フロストパンク世界にTS転生して落とされる話   作:キサラギ職員

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個々の家でも暖房があるので石炭消費量が原作より多いです
あるいは木材消費

こういうゲームあるある
「主人公の仕事量がエグい」


最初の試練:嵐

 

「とにかく寒波がどれくらい続くかわからない……食事についてなんだけど、あの大嵐の中獲物探しに行くのは自殺行為になると思う」

「ううむ」

 

 一応、食料に関しては管轄する立場であるエイダンに俺は提案をしていた。スチームコアを使い、温室を建造中だ。新しく来た人の中に建設技術者がいてよかった。だが温室はゲーム的にはすぐ食料を作れていたが、そんなにすぐにはできあがらない。時間がかかる。

 

「虫だよ、暖かい室内で虫を飼おう」

「虫……?」

 

 一瞬虚を突かれた表情を浮かべるエイダンだった。

 

「カブトムシとか色々いるでしょ。ああいう類の虫が恐らく地中で眠ってるはず。それを掘り出して土壌改善しつつ、頃合い見て食うんだよ」

「正気か!?」

 

 本気かコイツという顔をされたが俺は正気である。その虫を食うのが嫌というなら、虫を飼って、それを野生のイノシシでも捕獲してきて食わせる牧場まで考えている。

 

「気持ちはわかるが俺の国じゃ虫は食うものじゃないんだ……」

「ううん……じゃこうしよう。イノシシを捕獲してきてくれないか。できるだけ子供のがいい。飼えるなら飼ってしまおう」

「………つまりブタの代わりをさせるということか。わかった。次の狩りで捕まえて来る。けどどうするんだ? この、次の寒波は大変なんだろう」

 

 あんまりすごくないんだけどねゲーム的にはマイナス40度にしかならない。リアル世界では南極でマイナス90度近くに下がることもあるわけで。問題なのは視界が雪で埋まるホワイトアウト状態になることだ。その状態で狩りに出たら遭難不可避だ。

 俺は万年筆をトントンとさせた。今の恰好はセーターとズボンだけだ。常に常温の環境にいるせいで気が付かないが、外気温は既に氷点下を切っている。

 ………だからといってジロジロ見すぎじゃないか? エイダンくんよ。おっぱい好きなんだろうか。

 

「食料の備蓄的に全然足りない……こうなりゃこうだ。スープ。具材を煮込んだスープにして、かさましをしよう」

 

 議事録ということで俺は今の発言をメモっていた。レシピ、主食をスープにして、満足感をアップさせる。

 同じように、俺と向かい合う位置で机を挟んで座るエイダンがほっとした声を漏らす。

 

「てっきりおが屑でも混ぜろとか言うのかと思ったが案外まともでよかったよ」

 

 ギクリ。選択肢としてはあったんだけどな………そっちのルートは希望じゃなくてディストピア待ったなしなんでやらんよ。

 

「嵐さえ過ぎ去れば……どれだけ続くかだなぁ。観測班はなんて言ってた?」

「三日くらいでなくなるだろうとは言ってたよ」

 

 エイダンの問いかけに俺は答えた。

 三日。今の食料を考えると結構ギリギリなのだが。三日分しかないからな。かさまししても、よくて一日、二日延びるだけだろう。カロリー不足になると人はロクに考えれなくなって、体力を失い、餓死する。この環境下だと、その前に凍死するがな。

 

「とにかく耐えるしかない、か……」

 

 エイダンは遠くを見つめて呟いた。

 

 

 寒波が来た。

 早朝。俺は周囲の激しい風音で目を覚ました。既に起きていたエイダンがせっせと矢を作っていた。鏃を矢に据え付ける酷く神経をやられるタイプの作業だ。

 

「おはよう。寒波が来た。外は大吹雪だ」

「まあ寒くはないだろうけどね」

「その能力本当に凄いよな……範囲を拡大できたりはしないのか」

「仮にクレーター全部覆えたらすごいよなぁ……訓練はしてみるけど」

 

 多分そんな都合の良い能力じゃないと思うんだよな。仮にそこまで拡大できればジェネレーター要らないまであるけど。

 

「いただきます」

 

 パチパチと音を立てて燃える調理場もとい焚火にかかっている粥を啜る。ここに来てから肉と粥しか食ってなくて少々味気ない。

 エイダンも隣に来ると粥を啜り始める。

 

「報告しておくと、温室の立ち上げと稼働についてだが」

「うん」

「順調だよ。スチームコアも問題なく動作してる。ただ熱を保つために石炭使ってるけどな」

「まあ、その為にイチイチジェネレーター稼働させるだけの余力がなぁ」

 

 スチームコアはジェネレーターなどの熱源とワンセットだ。直結させるのが一番簡単だし楽だがジェネレーターは石炭をバカ食いするので、もうしょうがなくテント街を夜間の冷気から守る以外には使えていない。

 

「………暇だから筋トレでもするか」

「ほーん。じゃ俺は……そうだなぁ、街の今後の区画について図面でも引いてるよ」

「図面が引けるのか」

「計画書みたいな感じで実際に引けるわけじゃないよ」

 

 とにかく耐えるしかない。

 俺は嵐が過ぎ去るまで街が持ちこたえられることを祈った。三日待てば過ぎる。そうあるといいのだが。

 

 二日目。嵐はだいぶマシになり、視界がよくなってきた。やはりというか最初の試練はそう難しいものではないらしい。しかし零下40度がマシって感覚マヒしてるよな。シベリアかよ。

 俺は温室に向かっていた。温室では葉物野菜、それから豆が育てられている。一応だが、麦もある。とはいえ麦は育成に時間がかかる。それこそ貴重品になることだろう。基本的には豆が主食になって来るだろう。

 

「首尾はどうよ」

「順調ですよ、リーダー」

 

 俺は作業中の女性に声をかけた。作物に水をやっている最中だった。

 俺は自分でそう言ったせいなのかキャプテンではなくリーダーと呼ばれるようになっていた。

 

「不足な物資があれば教えてくれ、準備するようにするから」

「わかりました」

 

 他にも……ウーン管理職って大変だ。特に生死がかかってるやつは。

 

「スープ……なんとかなりませんか」

「うぐ」

 

 まあそうだよね、ずっとスープだもんなぁ。

 食料については現状カツカツである。スープで何とかしてるだけであって、通常食に戻すと赤字になってしまう。温室が正常に機能し始めるまでの辛抱だ。一か月はかかると思う。というか原作が謎過ぎるんだよな。施設稼働させて初日で何故か食料生産してるけど実際やるとそれは不可能と分かる。

 

「人員配置を見直すかぁ………わかった、食事に関しては何とかするよ」

 

 こうなればエンジニアたちに相談だ。あ、だめだ。製鉄所の立ち上げに……。

 この世界の住民から貰った手帳片手に歩き回る。忙しすぎた。

 

「副官が欲しいな。副官というか秘書というか……いやもうあれですわ、エイダン君狩りに行かせてる場合じゃないでしょこれ」

 

 仕事量が多すぎる。多分前世より働いていると思う。

 そして俺は、エイダンを食料リーダーから外すという決断をして、後任に農家だったというおじさんをつけたのだった。

 

 




ステータス:定住中
メインクエスト:大寒波を生き延びろ
       :最初の寒波を生き延びろ
生存者数:81名 エンジニア1名+見習いの子供たち
     更新
     101名 エンジニア6名+子供たち

食料:あと3日分 収集中(人数増により減少)
木材:少し 収集中 クレートが枯渇しかけています
鉄材:少し 収集中
石炭:3日分 収集中
スチームコア:2個→1個

「児童法」子供たちは、技術者の手伝いをしなくてはならない。
「労働法」通常通りの8時間シフト 延長12時間シフトまで可
「基本法」殺すな、盗むな、怠けるな。違反した者はむち打ち刑と処する。
「私有財産」これは、認めない。
「投票権」これは、認めない。ただし都市の自立が確立されたのち投票権を付与し民主主義体制に移行する準備がある。

次の建物があります
・テント101人収容分 ゲームとは異なり木材や石炭燃焼で暖房レベル1+
・救護所(実質的な本部) 数名収容できる 治療設備はなく寝かせておくだけ
・狩猟小屋
・ワークショップ(一軒家)
・集積所(ゲームとは異なりクレーター中のをかき集めて集積します)
・道 クレーター内部、砂利を敷いた道を建造しました
・ビーコン 観測気球 遠征隊を組織できます
・温室 作物が出来上がるまで時間がかかります カロリー大の作物が出来上がるには数か月はかかるでしょう
・製鉄所(小屋・建設中) クレーター内壁に露出している鉄鉱石や砂鉄を採取、鉄に変えます


エイダン・ウィンターズ(あなたに好意を抱いています。副官になりました)

ルーク・エヴァンス (あなたのことをある程度信頼しています。木材リーダーのままです)

イーサン・ロックウェル (あなたの能力を解析したいと思っています。鉄材リーダーのままです)

アデル・ブラックモア(あなたのことを特に何とも思っておらず仕事仲間と思っています。石炭リーダーのままです)

住民(希望高く、不満は中くらいです。あなたの素質に疑問を抱いてはいませんが、先行きが不安な様子です)
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