間が空いて済みません。
リアルが忙しかったのと、機種変したら何故か書いてたデータが飛んだ為、ストックが無くなり更新が遅くなりました。
こんな素人の2次創作を読んで下さっている読者の皆様方には申し訳なく思っております。
ここは日本中のウマ娘が憧れ、その人生を賭けて入学を目指す場所、日本ウマ娘トレーニングセンター学園、略してトレセン学園。
そのグラウンドで1人の幼女が不満を隠す事なくダラダラと走っていた。
「リアルデューク、もっと気合い入れて走りなさい! そんな様では更に坂路も追加しますよ?」
そんな幼女に大声で発破をかける女性トレーナーが1人と、それに反抗する幼女が1人。
「鬼ババ!」
「……よぉぉしっ! 坂路5本追加! その内2本はマスク付きでやりなさい!」
「ひぃぃぃっ、鬼ぃぃぃっ!」
トレーナーからの言葉に、顔を青くして幼女が文句を言いながらも、少しだけ走る速度を上げる。
「叫ぶ元気があるならタイムを意識しなさい? また0.2秒ハロンタイムが遅れているわよ!」
不満たらたらに文句を言いながらも、先程よりは真面目に走り始めた己の愛バの態度に対して溜息を吐いているトレーナーに、もう1人の真面目そうなウマ娘が声を掛けてきた。
「トレーナーさん、このサロメ、坂路3本きっちり指示通りのタイムにて走り終わりましたわ。 次はどの練習を行えば宜しいでしょうか?」
「お疲れ様、サロメは後はウッドチップで軽く流して今日は上がりなさい。 あ、ちゃんとダウンもやるのよ? あと、部室に何時もの軽食も用意してあるから、きちんと食べなさいね?」
練習で少しだけ上気した表情でそう聞いて来るもう1人の愛バに笑顔で指示を出す。
「はい、了承致しましたわ。」
「サロメは素直で良い子ねぇ……それに比べてあの子は……コラァッ! リアルデューク、真面目に走りなさい! 貴女は練習サボった分遅れているんだから、ちゃんとやりなさい!」
自分の指示に笑顔で答えるサロメの頭を撫でながら、トレーナーである千尋はしみじみと思う、この子の20%でもいいから、リアルデュークが真面目になってくれたらと……。
そんなやり取りが行われているトラックを、近くの芝生に座りながら愉しげに眺めている芦毛のウマ娘と、そのウマ娘を不思議そうに見ているもう1人の芦毛のウマ娘がいた。
「おうおう、搾られてんなぁ? 流石に千尋さんも今回はえらい厳しいのぅ。」
「タマ、私もリアルデュークの練習、何時より厳しいと思う。」
隣に座る友人の言葉に対して、自分なりに思っていた事と同じだったのか、真面目な表情で同意するもう1人の芦毛のウマ娘。
愉し気に練習を見ていたウマ娘が、そんな感想を述べる友人を見ながらも、何処か面白そうに口角を上げてそうなった経緯を説明し始めた。
「そら1週間も家出してひたすら自堕落に食べ歩きしてたんやから、普段から優しい千尋さんもブチ切れかますわ。 つまりはオグリん、この状況はやな、リアルデュークの自業自得ってもんやで?」
「……食べ歩き、とても良い言葉だ。 タマ、私達もやろう?」
説明途中で気になるワードがあった為、既に別の事に思考を飛ばしたオグリキャップが目を輝かせてタマモクロスに話しかけてきた。
「……まぁ、やってもええけど、食べるんは殆どオグリんのみやで? ウチはそないに量は食べれんからなぁ?」
何となく予想はしていた反応に呆れながらも、タマモクロスが前向きな反応を返すと、オグリキャップが更に前のめりになって話して来た。
「タマと2人で食べ歩き、それが1週間も……とても楽しみだ!」
拳を握ってとても嬉しそうに斜め上の考えを述べるオグリキャップを見て、タマモクロスが慌ててツッコミを入れた。
「いや、1週間は無理やろっ! オグリんのペースで食べたら、身体まん丸なってもうて、走るより転がる方が早よなってまうわっ!」
「まん丸なタマか……可愛いんだろうな。」
「あまり変なモン想像すなやっ! 食べ歩きは1日だけ付き合うたるさかい、それで我慢しいや?」
「あぁ、タマとの食べ歩き、今から楽しみだ。」
何とか無茶なスケジュールを回避したタマモクロスがやれやれと安堵していると、後ろから聞き覚えのある声がかけられた。
「……馬鹿ップルの冷やかしなら他所でやんなさいねぇ?」
「馬鹿ップルって……ウチとオグリんはそないな関係や無いで? ライバルやっ! 好敵手と書いてライバルやっ!」
タマモクロスが、後ろを振り返りながらも弁明じみた訂正をすると、そこにはリアルデュークの監視役としてラモーヌに指示されたメジロアルダンが立っていた。
「……成る程、私達はカップルだったのか?」
「あぁもうっ! まぁたオグリんがボケてもうたわ。」
オグリキャップの言葉に頭を抱えたタマモクロスを見ながら、アルダンが溜息交じりにぼやいた。
「……だから、イチャつくなら他所でやりなさいよ?」
「み、みず……」
「適切な摂取量に抑えるのよ? じゃないと、また搾らないといけなくなりますからね?」
あれから千尋にたっぷりと絞られたリアルデュークが、大量の汗と共に床に転がって千尋に手を伸ばしていると、それを見た千尋がリアルデュークに注意をする。
だが、それを聞いたリアルデュークは不満だらけの顔になり、床を転がりながらその不満を叫ぶ。
「ボク、干涸びる寸前。 虐待、良くない!」
「……誰のせいですか?」
リアルデュークのそんな態度に対して、呆れ顔で千尋が言葉を返すと、些かバツの悪い顔になったリアルデュークが、そっぽを向いてボソボソと小さな声で反論する。
「ボク悪くない、長い物には巻かれろ、社会の掟従っただけ。」
「……1週間もトレーニング無しで暴飲暴食する様な掟は有りません。」
リアルデュークのその反論を聞いた千尋が、一瞬で表情を消して抑揚の無い声で宣言すると、即座にリアルデュークが千尋の足に縋る様にだきついた。
「……トレーニング、ボク頑張った。 ご褒美、希望!」
「はい、蒟蒻ゼリー。」
千尋がポケットから取り出した蒟蒻ゼリーミニを見た瞬間、リアルデュークの表情が絶望に染まる。
「……慈悲を! 蒟蒻以外の慈悲を!」
「味が選べるのが慈悲ですよ?」
必死になって足に縋り付き懇願する幼女に対して、3種類の蒟蒻ゼリーミニを提示しつつ、感情の無い声色で宣言する千尋。
「なっ! そ、それの何処が、慈悲言う! 鬼ババ! 行きお「あぁあ?」……御免なさい。」
この世の無情を嘆きながらも強く訴えていたリアルデュークだったが、あるワードを言いかけた時の千尋の反応を見て、全力での撤退、無条件降伏を即座に選択するのであった。
その後も、あの手この手で縋るリアルデュークに根負けした千尋が蒟蒻ゼリープレミアムを出す迄、2人の攻防は続いた。
「さてさて、今日この場を設けましたのは、リアさんとメジロマックイーンさんの仲直りをする為ですわ。」
今、メジロ家療養所の応接室では、3人のウマ娘が対峙していた。
その3人のウマ娘の1人、部屋の中央付近に設置された応接セットの上座側のソファに踏ん反り返る幼女と、何故か姉なのに下座側のソファに座りながら俯いて肩を震わせている少女の間、所謂お誕生日席に座る少女こと、ファインモーションが和かにそう宣言した途端、下座に座っていた少女ことメジロマックイーンが勢いよく立ち上がり、対面のすこぶる態度の悪い幼女を指差して叫ぶ。
「仲直りも何も、そもそもの原因であるリアさんがきちんと反省すれば、私は別にそれだけで構いませんですわっ!」
「……ボク、何も悪くない。 マックイーンおばばがババ臭いのが悪い。」
マックイーンの言葉に対して、センターテーブルに足を上げるのも最早秒読み段階とでも言わんばかりな態度のまま、リアルデュークが不機嫌に反論すると、マックイーンの米神に浮かんだ青筋が目に見えて増えた。
「なっ! 私の何処がババ臭いと言うのですかっ?」
「ババはババ、既に手遅れ。」
完全に調子に乗ってしまったのか、マックイーンを哀れみを込めた目で見ながら両の掌を上に向けたポーズを取って挑発するリアルデューク。
その態度を見たマックイーンからブチっという聞こえてはいけない音がすると、怒りで震えながら、底冷えのする声音でマックイーンがブチ切れた。
「……リアさん、今日と言う今日は、赦しませんわよ! 普段の生活態度を含め、きっちりとお説教して差し上げますわ!」
「おばば、また小言、正に小姑根性!」
普段ならここでビビったリアルデュークが全面的な降伏をするのだが、今回はリアルデュークも一歩も退かずに応戦する。
「むっっかぁぁっ! リアさん、今すぐそこに御直りなさい! この私直々に、メジロ家の淑女と言うモノがどう言うモノか、とことんお話して差し上げますわ!」
「おばばの小言、つまらない、中身無い、眉間に深いシワ! 皺々おばば!」
「……な、なんて酷い言葉使いですの……」
「……ご両人とも、そこ迄ですっ!」
お互いに額がくっつきそうな位に近付いて不毛な言い争いをしていたが、リアルデュークの言葉の悪さにマックイーンが思わずビックリして一歩退いてしまったその瞬間、今まで黙っていたファインモーションが2人を一喝した。
突然の一喝にビックリした2人が言い争いを中断してファインモーションの方を見ると、その状況に満足したのか、にっこりと笑顔でファインモーションが口を開いた。
「さぁ、仲直りを始めますわよ?」
暫く更新が遅くなりますが、良ければ引き続きお付き合いください。