メジロ家の変な子   作:ネギ市場

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少しずつ成長?しています。

多分、きっと••••••


リアとマックイーン

 

 ウマ娘は走る、自分に厳しく、指導するトレーナーを信じ、己に宿る魂に導かれ、己の誇りの為に一切の妥協をせずに自身の身も心も追い込んで行く。

 特に、ウマ娘達が目指す憧れの場所、URAが主催し、日本国民の殆どが熱狂する国民的興行、トゥインクルシリーズで活躍する選手ともなれば、その人気たるや正に国民的なアイドルと言っても差し支え無い程である。

 それ故に、トレセン学園に所属する少女達には、アスリートとしての一面と、アイドルとしての一面が求められていた。

 だから妥協しない、挫けても挫けても立ち上がり、ひたすらにただ前を向く……その先にあるゴールを目指して。

 

 

 

 「ハイ、あと20回……あ〜、ダメダメ、脚は真っ直ぐキープ! あ、反動を付けないで〜、ハイ、最初からやり直し。 はい、行くよ〜」

 「ち、ちょっと……ライアンさん。 厳し過ぎ、では…ありませんか?」

 上下共に黒のトレーニングウェアに身を包んで腕を組むライアンの視線の先には、同じ格好をしたリアルデュークとマックイーンがおり、片や楽しそうにドラゴンフラッグを行う幼女と、片や息も絶え絶えに地面に突っ伏す少女が居た。

 「だから言ったでしょ? マックイーン、リアは特別だって」

 「いくら特別と言っても……ここまでとは、思いませんですわ」

 「……たはは。 リアは筋トレ大好きだから」

 頬を掻きながら苦笑いを浮かべ、ライアンは幼女に筋トレで負けたマックイーンに、フォローになってもいないフォローを入れる。

 「好き嫌いのレベルの話では有りませんわ! リアさんはまだ9才ですし、別に本格化を迎えている訳でも無いのですよ?」

 本格化とは、ウマ娘特有の変化であり、ある日突然強くなる訳ではなく、ある日から身体の成長速度が一気に上がる現象で、トレーニングの効果が本格化前と比べて途轍もなく高くなる。

 当然、身長や体重、身体つきですら、本格化前と後では別人みたいになる者もいた。

 マックイーンもライアンも、当然その本格化真最中であり、本格化前のリアルデュークが、2人と同じトレーニングが出来る訳が無い筈であった。

 「ボク、トレーニング好きです。 お腹、ライアン姉様と一緒になりたいです!」

 まさに元気一杯に2人に答えるリアルデュークは、未だに筋トレ中であった。

 「……嘘でしょ」

 未だにトレーニングを辞めないリアルデュークにドン引きしたマックイーンは、それを指導しているライアンの方を見る。

 「うん、準備運動はそれくらいにして、リアは何時ものセットメニューに移って」

 「は〜い! 行ってくる」

 元気に返事をして次のトレーニングをする為、別のマシーンで背筋を鍛え始めた。

 「それでライアンさん、あの子の能力はどの程度の物なのです?」

 「……わからない、所詮私達はトレーナーじゃないからね。同年代、と言うか……私達の頃と比べると正直言ってドン引きレベルで凄い能力だと思う。」

 「そこまでですの?」

 先程とは違い、真剣な表情でライアンを見るマックィーン。

 「……そこまで、だよ? マックイーン。 そもそもの話、リアの年代でさ、あんな運動は筋力的に無理なんだよ。 まず間違いなくドラゴンフラッグなんて出来ないって言うか、やらせてはダメ。 過剰な筋トレは身体の成長に悪影響だからね。」

 マックイーンにそう答えた後、良い笑顔でサムズアップするライアンにもドン引きした。

 「だったら、何故あの子にあんなトレーニングをさせているんですの?」

 「……良いマッスルだから」

 「はぁっ?……何やってますの!」

 思わずライアンの胸倉を掴んだマックイーンから顔を背けたライアンは、ぼそっと呟く

 「……リアの筋肉がもっとって言うから」

 「……お祖母様の所に行きますわよ」

 「ちょっ、本当にリアなら特別だから大丈夫なんだって!」

 「それは最初からわかってやりましたの?」

 「…………」

 「……さぁ、行きますわよ?」

 「ちょっ、待って! お祖母様はダメだって!」

 「サッサと来なさい!」

 マックイーンに片手で襟首を引っ張られながら、ライアンは連行されて行った。

 

 

 「……それで、貴女たちは小さい子を1人残してここに来たと、そう言う事で宜しいかしら?」

 ライアンを連れてアサマの執務室にやってきたマックイーンは、話を聞いたアサマによって、仁王立ちするアサマの前で2人揃って正座をして居た。

 「……婆さまオコ?」

 「……リアさん、その言い方はお辞めなさい。」

 「……ババ?」

 「……ぷっ!」

 「貴女方? もう少しそのままで宜しいみたいですね」

 そのあと、足の指をモゾモゾさせる2人をソファの背もたれ越しに眺めていたリアルデュークに、アサマが後ろから肩に手を置きながら

 「……リアさん、最近あまりお勉強に身が入っていないみたいですね? だから、今日はここでお姉ちゃん達に見守られながら、一緒に頑張りましょうね?」

 有無を言わせぬ笑顔を見て、リアは絶望した。

 「お、お祖母様、私達はこの体勢のままですか?」

 「当たり前です。 この子が執事の出す小テストで、合格点を出すまで頑張って貰います。」

 「それじゃずっとこのままって事じゃないですか!」

 思わず声をあげたライアンを見て

 「黙りなさい。 ライアンさん、貴女は自らこの子のトレーニングを指導していたのに、ちゃんとした監督役を行わず、主観のみでそれを行いました。」

 「……はい」

 「マックイーンさん、貴女は監督が必要な幼子を放置してここに来ました。」

 「……はい」

 「お2人共、これ等の行為は、大人として恥ずべき行為だと私は思いますが、お2人はどう思われますか?」

 「……申し訳ありませんでした。」

 ライアン、マックイーン2人揃って頭を下げる。

 「私ではなく、リアさんに詫びなさい。」

 2人は正座したままリアに頭を下げて謝罪する。

 「では、そう言う事ですから3人一緒に励みなさい。」

 そして、3人はリアが合格点を取るまでの間アサマ監督でキッチリ地獄を見たのであった。

 

 「「「……解せ(ませんわ)(ぬ)(ない!)」」」

 

 

 






ちょっと短めです。
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