茶会の付き人~転生トリニティ生によるブルアカ生活、何かオレたちの知ってるのと色々違わなぁい?~   作:新米ユーリ/神座/DMP

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思いついてしまったんだ。反省も後悔もしている。
でも書いていて楽しかった!


11/7 少々修正しました


プロローグ・いつかの未来
茶会の席にて


 トリニティ総合学園。

 それはかつて複数の学園が統合され形となった、キヴォトス三大校に名を上げる一大勢力である。

 その政治体制はいくつもの派閥代表者によるポスト制であり、生徒会組織であるティーパーティーの生徒たちには常に政治的な色が行動について回って来る。己が属する派閥が有利となるための腹の探り合いなど、もはや魔窟とすら形容される有様だ。

 その在り方に疲弊した者も現れるのは自明の理である。

 

 そんなとある日、政治にある程度の距離で関わっている生徒たちは戦々恐々としていた。

 フィリウス、サンクトゥス、パテルといった三大派閥。

 普段は政治には不干渉を貫いていたシスターフッドやヨハネ──もとい救護騎士団。

 挙句の果てには生徒会の下部組織である正義実現委員会ですら。

 より正確に言うのならば、代表とその側付きとして同行した者以外というべきだろう。

 それぞれが日々の業務をこなす傍らで、全員が頭の片隅で一つの不安が浮かんでいた。

 

『今日の話し合い、ちゃんと固まるのか?』

 

 

 


 

 

 

 ティーパーティーのテラス。

 そこは普段ティーパーティーのホストを務める各派閥の代表とその許可を得た者にしか入ることが許されないある種の聖域である。

 平時ならばその場にいるのは三人、多くても六人程度で収まる。

 だが、この日は違った。

 フィリウス首長・桐藤ナギサ。

 サンクトゥス首長・百合園セイア。

 パテル首長・聖園ミカ。

 ヨハネ首長兼救護騎士団”団長”・蒼森ミネ

 シスターフッド”リーダー”・歌住サクラコ。

 正義実現委員会”委員長”・剣先ツルギ。

 その場には六人の代表とその側付きという大所帯がテーブルで向き合っていた。

 

(((き、気まずい……)))

 

 だがその場にいる面々は全員が仲が良いとはいえる関係ではなく、空気はそれなりに重い状態になっていた。

 

「ねぇ、大事な話って聞いたんだけど。まだなの?」

 

 そんな空気に耐え切れず、ミカが沈黙を破った。

 各々が顔を見やる。それを私に聞かないで欲しいと。

 

「こればかりはどうしようもありませんよ、ミカさん。私たち全員を呼んだ当人が遅刻しているのですから」

 

 幼馴染の気まずさが篭った疑問に、ナギサは頭が痛いと言いたげな面持ちで答える。

 だが他の面々も二人と感じていることは同じだった。

 ミカが感じている気まずさはナギサだけでなく、今この場にいる全員が感じていた。

 このテラスにいる全員は一人の少女から招集を受けて集まったのだ。

 しかし、その当人が大遅刻をかましている。恰好がつかないというレベルではない。

 

「まったく、彼女は何をしているんだ。……ん?」

 

 あまりにも酷い状態に、セイアも思わずため息を吐いた。

 そんな時、テラスと中を繋ぐ唯一の扉が音を立てた。

 

「やっと来た!」

「そうみたいですね」

「やれやれ、どこで油を売っていたのやら」

 

 待ち人がやってきたことを察した面々はその視線を扉へと向ける。

 扉はその巨体を左右へ広げ、訪問者を招き入れていた。

 

「やあ、皆。色々とごめんよ。ちょっと色々あってね。そしたら遅れちゃった」

 

 そうして現れたのは一人の生徒だった。

 

「それじゃあ、改めて」

 

 黒の長髪をなびかせながら、もはや面影すら残っていない改造制服に身を包んだ麗人。

 トリニティの雰囲気とはズレる茶色のポンチョを纏っている姿は、本人の雰囲気がゴリ押して様になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう、十刃(エスパーダ)のみんな。敵襲だ、まずは紅茶でも淹れようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このタイミングで変にボケるな!」

「オワアァッ!?」

 

 その言葉が始まりの合図だったのだろう。雰囲気も合わさり様になっていた。

 だが彼女は人を集めておきながら十五分も遅刻をしている。

 当然ながら、組織のトップに立つ者を集めておきながら大遅刻をすることは恥ずべきことである。

 もっとも、それが公的な立場が関係ない私人の時であろうと、喜ばれることではない。

 ナギサに雷を落され、ティーカップとソーサーを顔面にぶつけられようと、それによって思いっきり転倒をしようとそれは自業自得である。

 

「ハオさん、とっとと本題を話してください。私たちという組織の長を集めたんです。どうせロクなことじゃないんでしょ?」

「ってー。カップとソーサー投げる淑女がいるかよ……。まあ、何となく察するよな。ナギたちなら」

 

 痛む顔面を押さえながら、彼女──焔羽ハオは立ち上がると全員の視線が集まるように上座の席についた。

 

「それじゃあ皆、これから良からぬことを始めようか♪」

 

 ハオは無邪気に、そして悪そうに笑う。

 トリニティの歴史なぞ知らぬと言わんばかりに、己の願いを、とんでもない我がままを押し通す為に。

 




もとからプロットなんてない見切り発車ではあったけど、改めて計画も何もないな……
この十刃風のやり取りがやりたくてやった。楽しかった!
ちゃんとこれは後々の本編で大切になるんでどうかお許しを!
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