話は変わりますがドレスサオリもシュポちゃん2人も無事確保できました。俺の娘達だ!!!!!!!!!!どけ!!!!!!!!!!絶対嫁には出さんからな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
サオリさんの看病をすることになった十六夜ノノミです♪現在私はアビドス自治区都市部の病院に来ています。3日前、旧オアシス前繁華街の砂嵐から救助して以降、サオリさんは目を覚ましていません。お医者様によると低体温症、異物の誤飲と嘔吐を繰り返したことによる衰弱の2つが原因で身体が弱って目覚めないのだそうです。
「皮膚の凍傷もそうだけどぉ〜、それよりも内臓が冷やされてて危なかったねぇ〜、まるで内臓に氷を詰め込んで冷やしたみたいだったよぉ〜」
「そう言えばセリカちゃんが、サオリさんはかき氷やドーナッツアイスだと思って砂を食べていたと言っていました……」
「嵐の中に幻覚でも見たのかなぁ〜?確かに胃の中に砂がいっぱい入ってたけどぉ〜、それで体温が奪われるなんて非科学的だねぇ〜。あぁ〜、胃洗浄もしたからぁ〜、砂はもう大丈夫だよぉ〜」
獣人(ナイルワニ)のおじいちゃんドクターは朗らかに笑いながら、だけどサオリさんの病状に首を傾げながらそう答えてくれました。確かに何も知らなければそう思うのも無理はありません。でも実際に彼女はそこに居る。枯れ果てたオアシスと砂に埋もれた旧オアシス前繁華街のかつてを愛し、そこで過去の夢を見続けている……私達の先輩が、何故かサオリさんを狙っている。
「砂漠は昼と夜とで寒暖差が激しいからねぇ〜、でも陽を隠す程の砂嵐とは言ってもぉ〜、そんなすぐに低体温症になるかなぁ〜……?まるで急速冷凍みたいだよぉ〜」
「……ドクターさん。サオリさんは、すぐに起きてくれるでしょうか?」
「あぁ〜、そうだねぇ〜……体力の消耗が激しいしぃ〜、何でだか体温も低いままだけどぉ〜、逆に言えばその2つが回復したら自ずと目覚めると思うよぉ〜、今はゆっくり休ませてあげようかぁ〜」
「そうですか……はい!じゃあサオリさんが目覚めるまで、い〜っぱいお世話しないとですね♪」
「その意気だよぉ〜、色々頼むと思うけどよろしくねぇ〜」
「はい〜、お任せください〜♪」
サオリさんの入院費はアビドスのお金で出しています(私が出そうとしたのですが、ホシノ先輩に止められちゃいました)。サオリさんのためですから誰も反対なんてしませんでしたが、アビドスにとって大きな出費であることは確か。それを少しでも抑えるために、私が看護師さん達の代わりにサオリさんの身の回りのお世話をすることになったのです。許可してくれたドクターさんや看護師の皆さんには頭が上がりません。何ならついでに色々お手伝いをしたらお給金……いえ、割引を増してくれるとか。気前がいいですね♪張り切って行きましょう⭐︎
ええと……注意事項として『患者さんには明るく元気に接すること』だそうです。
「看病してる人が元気だと患者さんも元気になるんだぁ〜。病は気からって言うしぃ〜、気は伝染するものだからねぇ〜」
「なるほど……分かりました!それなら大得意です⭐︎」
とびっきりのスマイルをして見せると、ドクターさんも笑顔になって褒めてくれました♪
「いいよぉ〜、患者さんもきっと元気を貰えるよぉ〜」
(無線機の呼び出し音)
それが聞こえた瞬間、ドクターさんが白衣に取り付けている無線機を掴みました。それはほんわか雰囲気からは想像もできない素早さで、つぶらな瞳と柔らかな表情も一瞬で引き締まりました。
(医療従事者の眉間に皺が寄る音)
「はいぃ〜、こちらドクタぁ〜」
(あ、喋り方は変わらないんですね……)
「こちら看護師長!急患です!3分後に到着します!」
「了解ぃ〜。ごめんねぇ〜、アビドスの生徒ちゃんねぇ〜。後のことは任せるけどぉ〜、何か分からないことがあったら気軽に聞いてねぇ〜」
「ありがとうございます!頑張ってくださいね、ドクターさん☆」
「頑張るよぉ〜、じゃあねぇ〜」
そう言って朗らかな笑顔を浮かべ、しかしすぐにキリッとした表情に戻してドクターさんはその場を後にしました。これが患者さんに見せる明るく元気な姿と、仕事中の真剣な姿でしょうか……?ギャップが凄まじくてびっくりですが、かっこいいですね♪私も気合いを入れ直します。
「よ〜し、私も頑張らないとですね!……いってくるので、ゆっくりお休みしててくださいね。サオリさん」
能面のような無表情で、酷く青ざめた顔で眠るサオリさんの頬を撫でて、私も病室を後にしました。
「________それでぇ〜、患者さんの容態はぁ〜?」
「それが……集団で砂を食べて窒息したとのことで……」
「砂を食べたぁ〜?なんでぇ……って待ってぇ〜、集団でぇ〜?」
「はい。住宅地の人達が急に路上の砂を食べ始めて救急搬送されてます。その内の1名をこの病院で診てほしいそうです」
「えぇ〜……まあ何だかよく分からないけど分かったよぉ〜。とりあえずモドシユリ錠と胃洗浄の用意をぉ〜」
「はい、ドクター!」
「あと砂のサンプルが欲しいなぁ〜。生徒ちゃんが連れて来た患者さんのこともあるしぃ〜、この砂おかしいのかもぉ〜」
「採取キット、用意しておきますね」
「看護師長さんありがとねぇ〜。それじゃあ診ようかぁ〜」
(お手伝い3日目)
今日の天気は雲1つない晴れ。カラッとした陽射しはお洗濯に最適ですが、ここはアビドス自治区。毎日風に乗って砂が降り注ぐので外干しはオススメできません。
と言うわけで洗ったシーツを乾燥機に入れる作業を手伝っている十六夜ノノミです♪病院のリネン室はすごいですね……!大型の洗濯機と乾燥機がいっぱい並んでいます、コインランドリーみたいです!
(洗濯機のブザー音)
「生徒ちゃん、お願い!」
「はい〜、よいしょ♪」
フフフ、実は私……こう見えて結構力持ちなんです♪水を吸って重くなったシーツもひょいっと取り出し運べます。リネンスタッフの皆さんが乾燥機を空にしてくださっているので、そこにシーツを入れてスイッチオン♪
(複数の乾燥機の稼働音)
「ありがとうね〜生徒ちゃん、手伝ってくれて助かるわ!」
「もう私達もおばさんだからねぇ、シーツの詰め替えで腰が痛くなっちゃうのよね〜」
「いえ〜、お役に立てて嬉しいです♪」
「ンまぁ〜偉い子ね〜いい子ね〜」
獣人(カバ)のおばちゃんリネンスタッフの皆さんに褒めて貰えて、嬉しくて照れちゃいました⭐︎でもリネンスタッフの皆さんはお喋りしながらでもシーツを手早く畳んでいてすごいですね。私が1枚畳む間に3枚も畳んで、手早くリネン庫に仕舞っています。
「んふふ、これは場数の差かしらねぇ」
「そうそう、いっぱい畳めば早くなるわ。そうだ生徒ちゃん、正式にスタッフにならない?ウチも人手不足でねぇ」
「お誘いありがとうございます♪ですが私はアビドスの生徒として頑張ると決めてるので……」
「あら残念、でもそれなら応援しなきゃね〜」
リネンスタッフの皆さんはちょっとしょんぼりして、でもすぐに優しい眼差しを向けてくれました。それに改めてお礼を言って作業を続けます。
……思えばアビドス復興のために、みんなで色々なアルバイトやボランティアをしてきました。でも何だかんだ言って1番お金を稼げるのって、各地の悪い人達を捕まえてヴァルキューレに売り渡すハンティング⭐︎(シロコちゃん風に言うと「ん、人身売買」)なので、どうしてもそっちに重きを置いてしまうんですよね……。
だからこうやって今アビドスで生活している皆さんのお手伝いをするのは久し振りで、借金返済とは違う……こう、アビドスに直接役立っている様な気がして、それがとても嬉しいです。そうですよね、お金稼ぎだけじゃなくって、住んでる人達のために何かをすることも復興ですから……。
「……はぁ、とは言っても、人手不足は深刻よねぇ」
「みんなよその自治区に行っちゃうものだから、募集しても集まらなくて……」
「この先、大丈夫かしら……?」
世間話に花を咲かせつつ作業を続けていると、不意にそう言った話題に移りました。大きなお口から大きな溜め息を吐いたリネンスタッフの皆さん。十数年前から続く砂漠化と過疎化、皆さんはアビドスで生活を続けていた人だから、崩れる様を目の当たりにし、肌で感じていたのでしょう。将来を憂うのも無理はありません……いえ、それでも……!
「大丈夫です!」
立ち上がって、自分でもびっくりするほど大きな声で言い切ります。リネンスタッフさん達の驚いた様子の視線が向けられ、それに私はとびっきりの笑顔を返しました。
「私達アビドス廃校対策委員会がいますし、ドクターさんや皆さんもいてくれるんですから!みんなで頑張ればこの先きっと、も〜っとよくなります⭐︎」
「生徒ちゃん……そうよね!最近は結構良くなってるものね!」
「ハイランダーの鉄道も走るようになったし、カイザーに吹き飛ばされた場所もすっかり元通りになったし!」
「何より生徒ちゃん達が……いいえ、みんなで頑張っているんだから、きっと大丈夫ね!」
下を向いていたその場の空気と大きなお口が持ち上がり、元気な笑い声が溢れ出します。皆さんの暗い雰囲気が吹き飛んでくれてよかった……私も釣られて笑い、穏やかな時間が乾燥機の音に乗って流れていきました。
……その後、私はお手伝いの間は一生懸命にやること、退院後もまたお手伝いに来ることを約束してお洗濯を終わらせました。今日のお手伝いはこれで終了、残りの時間はサオリさんの看病です。点滴を変えたりなどの医療的なことはできませんので、ベッドメイクや身体を拭いてあげたりなどの介護的なお手伝いをやります。はい、もちろん笑顔は欠かさずにです⭐︎
と言うわけで乾燥機の熱気で温まった身体が冷めないうちに、私はサオリさんの病室へと向かいます。この体温でぎゅ〜っとしてあげたら、サオリさんも元気になるかもと思ったからです。もちろん汗や汚れは綺麗にしておきますよ。フフッ、柔軟剤のいい香りがまとわりついてるので、眠ってるサオリさんも思わず笑顔に…………あら?
「…………ドクターさん?」
サオリさんの病室の前に、白衣を着た細長いお口の人影……ドクターさんが立ち尽くしていました。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎?」
…………?何を、言ってるのでしょうか?ボソボソ声で、その上マスク(ワニ用。物凄く細長くて、つけると口を開けにくくなるらしいです)をしているから、うまく聞き取れません……。
「………………」
あ、こっちに気がついたみたいです。でも一瞥しただけで、向こうの方へ歩いて行っちゃいました。
「何、だったのでしょうか……?」
……何だか不思議過ぎて、不気味過ぎて、一声かけることも追いかけることも出来ませんでした。角を曲がって見えなくなるまでその背中を見送って、白衣から溢れる砂とジャリジャリとした足音に耳をそばだてて…………あっ、
「身体冷めてきちゃいました!」
ご用事は何だったのかは後で聞けばいいですね!今はサオリさんをポカポカにしてあげなくちゃ!
「サオリさ〜ん♪入りますよ〜」
逸る気持ちを抑えてそっと扉を開けます。部屋は個室を貸してもらっていて、サオリさん以外の患者さんはいません。毎日掃除して真っ白ピカピカなお部屋、そこにあるベッドには今もサオリさんが眠って……あら?
(掛け布団を頭から被ってる?もしかして……!)
この3日間看病をして分かったことがあります。サオリさんの寝相、すっごくいいんです。だから眠りながら掛け布団を被ったとは思えません。そこから導き出される答えは…………、
(目が覚めて、でももう少し眠りたくて布団を被ったんでしょう。ふふ、可愛いです♪……本当は眠らせてあげた方がいいんですが、今のぽかぽかノノミは今しか味わえませんから……!)
全力でサオリさんをギュッとしなければ……!決意を新たに、忍び足でベッドに近づきます。息遣いは聞こえてきません。眠っているかのように静かです……いや二度寝の真っ最中なんでしょうけれど、ともかく私は掛け布団の裾を掴みました。
「フフッ…………サオリさん、おはようございま〜……っ!?」
「はあああああああああああああ!!!!!」
(乱射音)
掛け布団を捲った瞬間、私のほっぺにアサルトライフルの銃口が押し付けられました。雄叫びと同時に弾丸が射出され、私は咄嗟に飛び退いて腕でガードしましたが、間に合わずに何発か顔に直撃します。衝撃でよろけて背中を壁にぶつけてしまい、そのままズルズルと座り込みました。
「ケホッケホッ、んぅ……」
口に入った1発を舌で絡め取り、ハンカチに包みます。弾丸と舌先を繋ぎ糸を引く唾を拭き取りながら、サオリさんの様子を伺いました。
「はぁ……はぁ…………」
掛け布団を頭に被ったまま、片膝を立ててベッドに座るサオリさん。顔色はまだ悪く、恐ろしいものと対峙しているかの様な切羽詰まった表情でアサルトライフルを握り締めています。
「あ……クリス……ティーナ?ああ……!!」
しかし撃ち込んだ相手が私だったことに気がついたようで、サオリさんがアサルトライフルを落としました。ああ、歯が欠けなくてよかった。そんなことになったらサオリさん、きっともっと思い詰めてたでしょうから……。
「あはは……サオリさん、私は大丈夫ですよ?」
「だが、顔を撃って……!ああ、すまないクリスティあだっ!?」
「サオリさん!?」
努めて優しく語りかけましたが彼女の動揺を和らげることは出来ず、サオリさんは私に駆け寄ろうとしてベッドから転げ落ちました。が、顔面から床に……鼻血出てないといいのですが……。ともかく私も立ち上がり、そんな彼女を介抱するのでした。
…………あ、結構出てる。
幕間・X(旧Twitter)のハッシュタグ『#いいねされた数だけどうでもいい設定だろうが重要な設定だろうが意味不明な設定だろうが吐く見た者も道連れ』で回答した裏設定を補足を入れつつこちらでも公開.2/2
プレ先世界のサオリの死因はゴミ収集のバイト。
ミカは追いかけることが出来ず、先生は駆け付けることが出来ず、スクワッドは間に合うことが出来なかった。でも世界の終わりを母の胎内で安らかに迎えられたのは最良のアガリだったのかも。
対するこっちの世界のサオリがこれまで稼いだ報酬はブラックマーケットの悪徳銀行にちゃんと保管されている。お金が貯まったらスクワッドのみんなや先生にプレゼントを買ったり、やりたいことができた時のランニングコストにしようと貯金している。
うっかり裏バイトに巻き込まれるけど、サオリは前を向いて生きている。
そしてこっちの世界の先生は、詳細はネタバレ防止のため省きますが無事にその山を地図から消しました。しかし完全に滅ぼせてはいません。それらは今もどこかに潜んでいることでしょう……。