メジロ家の変な子   作:ネギ市場

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 サロメさんとの出会いの話です。
 文字数的に少し短めです。


出会い その2

 

 

 「……な、なななな、何故貴女がここに居るのですかぁっ!」

 「ここ、既にボクの領土。」

 震える指先で寝転がっているリアルデュークを指差して叫ぶサロメに対し、特に興味が無いのかリアルデュークは、仰向けに寝転がりながら、ポテチの粉が付いた指先をしゃぶり、反対の手でその見事なイカ腹をボリボリと掻いていた。

 「な、なんなんですの、その、如何にもダメな人ムーブ全開な姿は!」

 「ボクの領土、故に寛ぐ当たり前。」

 「何を訳がわからない事を言ってるんですか! ここはワタクシの部屋でもあるんですのよ? そもそも、この部屋の惨状は何ですか!」

 サロメが目にした部屋の中はと言うと、本来二つ有ったであろう筈のベッドと棚が一つだけになっており、無くなったベッドがあった場所には大型のテレビがテレビ台の上に乗った状態で設置してあり、テレビの前にはレコーダーと、ゲーム機が床に置いてあり、大きなクッションの上に寝転がるリアルデュークの手が届く位置にはコントローラーと、大量のポテチが封を切られた状態でジュースと共にセッティングしてあり、リアルデュークはポテチを食べながら快適にゲームをしていた。

 当然、寝ながら食べているため、お菓子のカスが床に散らばっており、ジャージで汚れた手を拭く為、何となくジャージの腰部分がテカっている気がした。

 そんなリアルデュークがサロメに対して得意げに説明を始める。

 「心地良い空間をプロデュース、お菓子、飲み物、人を駄目にするクッション完備! まさに楽園!」

 「何がプロデュースですか! 単に自堕落にした結果では有りませんか!」

 「まだまだ未熟、良く見る!」

 「……どう見ても片付けが出来ない人の部屋でしか有りませんわ。」

 かなり呆れ気味にサロメが感想を述べると、リアルデュークはサロメに対して自慢するかの様に言い募る。

 「テレビ、クッション、ベッド、冷蔵庫、レンジ、全てがボクの手の中!」

 「ワタクシのベッドと収納を何処にやったんですの?」

 「大丈夫、ボクの分は確保済み! ベッドは一つあれば充分。 2人で寝ればその分部屋広くなる。 まさに心地良い空間!」

 「……だから、ワタクシの部屋でもあるんです!」

 リアルデュークの勝手な言い分と行動にサロメが苛ついていると、部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。

 「……すみません、こちらリアルデュークさんのお部屋で宜しいでしょうか?」

 「あ、はいリアルデュークさんならこの部屋に居ますわ。」

 何故か律儀にサロメが答えると、入り口のドアが開く。

 「失礼致します。 私、姉のメジロマックイーンと申します。 姉のラモーヌから言われて様子を見に来たのですが……来て正解でしたわ。」

 「え、メジロマックイーン先輩?」

 部屋に入ってきた人物を見て驚いているサロメを横目に、部屋に入ってきたマックイーンがジト目で溜息混じりにリアルデュークに話しかける。

 「……リアさん、ラモーヌ姉様からの言伝です。 同室の方にご迷惑をお掛けしてはいけません。 メジロ家の名に恥じることをしてもいけません。 もし、これ等を守れない場合はお仕置きします。との事ですわ。」

 「お、お仕置き……児童虐待良くない!」

 「では、ラモーヌ姉様にその旨、直接申し上げると良いですわ。」

 マックイーンの言葉に明らかに動揺するリアルデュークを無視して突き放す様に告げると、ポケットからウマホを取り出して何処かに電話をかける。

 「……はい、マックイーンです。……はい、やはり予想通り……はい、畏まりました。 えっと、貴女様のお名前をお聞かせ頂いても宜しいでしょうか?」

 「あ、はい、ワタクシはサロメと申します。」

 「サロメさんですね? ……もしもし……はい、ではその通りに……」

 「サロメさん、明日か明後日、どちらかお時間を頂けますか? 姉のラモーヌが是非当家に招きたいと申しております。」

 ウマホを通話状態のまま話しかけて来たマックイーンの誘いを受けたサロメが吃驚した表情で確認してくる。

 「ら、ラモーヌ様が、このワタクシを?」

 「ええ、妹のルームメイトとなられる方ですので、是非直接会ってご挨拶をしたいとの事ですわ。」

 「そ、そう言う事でしたら、此方としても是非明日にでもお伺いさせて頂きますわ!」

 営業スマイルで和かに話すマックイーンの言葉に食い気味で快諾するサロメを見て、更に笑顔で話すマックイーン。

 「快諾して頂き、姉のラモーヌに代わり、感謝申し上げますわ。 では、明日の正午に当家から迎えを寄越しますので……あと、これからお部屋の方を当家の者で復旧しますので、重ね重ね申し訳ありませんが小一時間程外で時間を潰して来て頂けませんか?」

 「それは構いませんが、ワタクシの荷物が見当たりませんの。 確かに送っておいた筈なのですが……」

 少しだけ困った顔をするサロメに、マックイーンが安心させる様に話す。

 「それも含めて此方で対処致します。 また、リアさんにもちゃんと言い含めますので……」

 「そう言う事であれば、ワタクシとしても問題有りませんわ。 では、食堂で時間を潰して参りますので、終わったらお声を掛けて下さいませ。」

 「此方の都合で済みません。 なるべく早く終わらせますので……」

 「いえいえ、では、失礼致します。」

 リアルデュークの事を敢えて無視する様に話してサロメを無事送り出したマックイーンが、廊下に控えていた家人達に号令をかけると、家人達が一斉に動き出した。

 「では皆様方、宜しくお願いします。 それと、リアさんも明日はサロメさんとご一緒に屋敷に来る様にと、ラモーヌ姉様からのお言葉ですわ。」

 「……ボク、用はない。」

 マックイーンの言葉に反抗する様にクッションにしがみ付くリアルデュークの襟首を掴んでそのまま部屋の外に引き摺って行くマックイーンと、床に爪を立てて抵抗するリアルデュークとの攻防が始まったが、それもすぐにマックイーンの勝利で終わった。

 「貴女に無くても、此方にはあるんです! さあ、そこにいられてもみなさんの邪魔にしかなりません。 さっさと部屋から出なさい!」

 「あぁっ、ボクの領土がぁぁっ!」

 リアルデュークの悲痛な叫び声が響く中、メジロ家お抱えの職人達と家人達の作業は続いた。







 進みが悪く何回か書き直した話ですが、中々難しいです。
 
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