この素晴らしい世界にCHEMY×STORYを!   作:山田プロキオン

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湊翔戦闘回。
天界に突如現れたゼインとの戦い


暴走する善意に黄金狐を!

 錬太郎が帰還してからまた数日が経った。

 

「『エクスプロージョン』ッッッッ!!!」

 

 カズマは今日もめぐみんの日課である爆裂散歩に同行している。監視役のクロっちも一緒だ。爆裂魔法用の的は数日前に錬太郎にアクセルの街から離れた山の頂上で再錬成してもらい、かつてない程強固な物に仕上がっていた。

 

「う〜ん。威力はいいが、爆風の迫力がないな…82点だな!」

 

「クッ…数日的が変わっただけでここまで鈍るとは…我ながら不覚なのです!」

 

 カズマはいつものように爆裂魔法の後に魔力切れになって地面に倒れ伏すめぐみんを起こして背負うと、錬太郎と共に下山する。

 帰路に着く中、山の中腹辺りを過ぎたところで、クロっちが1つ気にしていたことをカズマに尋ねた。

 

『ねぇねぇカズマ』

 

「はいカズマです。何だア○ナ?」

 

『擬態元じゃなくて普通に呼びなよ…。ちょっとした疑問点なんだけどさ、なんで背負ってるめぐみんを揺らしてるの?あからさまにわざとだよね?』

 

「確かに。カズマの背中って中々安定しないんですよね」

 

「へ?い、いやぁ…。俺筋力ないからめぐみん並の女子背負うだけでも重くて体の軸がぶれて…っておいめぐみん!首が!首絞まるから腕に力を込めるな!」

 

 明らかに動揺した様子で返答するカズマ。怪しいとばかりにクロっちは訝しげな視線でカズマを見ながら、フッと口角を上げて。

 

『そっか〜。筋力不足か〜。僕はてっきりめぐみんの体に合法的に密着したいからわざと揺らしてるのかと思ったよ〜』

 

 仰々しく大きな声で言い放った。カズマに背負われていためぐみんも途端に懐疑的な視線に変わり、額を伝うカズマの冷や汗の量が増えていく。

 

「カズマ…本当なのですか?」

 

「…チガイマス」

 

 チリーン!

 

 ぎこちないカズマの回答に聞き覚えのある音が響く。音の発信源であるクロっちの手元にはあの嘘を見破る魔道具。恐らく魔法で出現させたのだろう。

 やってくれたな!とばかりに怒りと焦りが入り混じった瞳で視界のクロっちを睨むカズマ。しかしクロっちに気を取られ、肝心な背後が疎かになっていた。呆れと失望の感情が入り混じった爆裂娘が、カズマの肩に置いた手を再度首元に持っていき、そして。

 

「グエエエエ⁉︎⁉︎」

 

「この男!どさくさに紛れて私の体を堪能していたとは!どうりでよく揺れるなと思ったんですよ!しかもあれだけロリっ子ロリっ子と言っておきながら…許すまじ!」

 

「ギブギブ…めぐみん、首が、首が絞まる…」

 

『あ、そうだ!錬太郎が今日アレやってるみたいだから行ってみようっと』

 

「く、クロっち…た、助けて…」

 

 その後、クロっちの説得に渋々めぐみんが奇跡的に応じてくれたこともあり、カズマは一命を取り留めるのだった。

 

 

 

 

「そういえば、錬太郎は何やってるんだ?」

 

『到着してからわかるよ〜』

 

 下山し、アクセルの街へと戻って来たカズマ達。そしてギルド付近にまでやって来ると、香辛料の風味が漂っていた。

 

「おお、いい香り。これはカレーの匂いか?近くでぐつぐつ煮込む音もするし…」

 

『やっぱり…。2人とも、もうすぐだよ!』

 

 さらに歩みを進めること数刻。鼻腔を擽る正体が露わとなる。

 

「あ、皆来たんだ!」

 

「カズマさん、クロっちさん!めぐみんの爆裂散歩お疲れ様です!」

 

カズマ達の帰りを錬太郎とゆんゆんが出迎え、2人の周りには、ケミー達、そして冒険者達が群がっていた。

 

『ブシドー!』

 

『カマカマ!』

 

『サーーン!』

 

『ローズ!』

 

 アッパレブシドーとカマンティスが食材を細かく切り刻んで大釜の中へ放り込み、ザ・サンとフレイローズがその大釜に火を吹き掛けて煮込んでおり、大釜の中身をかき混ぜる錬太郎とゆんゆん。

 大釜から香るは先程から己の鼻を擽る匂いだとわかったカズマは早速近寄ってたのだが。

 

「こ、これはなんだ?」

 

「僕の特製グリーンカレー!この前急に閃いてさ。皆にも食べて貰いたくてギルドのルナさん達に許可貰ってお金のない冒険者達のために配膳活動をしているんだ!」

 

「は、はぁ…また独創的なやつだな…」

 

 錬太郎の創作料理に対してカズマはコメントに困る。錬太郎の料理は味はいい。味は。それは前に食したガッチャオムライスからパーティメンバーは皆知っている。知っているのだが…、どうにも風味と反比例する、一般的に大衆が思い浮かべるようなグリーンカレーとは思えない色合いに、顔が引き攣ってしまう。普通のグリーンカレーと違って薄らとした緑ではない。真緑である。

 

「(こりゃあ…冒険者達にも何か言われるんじゃ…)」

 

 チラッと冒険者達の方へカズマが視線を移す。しかし、その懸念は杞憂であった。カズマの危惧とは裏腹に、文句の一つも言わずにパクパクとスプーンを進める冒険者達。その表情は幸せ以外の何物でもなかった。

 

「いやぁ、ここ最近は高難度クエストしか残っていなくて収入が殆どないから食べることもままなかったよなぁ〜」

 

「そうだな!だからこういう施しは感謝しても仕切れねぇぜ!ありがとなレンタロウの兄ちゃんと紅魔の嬢ちゃん!」

 

「いえいえ、満足して頂けたようで良かったです」

 

「えへへ…」

 

 冒険者達からの礼に錬太郎は笑って返し、ゆんゆんは照れ臭そうにしている。食べることも難しかった冒険者達にとって錬太郎やケミー達による配膳は正に砂漠に湧き出た泉のようなもので、色合いなど些細な問題であったため不評の声は少なかったのだ。

 

「あ、よかったらカズマ達も食べる?」

 

「え、ああ⁉︎じゃあ貰うよ(見かけで判断するのは良くねぇな…)」

 

 自分の分とめぐみんの分。カレーの盛られた2つの皿とスプーンを錬太郎から手渡されると、カズマは背負っていためぐみんを地面に降ろし座らせ、お互いの手元にカレーの皿を置いた。

 

「いただきます」

 

 両手を目の前で合わせて日本人として当たり前の作法をこなした後、右手でスプーンを取って一掬いし、口に運ぶ。

 舌を刺激する辛さが口内に広がる。しかし水を欲するとまではいかない程よい辛味。よく考えて作っているのか、将又(はたまた)偶然丁度良い辛さの割合に錬太郎が出来たのか。

 

「(どっちもあり得そうだけどなぁ…)」

 

 胸中で珍しく考え事をし、再びスプーンを持つ手を動かすカズマ。暫く無言で食べ続けていたのだが、隣の方から何かがぐりぐりと当たる感触が伝わる。

 カズマはその正体は何だろうと視線を向けると、魔力切れの影響で未だ身体の自由が効かないめぐみんが、一生懸命小さな体躯を捩らせて自身に頭を擦り付けていた。

 

「お前何してるんだ?新手の嫌がらせか?」

 

「まだ思うように身体が動かせないのです。というわけでカズマ、食べさせてください」

 

 めぐみんからの衝撃的な提案に、カズマは顔を紅くしながら声を荒げる。

 

「はぁ⁉︎お、おおおおお前何言ってるんだ⁉︎誰がお前みたいなロリっ子にあ〜んしなきゃいけないんだよ!!嫌だぞ!俺は初めてのあ〜んは恋人とするって決めてんだ!」  

 

「カズマの性格的に彼女など夢のまた夢に思いますけどね」

 

「んなことねぇわ!いたわ!昔!将来を誓った子が!」

 

「そうですか。まぁそれはおいといて、食べさせてくれないのなら先程クロっちに暴かれたあなたの本性をギルド内に広めてやりましょうか?」

 

「〜〜〜〜ッッッッ!!は、早く口を開けろ!!」

 

 めぐみんの脅しに屈し、その申し出を仕方なく受け入れる。

 

 もし先程2人の魔法使いに知られてしまった己の下心を暴露されるとなると、またギルド中から後ろ指を指されることとなる。

 つい最近も反省を促すためとはいえ、窃盗(スティール)でめぐみんのパンツを奪ったこともあり、ギルドからの視線が辛い。

 可愛い自分の保身のためだ、断じてこのロリを好きになった訳ではない!と頭の中に唱え続け、米とルーを掬ったスプーンをめぐみんの口元へと運ぶ。

 

「あ〜、はむっ!ん…」

 

 意図してなのか、それとも無自覚なのか。めぐみんはいつもに比べて色っぽい声を出してスプーンを口に含む。溢れ出ためぐみんの色気にカズマは思わずドキっとしてしまい、固唾を飲みこむ。

 そんなカズマを一瞥していたずらっぽく笑うと、めぐみんはもぐもぐとカレーを咀嚼してこくんと飲み込み。

 

「うん、やはり味は申し分ないですね。では次の一口をお願いします」

 

「まさかとは思うが最後まで俺にやらせるつもりか?」

 

「ん?別にしなくてもいいですが、バラされてもいいのですか?」

 

「クッ…ほら口開けろよ」

 

 弱みを握られたカズマは逆らうことなど出来ず、再度カレーをスプーンで掬い、それをめぐみんが頬張る。

 介護なのか主従なのかイチャイチャなのか。奇妙なようでどこか甘酸っぱい2人の様子を冒険者とクロっちはニヤニヤしながら眺めていた。

 

『ウィ〜ヒッヒッ、錬太郎とゆんゆんもいい感じだけど、この2人も面白そうだなぁ。ねぇホッパー1、パクラスター、オジーラカンス!』

 

『ホッパー!』

 

『パクパク!』

 

『オジ〜!』

 

 クロっちの差し出した皿にホッパー1、そして小型恐竜の様な生物と年老いた魚のような生物が寄ってきて、皿の上のカレーを食す。

 2体の正体は、エンシェントケミーのレベルナンバー3『パクラプター』とレベルナンバー4『オジーラカンス』である。

 

「あれ?クロっち、ホッパー1と一緒にいるのは新しいケミー達?」

 

『うん、錬太郎のカレーに興味があるみたいなんだ。この2体は食べることが好きだからね』

 

「そっか…まだまだ沢山あるから、いっぱい食べてね!」

 

『パクパク!』

 

『オジ〜』

 

 錬太郎からの知らせにパクラプターとオジーラカンスは元気よく返事をした。その時だった。

 

「サトウカズマさ〜ん、モモセレンタロウさ〜ん!」

 

 遠くから息を切らしながら誰かがやって来る。その者は黒いスーツ姿に眼鏡をかけ、長い黒髪が風に靡いている。

 いつぞやの理不尽裁判でもお世話になった検察官のセナだ。

 

「セナさん!裁判ぶりですね。どうしたんですか、そんなに焦って?」

 

「いえ、実はここ最近キールダンジョンにて正体不明のモンスターが現れて少し騒ぎになっておりまして…。最後にダンジョンに訪れた冒険者がカズマさん達と聞いて事情を聞きに参ったのですが…」

 

 錬太郎とセナは、視線をカズマへと向ける。ファイヤーガッチャードの一件もあってすっかり忘れかけていたが、一攫千金を狙って確かそんなダンジョン行ったなぁとカズマは思い出す。

 そしてまた面倒事かよと、心の中で頭を抱えたのだった。

 

 

 

 

 

 所変わって天界。下界では数日経過しているが、こちらは時間の流れが違うこともあってまだ数刻しか過ぎていない。

 神々が事務、憩いを過ごす場に投入された純白の不協和音「仮面ライダーゼイン」。

 それを見据えるはその身に創世の力を宿して別次元より来訪せし少年「桐ヶ谷湊翔」。

 

「エリス様、負傷している神々の皆さんの手当てを。奴の相手は俺が」

 

「わかりました…ご武運を!」

 

 湊翔の指示の下、エリスはゼインの猛攻によって疲弊した神々へ駆け寄り、治療を開始する。

 そして湊翔とゼインは互いに睨みを効かせ、双方を出方を伺う。お互い警戒心が強いのか、微動だにしない。埒が明かないと見たのか、湊翔が口火を切った。

 

「ゼイン、貴様は何者だ?見た所、俺の知っているジャッカルとは別個体のようだが」

 

「ふむ、私も君についてはまだ詳細を把握していない…

ラーニング完了。浮世英寿とは別の、平行世界の仮面ライダーギーツといったところですか。

私も君の存じているジャッカルとは無関係です。私は、ディメンションのカードによってやって来た平行同位体。この説明で理解していただけると思いますが…」

 

 ディメンション。それはゼインの使用するゼインカードの一種で、無数に存在する世界そのものを裁断してしまうという恐ろしい力を秘めている。その際、世界にヒビのようなものが出現し、そのヒビを媒介にあらゆる次元のゼインを召喚することも可能なのだが。

 

「そういうことか。アウトサイダーズと呼ばれる者達との戦いで、確かにディメンションのカードを使った個体が存在している。お前はその影響でこの世界に流れ着いたということか」

 

 湊翔は創世の力で平行世界の情報を収集し、目の前のゼインの正体について完全に把握した。しかし気がかりなことがまだあった。

 

「では何故天界を襲撃した?お前の性能上、悪意を駆逐するという大義名分か?」

 

「その通り。私はこの世界にやって来て、すぐにこの世界の歴史をラーニングした。すると100年程前にカタストロフという名の神が天界に反旗を翻し、下界もろとも滅ぼそうとしたそうではないですか。

カタストロフがこのような結論に至った理由は天界にあると予測され、その悪意を生み出すきっかけとなった天界もまた、私の掲げる正義の下許すことなどできません」

 

「歪んでいるな…お前はここで俺が食い止める!」

 

 湊翔は漆黒で簡素な見た目のベルト、「デザイアドライバー」を腰に装着し、懐から黒と金で彩られた「ドゥームズギーツレイズバックル」を取り出し、2つに分割した。

 

『DOOMS GEATS…』

 

『SET…JUDGMENT!!』

 

『REVOLVE ON!!』

 

 2つに分離したレイズバックルを挟み込む様にベルトに装着し、その後ベルトを回転させ、バックルが黄金の九尾の狐へと変貌する。

 右手で狐のフィンガーポーズを取る湊翔。そして快い音を指から鳴らし、叫ぶ。戦う者の覚悟を示すあの言葉を。

 

「変身!」

 

 ベルトの右側のレバーが押し込まれると同時に、バックルの9本の尾から炎が噴き出し、黄金のレジェンドキュウビが湊翔の周囲を駆け抜け、鎧へと姿形を変えて装着された。

 

『JUDGMENT BOOST!!DOOMS…GEATS!!』

 

『READY…FIGHT!!』

 

 黒と金。九尾の外套を携えた禍々しくも神々しい狐の戦士、

『ドゥームズギーツ』がその姿を顕現する。

 

「相手にとって不足はないですね。その力、試させて貰いましょう」

 

 ゼインも戦闘態勢に入り、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

「凄い、これが仮面ライダー同士の戦い…」

 

 ドゥームズギーツとゼインの激闘にエリスはただ驚嘆するしかなかった。目まぐるしく天界を駆け巡る黄金と白の光。電光石火という言葉が似合う程、目で追うことなど叶わない。その間に両者は何度も拳や足、武器を交えて火花を散らす。

 

「オオオオオオオオ!!!!」

 

「ハァァァァァァァ!!!!」

 

 50トンをも超える拳と100トンを超える蹴りのぶつかり合いは、強い衝撃波となり、天界を強く震動させる。しかしこれでも埒は明かない。

 

「ラーニング完了。戦闘の高速化は必須条件のようですね。ならば…」

 

 ゼインは徐に1枚のカードを取り出す。

それは「ゼインカード」と呼ばれる、正義の仮面ライダー達の力を内包したカードであり、その対象のライダーの力を解き放ち、ゼインの拳である『エクスキューションガントレット』の『インプローブ3.0』によって本家の戦士達と遜色ない威力を発揮することができる。

 

 今回取り出したのは…。

 

『ドライブ タイプトライドロン 執行!』

 

 ゼインカードはゼインドライバーのシュレッダー機構の『ライドエクスマキナ』に装填され、細やかに裁断される。そしてベルトのプログライズキーを押し込んで、ドライブの力が解放された。

 

『ジャスティスオーダー!』

 

 刹那、天界中をどんよりとした感覚が襲う。体の自由が思うように効かず、まるで時間そのものの流れが遅くなったようである。

 

「重加速か…だが…」

 

 ドゥームズギーツが指を鳴らし、荘厳な鐘の音と、狐の鳴き声が轟く。その瞬間、青白い光がドゥームズギーツを中心に解き放たれ、どんよりが、『重加速』が打ち消された。

 

「神様には…時間なんて関係ないのさ!」

 

「創世の力ですか。ですが、これも予測済みです!」

 

 態勢を立て直し、ゼインはその手に『トレーラー砲』を出現させる。そしてトレーラー砲のスロットに『シフトデッドヒート』を装填させた。

 

『フルフルデッドヒートビッグ大砲!』

 

 高熱の無数の光弾が放たれ、ドゥームズギーツを襲う。対するドゥームズギーツは創世の力で空中に足場を生み出しながら華麗に回避していく。

 

「こっちも行かせて貰うぞ!」

 

『DOOMS GEATS STRIKE!』

 

 ドゥームズギーツは空中を舞いながら、ベルトの右レバーを押し込み、必殺技を発動した。

 炎を纏った黄金の狐が出現し、ゼイン目掛けて突進を仕掛ける。

 

「私の予測に敗北という言葉はありません。例え貴方に創世の力があろうとも…」

 

『ダブル サイクロンジョーカーエクストリーム 執行!』

 

『ジャスティスオーダー!』

 

 新たなゼインカードを取り出して裁断するゼイン。その手にプリズムビッカーを出現させると、盾として前に突き出して攻撃を完全防御する。

 

「これで終わりです」

 

『サイクロン、ジョーカー、ヒート、ルナ、プリズム!

マキシマムドライブ!』

 

 ゼインはプリズムビッカーからプリズムソードを抜刀し、緑、紫、赤、黄の光を纏って駆け出す。狙うはドゥームズギーツただ1人。

 

「ジャッカルと同じくライダー達の力に扱いなれているようだな。だが、負ける訳にはいかない!」

 

 ドゥームズギーツは専用武器『ドゥームズギーツバスター』を取り出し、寸前のところでプリズムソードを受け止める。

 ジリジリと刃が交わりながら膠着状態が続く。お互い刃を弾き距離を取ると、両者は次の攻め手に移った。

 

『鎧武 極アームズ 執行!』

 

『ジャスティスオーダー!』

 

 ゼインは鎧武の力を使用し、無数のアームズウェポンを空中に出現させると同時に矛先をドゥームズギーツへ向ける。

 

「先輩達の力を使えるのは、お前だけじゃない!」

 

 対するドゥームズギーツも聖剣ソードライバーバックルを取り出し、ドゥームズギーツバスターのスロットへ装填した。

 

『SABER BOOSTER!』

 

 セイバーの力を解き放ち、ドゥームズギーツバスターから10の聖剣と星を束ねし究極の剣『刃王剣十聖刃(ハオウケンクロスセイバー)』が顕現する。

 ドゥームズギーツは十聖刃の柄を握り締める。そしてエンブレムを押してスライドし、10の聖剣全ての力を解放する。

 

『刃王必殺リード!既読十聖剣!』

 

『刃王必殺読破!』

 

 荘厳な音色と共に火、水、雷、土、風、音、闇、光、煙、時の聖剣が現れ、ゼインのアームズウェポンに対抗せんと刃を突き出す。

 

『極スパーキング!』

 

『刃王クロス星列斬!』

 

 聖剣とアームズウェポンが四方八方に飛び回り、相殺して消滅する。

技と技のぶつかり合いは互角。となると、この戦闘に終止符を打つことができる術は…。

 

「己の力という訳ですか…」

 

「こっちもそろそろ幕引きにしたいけどね…」

 

 ドゥームズギーツとゼインはお互い睨み合い、ベルトを操作して必殺態勢に移った。

 

『JUDGMENT BOOST TIME!』

 

 ドゥームズギーツを中心に青白い光が収束していき、背中の黄金の九尾がはためく。対するゼインも、空中に己の身を放ち、蹴りの姿勢を取ってドゥームズギーツへ肉薄した。

 

『ジャスティスパニッシュメント!』

 

『DOOMS GEATS VICTORY!』

 

 ゼインのライダーキックを打ち破るべく、創世の力を右拳に宿すドゥームズギーツ。

 衝突した拳と足は幾ばくもの波紋となって天界を貫き、神々の居場所であろうと滅ぼしてしまうのではないかと錯覚させる程。

 

「クッ…、これでも駄目ですか…」

 

「また振り出しか…」

 

 互角の威力に両者は弾かれ後退りする。次なる手を、しかしその思考を遮断する事態が発生する。

 

「あ、あれは⁉︎」

 

 戦いを静観していたエリスが驚きの声を漏らす。ドゥームズギーツとゼインの必殺技が交わったその場所に漆黒の物体が出現しているではないか。

 ブラックホール紛い、黒渦とでもいうべきか。創世の力と人間の想像を超えた人工知能の力のぶつかり合いは、天界の時空にまで歪みを生み出す程だったのだ。

 

「ラーニング完了。あれはどうやら下界に通じているゲートでもあるようですね。

丁度いい、天界の粛清は後回しです。まずは下界の悪意を駆逐するとしましょう」

 

 黒渦の解析を終え、ゼインはその中へ姿を消してゆく。このままでは下界にゼインが降臨し、惨事は免れない。ゼインの実力からして、錬太郎達が戦いを挑むのは無謀もいいところである。

 

「エリス様、俺が奴を追います。始末書はその後手伝いますので!」

 

「わ、わかりました!お気をつけて!」

 

 エリスもとい天界に別れを告げると、ゼインを追ってドゥームズギーツも黒渦の中へと飛び込んだ。

 

「絶対に下界を、カズマ達に危害を与える訳にはいかない!」




なんかやっとカズめぐっぽい描写した気がします。43話もかかっちゃいました、反省しています…。

さて、仮面大佐様の白狐に祝福をの主人公、湊翔が遂に動き出しました。
対するは仮面ライダーゼイン!
一応湊翔はジャマアウェに相当する出来事を経過した1000年後の方なので、ドゥームズに変身しております。

次回は下界での話、あの見通す悪魔が現れます。
遅くなりましたが、ゆんゆんお誕生日おめでとうございます。

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