最近身近に幽霊、所謂ゴーストが出て文章入力を邪魔するんです。
おかげでこの小説?もかなり邪魔されてました。
はい、お察しの通り、スマホ壊れてました。
新しいスマホって良いですね?
あの日、確かに私の中で何かのスイッチが入った。
後に考えると、誰かの物語にいる脇役みたいな私の人生が変わったのは、まさにあの時の出会いが原因だとはっきりと思えた。
この日も何時も通りにトレセン学園のトレーナー業務を終えた私は、去年まで指導トレーナーだった先輩と何時もの居酒屋で呑んでいた。
良くある大衆居酒屋の大手チェーン店だけあって、値段もリーズナブルなこの店は、家庭がありお小遣い制の先輩や、未だ担当も居ない新人トレーナーの私にとっては気軽に利用出来る有難い店だった。
そんな何時も通りの料理と安酒で既に出来上がっている先輩が呑むと必ず言うウマ娘愛を饒舌に語っている。
「……だからこそ、ウマ娘って存在は尊いんだ。 わかるか?」
「はいはい、十分わかってますから、そろそろお開きにしましょう? 先輩も明日は午後から担当のトレーニングがあるんですよね?」
最早何度聞いたかわからないくらい聞いた話を軽く流して、酔った先輩を介抱する。
「あるよ〜、私の愛馬との逢瀬が有りまくりますよぉ? うちの娘ってば、マジ可愛いのよ。」
「はいはい、確かに可愛いですね、会った事ないけど可愛いと思いますよ?」
私が聞き流している事に気付いたのか、今度は酔っ払いのトンデモ理論を展開してくる。
「むぅ、さては狙ってるな? 貴様、さては後輩に似た間男だなぁ?」
「先輩飲み過ぎですよ! 因みに私は女なので間男にはなれません。」
「わからないわよぉ? 頑張ればきっと間男にはなれる、諦めるな! 諦めたらそこで終了!って誰かが言ってた。」
「もう、だからこの人と飲みに行くの嫌なんだよねぇ……まぁ、飲まなけりゃ良い先輩なのがまた面倒なんだよね。」
何時もの事ながらも、少しだけ面倒だと思っていると、今度は私の肩に腕を回してアルコール臭い息を吐きながら絡んでくる。
「何だぁ、まだ全然呑んで無いじゃないか! 良いかぁ、先輩の私が呑んでいるんだから、貴女もも〜っと呑まにゃいと、ダメ〜っ!」
そう叫ぶと動きが止まった。
寝ているのを確認した後、慣れた手付きで先輩の旦那さんに連絡を取り、店まで回収に来て貰う段取りを取り、自身はテーブルに残ったツマミを肴にゆっくりと呑み始める。
いい感じに酔いがまわってきた私は、先輩の旦那さんが迎えに来る頃には呑み終わり、会計も済ませていた。
酔っ払いを回収しに来た旦那さんは、所謂イケメンでは無かったが、とても人当たりが良く、奥さんである先輩の事を愛しているのが滲み出ている人だった。
そんなラブラブ?な2人を見て、未だに浮いた話の一つもない我が身を嘆きつつも、1人安アパートへの帰路を急ぐ。
それは、帰り道にあるコンビニに寄ろうと思い、少しだけ回り道になる通りを1人寂しく歩いている時だった。
既に陽が落ちてからかなりの時間が経っており、既に辺りは真っ暗な夜道に衝撃的な光景が広がっていた。
だって、道の端に簀巻きにされた幼女が転がって居たのだから……。
時間は遡ってその日のお昼。
午前中の授業を無事に睡眠学習で終えたリアルデュークは、食堂でひたすらに美食を満喫していた。
既にウマ娘3人前くらいを食べたリアルデュークが、そろそろデザートに手を伸ばそうとした時に事件は起こった。
「リアさん、やっと見つけましたわ!」
食堂で食事をしていた、オグリキャップ以外のウマ娘が何事かと注視するくらいの声量で叫ぶサロメに、一瞬だけ視線を向けたリアルデュークは、すぐに興味を無くしてデザートに取っておいたチーズケーキに手を伸ばす。
「ケーキうまうま……」
幸せそうに両手で持ったチーズケーキワンホールを、もっちゃもっちゃと食べる幼女の姿を見て少しだけ癒されたサロメは、意識して気を持ち直すと、キッと目線を強めてリアルデュークを見る。
「リアさん、ワタクシは言いました。 2人の部屋なので、お互いに協力してストレスの無い共同生活をして行きましょうと……」
未だに此方を見ずにケーキに夢中になっているリアルデュークに、更なる苛立ちを感じながらも、これもいつもの事とグッと堪えて話を続ける。
「今朝もワタクシはちゃんと、貴女の怪我のケアをして、燃えるゴミの分別とゴミ出し、昨夜貴女が散らかしたスナック菓子の片付けや飲み残しの処理に茶器の片付け、ベットシーツの交換にお寝坊さんな貴女の朝の身支度にと共同生活の為に必要な事を行いました。」
「最初の印象はアレだったけど……サロメさんってとても面倒見の良い方だね?」
「ってか、最早お母さんだよね?」
「それな〜。」
サロメの話を聞いた周りの子たちが、サロメの以外な姿に対してあちこちで話始める。
そんな周囲の反応に対して、若干顔を赤くしながらもサロメの話はまだ終わらない。
「ワタクシ、最初に言いましたわ。 他のことは大体ワタクシがやりますので、毎日朝起きたらポットに水を入れるのが貴女の役割だと……勿論、危ないので沸かしたお湯ではなく、お水を入れるだけにして頂いておりますが……此方をご覧なさい!」
「え、サロメさん甘すぎない?」
「家事の分担がポットに水を入れるだけって……」
「やっぱりお母さん……」
周囲の騒めきは敢えて無視をして、サロメが手に持っていたポットをリアルデュークの顔の前に突き出す。
それは特に何の変哲もない極々一般的な電気ポットと言われる物だったが、敢えて言えば紅茶の香りがかなり強く、ポットの蓋部分、液晶やボタンのある部分から水滴が滴り落ちていた。
「なんで、ただ水を入れただけなのにこんなにずぶ濡れになっているのでしょう? 何故、ただのポットからこんなにも茶葉の香りがするのでしょう? リアルデュークさん、貴女ならばワタクシのこの疑問に対する答えをお持ちであると、確信致しておりますわ。」
グイグイとリアルデュークの頬に濡れたポットを押し付けながら答えを迫ってくるサロメに対して、リアルデュークは……
「……ぼ、ボクは知らない。 分からない。 小麦粉か何かだ。」
リアルデュークが目を泳がせながら適当に答える。
「小麦粉の話はしておりません。 ワタクシが聞いているのは、今度は何をやらかしたのか? それ一つですわ!」
「ぼ、ボクは良かれとおもただけ! ボク、善意の第三者!」
「貴女は当事者です!」
ポットを小脇に抱えてリアルデュークを指差すサロメ。
「お風呂で紅茶いっぱい沸かす、ボクそれ汲む、いっぱいあるから楽! それに、みんなお風呂で紅茶飲める、みんなハッピー!」
あたふたしながらも何とか説明をするリアルデュークの言い訳を聞いたサロメが叫ぶ。
「な訳あるかぁぁ!って貴女、もしかして寮の大浴場で紅茶を淹れましたの?」
「おっきいお風呂、良い香り。 みんな喜ぶ! 後は毎日紅茶汲むだけ。」
何故か得意気に答え始めたリアルデュークを無視してサロメが信じられないモノを見る目でリアルデュークを見る。
「そんな事したらお風呂のボイラーが……どうしましょう……」
「サロメさんって居ますか〜? 寮長のフジキセキさんがお呼びですよ〜?」
食堂の入口付近で事務員さんが呼び出しをする。
「ひぃっ!」
その呼び出しに小さな悲鳴を上げるサロメ。
「サロメ乙、がんがれ?」
「一体誰のせいだと!」
無責任にサロメを応援するリアルデュークに苛立ちをぶつけるサロメ。
「あ、リアルデュークさんも一緒に来て欲しいそうですよぉ?」
「ひぅっ!」
事務員さんの呼び出しに小さな悲鳴を上げるリアルデューク。
「リアルデュークさん、乙ですわ。」
「サロメのとばっちり受けた。」
「逆ですわ、ワタクシが、貴女のとばっちりを受けているだけですわ!」
何処か不貞腐れた態度のリアルデュークに言い募るサロメ、そんな2人に対して近くまで来た事務員さんが気の毒そうに話しかける。
「あのぅ、多分寮長かなり怒ってるみたいだから、早く行った方が良いと思うよ?」
「さあ、リアさん行きますわよ?」
事務員さんの話を聞いたサロメが、リアルデュークに声をかけるが、既にその姿は無かった。
「あ、リアルデュークさんなら、もう何処かに行っちゃったよ?」
「あんの駄目幼女! 見つけたらタダでは済ませませんわ!」
サロメは苛立ちながらも、急いで寮長室に向かうのだった。
でもね、高々充電池の容量が8割になっただけで故障するスマホって物は、かなりの根性無しだと思います!
我が家の20年物の除湿機を見習って貰いたいものです!