フロストパンク世界にTS転生して落とされる話   作:キサラギ職員

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温泉

 

 道中は楽だった。自分の周りにあったかい空間作れるのチートじゃないか? まあ代わりにそれ以外出来ないということではあるわけだが。

 集落に到達すると、強烈な勢いで蒸気があがっているのがわかった。

 暖かそうな恰好をした、黒い長髪美女が出迎えてくれた。なんだか目にハイライトがないのが気になるが、まあ、そこはどうでもいいことだ。

 

「あなたがその噂で聞いていた指導者の方ね?」

「ジュン、ただのジュンだ」

「アイリーンよ。温泉にようこそ。他に凝った呼び方が思いつかなくてね。早速だけど、人員は連れて来たということでいいのね?」

 

 一抹の不安を覗かせるアイリーン。俺が手招きをすると、5人の技術者がやってきた。機械関係の技術者だ。パイプ修理からスチーム装置まで行ける精鋭だが、食糧危機を何とかするには彼らを送るほかになかった。

 

「その………ああ、やっぱりそうなのね………奇跡の力を持っているとか通信士が言っていたけれど、本当に……」

「まあー、奇跡ってほどじゃないけれど……周辺を暖かくできるんだよね、俺」

 

 アイリーンが空を仰いで、それから地面を見遣った。

 俺と話しているアイリーンは自分がまるでぬるま湯につかっているような温かみを覚えていることだろう。事実雪が溶けているし、俺の周りだけ雪が降ってこない。

 

「うちにこない?」

「いや、ニュータウンの運営があるから断る」

「そう、残念ね……でもお姉さんはいつでも待ってるわよ」

 

 なんかすごく含みを持たせた言い方だけど、それは詮索するのはやめておく。なんか寒気がするし。

 俺達は、温泉の本部まで案内された。洞窟の中は暖かいが、狭く、住民たちは地面に藁を敷いて寝ていた。

 

「それで今後だけど、そちらは食料を、こちらは鉄と木材、技術者なんかの継続的な派遣で取引をしたい」

「いいわよ。人員不足に、住居の不足に、ポンプの故障より取り見取り」

「そうだろうと思って資材は持ってきている。だけど残念だけど俺は戻らないといけないから、うちの技術者と資材を置いていく。少し、色を付けて貰えると助かる」

「あら、準備がいいのね。早速取り掛かってもらえるかしら?」

 

 これで、話は付けた。陸路用の機関車に満載の食料を詰め込んでいく。久々に見たな、芋。小麦。これはパンが久々に食えるかもしれない。

 しかし、資材もってきていて正解だった。俺は反対を押し切って貴重なスチームコアも持ってきていたのだ。ポンプが壊れて困ってることはもうわかっていたからな。原作的に。

 

 

 帰りも楽だった。この機関車、どこにどう使うかが問題だな。新規で作れるわけじゃないし、燃料も食うのだ。となると原作同様に、道中の整備が必要になってくることだろう。

 

 

 

「帰ったよー!!」

 

『お帰りなさい!!』

 

 技術者を残し、キャラバン隊の俺達が帰還すると、オレンジ色の旗を掲げた住民たちが出迎えてくれた。

 なにあれ?

 

「お帰り。食料は……」

「満載も満載だよ、こんだけあれば嵐は余裕で乗り切れるだろうと思う。あの旗なに?」

「止めようとはしたんだけどな、シンボルマークが必要だって言い始めてあっという間にオレンジの旗作り始めて……ジュン、そのジャケットの色のせいじゃないのか」

「ジャケットというか……まあ別にいいけどさあ」

 

 なんか崇拝の対象になりかけてる気がするけど……ええか! と現実逃避しておく。

 出迎えに来てくれたエイダンと一緒に、早速食料の配給を始める。調理場なんて大層なものがあるわけじゃないけど、配給制度はある。各家庭に嵐が乗り切れるであろう量を配分していく。それでもなお余るくらいの量を貰っているので、あとは備蓄にした。

 

「温泉と話を付けて来た。スチームコアやっぱり必要だったよ」

「たまにその未来が見えてるような動きをするのは能力だったりするのか?」

「いや、知ってるだけだ」

 

 

 かくして、俺達の里は嵐に突入した。

 だが事前準備でテントを小屋にしていたこと、ジェネレーターを改良していたことなどが合わさって、生き延びられる算段はついていたし、何より豊富に食料を貰ったことで、住民たちは希望を持って生きることができた。

 

 『風呂屋』の開設。

 『チャイルドシェルター』の建設。

 

 等、施設と法律の整備にも取り組んだ。子供たちは、労働から外した。私見になるが子供は労働力として使うより、幸せな子供時代を送って欲しいものだ。無論勉強と言うことも兼ねて技術者や医療従事者を手伝わせたりはするけれど。

 

「別の集落もあると思うんだよなぁ」

「もう詳しくは聞かないけど、他にどんな集落が生き延びているというのか教えて貰えるか?」

 

 俺達は久々のパンを堪能した後、温泉で貰った紅茶を楽しんでいた。久々の嗜好品な気がする。ヨモギ茶ばっかりだっただけにこの紅茶はキく。

 

「えーっと、近くに廃炭鉱じゃなくて自動化された子供たちの炭鉱……と、廃船を拠点にしたキャンプがある、気がする」

「廃船キャンプは木材かなにかか?」

「うん。となると鉄材も欲しいところだけど、これは戦前の陸軍の倉庫がどっかにある、気がする」

「何が見えてるのかわからんが、ジュンが言うならそうなんだろうな。大規模な捜索隊を組織する必要性があると考える」

 

 温泉があったんだ、他の集落もある可能性が高い。

 陸軍倉庫からは大量の鉄とスチームコアが入手できる、はずだ。はずというのはこれは原作になかったからだ。現状の鉄鉱石を溶かして精錬してという手順より、鉄材そのものを入手できれば、後は溶かすだけの楽な状況が出来上がる。

 

「国か……」

 

 俺は先に眠ってしまったエイダンをよそに、こっそりベッドから抜け出して、構想を練っていた。

 もう文明が壊れてしまったこの世界だ。少ない人たちを集めれば、新しく国を興すことだってできるんじゃないか?

 

 そんな夢みたいな話を練っていると、眠気に襲われる。無理はよろしくない。

 俺はランプを消すと、ぐーすかと寝ているエイダンの隣に寝転んで目を閉じた。





ステータス:定住中
メインクエスト:大寒波を生き延びろ
       :他の集落を見つけろ
小目標:ジェネレーターと住居の強化
生存者数:295名 エンジニア15+子供たち(子供たちの一部は、建設作業に従事しています)
死者数:13名
     
食料:あと5日分 収集中
木材:少し 収集中 製材所が稼働し始めました/ウォールドリルが稼働しています
鉄材:少し 収集中 製鉄所が稼働を開始しました
石炭:3日分(ジェネレーター連続稼働のため) 収集中 オートマトンが24時間体制で働いています
スチームコア:2個→1個

「ジェネレーター」
改造完了 反射板と出力系の改良

「児童法」子供たちは、技術者の手伝いをしなくてはならない。状況に応じ、簡単作業を行わなくてはならない。
「労働法」通常通りの8時間シフト 延長12時間シフトまで可
「基本法」殺すな、盗むな、怠けるな。違反した者はむち打ち刑と処する。
「私有財産」これは、認めない。
「投票権」これは、認めない。ただし都市の自立が確立されたのち投票権を付与し民主主義体制に移行する準備がある。
「スープ食」具材を煮込んだスープを提供することでかさましして大勢に食事が行き渡るようにします。
「墓地」埋葬地を設けます。
「正式な葬式」葬式を執り行います。
「死者の碑」死者を弔うための碑を建設します。
「緊急診療所」テント施設。コストの低い簡易の医療設備を建設する。
「荒療治」手足切断を含む手術の許可を出します。
「パブ」飲み屋を建設します。
「風呂屋」風呂屋を建設します。

傾注! 傾注! 新しい法律の施行だ!

『チャイルドシェルター』
子供たちが過ごせる学校です。

次の建物があります
・本部 執務室を備えた家です エイダンとジュンの家でもあります
・宿泊小屋(300名分)
・診療所
・飛行ハンター小屋(クロスボウ含む装具の開発済み)二棟
・ワークショップ(二階建て)
・集積所(収集物が枯渇したため運用停止しました)
・道 クレーター内部、砂利を敷いた道を建造しました
・ビーコン 観測気球 遠征隊を組織できます また嵐を観測できます
・温室 作物が出来上がるまで時間がかかります カロリー大の作物が出来上がるには数か月はかかるでしょう カブ、葉物、など一部農産物の出荷が始まりました。
・温室(畜産部) イノシシ数頭を飼育しています
・温室(酒造部) ベリー酒を製造しています
・温室(蒸留部) 純度の高いアルコールを生成する部門です。
・製鉄所 クレーター内壁に露出している鉄鉱石や砂鉄を採取、鉄に変えます
・製材所 クレーター内部の木を伐採して木材にかえます。クレーター内部の木材が枯渇しました。
・炭鉱 露天掘りを開始しました
・墓地 数百名を埋葬できる墓地です。現在13名が埋葬されています。
・記念碑 死者を弔う記念碑です
・岩塩採掘所 料理に使われる岩塩を採掘する場所です。豊富に転がっているので数名派遣すれば十分でしょう
・パブ 仕事終わりの一杯程格別なものはありません
・風呂屋 体を清潔に保つことは、健康の秘訣です。
・ウォールドリル 永久凍土から木を採掘します
・チャイルドシェルター 建設中

次のオートマトンが稼働しています
・一号機『Ironclad (アイアンクラッド)』(駆動系の改良済み)
 露天掘り作業中です

エイダン・ウィンターズ(あなたのことをもっともっと知りたいと願っています)

アイザック・ヒル(あなたのことを信頼しています)

ルーク・エヴァンス (あなたのことを、信頼しています)

イーサン・ロックウェル (技術者になりたいと強く思っています。鉄材リーダーのままです)

アデル・ブラックモア(オートマトンと一緒に働いています。オートマトンが可愛いと思っています。石炭リーダーのままです)

住民(希望が高く、不満も低いです)


『勢力』中立
・温泉 地熱の籠った洞窟で生活する集団です
 人員が補充され、ポンプの修復が行われました。住居の拡充も実施しました。
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