フロストパンク世界にTS転生して落とされる話   作:キサラギ職員

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ゲーム的に仕方がないとはいえ数日おきにやってくる大寒波はリアルだったら泣きたくなると思う


拡張計画

「難民が追加で………30名………」

 

 俺はジェネレーターの傍に置かれた簡易の机に手帳を広げていた。情報をやっと集めきったところだ。この手順も慣れて来たものだ。まず、数字。備蓄資材と食料を把握しないことには始まらない。

 それから、計画を練るのだ。今日は何を、どれだけ、誰に割り振れば一番効率がいいか?

 手帳をめくって、スマホも時々使う。太陽光が鈍いせいでイマイチ充電しきれないんだよな。ここは盲点だったけど、最低限は使えていた。特に帳簿アプリは手放せない。

 ぺちぺちと数字を弄って行って、ふうとため息を漏らしてから顔を上げる。

 

「よ、よし、だいぶ無理をしたけど寒さ対策はなんとかなるんじゃないか?」

 

 人口が一気に増えてきたことで人手も増えたので……資源消費量も増えて……を繰り返すゲームではあるのだが、これはゲームであっても現実なので、遊んでいる場合でもない。

 無礼講の後は、ケの日である。ハレとケはワンセットなのだ。

 

 ありったけの人を集めて木材と鉄の回収に食料にありったけぶち込んで、一日二日はテントで過ごしてもらう人員を作った。そして一気に集めた資材を使って断熱テント状態だったのを小屋にまで引き上げた。そしてそんなことをしているうちにも、木材の限界が見えて来た。すなわち、クレーター内部の木材が枯渇し始めて来たということだ。

 これで、木材も鉄材も、クレーターに落ちている、生えているものを取るという手段では限界が来ているということがわかった。

 俺は仕事場であり家である本部に戻ろうとした。エイダンが道の反対側からやってきたので合流した。

 

「その、以前言ってたウォールドリルについて考え始める時期だな」

「ああ、エンジニア組も一軒家から二階建てに職場を改築したし、設計も順調に進んで今日か、明日着手って感じだよ」

 

 ウォールドリル。要は凍結土から無限に木材を生み出す装置なのだが、クレーター内部の木材が枯渇するタイミングで、製材所に関しては解体してしまおうと思う。ゲームと違って一つあればクレーター中で作業ができるのはいいことだ。

 ようはテントから宿泊小屋にまでレベルアップ、ウォールドリルに着手というところまでが今日まででできたことだ。

 俺はエイダンと語り合いながら道を歩いていた。

 

「そろそろ限界なんじゃないか」

「だねえ、外周部に広げていくしかないや」

 

 主要施設部、居住区部、とジェネレーターを覆うように版図を拡大してきたのだが、いい加減住民数がまた増えて来て300名となると小屋に詰め込むのも限界だった。ゲームと違って二階建てにすることも検討したが、ジェネレーターのカバーできる範囲が広がっているのだから外周部に広げてもいいのではないかということになった。

 

「………ふー」

 

 各部門リーダーを集めての打ち合わせが終わったので、俺は帰宅した。帰宅してやることというと、ようやく出荷が始まったカブ、葉物、肉を入れたシチューを頂く。シチュー。俺の想像上のシチューだと白いんだが、実際のところシチューは煮物みたいな意味があるので牛乳の有無は関係ないそうである。

 

「パンがあればなぁ」

「小麦の栽培も試してるけど余程の大規模にやらないとだめだろうねぇ」

 

 愚痴るエイダンを前に俺はまあまあと言う。シチューも悪くはないんだけど、いい加減食に多様性を持たせたいところだ。

 

「キノコ栽培ねぇ………キノコの栽培なんてやったことないぞ」

「俺も無いけどやってみる価値はあると思った」

「イノシシはいいと思う。何でも食うしな」

「それね、何でも食べるってホント素晴らしいと思った。あとは世代重ねて豚に……できたら最高だけど何世代かかることやら。家畜の豚ってもういないのかなぁ」

「死んだよ。馬も多分全滅してる」

 

 一緒に計画書を眺めつつ、ああでもないこうでもないと仕事の話をする。

 

「でさあこれさあ」

「ああ……まあ一部でそういう動きがあるみたいだな」

 

 で、偶然見つけてしまったそれ。俺の姿を模している小さい木彫りの像。オレンジ色の服を着込んだそれは、作りがだいぶ雑とは言え、なかなか似ている。

 市民の一人から貰ってくださいと言われたので受け取ってしまったが、今思えば受け取らない方がよかった。

 俺はそれを机の上で突きつつ、ゲーム本編を思い出していた。

 

「信仰ねぇ、信仰ルートのが好きだけど信仰ルート行きつくところがカルトなんだよなぁ」

 

 特に指示したこともないのだが、一部で俺をあがめる動きがあるらしい。すがりたくなるものが欲しいのはわかるし、俺も周囲を常温で保つ訳の分からん能力持ちの女がいたら信仰したくなる気持ちも理解できる、理解はできるんだが。

 

「すごく恥ずかしいんだが」

「放っておけばいいんじゃないか。だってジュンはどこにでもいる普通の女だろ?」

 

 エイダンがそう言ってくれる。

 リーダー故の孤独みたいなものを理解してくれているのだろうか。その気持ちが嬉しい。

 

「さあとっとと寝るか」

「あるいは、寝かせないかもしれないぞ」

 

 俺の腰に手をやってそんなことを言うので、

 

「今日こそ泣かせてやるよ」

 

 と俺は挑戦に受けて立ったのだった。

 

 

 

 

「リーダー。ビーコンの観測班が嵐が見えたと言っています」

 

 期間が短すぎる。またもやってくる災害を前に、俺は泣きたくなったのであった。




ステータス:定住中
メインクエスト:大寒波を生き延びろ
       :次の寒波を生き延びろ
小目標:ジェネレーターと住居の強化
生存者数:300名 エンジニア20+子供たち(子供たちの一部は、建設作業に従事しています)
死者数:13名
     
食料:あと1日分 
木材:少し 収集中 製材所が稼働し始めました/クレーターの木材が枯渇しかかっています
鉄材:少し 収集中 製鉄所が稼働を開始しました
石炭:3日分(ジェネレーター連続稼働のため) 収集中 オートマトンが24時間体制で働いています
スチームコア:2個

「ジェネレーター」
改造完了 反射板と出力系の改良

「児童法」子供たちは、技術者の手伝いをしなくてはならない。状況に応じ、簡単作業を行わなくてはならない。
「労働法」通常通りの8時間シフト 延長12時間シフトまで可
「基本法」殺すな、盗むな、怠けるな。違反した者はむち打ち刑と処する。
「私有財産」これは、認めない。
「投票権」これは、認めない。ただし都市の自立が確立されたのち投票権を付与し民主主義体制に移行する準備がある。
「スープ食」具材を煮込んだスープを提供することでかさましして大勢に食事が行き渡るようにします。
「墓地」埋葬地を設けます。
「正式な葬式」葬式を執り行います。
「死者の碑」死者を弔うための碑を建設します。
「緊急診療所」テント施設。コストの低い簡易の医療設備を建設する。
「荒療治」手足切断を含む手術の許可を出します。
「パブ」飲み屋を建設します。
「風呂屋」風呂屋を建設します。


次の建物があります
・本部 執務室を備えた家です エイダンとジュンの家でもあります
・宿泊小屋(300名分)
・診療所
・飛行ハンター小屋(クロスボウ含む装具の開発済み)二棟
・ワークショップ(二階建て)
・集積所(収集物が枯渇したため運用停止しました)
・道 クレーター内部、砂利を敷いた道を建造しました
・ビーコン 観測気球 遠征隊を組織できます また嵐を観測できます
・温室 作物が出来上がるまで時間がかかります カロリー大の作物が出来上がるには数か月はかかるでしょう カブ、葉物、など一部農産物の出荷が始まりました。
・温室(畜産部) イノシシ数頭を飼育しています
・温室(酒造部) ベリー酒を製造しています
・温室(蒸留部) 純度の高いアルコールを生成する部門です。
・製鉄所 クレーター内壁に露出している鉄鉱石や砂鉄を採取、鉄に変えます
・製材所 クレーター内部の木を伐採して木材にかえます。クレーター内部の木材が枯渇しかかっています
・炭鉱 露天掘りを開始しました
・墓地 数百名を埋葬できる墓地です。現在13名が埋葬されています。
・記念碑 死者を弔う記念碑です
・岩塩採掘所 料理に使われる岩塩を採掘する場所です。豊富に転がっているので数名派遣すれば十分でしょう
・パブ 仕事終わりの一杯程格別なものはありません
・風呂屋 建設中
・ウォールドリル建設中

次のオートマトンが稼働しています
・一号機『Ironclad (アイアンクラッド)』(駆動系の改良済み)
 露天掘り作業中です

エイダン・ウィンターズ(あなたと恋人関係になりました。副官に任命している限り、判定が有利になる補正がかかります)

アイザック・ヒル
食料を任せられている中年男性、元農家です。
(あなたのことを信頼しています)

ルーク・エヴァンス (あなたのことを、信頼しています)

イーサン・ロックウェル (技術者になりたいと強く思っています。鉄材リーダーのままです)

アデル・ブラックモア(オートマトンと一緒に働いています。石炭リーダーのままです)

住民(希望は高いです。不満が解消されました。一部であなたを信仰する動きがあるようです)
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