魔法少女リリカルなのはHERO Tの名を持つ少女 作:陽炎=蜻蛉
「これが…雷帝…」
「昨年都市本戦では3位、今年も地区予選突破は固いと評されるほどの有力選手です。」
アインハルトがミカヤの道場にて、ジーク対策の特訓に励んでいた同時期、カスミはノーヴェらと共にヴィクターとシャンテの試合映像を確認していた。
「まず、圧倒的な魔力量から連なる防御力は、恐らくインターミドル参加選手の中でもトップクラスだ。機動力こそ乏しいが、攻撃が通らなければスピードは意味をなさないと見ていいだろう。」
「これ、スペシウムブラスターで撃ち抜けますかね…?」
「それは何ともだな。ギン姉との特訓のお陰で魔力量自体は確実に増えているから、威力も底上げは出来ているはずだ。ただ、倒せるかどうかの保証はできない。9割消費した後に、技が飛んできたら終わりだ。」
「賭けは嫌いなんですけどね。かといって撃てる保証もないですが…」
ギャンブル的な戦い方は余り好まないカスミ。しかし、昨日のヴィヴィオたちの涙を見て、勝利を固く誓った以上は出来ることをしなければならない。
「膨大な魔力………そうだ、反射してぶつけるのはどうでしょう?」
「いや、単に向こうの攻撃をそのまま跳ね返したとしても、ダメージは通らねぇ。実際、初戦で自分の雷撃を反射で喰らっていたが、問題なく戦闘続行している。」
膨大な魔力はそのまま相手にぶつけるというのは、特撮でもよくある戦い方である。しかし、雷帝相手にそれは通じないようだ。
「参ったな…一体どうすれば…」
必死に思考を研ぎ澄ませるカスミ、これまで特訓で得た成長を元に、快進撃を続けてきたがこれほど悩むのは初めてだ。1分ほど、思考の海に潜った後、カスミはアリアの通話機能を開くと、ある人物に電話する。
「うん、ちょっと付き合ってほしいの。ごめんね、折角の休暇中なのに。」
【可愛い娘のお願いにOKしないママはいないよ? そしたら、いつものセンターで待ち合わせしようか?】
「ありがとう、フェイトママ!じゃあ、後でね。」
「お、おいカスミ…まさか…」
「はい、雷撃対策なら、もう頼れる人は1人しかいませんから。師匠たちはアインハルトさんのところに行っててください。何かあったらすぐに連絡します。」
やや強引にノーヴェたちを送り出した後、徒歩5分とかからず、いつもの練習場所であるスポーツセンターに到着した。
「ごめんね、お待たせ!」
「全然待ってないよ、大丈夫。」
まるでカップルのようなやり取りをしつつ、トレーニングルームへと入っていく。
「それで…ママは何をすればいいのかな?」
「取り敢えずセットアップしよう。話はそれから。」
「そ、そう…?分かった、じゃあ一緒に。」
「ライトニング・アリア!」
「バルディッシュ!」
『セット・アップ(変身)‼︎』
セットアップと同時にトレーニングルームには広大なバーチャル空間が展開される。
「そういえば、ノーヴェたちは?」
「この特訓は、正味私とフェイトママの2人だけで出来ることだから、アインハルトさんの方に行ってもらったの。」
「2人だけで?それって一体…」
「結論から言うね。今から、全力で雷撃系統の魔法を私に撃ってきてほしいの。」
「…え?」
愛娘とはいえ、いや、愛する娘だからこそ、今のお願いがよくわからない。
「ごめん、前置きがなかったね。実はね…」
カスミはフェイトに説明した。次の相手が膨大な魔力を武器に、雷撃系統の高威力技を多数放ってくる強豪選手のため、その対策を打っておきたいと。
「なるほど…事情は分かったけど…」
「お願い、これはフェイトママにしかお願いできないことなの。リオの雷撃魔法も凄いんだけど、やっぱりこの分野ならフェイトママが一番強いと思ってるから。」
深く頭を下げるカスミを前に、フェイトは一つ息を吐くと、覚悟を決めた。
「本当に、良いんだね?それがカスミのお願いなら、ママも手加減なしの全力で行くよ?」
「うん…お願いします!」
4回戦まで残された時間は後2日、親子での猛特訓が始まった。そして、カスミは本気になったフェイトの恐ろしさを身を持って知ることとなる。
「サンダーレイジ・ブラスト‼︎」
「ライトニングバリ…キャッ!」
防壁はあっという間に砕かれ。
「サンダーブレイド・インパクト‼︎」
「ぐううううっ!」
直に雷撃機能付きの斬撃を受け。
「ライオット・ザンバー‼︎」
「どひゃああああッッ‼︎」
なのはのディバインバスターに匹敵する、フェイトの必殺技を叩き込まれた。
開始10分にして、カスミのジャケットはもうボロボロになってしまった。それでも、カスミは立ち上がる。
「ま、まだまだ…!」
「その根性、流石私となのはの娘…と言いたいけど、立ち上がれるならもっと数を増やしても良いんだよね?」
フェイトは笑顔で、雷を纏う剣を大量展開する。カスミは目の前の絶望的光景に、最早乾いた笑いを作る他ない。だが、それでも。
(約束したんだ、絶対勝つって!)
可愛い妹と大好きな友達の涙を、自分の勝利へ繋ぐため、一歩たりとも引きはしない。
「気合いで…負けるかァァァッッッ‼︎」
咆哮と共に、カスミは雷撃剣の雨に特攻していった。
それから1時間後、ボロ雑巾のように倒れているカスミを背負いつつ、フェイトはスポーツセンターを後にする。
「うん、こっちは大丈夫だから。本番までに何とかする。うん…ありがとう、ノーヴェ、じゃあまた。さて、よいしょっと…」
「ん…フェイトママ…?」
「お疲れ様、本当に頑張ったね。何か手応えは掴めた?」
「うん…兆しは見えたかな。」
全体的な結果だけを見れば、ひたすらにフルボッコにされたとしか言えないが、5度目のサンダーレイジを喰らった際に、カスミはバリアで受けるのではなく、その魔力を少しでも取り込もうとし、一部ではあるが成功することができた。
「ママ、明日も付き合ってもらって良い?」
「勿論だよ。カスミが納得いくまで、ママどこまででも相手になるからね。」
「やった〜!ママ大好きー!」
こうして親子で長く触れ合うのも久しぶりだなとフェイトは感慨深げに思う。執務官として、日々忙しい中で可能な限りの時間を作ってはいるつもりだが、それでも寂しい思いをさせてしまっているのでは、と不安になる。
「カスミ、今日何が食べたい?」
「フェイトママとなのはママの手料理なら何でも食べたいけど…オムライスがいい!」
「良いよ、なのはと一緒に腕によりをかけて作るね。」
「わーい!」
フェイト、なのはの手料理で英気を養い、ぐっすりと睡眠をとったカスミは、迎えた翌日もフェイトとの特訓に入った。
「サンダーレイジ・ストーム‼︎」
「おおおおおおおおおっ‼︎」
前日、捌くことさえ出来なかった雷撃の嵐を今回はアリアと協力して一部吸収し。
「ソニックシューター・ライジングブラスト‼︎」
電撃を纏った高速魔力弾でお返しする。
「(速い!)ソニック‼︎」
すかさず、フェイトはソニックフォームにチェンジして回避、だがそれはカスミも読んでいた。
「ジャンプ!」
カスミの体は大幅な跳躍を見せ、一気にフェイトの眼前に迫る。
「ライジング・ゼロブラスト‼︎」
今度は雷撃を纏った加速拳がフェイトを狙い撃つ。これが、通常の競技選手ならば余裕で撃破できたはずだ。しかし、今目の前に立っているのは、管理局の黒き冥王と呼ばれていたかもしれない戦士。
「まだまだ…だよ!バルディッシュ!」
【その通りです!バインド‼︎】
「なっ⁉︎」
繰り出そうとした拳は強制的に止められ、すかさずフェイトの収束魔法が発動する。
「雷光一閃…!」
足掻こうとするが、バインドが全く外れない。かつて、フェイトがスターライトブレイカーを喰らった時も同じだったのだろうか。
「プラズマザンバー・ブレイカーーーッ‼︎」
(怯えるな…!受け止めるんだ!)
カスミは残った左手で必死に砲撃を止めにかかる。アリアと共に、高速でその砲撃を変換しにかかるが、余りにもその威力は凄まじ過ぎた。
「ウワアァァァァァァーーーッッ‼︎」
直後、悲鳴と共に大規模な土煙が巻き上がる。非殺傷設定とはいえ、流石にやり過ぎてしまったか。
「カスミ‼︎」
咄嗟に愛娘の元へ駆け寄ろうとするフェイト。しかし、その足を止めたのもまた、愛娘の声だった。
「まだ…だよ…!」
思わず立ち止まったフェイトの目線の先には、カスミが全身から青白い光を放ち、その両腕に凄まじい量の魔力が収束していくのが見えた。カスミは、ゆっくりと両腕を十字に組もうとする。
「ぐっ……あ…あぁ…」
だが、蓄積されたダメージはこれ以上、カスミの体を動かすことを許してはくれなかった。カスミの意識は、昨日と同じように闇に溶けていく。慌てて、カスミの体を抱き抱えるフェイトだが、両腕から発する魔力波に、黄色い光が混ざっていることに気がついた。
「この光って…バルディッシュ、私の?」
【はい、間違いなくマスターの魔力が一部混在しています。もし撃たれていたら、大変なことになっていましたね。】
陸戦試合で見せたあの収束砲撃、それ以上の威力が襲いかかっていたことは間違いない。そう考えると少し震えるが、それでも母として、戦士として、勝利は譲らなかった。
「やっぱり…ママは強いね。」
「あ、あれ…?もう起きたの?」
「うん、大分耐性が付いてきたみたい。これなら…行けると思う。」
この2日間、カスミにとっては本当にキツイ特訓となったが、その分に相応する成果は得られたようだ。
「あ、ノーヴェからだ。」
「ママ、私出てもいい?」
「待ってね…あ、ノーヴェお疲れ様。うん、こっちは今終わったところ。カスミに代わる?」
「もしもし、師匠お疲れ様です。」
【おう、お疲れ。どうだ、雷撃対策はバッチリか?】
「はい、大分ボロボロにされましたが、何とか行けそうです!これから向かいますか?」
【ああ、アインハルトの方も組み立ては出来た、今度はカスミの番だ。でも、体の方は大丈夫か?】
「大丈夫です、問題ありません!」
【OKだ、ミカヤちゃんの道場で待ってるからな。】
時刻は14時、まだまだ明日のために出来ることはある。そう思うと、カスミはワクワクが止まらなかった。
「ママ、それじゃ私、ミカヤさんのところ行ってくるね!」
「あ、カスミ!ちょっとおいで?」
「ふぇ?」
手招きされたので近づくと、フェイトはそっとカスミを抱きしめ、ある魔法を発動した。
「バルディッシュ、ヒーリングライト」
【了解です、回復魔法発動します】
すると、カスミ自身を温かい感覚が包み込んでいく。
「これ…?」
「体力も魔力もしっかり万全にして、行ってらっしゃい!」
「ありがとう、フェイトママ!」
そして、その足でミカヤの道場へ向かったカスミは、チームナカジマ全員で、ヴィクター戦の作戦会議と実践練習を行った。ヴィヴィオとリオが雷撃+拡散弾のコンボで攻める中を、カスミはアクロバットな動きで回避し、コロナのオートカウンター魔法を用いた近距離戦への対策もしっかりと修練できたので、十分かとノーヴェは切り上げさせようとしたのだが、それをカスミが止めた。
「師匠、ミカヤさん、最後に3分だけ試したいことあるんですけど、付き合ってもらえますか?」
「どうしたんだ、急に。」
「私は構わないよ、もしかして、斬撃対策かな?」
「それもありますが…皆んな、ちょっと見てて!」
カスミは目を閉じると、アリアにイメージを送信していく。すると、アリアが鳴き声を発するとともにカスミの腰に巻き付くベルトへと変化した。右手には、青と黄色のキーが握られている。
「これを見せるのは、私たちの特訓のためにサポートしてくれた皆んなへのお礼と思っておいてください。」
そして10秒後、カスミの姿は、ヴィヴィオ以外が初見であろう姿へと変化を遂げ、そのままミカヤとの斬撃対策の特訓へと突入していった。一つだけハッキリとしているのは、3分間でミカヤの斬撃が完全に命中した回数は0ということだ。
「よし、多少の延長はあったが、2人共仕上がりは万全だな。」
「はい!必ず…勝ちます!」
「多分、観ている人の殆どは、これまでの実績重視の予想になってると思います。でも…まだ終わらせません!」
とはいえ、急に新しい姿を見せたので、ミカヤも質問せずにはいられない。
「カスミちゃん、あの姿は恐らくヴィクターだけじゃなくて、アインハルトちゃんかジーク、どちらが相手になっても対応することを想定しての姿なのかな?」
「はい、私が本来持っている力…今日までの特訓を通じて、ある程度戻ってきました。3分間しか使えないので、使い所は限られると思います。でも、いざとなったら明日使うつもりですし、アインハルトさんが相手でも使わせてもらいます。」
仲良しのチームメイトにして、リスペクトし合う先輩と後輩の関係でも、今は激突する可能性があるライバルでもある。そのライバルに、手札を1枚見せることは、ある種の宣戦布告だ。アインハルトは真剣な眼差しで短く返答する。
「カスミさん、必ず私も勝ちます。準決勝で会いましょう。」
「はい…必ず。」
カスミもアインハルトも、臆することなく立ち向かえるだけの自信はつけた。後は、本番で全力を発揮するだけだ。と、ここでリオが提案する。
「それじゃ皆さん、前夜の気合い入れということで、円陣組みませんか?」
「おお、それは良いね。」
「やろうやろう!皆んなで!」
というわけで、チームナカジマ+ミカヤの7人で円陣を組んだはいいのだが、その先の進行役を決めていなかった。
「あれ?これ、誰から始めれば良いんですかね?」
「決めてなかったのか…」
「それなら今日は私がやるよ。」
カスミが名乗りを上げると、少し間を置いてから口を開く。
「えっと…チームナカジマとしての戦いが始まって3ヶ月、本当に色んなことがありました。多分…辛いことの方が多かったと思います。」
特訓初めの頃を思い出したのか、苦笑いする初等組。けれど、その辛かったことが皆んなを支える屋台骨となってくれたのも事実。
「チームとして、勝ち残った私たち2人に出来ることは、一つでも多く勝ち進むことだと信じて、明日最高の戦いを皆んなに見せたいと思います!明日も沢山応援してください!では、アインハルトさん!」
「え、ええと…チームナカジマ!」
『ファイト‼︎ オーーーーーーーーッッ‼︎』
チームの士気も、2人の気合いも、十分に整った。例え相手が世界王者だろうとそう簡単には負けない、それくらいの自信はあったのだ。
「嘘…でしょ…」
だが、迎えたプライムマッチ1試合目、控え室で準備しつつ、その様子を観戦していたカスミは、ジークの圧倒的な強さの前に戦慄していた。
「アインハルトさんの断空が…殆ど通じないなんて…」
何度も手合わせをしていた中で、その攻防一体の強さには憧れの念を抱いていた。その憧れの先輩が今、次元世界最強の前に圧倒されている。打撃、砲撃、体術、どれを取っても超一流の動き。まるで、ウルトラマンそのもの、いやジークのバリアジャケットの色から想像すると導かれる答えは。
「ゼットン…か。」
「カスミ、大丈夫?映像切った方が落ち着ける?」
「いえ、平気です。アインハルトさんなら…きっと。」
言葉ではそう言っても、本当は分かっていた。アインハルトがここから勝てるビジョンが全く浮かばないということを。
(覚悟はしていた。そんなに甘くないことも分かってる。それでも…それでも…!)
祈るように見つめるカスミだが、ジークの専用武装『鉄腕』の解放に対して、アインハルトが明らかに冷静さを欠いた動きを見せ、形勢は更にジークの有利に傾く。道中、チームで練習してきたカウンターが炸裂するなど、一矢報いた場面こそあったが、その一撃がジークの奥底に眠っていた力を目覚めさせてしまい、その強大な力の前にアインハルトは遂に敗れるのだった。
「これで…私1人だけ…か。」
あれほど今大会を賑わせたチームナカジマの面々だが、今やカスミただ1人を残すのみ。準決勝で戦う約束は果たせなくなってしまった。すると、大会スタッフが控え室に入ってきた。
「予選1組、カスミ・テスタロッサ・ハラオウン選手、まもなく入場となります。準備をお願いします。」
「はい!」
「カスミ、状態は?」
「問題ないです。アインハルトさんの、いえ、チームナカジマと、ミカヤさんの分、全力で戦い抜きます。」
「ありがとう、カスミちゃん。でも、気負いすぎないようにね。」
試合前日、フェイトから貰ったお守りのリストバンド。そこには、勇気の二文字が刻まれている。それをしっかりと右腕に付けながら、リングへと歩みを進める。
「カスミちゃん、変身はフィールドで?」
「はい、ミカヤさんたちにも、いえ、来てくれた皆さんにも是非見てほしいんです。」
ノーヴェはアインハルトのケアで付き添っているため、今回はノーヴェからの頼みを引き受けたミカヤ、アインハルト戦に引き続いての担当、ウェンディとディエチの計3人が務める。
【予選1組4回戦、プライムマッチ第2戦、選手入場です‼︎】
階段を上がると、既に対戦相手であるヴィクターは、セットアップして待ち構えている。対し、カスミはまだ変身していなかった。
「カスミ?」
緊張しているのか、と心配したディエチだが、カスミは観客席の方を見上げていた。試合直後のアインハルトや付き添いのノーヴェはいないが、チームナカジマの面々、それに愛する母2人の姿を目視すると、ホッとしたように笑顔を見せる。覚悟は決まった。
「よし…行くよ、アリア!」
アリアの元気な鳴き声が、セットアップの合図だ。
「変身‼︎」
お馴染みの黄色と黒のバリアジャケットを身に纏うと、ゆっくりとリングに足を踏み入れる。
【青コーナー! ここまで4戦4KO!内秒殺試合は3つという凄まじい強さを見せているスーパールーキー、カスミ・テスタロッサ・ハラオウンッッ‼︎】
【赤コーナー! 昨年の都市本戦第3位!その堅牢な防御と圧倒的な雷撃を破る者は果たして現れるか⁉︎ 雪辱を誓う“雷帝”、ヴィクトーリア・ダールグリュンッッ‼︎】
コールと共に大歓声が湧き起こる。これまでの試合とは違い、注目度も観客数も段違いとあっては、カスミの心拍数も自然に上がっていた。
『カスミーーーーッッ!ファイトーーーーーーッッ‼︎』
緊張を解すようなヴィヴィオたちの声援に対し、カスミは右手を軽く挙げ、振ることで応える。ありがとうと言わんばかりに。
「ライフポイントは20000、CE採用の1ラウンド3分、両選手、素晴らしい試合を期待しています!」
「宜しくお願いしますわ、お互いに良い試合をしましょう。」
「はい、こちらこそ。」
試合前の握手を交わし、コーナーに戻る両者。
「カスミちゃん、作戦は?」
「皆んなで組み上げた通りで行きます!」
「よし、緊張の方は大丈夫そうね。」
「張り切って行くっす!」
一つ息を吐いてから、両頬を2回叩く。ノーヴェに、自分だけの試合前ルーティンを勧められて始めたが、悪くない。
【さあ!お待たせいたしました、プライムマッチ第2試合、スタートです‼︎】
(必ず…勝つ!)
超新星vs雷帝の幕がいよいよ上がる。
さて、遂に『輝ける者たちへ』の内容に追いつきました。報告で上げている通り、そちらのシリーズは、本日中に削除致します。拝読してくださった皆様には大変申し訳ありません。また、アンケートにも答えていただいた方々、ありがとうございました。次回、雷帝vs新星開幕です。