メジロ家の変な子   作:ネギ市場

77 / 130



 今回は少し短めです。
 



サロメとリアルデューク

 

 

 

 あれから数日が経ち、正式にリアルデュークのトレーナーとなった千尋とリアルデュークの2人は、学園にある施設の一つ、屋内プールにて今日もトレーニングに励んでいた。

 「はい、後2キロ泳いだら1キロ流して下さい。 その後は休憩入りますよ〜?」

 黙々と泳ぐリアルデュークの小さな背に千尋が手に持ったメガホン越しに声をかける。

 すると、今までクロールで泳いでいたリアルデュークが、器用に半回転して背泳ぎに移行しながら千尋に質問する。

 「ちな、今日オヤツ?」

 「今日は特製疲労回復肉まんと梅と塩昆布のおにぎりですよ〜。 疲労回復にオレンジジュースも飲んで下さいね?」

 千尋が、リアルデュークの質問に答える。

 「すぐ終わる!」

 そう宣言すると、又々器用に半回転したリアルデュークがバタフライで猛烈な勢いで泳ぎ始めた。

 「あ、ちゃんと最後の1キロは流すんですよ〜?」

 そんなリアルデュークの背に、千尋が間延びした口調で注意していた。

 

 

 「ウマウマ、千尋、ご飯ウマウマ!」

 「ふふ、夜もちゃんと作るので、きちんと食べましょうね?」

 一通りメニューを熟したリアルデュークがもっちゃもっちゃと千尋が用意したオヤツを食べる。

 そんなリアルデュークの幸せそうな姿を見ながら、千尋が話しかけていたが、食べるのに夢中なリアルデュークはただ生返事をするだけだった。

 「うぃうぃ」

 「それにしても、千尋トレーナーは料理上手なんですね? 正直言って、トレーナーさんが自ら栄養管理するのは初めて見ましたわ。」

 リアルデュークの付き合いで一緒に居たサロメが、肉まんを食べながら素直な感想を口にすると、それを受けて千尋が得意気に答える。

 「まぁ、趣味の一つと言うか、選手の体調管理で食事って1番大切ですからね、特にデビュー前の大事な時期には身体を作る為に適切なタイミングで、最適な栄養補給が肝要です。 今食べている物も、筋肉を作る為に重要なんですよ?」

 「しかし、1日3食に加えて練習前と、休憩時と練習後、これだけ飲み食い致しますと、ちょっとだけ体重が心配になりませんか?」

 ひたすら食べ続けるリアルデュークを見ながらサロメがそう尋ねると、千尋が自信満々に答える。

 「そこはしっかりと計算してあるので大丈夫ですよ? と、言いますか、私この計算だけは昔からちょっとだけ得意なんですよ?」

 そんな千尋の姿を見て、意を決した様な真剣な表情でサロメが少し小声で尋ねる。

 「……因みに、しっかり食べて痩せる事も可能でしょうか?」

 サロメの真剣な表情に引き摺られたのか、何故か千尋も真剣な表情で断言した。

 「……期間と目標体重にもよりますが、可能です。」

 そう断言された瞬間、サロメが千尋の手を両手で握って懇願する。

 「……トレーナーさん、トレーナー契約とは申しません、なので私とダイエット契約を結びませんか? と、言いますか、結んで下さいませ!」

 そんな突然の申し出に、少し困った様な顔で千尋が諭してくる。

 「ん〜、私が見る限りサロメさんは、そこまでダイエットしなくても大丈夫ですよ?」

 「で、ですが、最近リアさんに付き合って色々と食べているので、そろそろ二の腕とかが……」

 千尋にそう言われても納得していないのか、自信無さげに自分の右腕を千尋に見せると、いつの間にかサロメの隣に座っていたリアルデュークがその二の腕をぷにぷにと揉んで感想を述べる。

 「……サロメぷにぷに?」

 「なっ? わ、私はまだそこまででは有りませんわ!」

 急に現れたリアルデュークの行動にびっくりしながらも、慌てて腕を揉んでいるリアルデュークの手を払いながら反論するサロメ、その慌てる顔を見ながらリアルデュークが尋ねる。

 「一緒に筋トレ、マッスルする?」

 「リアさんの筋トレは、常人には無理ですわ。」

 何時もやっているリアルデュークの筋トレを思い出したのか、若干引き気味にサロメが断りを入れると、リアルデュークが良い事を思い付いたとばかりに提案する。

 「ライアン姉様、筋トレ得意。 一緒なら大丈夫!」

 「確かにライアン先輩なら安心ですが、未だ療養中ですし、私は心の保険としてちょっとだけダイエット出来れば問題無いのですわ。」

 リアルデュークからの提案に少しだけ考える素振りをみせたが、やはりサロメは無理と判断したのか、その理由を述べる。

 そんなサロメに対して、千尋がアドバイスをする。

 「サロメさんの年齢なら、無理にダイエットせずにきっちりと食べて、計画的にトレーニングすればスタイルも良くなりますよ?」

 「是非、ダイエット契約をお願いしますわ!」

 スタイルが良くなると聞いたサロメが眼光鋭くお願いをする、

 「おお、サロメも一緒?」

 サロメと一緒にトレーニング出来ると喜ぶリアルデュークを見て、軽く笑顔になった千尋がサロメのお願いに対して返答する。

 「そうですねぇ……では、お試しと言う事で暫く一緒にやりましょうか?」

 「有難うございます、精一杯頑張りますので、宜しくお願いしますわ。」

 自分の願いが無事に叶った事に、満面の笑みで御礼を述べるサロメ。

 そんなサロメに対して、トレーナーとしての顔になった千尋が矢継ぎ早に指示を出す。

 「まずは、リアちゃんと一緒に準備運動行きましょう。 準備出来たらリアちゃんとインターバルで遠泳10キロ、そのまま流しで5キロ泳いでから身体の筋肉のバランスを整える為に軽く筋トレ行きましょう。」

 千尋の指示を聞いたサロメとリアルデュークが対照的な反応を示した。

 「い、意外とハードなんですね?」

 と、その内容に思わず後退りをしそうなサロメに対して、

 「サロメ頑張る!」

 少しワクワクしているリアルデューク。

 そんな2人に対して笑顔で更なる指示を出す千尋。

 「リアちゃんはサロメさんと違って慣れているみたいなので、筋トレは特別メニューで行きますよ?」

 「ナイスマッスルする!」

 特別メニューと聞いて更にテンションが上がるリアルデュークを見て嬉しそうに笑顔で話しかける千尋。

 「そうですね、今日も筋肉さんに喜んで貰いましょうね?」

 「サロメも一緒にナイスマッスル!」

 「が、頑張りますわ!」

 そんな2人に対して、引き攣った笑顔で返すサロメだった。

 







 自分でやるダイエットって成功率低いですが、
実際にトレーナーが付いたダイエットって成功率高いらしいですね?
 
 ちょっと修正しました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。