メジロ家の変な子   作:ネギ市場

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 ちょっと短めです。
 
 


神馬の弟子

 

 

 所変わって、ここは別邸に併設された療養所内にある練習用の芝コース。

 主に、療養中のウマ娘達が、リハビリや調整に使っている、一周2000mのウマ娘用コースであり、今はリアルデュークの実力を測る為に、あの場に居た6名が移動して来ていた。

 「は〜い、それじゃあここから、あそこのベルが立っている所まで、大体コースを半周で1000m、併走相手は私とマックイーンが勤めるから、軽く流して最後の400mだけ、全力で走ってね?」

 ライアン、マックイーン、リアの順番で並びスタートの合図を待つ。

 スピードシンボリがスターターを勤め、手に持った赤い旗を一気に振り下ろす。

 一斉にスタートを切る2人に対し、明らかにジョギングレベルのスタートを切るリアルデューク、あっという間に離されて行くリアルデュークを見て、愉快そうに笑い転げるシンザン。

 「これは、流石に……」

 「えぇ、軽く流すと言ってもこの速度では……」

 アサマとスピードシンボリが、リアの走りを見て言葉を濁す。

 相変わらず、ノタノタと走るリアを見て笑っているシンザンに、アサマが心配そうに話かける。

 「シン様、リアさんは普通の学校に行かせた方が良いのではないでしょうか? 流石にこれでは、トレセン学園に入れても本人の為にならないのでは?」

 「そうですわ、何もウマ娘だからと言って、競技の世界だけが全てでは有りません。」

 そう心配する2人を見て更に笑うと、シンザンはそのまま地面に横になり、大きな声でリアに発破をかける。

 「お〜い、リア。 お前さんがモタモタしとるから、ここの2人がもうお前さんに走らせんと言うておるぞ〜!」

 「……イヤーッ! ボクはもっと走るー!」

 走りながらイヤイヤをするリアルデュークに対して、更に大きな声で指示を出すシンザン。

 「なら遊んどらんで走らんかっ!」

 「むぅうっ!」

 丁度、先頭を走るマックイーンが残り500mに達した時、後方で空気が爆ぜた。

 「何事ですの!」

 「…な、何?」

 思わずと言った感じで、後ろを振り向いたマックイーンとライアンは、そこに信じられないものを見た。

 小さな体を更に低く内ラチの下近くまで頭を下げて、両手を真っ直ぐ後ろに流し、足のストライドは大きく、回転数を速く回して猛烈な勢いで突っ込んで来るリアルデュークが居た。

 その速度は、先程までとは比べるべくも無く、2番手のライアンとの距離はあっという間に無くなり、慌てて加速するライアンをアッサリと抜き去って行った。

 その後、マックイーンもアッサリと抜き去ったリアルデュークは、その勢いのままゴール役のドーベルの前を駆け抜けた。

 

 

 「おばちゃん、1着なった!」

 「だから、おばちゃん言うなと言っとるじゃろうが!」

 「ぐべっ」

 ゴールからそのままシンザンの所まで走ってきたリアルデュークの顔面を、片手で鷲掴みにして受け止めると、踠くリアルデュークを気にせずに、戻ってきた3人に得意気に言う。

 「デビュー前のガキに抜かれた気分はどうじゃ?」

 「もう一度、今度はちゃんと最初から、流すとかせずに最初からちゃんと併走としてやれば、私達は抜かれたりしませんわ!」

 マックイーンが少しだけムキになって反論する。

 「ダメじゃな、リアよ靴を脱いで見せよ。」

 「……貴女が持ち上げてるのに出来る訳…って、リアさん痙攣しているじゃありませんか!」

 「おぉ、つい力加減を間違えたのじゃ」

 「コドグズディードゥガァッ!センセイディナディシデャガドゥンディスド!」

 (「このクズニートがぁっ!先生に何してやがるんですの!」)

 「ぐぼぁっ!」

 ピクピクと痙攣しているリアルデュークを奪い取る様に抱き留めると、すぐに介抱を始めるマックイーン。

 「…うぁう?」

 「大丈夫ですか、リアさん?」

 「ここが何処かわかる、リア?」

 心配そうにリアルデュークの顔を覗き込むマックイーンと、ライアン達2人の後ろでは、キレたドーベルに馬乗りになられて、往復ビンタを喰らっているシンザンと、それを何とか止めようとしているアサマと、それを見て笑っているスピードシンボリの姿があった。

 

 

 「…ヴェっだぐ、びぼいべびヴぁっだ(全く、酷い目にあった)」

 両の頬を腫らして鼻血を出し、瞼も腫らしたシンザンが医務室の椅子に座って、主治医から治療を受けていた。

 アレから、ライアンとマックイーンの助力を得たアサマが、何とかキレたドーベルを取り押さえて無力化し、顔を腫らして気絶しているシンザンと、座ってゲラゲラ笑っているリアルデュークとスピードシンボリを連れて屋敷に戻り、何とかシンザンを医務室に運び込んだ所であった。

 「しかし、ドーベルさんがあそこまでキレるとは、思いも寄りませんでした。」

 「私もびっくり致しましたわ、お祖母様。」

 アサマとマックイーンが、先程のドーベルについて話していると、ライアンがフォローに入った。

 「ベルって、アレで結構リアに心酔している所があるし、そんなリアの危機って事で、ついタガが外れたんじゃないかなぁ?」

 「ばれ、ひをばほっ!ばればいふはへへ、わんふひばほりほをはげるふらひらほっ?(吾、神馬ぞっ!吾が行くだけで、神主が祝詞を上げるくらいじゃぞっ?)」

 シンザンが治療を受けながら抗議する。

 「あ、シン様は何言ってるか分かりませんので、少し黙ってくださいませ。」

 「幼女に手を出すクズはお黙り下さいませ。」

 「ちょっとだけ大人しくして下さい、クズ様。」

 「……吾、寝る」

 不貞腐れた様子で、医務室のベッドに潜り込むシンザンの様子を見てスピードシンボリが「やっぱり普通に喋れるじゃないですか?」と、突っ込むと、シンザンは布団を被ったまま反応が無くなった。







 プロットを無視する師弟が居ます。
 
 練習中のリアルデューク
 
【挿絵表示】


 勿論、AIで作成してます。
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