フロストパンク世界にTS転生して落とされる話 作:キサラギ職員
悩みどころですよね。少人数でいくか、大人数を抱え込むか。まあどっちにしろ人口増やさないとじり貧不可避なんですけど
「このままじゃジリ貧になる」
「そうだな」
俺とエイダンは話し合っていた。厳しい寒波。食糧危機。危うく医療崩壊も起こすところだった。
何が足りないって、一番は人的資源が足りないのだ。これでも当初の倍になってはいるが、それでも少なすぎる。ゲームだとサクサク人口増えるけど、そんなに甘くはなかった。
「大規模な捜索隊を組織して、一気に人をかき集めないと恐らくは持たなくなる。そのうち、とんでもない寒波がやってくる。気がする」
気がすると濁したのは、フロストパンクというゲームの世界を知ってますとは言えないからだ。零下150度にも及ぶ超低温の世界が到来するとは口が裂けても言えないし、第一到来するとも限らないのだ。
いずれにせよ、人口はたまに難民がやって来るのに任せている。しかし、とにかく人手不足過ぎた。待っていては、それこそ生きている人たちだって、死んでいくかもしれないわけで。
「問題はその間作業が止まることだな」
「そこ、そこなんだよなぁ」
原作では開発を進めないと遠征隊は数組しか組織できなかったけど、こっちでは普通に幾らでも組める。しかし、現状人手がカツカツの状態なのに、人を大量に送り出して、万が一に遭難でもしたら最悪だ。
「俺が……」
「いや、行かない方がいい」
「どうしてさ?」
「リーダーってのはどっしり構えているものだし、お前が抜けると作業指示をする人間がいなくなる。俺が行く。行って、人を連れて帰って来るさ」
こうして、四組、総勢20名の人員が組織された。一組5名だ。
「頼んだよ」
俺は遠征隊の全員に握手をすると、その姿が見えなくなるまで見送ることにした。
「行ってくる」
20名抜けたことで、街は一気に苦しくなった。仕方がなく木材、鉄材の回収は一時中止。とにかく食料生産を最優先に、石炭採集を行うことになった。
俺の仕事は却って減ってしまった。人がいなくなったからだ。
「連絡は?」
「ありません」
二日。そろそろ、ビーコンから見えた集落らしきところに着いたエイダンからの報告があるはずだが、モールスに応答がない。
他の組からも応答がなかった。これは賭けだ。次の嵐が来る、ほんの少しの時間を使った、賭けだ。この賭けに負けた場合、更に苦しい結末が待っている可能性すらある。原作だと大量の荷物を持って帰ってこれたわけだが、実際、現実世界だと持って帰れるのはほんの一握りの物資だからな。
三日目。
「リーダー! 応答がありました!」
モールス信号が帰って来る。それも、すべての組からだ。
『スチームコアを発見』
『鉄材を発見』
『木材を発見』
スチームコアはあたりだ。他のは微妙だ。持ち帰れる量がたかが知れているからだ。
『放棄された炭鉱を発見 施設がまだ生きている』
素晴らしい。しかもさほど距離が離れていないところにあるらしい。蒸気機関車を使ったキャラバン隊を組織して、回収させよう。遠征基地を建てねばならない。
『大量の紙幣を見つけた』
『金と銀もある』
使えねぇ! 今じゃケツを拭く紙に云々ってやつだ。文明が崩壊してしまった今、もはや紙幣を裏付けてくれる信用なんてものは存在しない。石炭の方が遥かに価値が高い。
まあ金と銀は何かに使えるかもしれない。例えば金歯とか銀歯とかだ。鉄は腐食してしまうしな。
『100名の集団を発見。酷く疲れており、治療が必要なものも多数』
翌日。最後に送ってきたのは音信不通になっていたエイダンからだった。
「よ、よし……ようやく大当たりを引いたみたいだな」
「そうですねぇ……なんと送りますか」
「了解した、慎重に帰ってくるように、と」
しかし100名か。これは忙しくなるな。断熱テントを一気に増設して、医療施設を拡充しなくてはならない。食料も備蓄分を一気に出そう。で、早速ついてから狩りに出かけに貰って………。
「まあ、飛行ハンターに関しては二号機が完成しそうだったから一気に手伝ってもらって後の人は徒歩で全員食料調達にねじ込むか」
「あとは、酒だ! アルコール消毒用に準備してたけどもういいや。こうなれば無礼講を開催してやるんだよ!」
そして、当日。
やってきたおよそ100名を俺たちは歓迎した。もっともついて気が抜けてしまって、死亡した数名を除けば。
食料備蓄を放出し、貯め込んで蒸留するつもりでいた酒を、パブ開業と同時に一気にこれも放出することにしたのだ。最近住民の不安も溜まっていたところだったし丁度良かった。たまにはこういう息抜きをしないと、最終的に俺が追放されるイベントとかありそうなので恐ろしいのがこの世界である。
「よかったのか、備蓄開放して」
俺は疲れ切った表情のエイダンと一緒に酒を楽しんでいた。とはいっても俺は酒に弱いことが判明してしまったのでチビチビ飲んでるだけなんだけどそれでも頭がふわっふわっになってくるのがわかる。
「よかったんだよ。100人も人来たし、明日からは厳しい労働が待ってるんだから……」
パブの前にごった返した人は、生きていることを口々に感謝して酒を飲み、食い物を頬張っていた。これで備蓄はほぼ消え去ったことになる。
市民達がパブの前で自然と踊り始めた。西洋人ってああいうの好きだよな。勝手に焚火起こして、歌っているものもいる。
「俺達も踊ろう」
「ええーでも踊ったことなんてないよ」
「エスコートなら任せろ」
こうして俺は、人生で初めて人と組んで踊ることになった。
俺が出て行くと歓声があがった。恥ずかしいな。
「お手柔らかにお願いします」
手を絡ませて、それから………。
ステータス:定住中
メインクエスト:大寒波を生き延びろ
:次の寒波を生き延びろ
小目標:ジェネレーターと住居の強化
:100名の大集団を受け入れろ
生存者数:270名 エンジニア20+子供たち(子供たちの一部は、建設作業に従事しています)
死者数:13名
食料:あと半日分以下 収集中 温室栽培出荷分含めほぼ放出しました
木材:枯渇 収集中 製材所が稼働し始めました
鉄材:枯渇 収集中 製鉄所が稼働を開始しました
石炭:2日分(ジェネレーター連続稼働のため) 収集中 オートマトンが24時間体制で働いています
スチームコア:1個+1個
「ジェネレーター」
改造完了 反射板と出力系の改良
「児童法」子供たちは、技術者の手伝いをしなくてはならない。状況に応じ、簡単作業を行わなくてはならない。
「労働法」通常通りの8時間シフト 延長12時間シフトまで可
「基本法」殺すな、盗むな、怠けるな。違反した者はむち打ち刑と処する。
「私有財産」これは、認めない。
「投票権」これは、認めない。ただし都市の自立が確立されたのち投票権を付与し民主主義体制に移行する準備がある。
「スープ食」具材を煮込んだスープを提供することでかさましして大勢に食事が行き渡るようにします。
「墓地」埋葬地を設けます。
「正式な葬式」葬式を執り行います。
「死者の碑」死者を弔うための碑を建設します。
「緊急診療所」テント施設。コストの低い簡易の医療設備を建設する。
「荒療治」手足切断を含む手術の許可を出します。
「パブ」飲み屋を建設します。
「風呂屋」風呂屋を建設します。
次の建物があります
・本部 執務室を備えた家です エイダンとジュンの家でもあります
・テント(断熱)270人収容分(一部間に合わず通常テントです)
・診療所
・飛行ハンター小屋(クロスボウ含む装具の開発済み)二棟
・ワークショップ(改築中)
・集積所(収集物が枯渇したため運用停止しました)
・道 クレーター内部、砂利を敷いた道を建造しました
・ビーコン 観測気球 遠征隊を組織できます また嵐を観測できます
・温室 作物が出来上がるまで時間がかかります カロリー大の作物が出来上がるには数か月はかかるでしょう カブ、葉物、など一部農産物の出荷が始まりました
・温室(畜産部) イノシシ数頭を飼育しています
・温室(酒造部) ベリー酒を製造しています
・製鉄所 クレーター内壁に露出している鉄鉱石や砂鉄を採取、鉄に変えます
・製材所 クレーター内部の木を伐採して木材にかえます。
・炭鉱 露天掘りを開始しました
・墓地 数百名を埋葬できる墓地です。現在13名が埋葬されています。
・記念碑 死者を弔う記念碑です
・岩塩採掘所 料理に使われる岩塩を採掘する場所です。豊富に転がっているので数名派遣すれば十分でしょう
・パブ 仕事終わりの一杯程格別なものはありません
・風呂屋 建設中
次のオートマトンが稼働しています
・一号機『Ironclad (アイアンクラッド)』(駆動系の改良済み)
露天掘り作業中です
エイダン・ウィンターズ(あなたと恋人関係になりました。副官に任命している限り、判定が有利になる補正がかかります)
ルーク・エヴァンス (あなたのことを、信頼しています)
イーサン・ロックウェル (技術者になりたいと強く思っています。鉄材リーダーのままです)
アデル・ブラックモア(オートマトンと一緒に働いています。石炭リーダーのままです)
住民(希望は高いです。不満が解消されました)