メジロ家の変な子   作:ネギ市場

30 / 130
 
 

 
 人物相関図って難しい物ですね。


姉妹

 

 

 

 その日、リアルデュークは空を眺めながら真剣に考えて居た。

 「カツ丼、カツ煮、牛丼、牛皿、何が違う……美味しいなら良し!」

 途中で面倒になったのか、強引に結論を出して、すぐに考える事を辞めた。

 「……君って、本当に唯我独尊だよね?」

 それを隣で寝転がりながら、テイオーが呆れたかの様に思ったことを述べる。

 「ゆいがっそん?」

 リアルデュークが真顔で聞き返す様を見て、テイオーが笑い出す。

 「あはは、何その村、何だか本当に有りそうな感じの名前になっちゃってるじゃん。」

 「村? 村の名前だたか」

 「違う違う、唯我独尊だよ〜。 唯我独尊ってのは、マイペース?みたいな感じの人の事だよ。」

 テイオーは、未だに軽く笑いながらも、リアルデュークの質問に対して律儀に答えを返す。

 「そか、テイオー物知り?」

 質問にちゃんと答えてくれたテイオーを、ニコニコしながら褒めてくるリアルデュークに対して、露骨に上機嫌になったテイオーが立ち上がり、片手を胸に当ててもう片方の握り拳を空に向けたポーズを取りながら話を続けた。

 「そう、ボクは会長みたいになるから、色々な事を知っているんだよ。 だから君も何か知りたいことがあれば、ボクを頼ってもいいんだよ? 君はマックイーンの妹だから特別だよ。」

 「パクパクさんも特別?」

 軽く首を傾げながら、リアルデュークが確認してくる。

 「パクパクさんって、マックイーンのこと?」

 「うん、パクパクさん……何時もスイーツ食べる時パクパクと大量に食べる。 だからパクパクさん。」

 「あはは、マックイーンってそんなにスイーツばかりを食べるんだ?」

 「あれ見てるだけで、何か胸がムカムカしてくる。」

 胸と胃の辺りをその小さな手で摩りながら、態とらしく顔を顰めるリアルデュークを見て、テイオーも態とらしく大袈裟に驚きながら楽しそうに話す。

 「うはっ、よっぽど大量に食べているんだね。 ニシシ、今度これをネタに揶揄ってあげようかな。」

 「……何をお2人で話しているのですか?」

 そんな2人の背後から、ジャージ姿のマックイーンが訝しげに声を掛けてくる。

 「「あ、パクパクさんっ!」」

 2人同時に驚いた声を上げて、マックイーンの方に振り返る。

 「何をお2人でハモっているのですか! 私はメジロマックイーンですっ! パクパクさん等ではありません!」

 その2人に、大きな声で抗議するマックイーンだった。

 

 

 

 「それで、テイオーは如何だったんですの?」

 テイオーの足下を見ながらマックイーンが尋ねると、テイオーは軽くステップを踏みながら笑顔で答える。

 「調整やリハビリ次第だけど、来年の大阪杯が復帰戦になると思うよ。」

 「では、天皇賞で勝負ですわね? まぁ、勝つのは私ですけど?」

 嬉しそうに微笑みながらも、マックイーンは宣言する。

 「ふふん、そんな事言って、お菓子大好きパクパクさんは、食べ過ぎで調整失敗とかなったりして?」

 挑戦的な表情でマックイーンを煽ると、言われた方は顔を真っ赤にして反論を始めた。

 そんなライバルを見ながらテイオーは、楽し気にマックイーンと戯れると、いつの間にか芝生の上で、大口を開けて熟睡しているリアルデュークに視線を移す。

 「ねぇ、マックイーン。 この子って、何時デビューするの?」

 急に真面目な声色で質問してきたテイオーに、訝しげな表情でマックイーンが答えた。

 「そうですわね、この子はまだ初等部ですので、来年トレセン学園に入学出来たとしても、早くて再来年くらいではないでしょうか? ただ、この子は足に問題があるそうなので、もっと遅れる可能性の方が高いでしょう。」

 「そっか、この子も大変なんだ……」

 「ええ、例え、足が原因でレースで活躍出来なかったとしても、人生を楽しいと思える様に……精一杯の努力の結果として、走る以外の選択肢が必要となった場合には、それを見つける手助けを……この子の姉としてやってあげたいと思って居ますのよ?」

 「走る以外の選択肢かぁ……今のボクには想像も出来ないや、だってボクは無敗の2冠馬、トウカイテイオーさまだもんに。」

 「全く、テイオー、貴女と言う人は……」

 無邪気なテイオーを見て苦笑しながらも、マックイーンは隣で眠るリアルデュークの長い髪を手櫛で優しく整える。

 「でもさ、この子はきっと走ると思う。 たとえ選択肢が無くても諦めることだけはしない子だと思う。 てか、案外凄く強い子になるかもね? だってあの面子と常に走っているんでしょ? ボク達がこのくらいの年齢の時に、これだけの面子が揃う環境ってまず無かったもん。」

 「ええ、これだけの環境は、世間では恵まれていると言えるのでしょうね。」

 何かしら含みのあるマックイーンの言葉に、少しだけ引っ掛かりを感じたが、特にその部分には触れずに、テイオーは今1番気になっている話題を聞いてみる事にした。

 「そう言えばさ、メジロ家とURAだけど、大丈夫なの?」

 「……大丈夫とは?」

 これまでの優しい表情から一変して、見るからに固い表情になったマックイーンが、少しだけ間を開けて聞き返す。

 「いやさ、天皇賞の後からなんか、メジロの総帥さんが良くテレビとかで取り上げられているからさ、マックイーンの所でも騒いでいるのかな?って思ってさ。」

 「お祖母様は、アレからシンザン様とスピードシンボリ様と話したからか、大分落ち着きましたが、あの時に居た審議委員、特にあの審議委員長に対しては、実際今でもかなりお怒りで、罷免するまでURAの要望等は一切聞く耳をお持ちでは有りませんわ。 ですので、このままURAが何もしなければ、本当にメジロ家は海外で走る事になるかもしれません。」

 「……うわぁ、マジで洒落になって無いじゃん。」

 「まぁ、我々ならば、何処で走る事になっても何とかなりますが、問題はこの子ですわ。」

 「リアルデュークがどうかしたの?」

 「この子、あの日かなりの大立ち回りをしましたのよ?」

 何故か得意げな顔付きで、テイオーの方を見るマックイーンの目はキラキラと輝いて見えた。

 「こんな小さな子が?」

 逆にテイオーは、マックイーンの様子を見て、半信半疑で話を聞く事にした。

 「ええ、私が裁定室から出て、この子が待っている車が止まっている駐車場へ向かっている時に、駐車場の入り口でちょっとタチの悪い記者数名に囲まれて質問攻めにあっていたら、この子が車から降りて助けに来てくれましたの。 その時に、私が相手にしなかった記者の1人が私の肩を掴んで、恐らくは無理矢理話を聞こうとしたのですが、この子ったら私が襲われたと勘違いして、その記者を放り投げましたの。 信じられますか、高身長で体の大きな殿方がボールみたいに空を舞っていましたのよ?」

 「まぁ、リアルデュークもウマ娘だから、そういうのも可能って言えば可能かもだけど、流石にこの体でそれは……」

 苦笑いを浮かべながら、マックイーンの話にツッコミを入れようとしたが、既に自分の話で興奮していたマックイーンは、テイオーの様子に気付かないまま更に鼻息荒く話し始める。

 「しかも、その時にこの子ったら、「お姉ちゃん、虐めるなっ!」って言ってくれましたのよ? その後もその場に居た記者を全員放り投げて、騒ぎを聞き付けた警備のばんえいウマ娘3人がかりで、漸く押さえられるくらい力強かったんですの!」

 「ばんえいウマ娘3人がかりって……嘘でしょ」

 「そう、嘘みたいに強くて可愛かったんですの。 「お姉ちゃんお姉ちゃん」って、何度も言ってくれましたの。」

 「それって、マックイーンはただ単にお姉ちゃんって、呼んでくれたのを喜んでいるだけじゃんっ!」

 「あら、それの何処が悪いんですの? とっても可愛くて凛々しかったんですのよ?」

 「訳わかんないよ!」

 

 

 







 そろそろ物語を進めたいんですけど、幼女が邪魔をします。


 厨二病発病してます。
 
【挿絵表示】
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。