メスガキ専用の詠唱魔法が強すぎる 作:さかな
「お腹空いたー」
《お金も無いですし、参りましたね》
森を出て街に辿り着き、数日。疲れちゃったから休もうと思ってゆっくりしていたら何故かお金が底をつきそうになっていた。
《やっぱり初日に食べ過ぎですよ。何であんな食べるんですか?》
「だって疲れたし、お腹空いて空いてたんだもん。しょうがないじゃん」
《しょうがないですね。可愛いから許します》
「どうしよう妖精さん。何か方法は無い?」
《そうですね……ギルドに行ってみるのはどうでしょう?受付嬢が貴方に出来そうな依頼を紹介してくれて解決すれば報酬が貰えますよ》
「魔物を倒してお金を貰うか、今の私でも出来るかな?取り敢えずやってみよう!」
妖精さんに道を教えて貰いながら、ギルドまで進む。まぁ、メスガキの力があればきっと大丈夫だよね!オークにだって勝てたんだし。
ギルドに入ると、何と言うか変な匂いが充満していた。よく分からないけれど……。
《漢臭いですね》
「妖精さん……」
私が言葉に出来なかったモヤモヤを妖精さんが言葉にしてくれた。でもね。
「確かに臭いけどあんまり言っちゃ駄目だよ。私だってそんなに綺麗な訳じゃないし」
《うーん。それはそうなんですけど……》
妖精さんは何かブツブツ言ってる様だけど、気にしないで取り敢えず受付へ向かう。その道中に沢山の男の人がお酒を飲んだり、話したりしている。酒場みたいな感じかな?私の村にもあったなぁ。お父さんがたまにお酒飲んで帰って来ては幸せそうに寝てたっけ。お酒って美味しいのかな。
……パパや師匠は何やってるかな、突然出て行っちゃったけどきっと心配してるよね。強くなったら一回家に帰ろう。
「す、すみません、クエストを受けたいんですけど」
村の人以外の初めての人に話すのはかなり緊張する。宿屋のおばちゃんはまだ村の人に似ていてまだ大丈夫だったけど。受付の女の人は凄い綺麗でなんか良い匂いがする。
『え、貴方が!?』
驚いた様子で声が響いた。なんか、凄い見られてる様な気がするけど気のせいだよね。そう思っていると、さっきお酒を飲んでいた人の一人がこっちに近づいて来た。
「おいおい、こんな豆粒みたいな嬢ちゃんがクエストを受けるのかぁ?悪い事はぁ言わねえ。今すぐ帰った方が良いぜ?すぐに死んじまうからよ!」
すると周りの人達が全員楽しそうに笑いだした。
何が面白いのか分からない私はボーッとしていた。死ぬ事の何が面白いんだろう。あんなに怖くて恐ろしくて辛いのに。今までやった事が無駄だと思える程なのに。
その様子を見ておじさんは私に帰る様促す。それを見て、大声で皆が帰れとコールし始めた。
《ごめんなさい。私が……》
妖精さんは悪く無いよ。悪いのは、私だよ。すぐ怒っちゃう私が悪いんだよ。
「そう言う事だ。早く帰ってガキ同士遊んでろ」
「くさい」
「あ?」
掴まれて、お酒の匂いと男性の匂いが混ざり合った何とも言えない匂いが私を襲い、思わず声が漏れた。
「ご、ごめんなさい」
《メスガキちゃん、貴女は優しすぎます。誰にも優しくて、人に気を遣って良い子過ぎるんです。幼い頃から両親の期待を背負い、師匠に勝つ為、真面目に鍛錬を積んだ。そんなに真面目で優しすぎると疲れちゃいますよ?ほら、力を抜いて身を任せましょう。何も考えず、思った通りに言えば良いんですよ》
「あの、お酒くさいです。それから、私はそんな簡単に死にません。オークにだって勝ちましたし」
「はっ。おいお前ら聞いたか?この嬢ちゃんがオークに勝ったってよ!!そりゃあ、個々のクエストなんて楽勝だろうよ。だが、確かに嬢ちゃんは鍛えてるとは思うがオークを倒せる実力があるとは思えねえ。どうだ?」
おじさんが腕捲りをするとそこからは鍛えられた筋肉が顔を出した。凄い。
「俺はここでギルドマスターをやってる。俺を倒す、いやダメージを与える事が出来たら嬢ちゃんにクエストを受けても良い。だが、それが出来なかったら帰れ。良いな?」
「分かりました」
店の裏で沢山のギャラリーが見守る中、私とギルドマスターによる戦いが行われる事になった。
感想が来て初めてこの小説の存在を思い出しました。