錠前サオリの裏バイト奇譚   作:@Ana

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もうちょっと書き進めたかったのですが、長らく待たせるよりかはぶつ切りで投稿したいと思います。
あとなんちゃってボス攻略データ入力編を地味に追加しました。『Happy End-of-life Assisted Vision Electromagnetic Neural-device』の頭文字を取ってヘヴンです。こう言うの考えるのにGrok君めちゃくちゃ役立ちますね……。


ノノミのお手伝い.2

(サオリの病室)

 

「本当にすまな……うわっ!?」

「は〜い土下座はやめましょうね〜♪まだ体力が戻ってないんですから、休んでなきゃダメですよ?」

ベッドの上で土下座しようとするサオリさん(鼻の穴にティッシュを装備)の脇に手を回して持ち上げた十六夜ノノミです♪驚いてるサオリさんを、そのまま抱き締めちゃいます☆

「ぎゅ〜っ、どうですか?サオリさん」

「むぐぅ……ど、どうとは?」

「ぽかぽかであったまりませんか?今のサオリさんの身体、凄く冷たいですから……」

分厚い掛け布団の中で寝ていたはずなのに、氷のように冷たいサオリさん。実は肌を触った時に肩が跳ね上がりそうになって、でも必死で堪えて抱き締めたのです。その感触もまさに氷を抱き締めているようで、この状態で生きているのが不思議なくらい。

「……暖かい。でも、クリスティーナ。お前の体温を奪って、風邪を引かせるかも知れない。離してくれ……」

ああ……貴女はこんな時でも他の心配をする人なんですね。まだ出会って1週間も経ってなくて、お話しするのも数えられるくらいの回数だけ。でもサオリさんがとても誠実で、優しい人なのはすぐに分かりました。

だから私はその懇願にノーと言う代わりに、ベッドに腰掛けてサオリさんの顔を私の胸に優しく押し付けます。

「大丈夫ですよ、そのくらいで風邪を引く私じゃありませんから♪」

「それなら……私だって、これくらいの体調不良でも、動けるよう訓練を受けている」

「それは凄いですね⭐︎でも、めっですよ?」

不意に顔を上げたサオリさん。酷く狼狽えた、見捨てられた子犬のような表情をしていて……ああ、そんなつもりで言ったわけじゃないんですよ。でもサオリさんはそんなつもりで言ってきた人の棲む場所で育ってきたから……不安になっちゃうんですよね。

「…………私は、何の役にも立てていない。せっかく、先生に紹介してもらって、大将と、覆面水着団……いや、アビドスの娘達に受け入れて貰ったのに。何の……何の役にも立たずに、むしろ迷惑をかけてしまっている……本当に申し訳ない……」

苦しそうに声を絞り出して、どうにか言い切って、そして顔を逸らしたサオリさん。そのまま離れようとしますが、私は離さずに再度抱き締めます。そしてサオリさんの頭をナデナデしてあげました。

「ヨシヨシ、サオリさんはいい子ですね〜……」

「っ……そんなこと、ない。やめてくれ、クリスティーナ、私にそんなことして貰える、権利なんてない…………」

「いいえ、あります。サオリさんはいっぱい頑張ってたんですから♪」

幻覚とは言え、ホテルの窓拭きを真面目に取り組んでいたこと、柴関ラーメンでの仕事っぷりを柴大将が褒めていたこと、セリカちゃんとアヤネちゃんの分も朝ご飯を作ってくれたこと。サオリさんの頑張りを挙げたらキリがありません。

「……何より、アビドスに来てくれたこと。アビドスで頑張ろうと決めてくれたことが、本当に嬉しいんです。なのに……ごめんなさい。こんな危ない目に遭わせて、入院させてしまって」

「そんな……!それは、お前達が謝ることではないだろう……!?」

「サオリさんが謝ることでもありませんよ?」

「っ……!」

「…………誰も悪くないんです。だから、今はゆっくり休んでください。元気になったら、また頑張ればいいんですから♪」

病は気から、サオリさんの暗い気持ちを吹き飛ばせるように、私はめいいっぱいの笑顔を浮かべて見せました。それでもサオリさんの申し訳なさは完全には拭えなかったようで、だけど想いは受け取ってくれたようで、私の腰に手を回してくれました。フフッ、2人で一緒にぎゅーってしましょうね♪

そうしてしばらく抱き締め合っていると、サオリさんのお肌に血色が戻って来ました。まだ体温は低いみたいですが、サオリさんもリラックスできている様子。うんうん、ぽかぽかノノミに効果があって良かったです♪

「……お花とシャボン玉の匂い。香水か?」

「いえ、柔軟剤の匂いです。さっきまで病院のお洗濯の手伝いをしていたので」

「そうか……いい匂い」

サオリさんって『お花』って言い方をするんですね、可愛いです⭐︎自分から顔を埋めてくれたので、いっぱいナデナデしてあげます♪

「よしよし、サオリさん♪」

「フフッ……何だか、姫みたいだな……」

…………………………はい?

「…………姫?」

「ああ。私の大切な仲間……いや、家族。アツコと言う名前の子がいるんだ」

…………ふ〜ん、そのアツコちゃんのことを『姫』って呼んでるんですね♪

「姫はお花が好きなんだ。よく花の手入れをしたり、摘んで冠を作ったりして……だからいつも花の香りをしていた……。あと何か悪いことがあったら、私を抱き締めてくれたんだ」

…………ふ〜ん、アツコちゃんと仲良しさんだったんですね♪

「フフッ……だからクリスティーナにこうして貰って、姫みたいだなって思ったんだ。元気でやっているだろうか…………」

…………ふ〜ん、だからアツコちゃんのことを思い浮かべたんですね♪私の胸の中で。

「……ああ、そんなことより、クリスティーナ。本当に大丈夫か?歯は欠けてないか?さっきの弾丸、口にも入って……ヒィッ!?」

あら……?どうしたんですかサオリさん♪私の顔を見て、そんなに怯えちゃって……⭐︎

「ひ、姫が怒った時みたいな……ええと、すまないクリスティーナ。私は、何かしてしまったか……?やっぱりさっきの銃撃を怒って……」

「そんなことないですよ〜、サオリさん。ほら、もっとぎゅーってしましょうね⭐︎」

「あ、いや、もう大丈夫だ……」

「ぎゅーっ!」

「クリスティーナ?おい……力強いな!?」

「ぎゅーっ!!」

「その、すまない……!よく分からないがすまない……!!だからもうやめ……」

「ぎゅーっ!!!!」

私の体温がサオリさんに届くように念入りに……そう念入りに!いっぱいぎゅーっとしてあげました♪

……ともかく、サオリさんが無事に目覚めて良かったです♪モモトークでみんなにも報告すると、すぐに喜びの返信が来ました。サオリさんにも見せてあげると嬉しそうに顔を綻ばせてくれて……とても可愛かったのでその顔を撮影してモモトークに送ります。

「む、感心しないな」

「ごめんなさい、でもセリカちゃん達もサオリさんの元気な姿がみたいでしょうから♪」

「全く……そう言えば、セリカは無事か?」

「はい。先に退院して、柴関ラーメンのバイトに戻ってますよ」

「よかった……柴大将にも謝らないとだな。ホシノ達にも、助けてくれたことの礼を言わないと」

「お見舞いに来てくれるように言っておきますね♪シロコちゃんとホシノ先輩はお金稼ぎのためにハンティングに言ってるので、2日くらい来れないのですが……」

「ハンティング……そうか」

(砂漠だらけの自治区だと聞いていたが、狩猟ができる場所もあるんだな。何を狩るのだろう……ラクダだろうか?)

(前にカタカタヘルメット団がいたところにフタコブヘルメット団が棲み着いたんですよね……。でも賞金首がいっぱいいるヘルメット団ですから、いい稼ぎになるはずです♪)

ちなみにアヤネちゃんは雨雲号の改良をしています。旧オアシス前繁華街で発生した砂嵐、今も吹き荒れるそれに突入しても大丈夫なようにアップデートするそうです!シロコちゃんとホシノ先輩のハンティングも、そのための緊急資金調達ミッションなんです。

「皆がそれぞれのやるべきことをしているのに、私は……」

「サオリさん、今のサオリさんがやるべきことはしっかり休むことですよ?」

「それはそうだが……こう、何か手伝えることはないか?」

もう、ちょっとワーカホリック気味ですね……。でも気持ちは分かります。何か入院中でもできる作業があったら、頼んでしまった方がサオリさんの精神的にもいいかも知れませんね。今は何も思いつきませんが……。

「…………あ、そう言えば、どうしてサオリさんはお布団の中に隠れていたんですか?銃まで持って……」

1番気になることを聞かなくては。起きたばかりのサオリさんに何があったのか……私はサオリさんから身体を離し、アサルトライフルを受け取って病室のガンラックに立てかけます。改めてベッドに横になり、半身を持ち上げた状態になったサオリさん。真っ直ぐと私に向けていた視線を後ろに……病室の扉へと向けました。

「ノックの音で目が覚めたんだ。……それもただのノックじゃない。扉を殴っているかのような重いものが、何度もだ」

「ノックの音……?そんなに大きな音だったなら、私や他のスタッフが気づくはずなのですが……」

「聞こえなかったのか?……そう言えばノックの音以外にも、声が聞こえたんだ」

「声……ですか?」

 

『ねえバイトさん。どうして私達は殺されなきゃいけなかったのですか?』

 

「ああ。間違いなく……支配人の声だ」

「っ!この病院に来ている……!?」

「多分。だから不意打ちで制圧してやろうと思って、敷き布団に隠れて待ち伏せしていたんだ。だけど……」

「あはは……気にしないでください、サオリさん」

幽霊相手に置きエイムフルオート……さすがサオリさん、勇ましいです♪

「…………それで、心当たりはないか?」

「ありませ……いや、待ってください」

不意に私は病室に入る前に見たことを……扉の前で立ち尽くしていたドクターさんのことを思い出しました。扉をじっと見つめて何かを呟いていて、でもノックはしていなかったと思います。結局何もせずにどこかに行ったように見えたドクターさん。何か知っているんじゃないでしょうか……?

「私を治療してくれたドクターが……そうか。クリスティーナ」

「はい、ドクターさんに話を聞いてみますね。サオリさんを1人にするのは怖いですけど……」

安全なはずの病院に脅威が侵入してしまった。私のいない間に狙われたらと思うと……。サオリさんも不安そうにしていましたが、私も目が合うと努めて笑顔を作って、余裕そうにして見せました。

「問題ない。負傷中でも戦えるよう鍛えているからな」

「もう、無理はしないでくださいね?」

私が病室を離れている間に何かあったら大声を出すか、ナースコールを押して助けを呼ぶようにと強めに言い含めておきます。……何だかサオリさんならそれでも無茶をやりそうですね、シロコちゃんやホシノ先輩と同じ雰囲気を感じます。やんちゃな匂いです。

「約束ですよ?無理しちゃダメですからね?」

「分かった、分かってる…………クリスティーナ」

「はい、何でしょう?」

「……色々ありがとう。入院中はよろしく頼む」

「……フフッ、はい。お任せください♪」

サオリさんにウインクをプレゼントして、私は病室を後にしました。ドクターさん、どこにいらっしゃるのでしょうか……?とりあえず、床の砂を辿ってみましょう♪




幕間・サオリのバイト百景(100個あるとは言っていない)

17.ミレニアムの高層ビル

立ち寄った時のバイト:セミナー案件・兎狩り
説明:ミレニアム自治区の都市部にある高層ビル。元は高級ホテルだったが裏社会との繋がりが発覚したことで摘発され、現在は誰も使っていない。中にはホテルで使われていた家具などが残ったままだ。

コメント:ユウカ曰く、「建物としては全然使えるから再利用するつもり。ただ中身の撤去作業や権利関係を整えるのに時間がかかる」とのこと。次にミレニアムに来た時にはどんな風に生まれ変わっているのか楽しみだ。

追記:一等地のビルだし、私のポケットマネーで転がすのも悪くないかしら?
ー早瀬ユウカ

追記:そうか……いや待て。ポケットマネー?ビルを?ユウカの資産で?買い取るってことか?は…………?お、お金持ちなのか……?
ー錠前サオリ
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