茶会の付き人~転生トリニティ生によるブルアカ生活、何かオレたちの知ってるのと色々違わなぁい?~ 作:新米ユーリ/神座/DMP
アイドルイベント面白れぇ……しかもナギちゃん昔はワンパク疑惑浮上してきた。
ワンパクお嬢様っていいよね
私──聖園ミカとハーちゃんの出会いは、幼い頃にあったお茶会だった。
大きい家に生まれたら、そういう社交の場へ参加することは当たり前のこと。
でもそういう場所は総じてそこまで楽しいと言える場所じゃない。
特に周りが話している内容に自分が上手く噛み合わないと、かなり辛いことになる。
あの頃の私は今よりは大人しかった……というよりも、周りの人たちが怖かった。人見知りっていうのかな。
家ぐるみで仲が良かったナギちゃんやミキちゃんにべったりだったんだ。
「な、ナギちゃん、ミキちゃん……」
でもある日、私はナギちゃんとはぐれちゃって、挙句の果てにはお茶会をしてるお屋敷で迷っちゃったんだよね。
知らない場所で一人っきり、今の私ならなんてことはないけど、小さかった頃の私からしてみたら怖いどころじゃない。
「ひっぐ、えっぐ…………ど、どこぉ?」
お屋敷の廊下を泣きながら歩いていても、メイドさんにすら会えなかった。
寂しくて心細くて、怖さは増していって、少し泣き出してた。
そんな時だった。
「きゃっ!」
「どわっ!」
私は廊下の曲がり角から飛び出してくる人に気づかなくて、人と勢いよくぶつかった。
相手の方が走ってきてたこともあって、私は倒れちゃった。
でもそれは相手も同じで勢いよく尻もちをついてた。
「いってー。あっ、わりぃ……前見てなかった」
ぶつかってきたのは綺麗な黒髪をした子だった。
その子がハーちゃん。その時ハーちゃんは私たちとは違って、着ていたのはドレスじゃなくて着物だったの。
ハーちゃんは私の姿を見ると気まずそうにしていた。
ぶつかったこともあるけど、私が泣いてたのに驚いたんだと思う。
「お、おい……お前、大丈夫か? そんなに痛かったのか!?」
だからかすごくアワアワしてたんだ。
でも私は痛くて泣いてたわけじゃない。一人で寂しくて怖かったところで人に会えたから、安心して更に泣いちゃってたんだ。
「ねぇ、ここどこ?」
私は泣きながらハーちゃんに私たちがどこにいるのかを聞いた。
その子は私の言った事に首を傾げたけど、すぐにハッとした顔をした。
「お前、まさか迷子か?」
その言葉に私はコクリと頷いた。ハーちゃんは困った顔をしたけど、私の手を握って案内をしてくれた。
「お前、一人か? 誰か一緒にいたか?」
「ナギちゃん……友達と、一緒にいた」
「一人じゃねぇかぁ…………仕方ねぇか、そいつも探してやるよ」
「本当!」
「ああ、嘘なんてつかねぇよ」
そう言ってくれて、私は心強かったの。あの時はすごく怖かったから。
でもその時のハーちゃんってばすごくうんざりした顔をしてたんだよね。
今思うと、あの時の私が結構うるさかったからかな。
それでお茶会の会場になってた部屋に私とハーちゃんは着いて、そこではぐれちゃったナギちゃん達とも再会できたんだよね。
その時のナギちゃんってば、私が言うのもあれだけど凄くオロオロしてたの。それで私の姿を見ると少し涙ぐんで抱き着いてきたんだよね。ちょっと前まで私が泣いてたのに、そしたら今度は私が泣き止ませる側になっちゃった。
「ねえ! 名前! 名前教えて! 私はミカ、聖園ミカ!」
「……ハオ、焔羽ハオ」
私がナギちゃんを泣き止ませようとしてる間にハーちゃんは一人でお茶会を抜け出そうとしていた。
それを止める形で、私はハーちゃんに名前を聞いたの。
これが私とハーちゃんの出会い。
それから私の人生はより面白くなっていったんだ。
因みにだけど、私とぶつかった時もお茶会がつまらなくて抜け出そうとしてたんだよね。
ハーちゃんは昔から自由な子だった。
もしかしたら今の私にちょっとは影響があるのかも。
「あれ何? ぬいぐるみ?」
「それにしては大きすぎないかしら? 猫よね?」
「ああ、知っていますわ。確かモモフレンズというマスコットシリーズの一つだったはず」
(目立ってるよね……)
病室へ向かう道すがら、色々な人が私の方を見てくる。
多分私が抱えてる荷物のせいなんだろうけど。
(ハーちゃんも変なお願いしないでよ……寝付けないから持ってきて、ってもう……)
私が抱えてるのはモモフレンズのウェーブキャットのぬいぐるみ。
それも普通のサイズじゃなくて、それなりに大きいもの。普段ハーちゃんが抱き枕にしてるやつだ。
(それにしても、まさかこんなことになるなんてねー)
剣先ツルギとの決闘騒動から二日が過ぎて、ハーちゃんは病院に送られた。
あれで自爆戦法を取ったハーちゃんは二週間の入院をすることになって、片手片足にギプスを嵌めることになっちゃったんだよね。
正直、ちょっと私たちもはしゃぎ過ぎたかも……。
そもそも、何でああいう決闘騒動が起きたかと言うと、どうやら前にハーちゃんと剣先ツルギが会っていたことが切っ掛けみたい。
その時にハーちゃんが不良相手に大暴れして、そいつらを伸した後にそれを見ていた剣先ツルギとちょっと話したらしい。
問題はその後、その時に剣先ツルギが正実メンバーにハーちゃんのことを話して、それが先輩に伝わった。
そしたらその先輩がそれを面白がって、正実の皆を焚き付けた。
その結果があの決闘騒動。
結果は一応引き分けってことになったけど、相手の剣先ツルギはちょっと休んだらピンピンしてた。
あの子の回復力はなんなの? ギャグマンガの住民なの?
そんなことを考えながら廊下を進む。
「207号室、ここだよね」
そして部屋の前について、取っ手を掴もうとした時だった。
『ちょっ、やめ──! ぬげ──!?』
『だったら…………だ、さい!』
『だ──るな!』
「ん?」
中が何やら騒がしかった。いや、騒がしいのは別にいいんだけど。ハーちゃんの部屋、大部屋だから。
だけど、何か言い合ってるだけじゃないっぽい。
『あっ! ちょっ!』
―ギシッ! ガシャン!
「ちょ、何事!?」
明らかに病室で何か起きてる音がした。慌てて私は引戸を乱暴に開け放つ。
「み、ミカ……」
「あうぅ……」
そこには──女の子をベッドに押し倒して、四つん這いになってるハーちゃんがいた。
しかも二人とも何故か息が上がっていて、ハーちゃんが着てる病衣も、押し倒してる子の制服も何故かはだけてた。
「なにしてるの!?」
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