フロストパンク世界にTS転生して落とされる話 作:キサラギ職員
断熱は余り気を使わないできたニュータウンは耐えられるかどうか
このクレーターにやってきて、一か月以上経っていた。
原作だと中盤から終盤辺りなんだけど現実世界なのでそんなことも無く普通に序盤みたいな難易度の毎日だけど。
「スープメシは、解除する!」
『おお!』
俺はジェネレーター前の会場で椅子に腰かけていた。
俺が言うとどっと人々が沸いた。討論会というか、公開の意見陳情会的なものを開いてみることにしたのだ。ここで政策発表をしようというのだ。
「ようやく温室の投資の効果が出て来た。初めての青物野菜の出荷が既に始まっている。食事で言うと、スープメシじゃなくて、豆と肉と野菜のシチューにできると思う。イノシシの飼育も始めてるんだ。出荷は先だけど安定的にとれるようになる」
人々が沸く。そりゃね、俺だってスープメシ食ってきたけど腹は膨れるけどおいしくないからね。
やっと、カブとか豆類の栽培の結果が出て来た。早いやつはもう出荷が始まっている。イモ類はまだだ。また、同じ室内でイノシシの飼育も始めている。残飯類、野菜の枯れたやつなんかを食わせている。
「それから前々のプロジェクトで、ベリーの酒を造り始めてるんだけど――――」
というか俺の能力初めて見たらしい人驚き過ぎじゃないか? そりゃ歩くだけで雪がどんどん溶けていくのは不気味かもしれないが。なんかすごく最近拝まれるようになって不安な日々である。
やることが盛りだくさんだ。あれもこれもある。仕事仕事の毎日である。
「風呂??」
「ああ、風呂だよ」
もう慣れたけどこの世界の住民……それはもう、臭い。いや言っちゃ悪いけどさ、風呂入ってる場合じゃないから汗拭う程度で体洗わないのよな。体を清潔にしておくことは悪いことじゃないし、というか俺が入りたい。
「お湯浴びも長くやってないよなぁ……」
「どれどれ」
試しにエイダンを嗅いでみる。ああ、すごく……。
「………」
「………嗅ぎすぎじゃないか?」
すごく良い匂いがする……なんだろう安心するなぁじゃなくて。
とにかくすごく臭いがする、というわけでもない。というのも彼はこの氷点下でも水浴びして、体を頻繁に拭くからだ。狩人のたしなみらしい。臭いがすると獲物にバレるからだろう。
俺は顔を離した。
「まあ、その、優先度は低いけどいい加減俺たちの街も娯楽があってもいいと思うんだよなぁ。風呂とかさ。酒とか飲んでない人は我慢の限界来てもおかしくないし……」
「そういえばベリーの酒が届いてたぞ。試作品だそうだが」
と言って、木の小さいタルを渡してくる。現状ガラス製品は貴重だ。ガラスの材料になる砂がちょっと遠くに行かないとないものだから、ガラス製品と言えば眼鏡くらいなものだ。
「たまには一杯、やってもいいんじゃないか」
「あはははは! もっと飲めって!」
「飲ませるんじゃなかった……」
ああーぐらんぐらんするー。
ベリーのお酒おいしいなぁ。
「あっち! 脱ぐわ! 能力サイコー! 寒くない!」
「バカ! 脱ぐな!」
「おっぱいすきなんひゃろー? ごくごくごくごく」
「この!」
「はこんでーだっるい………すぴー」
「寝てる? あのなぁ、俺だって男なんだが……もうやっちゃおうかなぁ……起きろ、おい起きろ」
「………んー? 目がえっちいぞー? ほれほれー」
「もうどうなっても知らんからな」
「へ?」
起きたらベッドの上。全裸。体中キスマークだらけで。布団を被って寝転がっていましたとさ。
なんか股がじんじんするし。隣見るとあちこち傷だらけの背中が寝てるし。
どう見ても事後です。本当にありがとうございました。
「………」
俺がこっそり抜け出そうとすると、おもむろに肩を掴まれた。のそりと起き上がるエイダンがけだるそうに大あくびした。
「逃げんな」
「う、ううううう………元の体じゃもっと飲めるから調子に乗って飲んでセックスしちゃいましたとかもうさ自己嫌悪の極みなんだよね」
「ゴチャゴチャうるさいぞ」
抱きしめられて、そのまま胸板に抱かれる。頭を撫でられているうちになんだか落ち着いてきた。
童貞より先に処女卒とか穴を掘って埋まりたい。
「お前はすごいよ」
唐突に言われたので俺が困惑していると、頭を撫でながら言葉を続けて来る。
「こんな荒野で街一つ見事に運用して、自治して、今じゃ風呂がどうとか酒がどうとか言うところまで来てるんだ。立派にやってる」
「……あがめられることはあっても褒められることはなかったなぁ。ありがとう」
「………」
「………」
話すことも無いので抱き着いておく。ああー……思えば人肌恋しかったのかもしれないなって……てか記憶飛んでるけどどんなことやったんだろうな。卒業しちゃってるだろうけど気持ちよかったのかすらよく覚えていない。男性に抱き着いていることも余り違和感がない辺り相当馴染んでしまったらしい。
「観測班からの報告だと、次の嵐は激しいらしい」
ぽつんとエイダンが呟いた。そうか、また来るのか。
「最低気温の推定は?」
「零下90度」
アホか、南極じゃないんだぞ………というか段階を刻め! マイナス40度から90度とか難易度畜生か?
今の言葉に震え上がる。テントから小屋レベルにまで引き上げている真っ最中、作業中もいいところだ。というのにもう嵐が観測されてるのに震える。俺はいいよ、俺はいいけど他の人が死んでしまう。
「ん、流石に……ちょっと汗が気になるな……」
「そうだな、体拭いてくれ。色々と、その、ついてるからな」
「ああ………そういう……ちなみにドンナコトシタンデスカネ俺」
「ん? 聞きたいのか?」
「やっぱりいいです」
なんか自分の痴態を詳しく聞くのは恥ずかしいのでやめておいて。俺は、布団跳ねのけて起き上がった。腰がじんじんと痛い。股も痛いし。どんだけ激しかったのやら。
「仕事、やろうぜ」
ステータス:定住中
メインクエスト:大寒波を生き延びろ
:寒波を生き延びろ
生存者数:146名 エンジニア10+子供たち
死者数:5名
食料:あと7日分 収集中 通常食に切り替えました
木材:少し 収集中 製材所が稼働し始めました
鉄材:少し 収集中 製鉄所が稼働を開始しました
石炭:2日分(ジェネレーター連続稼働のため) 収集中 オートマトンが24時間体制で働いています
スチームコア:1個
「ジェネレーター」
初期状態に近い。改良プロジェクトが進行中
傾注! 傾注! 新しい法律の施行だ!
『パブ』
この過酷な新世界にあっても、住人は強い酒を手に、仲間たちと仕事上がりに気晴らしをする必要があります。
『風呂屋』
体を清潔に保つことは大切なことです ジェネレーターが動いている間に限り、住民の健康値を向上させます
「児童法」子供たちは、技術者の手伝いをしなくてはならない。
「労働法」通常通りの8時間シフト 延長12時間シフトまで可
「基本法」殺すな、盗むな、怠けるな。違反した者はむち打ち刑と処する。
「私有財産」これは、認めない。
「投票権」これは、認めない。ただし都市の自立が確立されたのち投票権を付与し民主主義体制に移行する準備がある。
「スープ食」具材を煮込んだスープを提供することでかさましして大勢に食事が行き渡るようにします。
「墓地」埋葬地を設けます。
「正式な葬式」葬式を執り行います。
「死者の碑」死者を弔うための碑を建設します。
「緊急診療所」テント施設。コストの低い簡易の医療設備を建設する。
「荒療治」手足切断を含む手術の許可を出します。
次の建物があります
・本部 執務室を備えた家です エイダンとジュンの家でもあります
・テント146人収容分 断熱プロジェクト進行中
・診療所
・飛行ハンター小屋(クロスボウ含む装具の開発済み) 設備拡大中
・ワークショップ(一軒家)
・集積所(ゲームとは異なりクレーター中のをかき集めて集積します)
・道 クレーター内部、砂利を敷いた道を建造しました
・ビーコン 観測気球 遠征隊を組織できます また嵐を観測できます
・温室 作物が出来上がるまで時間がかかります カロリー大の作物が出来上がるには数か月はかかるでしょう カブ、葉物、など一部農産物の出荷が始まりました
・温室(畜産部) イノシシ数頭を飼育しています
・温室(酒造部) ベリー酒を製造しています
・製鉄所 クレーター内壁に露出している鉄鉱石や砂鉄を採取、鉄に変えます
・製材所 クレーター内部の木を伐採して木材にかえます。
・炭鉱 露天掘りを開始しました
・墓地 数百名を埋葬できる墓地です。現在5名が埋葬されています。
・記念碑 死者を弔う記念碑です
・岩塩採掘所 料理に使われる岩塩を採掘する場所です。豊富に転がっているので数名派遣すれば十分でしょう
・パブ 建設中 仕事終わりの一杯程格別なものはありません
・風呂屋 計画中
次のオートマトンが稼働しています
・一号機『Ironclad (アイアンクラッド)』
露天掘り作業中です
エイダン・ウィンターズ(あなたと恋人関係になりました。副官に任命している限り、判定が有利になる補正がかかります)
ルーク・エヴァンス (あなたのことを、なぜそんなに色々知っているのかと疑問に思っています)
イーサン・ロックウェル (オートマトンが来て興奮しています。鉄材リーダーのままです)
アデル・ブラックモア(オートマトンと一緒に働いています。石炭リーダーのままです)
住民(希望は高いです。既に一部市民がベリー酒を楽しみ始めており不満が減少傾向にあります)