの髪に目隠しをした女性がいた。両手にはチェーンで繋がれた短剣を携えている。
「おやおや。まだ生きている人間がいましたか。ふふ、大丈夫ですよ。――――すぐ楽にしてあげます!」
うっそだろおい。何でメドゥーサが居るんだよ! おかしい。特異点Fはキャスター以外が黒セイバーに倒されて泥に汚染されているはずだ。全身が黒の
目にも留まらぬ速さで突進する彼女。直後、鈍い痛みと共に俺の首は胴体とおさらばした。俺は今、彼女の手で鷲掴みされている、瞬殺じゃねえか。やっぱり英霊には無力かい。
さっきのスケルトンの倍くらい痛いし、首元がスースする。めっちゃ気持ち悪い。吐きそう。
あれ? でもなんか・・・変な感じがする。こう、なんというか、股間のあたりが。なんで?
「まだ、だ」
「生首になっても話すことができるとは、凄い生命力のよ――――ッ 胴が走っている!?」
今の内だ!
「どんな仕掛けかは分かりませんが――遊び甲斐が、ありそうです!!」
メドゥーサは俺を持ったまま、数十メートルはある距離を一瞬で詰める。英霊いかれてるわ。でも土蔵まであと少しだ! 頑張ってくれ! 俺の身体!
「自ら逃げ場のないところに行くとは・・・ ここに何か仕掛けでもあるのですか?」
魔法陣は・・・光ってる? よし!!
まばゆい光に包まれた後、俺の胴とメドゥーサの間に、茶髪のセーラー服の美少女がいた。
って安心院さん!!?
「やあ。召喚に応じ参上した。僕の名前は
安心院なじみ。およそ8兆個の異常性と5兆個の過負荷、合わせて1京余りのスキルを持つ平等な人外。あまりにもチートすぎるめだかボックスのキャラクターだ。勝ったわ。風呂入ってくる!!!
「安心院、なじみ? 聞いたことのない英霊っ、ですね!!」
そう言いながら安心院さんへ投げられる俺(の生首)。びっくりした。心臓に悪すぎる。なんとか安心院さんがキャッチしたから助かった。
俺の首の向きを変え、安心院さんと視線が合う。えぐいくらい可愛いんだが。
「それで、一応聞くけど――僕のマスターはどっちだい? 少年ジャンプ的には身体が裂かれてピンチの君に助太刀するってところだけど」
「そうです! 俺の手の甲を見てください!」
「・・・別に何もないけど?」
「あれ?」
あ。そういえば人によって令呪の場所って違うんだっけか。
「自己紹介の前に質問を一つ。君はどうして胴とおさらばしたんだい? どうしても言えない、と言うのならどうしようもないけれど」
・・・やかましいです。
「まあ・・・色々あって」
「・・・っ随分と! 余裕なのですね!!」
腰を低くして目にも止まらぬ早さで突進するメドゥーサ。あれ、まずい。目隠しとってる。石化してしゃべれない。
「目を見たものを石化する魔眼、か。メドゥーサみたいな能力だね」
突如、俺たちから2、3m程の場所でメドゥーサの動きが止まる。よく見ると腹部から血が出ている。これは、一体?
「刀を精製するスキル、
「なぜ、石化、しない!?」
「おっと、あんまり動かないほうがいいぜ? 君には刀身10mの剣が5本刺さっている。それと僕に魔眼が効かないのは、眼がトリガーになる攻撃を防ぐスキル、
「まだ・・・いけます!」
メドゥーサはもがくが、傷口が広がるだけで脱出はできない。
そして、安心院さんの腕が空を切ったと同時に彼女の首が切り落とされた。亡骸は塵になって消えていく。いつの間にか俺の石化も解かれている。
「・・・君の首は胴にくっつくのかい?」
「少し強く押し込んでもらえれば」
1日に2回も分離するとは。身体持たないぞまじで。過負荷はもうちょっといい働きをすると思ったんだけどなぁ。
「さて。一段落したことだし、情報を整理しようか」
「なるほど。この世界はゲームの世界で、気づいたらここにいた。何故か異常と過負荷と言葉を作るスキルがあって現在に至る。ついでに名前も思い出せない、と。」
なんと、ついさっきまで名前を忘れていた事に気づかなかった。この世界に来てから名前を名乗る必要性がなかったことも理由だけど。何一つ名前に関することは思い出せない。家族の名前も分からん。まあ、名前が思い出せなくても過ごした記憶自体はあるからいいけども。
「そして僕がいた世界は『めだかボックス』という漫画で、僕の推測は正しかった訳だ。まあ、それはこの際置いておくことにしよう」
「ちなみに、君に能力を渡した人物に心当たりはあるのかい?」
「うーん。こういう転生ものって、神様が能力を与えるっていうのが定石なんですが・・・」
異星の神の仕業なのかな? 2部やってないから分からんけど。まあ、だいぶ先だし話すのは後でいいや。
「別に敬語使わなくていいよ。自分の
「分かり・・・分かった」
滅茶苦茶タメ口違和感ある。原作で安心院さんにタメ口で話すキャラが少ないんだよな。俺は悪くない。魔術師たる者、常に余裕を持って優雅たれ、だ。てか俺って魔術回路あるのかな。・・・ないと、召喚できないか。
「スキルを作るスキルっていう点では
この人って
「そういえば安心院・・・さんは、どのクラスなんですか?」
「あー、それはね。―――分からない」
「え。座から必要な情報はインストールされてるんじゃないんですか?」
英霊が自分のクラスを知らないっておかしくね?
「実は僕さ、正式に座に登録されて召喚された訳じゃないんだ」
どゆこと? 違う世界のキャラだから?
「僕は獅子目言彦に倒されたってのは分かるよね?」
「うん」
獅子目言彦、不可逆のデストロイヤー。めだかボックスのラスボスであり、彼が世界に与えたダメージはスキルだろうと自然だろうと決して回復しない。つまり本人が倒されない限り言彦に破壊されたものは二度と治らず殺されたものは永遠に生き返らない。一京以上のスキルを持つ安心院さんを瞬殺した化け物だ。
「彼に倒された後、よく分からない空間に放り込まれたんだ。プカプカ浮かんでたら、『世界を渡るスキル』が発現してね。それでここに来た」
安心院さんでも分からない空間ってなに?
「そしてスキルで抑止力とやらを観測してね。そいつのせいで一瞬のうちに僕の1京2858兆0519億6763万3866個のスキルのほとんどが消失。このままだと存在ごと消されるってときに『座』に行ったんだ。英霊として登録出来たら僕は敵なんかじゃないだろう? 平等な人外ってことを証明しようと思ったんだけどね。結局、数秒もしないうちにまともな知識も与えられず、ここに放り込まれた、という訳さ」
・・・すげえな。さすが安心院さんだ。スキルが消されなければ超絶頼もしかったんだけどね。まあ、今でも頼もしいけど。
「今となっては、『世界を渡るスキル』『知りたいことを知るスキル』『望むとき「いつでも」「どこにでも」存在出来るスキル』も使えない。使えるのは、さっき戦闘で使ったスキルと『手のひらより小さい物体を収納するスキル、
ナーフされすぎだろ。てか、召喚陣の光もスキルだったのか?
「じゃあ、英霊ではない?」
「いや、多分英霊なんじゃないかな。スキルがないにしろ全盛期の僕のステータスとはほど遠いけどね。君とのパスも感じる気がする」
「そういえば・・・感じる、かも?」
令呪の場所が分からないから実感がない。目で見える範囲の場所にはない。背中かな? まあ安心院さんがそう言うならちゃんと契約されてるんだろう。全盛期じゃないなら、英霊じゃない気がするけど。
「もしかしたら英霊だけど座には登録されてないのかもしれないね」
「どういうこと?」
「神霊だって、格落ちして英霊として来るんだろう? まあ、僕はこれっぽちも自分は神だなんて思ってないけど。英霊という枠の中に押し込められるも、正式な登録でなく知識も渡されずに僕そのものが来たっていう感じかな。全盛期の僕が召喚されるはずなのにスキルが消えたままなのも僕本体が来たから、的な?」
ん。頭こんがらがってきた。つまり悪いとこ取りってこと? 別に細かいところはどうでもいいけど・・・
「じゃあ、再召喚はできない?」
「その可能性が高いだろうね。そもそも僕の『めだかボックス』の世界とこの世界なんて交わるはずがないんだ。同じ銀河系にあるわけでもないし。文字通り住む世界が違う。平行世界ですらない。ねじれの位置にあるとでも言えばいいのかな」
安心院さんってまじもんの異世界から来たんか。たまげたなぁ。
「ゲームだったらログインボーナスしかり、イベントの達成報酬でガチャ石なるものがもらえるけど
そうじゃん! もしかして難易度ハード?
「僕のクラスはさして重要じゃない。ゲームみたいにクラスごとで受けるダメージが増えたり、与えるダメージが増えるわけじゃない。今は君の話だ」
「俺?」
「そう。君の
・・・一生懸命考えたのに。
「本来、この2つのスキルは人格とセットなんだ。
「確かに。一理ある」
でも原作の主人公は、スキルを与えられても人格は変わらなかったよな? ・・・あのスキルは異常でも過負荷でもないんだっけか。
「君って転生する前はただの
「そうだね」
「なら、
ふぁ!!? 嘘だ!!! 俺は俺だぞ!!
「そうは言っても、心あたりなんて・・・あ」
メドゥーサに首をもがれたときの股間の違和感。それしか思いつかない。って下ネタじゃねえか!!!
「どうしたんだい? 何か思いあたる節があるみたいだけど」
「い、いや~。その。言いづらいというかなんというか」
「まあ、強制はしないけどさ」
これは俺の心の奥底で閉まっておこう。初対面の人にそういうことは言うもんじゃない。
「それと手遅れになる前に
「分かった」
デザートは最後に残そうとしたけどダメみたいだ。早めに気づけたのが不幸中の幸いか。
「それでなんの
うーん。自衛の手段は最低限あるし、作るなら攻撃系の
「自分が受けた斬撃を保存するスキルとかどう?」
「ふーん。で、その心は?」
「安心院さんに残ったスキルはほとんどが剣関係だ。名をつけた竹刀、追い込められるほど頑丈になるスキル『
「まあ、良いんじゃない? たかが人間が宝具を耐えれるのか、ということには目を
よし! 安心院さんのチェックも通過した。あとは名前だけだ。うーーーーん。決めた!
「能力作成『
%は58、と。
「あとは君自身の名前だね。名前がないと色々と不便だし、じっくり考えておくといい」
俺の名前。やっぱり好きなキャラの名前を拝借したいな。そのキャラの様にありたいって言う願掛けも含めて―――
「うん。ちょうど良い時間だね。あれが君が言う主人公達だろう?」
立ち止まって目を凝らすと走ってくる人達がいた。先頭は、明るい赤色の髪の・・・って女主人公かよ! いや、まあ。ダメだって訳じゃないけど。嬉しいようで嬉しくないというか。ゲームだと言及されるわけ無いけど、女だから動けない日とかある訳じゃん。運動能力にも差が出そうだし。まあ、俺が言えたもんじゃないけど。
てか、話す前から何考えてんだ俺は。ちょっと頭冷やそう。
もう主人公達はキャスニキを仲間にしているみたいだ。だいぶギリギリだったな。少し喋りすぎたかも。
「せ、先輩! 危険です! まだ敵か味方かも分かっていません!! この聖杯戦争に参加したマスターの方はもういないはずです!」
「それはそうだけど。やっぱり居たんだよ、生き残ったマスター候補が! ドクター達は見落としてたんじゃない!? だって、こんな長い剣を持ったセーラー美少女なんて英霊以外ありえなくない!?」
彼女たちの後ろを見ると苦虫を噛みつぶしたような顔をしている所長とキャスニキが追いかけてきている。皆、美人すぎやしませんかね。てか立香く・・・ちゃんはかなり感情を持っている様子。女の方のシナリオやったことないけどこんなものなのかな?
そして
段々距離が狭まってきたところでフォウが彼女の肩から飛び降りてきた。あ、あれ!?ちょっ、まずい! 間に合わな―――
「フォウフォウフォーーーーーウ! シスベシフォーウ!!」
「がっ――は」
呆けている俺の股間に確かに伝わる鈍い痛み。あか、ん。首切られるよりも痛い。身体に、力が、入ら――