メジロ家の変な子   作:ネギ市場

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 殿下チーム対メジロ家、時々幼女って構図になるんですかねぇ?
 



リアルデュークの里帰り その5

 

 

 

 リアルデュークとファインモーションが出会った日から数日、その間2人がラーメン巡りを行っていた頃、メジロ家本邸では蜂の巣を突いた様な騒ぎになって居た。

 「兎に角、今動員出来る人員を全て投入なさい! あと、警察にもすぐに連絡を入れて捜索を依頼しなさい! 良いですか、何としても無事に見付けるのです。 出来る出来ないでは有りません、メジロ家の総力を挙げて挑みます! もう二度とお祖母様を悲しませてはなりません!」

 マックイーンからの連絡を受けたメジロラモーヌが、何時と違う鬼気迫る声で指示を出す近くでは、爺やに付き添われる形で執務室のソファに座って泣くメジロマックイーンの姿があった。

 「マックイーン、何時まで泣いているのですか? 貴女もあの子の姉を自負するのであれば、やるべき事があるでしょう!」

 「でも、ラモーヌ姉様、私が原因だと思うとどうして良いのかわからなくて……」

 爺やの渡したハンカチで目元を押さえ、涙ながらにそう訴えるマックイーンをジッと見詰めたラモーヌが何かを言おうとしたその時、使用人の1人がラモーヌに来客を告げに来た。

 「……取り敢えず、応接室へお通しして下さる? 私もすぐに行きます。」

 少し困惑した表情で使用人に指示をしたラモーヌが応接室へと向かう前に、マックイーンへと声を掛けた。

 「一先ず、この件は私が対処しますので、貴女は療養所にお戻りなさい。 良いですか、私が責任を持って対応しますので、貴女は貴女にしか出来ない事を成しなさい。」

 「……私にしか出来ない事ですか?」

 ラモーヌを訝しげに見るマックイーンに優しく微笑んだラモーヌが、マックイーンの肩に右手を置き、空いている左手でマックイーンの頭を優しく撫でる。

 「良いですか、貴女はメジロ家が誇るウマ娘です。 今のメジロ家の歴史を作っている、まごう事なきメジロの誉れ高きウマ娘メジロマックイーンなのです。 その責務は、後に続く子達の導となる事……誇り高く、気高き導と成りなさい。 それこそが、後に続くリアさん達、幼いメジロの子等に対して貴女が、いえ、貴女にしか出来ない事です。 その為の最善を尽くす為に、貴女がこれから成す事の為に、今は療養所に戻りなさい、良いですね?」

 未だ泣きそうな顔でラモーヌに撫でられながら話を聞いていたマックイーンだったが、話が終わった頃には泣きそうだった表情は引き締まり、真っ直ぐにラモーヌの目を見て短い返事をすると、爺やを伴って部屋を出て行った。

 そんなマックイーンを見送ったラモーヌは、側で控えていた執事に改めて幾つかの指示を出すと、来客の待つ応接室へと向かうのであった。

 

 

 「……それで、フィンランド大使館の方が、一体全体何用でこの様な片田舎の屋敷に来られたのでしょう? ご覧の通り、此方も少々立て込んでおりますので、急ぎで無いのならばまた後日、日を改めてとしたいのですが?」

 ラモーヌが応接室に入ると、ヨーロッパ系とはまた違った雰囲気と顔付きの白人の男性が和かな笑みを顔に貼り付けてソファに座って居た。

 男はラモーヌに見る人が見れば胡散臭く感じるその笑顔を向けたまま、背広の内ポケットから有名なブランド物の名刺ケースから名刺を出してラモーヌに手渡すと、流暢な日本語で話し始めた。

 「先ずは、お忙しい中対応頂き感謝します。 此方としてもあまり時間をかけるのは遠慮したく思っておりますので、用件のみご連絡させて頂きます。 此方、殿下からの御言葉となります。」

 そう言って一旦言葉を区切ると、喉に手を当てて何やら声の調整をすると、ラモーヌを真っ直ぐに見て話し始めた。

 「お友達のリアルデュークさんとラーメン巡りに行きます。 以上です。」

 その声は、男の外観からは想像出来ない程に女性的で幼くも凛とした声だった。

 一瞬だけ目を見開いて驚いたラモーヌだったが、すぐに不快な顔になると、何時もよりも低い声で男に問う。

 「……巫山戯て居るのかしら?」

 「いえいえ、此方は至って真面目ですよ?」

 先程の声ではなく、男性らしい声で答える男の態度は何処か巫山戯た印象を与えるモノだった。

 「つまり、我が家のお姫様は今現在そちらの管理下にあると言う事ですか……それで、何が目的なのかしら?」

 「目的も何も、学生さんがお友達同士で食事に行くなんて普通の事では?」

 「……本物のお姫様が、友達とラーメンなんて食べに行く訳が無いでしょう? 回りくどい事を言わずに、其方の要求を述べなさい!」

 男の変わらない態度に苛つきを隠さないラモーヌ、一触即発の雰囲気が漂う応接室で使用人の女性が冷や汗をかきながら2人にお茶を給餌する。

 「……困りましたねぇ、本当に他意はないのですが、信じては頂けませんか?」

 「逆の立場なら信じますか?」

 未だ態度の変わらない男の言葉に、ラモーヌが睨みつける様な視線を送りながら話す。

 「……残念ながら、信じ無いでしょうね。 ですが、うちのお姫様はそういう性質の方ですので、何とか信じて頂きたいと思います。 この私がこうして話を持って来ていると言う点を考慮して納得してみませんか?」

 「納得するとして、いつ頃解放して頂けるのかしら?」

 相手の手札と自身の手札を考え、苦渋の決断で譲歩する事にしたラモーヌを気にする事なく男が答える。

 「そうですねぇ、殿下が満足したらと言いたい所ですが、それでは無理でしょうから、一つ此方の質問に答えて頂ければ数日で済むように私から取り成しましょう。」

 「質問とは?」

 ラモーヌは自身の立場やリアルデュークの事を考えながら何処まで譲歩するか考える。

 「簡単なモノです。 我々が殿下からの指示で、ある人物の行方を捜索したのですが、思いの外簡単に見つかったんですよね。」

 先程までの胡散臭さがなりを潜め、男が眼光鋭くラモーヌを見る。

 「それは良かったですわね?」

 ラモーヌはその男の変化に気付かない振りをしながら、敢えて笑顔で相手に合わせる。

 そんなラモーヌの笑顔に合わせる様に、男は大袈裟な身振りと笑顔を交えながら目だけは鋭く話を続ける。

 「ええ、一部とは言え、王命をこれ程早く達成出来たのは大変喜ばしいのですが、ここで一つ疑問が芽生えるのですよ? 世界的企業でも有るメジロ家が、何故この程度の捜索に何年も掛かっていたのかと?」

 「……話が見えないのですが、捜索とは何の事ですの?」

 「いえいえ、流石にそれは苦しいでしょう? まぁ、はっきり言いますと、リアルデュークさんの探し人ですよ?」

 惚けるラモーヌに呆れ顔でその態度を諌めた男が、今度は真面目な表情で話を切り出した。

 「貴女方が追い出したメジロレオーネさん、彼女の所在地を我々は突き止めました。 と、言いますか、貴女方の代わりに当方で保護しております。」

 「そ、それは……」

 愕然とするラモーヌを見て、ニヤリと口角を上げる男だった。







 言う程幼女は影響有りませんね。
 ……ラーメン食べてるだけですし。
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