この素晴らしい世界にCHEMY×STORYを!   作:山田プロキオン

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今回結構てんこ盛りです。
今後の伏線も込めてで遅くなっちゃいました…


ゴージャスは突然に

「ここはカグヤ様に任せてギーツとガッチャード、貴様達は先に行け!」

 

 突如として現れた黄金の仮面ライダー、レジェンドはギーツとガッチャードにトラウトハデスの元へ急ぐように促す。急な乱入者の助言に何が裏があるのではと一時ギーツとガッチャードは探りを入れようとも考えたが、その堂々とした様子からそれは野暮と考え、レジェンドを信じることにした。

 

「わかった、ここは任せたぞ金色!」

 

「カズマ達を宜しくです!」

 

 ギーツはブーストストライカー、ガッチャードはゴルドダッシュを顕現させて目的地へと急行する。

 

「待てっ!」

 

 トラウトハデスの場所へ行かせないとゼインが立ち塞がろうとするも、レジェンドが牽制の意を込めて左手に備えるレジェンドライドマグナムをゼインへ向けたため、ゼインは追跡を断念し、迎え撃つことに作戦変更した。

 

「貴様の相手は…カグヤ様達だ」

 

「あの…俺達は何で一緒に戦うことになってんの?」

 

 レジェンドが共闘することを前提で話をしていることにカズマは疑念を抱く。それはタイクーンやナーゴ、めぐみんも同様だ。

 

「それは…」

 

 レジェンドが勿体ぶったように理由について言葉を貯める。その様子にカズマ達が固唾を飲んで見守る中、レジェンドが告げる真実は…。

 

 

「貴様達のゴージャスの兆しに、カグヤ様が興味関心を抱いた、それだけのことさ」

 

「いや意味わかんねぇよ!」

 

「ゴージャスの兆しってなんだよ!」

 

 レジェンドの意味不明な言い分にカズマとタイクーンは同時に突っ込みを入れる。

 その一方で

 

「なんと!言葉の端々に感じる含み…」

 

「紅魔族の琴線にも来る言い回しですよこれは!」

 

 めぐみんとナーゴはお気に召したようだ。世界の壁はあってもやはり紅魔族。こういう洒落た?言い回しは紅き魔法使い達には好評なのかもしれない。

 

「ふざけた感じだね…いいだろう、相手をしてあげるよ」

 

 ロードもといゼインはレジェンドに向かって大地を蹴って肉薄する。対するレジェンドもゼインを迎撃すべく身構えるのだった。

 

「さぁ、ゴージャスタイムだ!」

 

 

 

 

 レジェンドとゼインの攻防戦は接戦を極めた。スペック差では圧倒的にゼインに軍配が上がるものの、歴戦により鍛え抜かれた体術でレジェンドは倍以上のスペック差をものともしない。

 

「嘘だろ…」

 

「俺達が苦戦してるアイツを1人で…」

 

 その衝撃的すぎる光景にカズマ達は只々驚くしかなかった。しかし一進一退のせめぎ合いは流石に痺れを切らしたのか、ゼインが勝負に打って出る。

 

「ならば…これならどうだ⁉︎」

 

『ディケイド コンプリートフォーム 執行!』

 

『ジャスティスオーダー!』

 

 ディケイドのゼインカードをベルトに装填して細やかに裁断、そしてプラグライズキーの起動と同時にその秘めた力が解き放たれる。

 

 

『ファイナルカメンライド』

 

 刹那、ゼインの右隣にクウガライジングアルティメット、左隣に電王超クライマックスフォームが出現した。

 いくらレジェンド含め、ライダーが味方陣営に3人いるといっても、2人の最高戦力級の形態のライダーが敵として現れるとなると、形勢は傾くのは必然。今度はゼイン側に風向きが寄ってきたようだ。

 

「さぁ、どうする?」

 

 煽るようにレジェンドへ尋ねるゼイン。しかし、ゼインは知らぬ間にレジェンドの逆鱗に触れていた。

 全仮面ライダーを敬愛し、特に一番ディケイドを尊敬しているレジェンドの前でその力を使い捨てるなど…。

 

「ゼイン、やはり貴様はカグヤ様と似て非なるもの…。仮面ライダーの力は道具ではない。一つ一つが生きる希望であり伝説だ。

それを己の野望のために使い捨てるなど言語道断!カグヤ様の輝きで叩き潰す!行くぞ、タイクーン、ナーゴ、そして補色ツインズよ!」

 

「え⁉︎やっぱ俺達も戦う感じ?」

 

「当たり前じゃないですか、もう体力も回復しましたし準備万端です!」

 

 爆弾による傷も癒えたナーゴは再度戦闘態勢に戻り、タイクーンもしょうがないなぁと言いながらもニンジャデュアラーを両手に持って中腰のままどっしりと構える。

 その一方で…。

 

「おい金ピカディケイド!何で俺とめぐみんワンセットで呼んでんだよ!」

 

「そうですよ!真の男女平等主義者を口実に女性にドロップキックすることを躊躇わないような男と同列に扱うのはやめてもらおうか!」

 

 ガッチャ世界のカズマとめぐみんは、レジェンドの補色ツインズ呼びに声を荒げて抗議していた。

 パーティメンバーとはいえ、それなりに衝突することも少なくない2人はレジェンドにつけられた総称があまりにも嫌で嫌で仕方なかったのだろう。そんな2人を見てナーゴは別に悪くないと思いますが…と内心思っていたのだとか。

 

「茶番はここまでだ。さぁ、貴様達のゴージャスを見せてくれ…」

 

 レジェンドは腰に携えたカードホルダーから3枚のレジェンドライダーケミーカードを取り出して連続でレジェンドライドマグナムへ装填していく。

 

『ギーツライダー!』

 

『ギーツライダー!』

 

『ビルドライダー!』

 

 

「ゴージャスに、染まれ!」

 

 レジェンドライドマグナムが天空に向けられ、曇天の空を射抜くようにして眩い光弾が放たれる。

 そして、光弾は3つに分断してタイクーン、ナーゴ、カズマとめぐみんにそれぞれ命中し、レジェンドの言うゴージャスな力を授けた。

 

「おおおお!何だこの黒い将軍みたいな感じ⁉︎」

 

「身体の奥底から力が湧き上がってきます!これがゴージャスというやつでしょうか⁉︎」

 

 タイクーンは全体的に黒を基調とし、全身を重武装で包み込んだ正しく武人の名が似合う姿、『ブジンソード』となり、ナーゴは青と金色を基調とした幻想的なアーマーを上半身に纏った『ファンタジーフォーム』と化していた。

 

 カズマとめぐみんはというと、

 

「カズマカズマ」

 

「カズマです、何だめぐみん?」

 

「すみません、あの…何だかカズマと視覚を共有している気がするのですが…」

 

「それは俺も同感だ。なんなら手足動かそうとすると変な感覚がする…まるで誰かと一緒に動かしているような感じ…」

 

 

 

「これってまさか…」

 

「もしかしなくても…」

 

「「合体しちゃったァァァ⁉︎⁉︎⁉︎」」

 

 そう、2人はレジェンドライドマグナムから放たれた『クローズビルド』の力を受け、愛と平和を守る兎と龍の戦士へと融合変身したのだ。

 しかしそんな状況を合体していると言う時点でキャパオーバーしている2人が飲み込めるはずもない。

 

「最っ悪です!よりによってカズマと!カズマなんかと初めてを共にするなんて!」

 

「おい言い方に語弊があんだろ!俺だって嫌だよ!お前と合体するくらいならサキュバスのお姉さんの方が…痛ってぇ!今右足で左足蹴ったな!」

 

「この男!せめて責任とるとかもう少し気の利いた事言うかと思いましたがこんな時でも自分第一ですか⁉︎」

 

「当たり前だろ!何で俺が爆裂ロリぃのことなんか…ってまた蹴ったなぁ⁉︎」

 

 1つの体に2つの人格、まるでどこぞのダメ人間と猫型ロボットが合体した時のようにコントのような漫才のようなやり取りを繰り広げてしまうカズマとめぐみん。

 しかし相手は意思のない傀儡。2人の状況など知ったことかと攻撃本能の赴くままにユラユラと距離を詰めていく。

 

「まずいまずい!電王来た!本家じゃないだろうけど絶対強いやつ⁉︎」

 

「カズマ、どうするんですか⁉︎」

 

「どうするって…あ、コイツで!」

 

 カズマとめぐみん、もといクローズビルドは咄嗟にビルド専用武器の「ドリルクラッシャー ガンモード」を取り出し、照準を電王へと定めて右手の人差し指にかけた引き金を勢いよく引いた。

 

「『狙撃』!」

 

 連続で放たれた弾丸は目にも止まらぬ速さで電王へ命中し、その身を後退させる。カズマの幸運値に依存する狙撃スキルもあってか、全弾見事に命中した。

 

「どんなもんだ!」

 

「カズマ…相手まだピンピンしてますよ…」

 

「えっ⁉︎嘘⁈やっぱ必殺技じゃなきゃ…ってこっち来る!『狙撃』!『狙撃』!」

 

 クローズビルドの射撃を受けて尚、徐々に距離を詰めていく電王。歩み寄る際に電王はベルトに取り付けられた『ケータロス』のチャージアンドアップボタンを押し、ライダーパスをベルトへ構えた。その動作を見て、クローズビルドの中のカズマは顔を青く染める。

 

『CHARGE AND UP!』

 

 電子音と共に電王の胸部装甲が展開され、宛ら龍の口のような形状となり、その向こうには無数のミサイルがクローズビルドへ狙いを定めていた。

 

「マズイマズイマズイ、めぐみん!避けるぞ!」

 

「そうは言ってもどっちに避けるんですか?」

 

「右…いや左じゃなくてやっぱ右か…って⁈」

 

 時既に遅し。発射されたミサイルが不規則な動きでクローズビルドに襲い掛かり今度は逆に全弾命中させられる。

 

「わぁぁぁぁぁ⁉︎⁉︎⁉︎」

 

「あ〜れ〜⁉︎」

 

 情けない悲鳴を上げながらクローズビルドは吹き飛ばされ、装甲から火花を散らしながら蹴飛ばされた小石の如く地面を勢いよく転がる。

 しかし電王は攻撃の手を緩めない。再度同じ動作を行い、今度こそクローズビルドを仕留めんとする勢いだ。

 

「どうしましょうどうしましょう⁉︎」

 

「おおお落ち着け!絶対方法はある筈だから…」

 

 慌てふためくめぐみんに冷静になるよう促すが、内心カズマも焦りに焦っている。次の一撃を受けたら確実にタダでは済まない。何としても電王の必殺技を回避、もしくは動きを封じてこの劣勢を覆す以外に道はない。

 

 そんな時、ふとクローズビルドの視界に幾つかの樽が映った。前にアクセルの街でも似たようなものを見たことがあるが、あれは水を溜めている時に用いる樽だ。

 そこからのカズマの脳処理は速かった、否、寧ろ何度か扱ってきた方法だからこそ当然と言うべきか。

 

「頼む、上手くいってくれ…」

 

 クローズビルドはドリルクラッシャーをドリルモードへ切り替えると、樽へ向かって思いっきり投げつけた。ドリルというだけあって鋭利な先端は、ものの見事に樽を打ち破り、カズマの読み通り水が流れ出た。そして水は電王とクローズビルドの間に小さな水溜りを作ったのだが、これこそがカズマの狙いだった。

 電王が構わず進み、水溜りに足を踏み込んだその時、

 

「今だ!『フリーズ』!」

 

 クローズビルドの手の平から冷気が放たれ、電王の足下を凍結させる。片足だけ、されど必殺態勢に移れない状況に陥り、クローズビルドにとってこの上ない好機となった瞬間だった。

 

「よし!後はこのベルトのレバーを回せば…」

 

「わかるのですかカズマ?」

 

「当たり前じゃ、何年ライダー見てきたと思ってんだ!ノリと勢いで使い方ぐらい読み取ってやらぁ!」

 

 クローズビルドのベルトのレバーを回し終えると、DNAのような螺旋型のエネルギーが出現して電王を拘束する。

 そしてクローズビルドは天高く舞い上がると、そのエネルギーに沿って右足を突き出し、蹴りの姿勢をとって電王へと突進していく。

 

『READY,GO!』

 

『ラブアンドピースフィニッシュ!』

 

「「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」

 

 高エネルギーを纏ったキックが見事に電王の肉体を貫き、爆散させる。ギリギリの勝利、心身共に疲れ果てたクローズビルドは安堵して気が弛み、変身解除してカズマとめぐみんに戻るとそのまま地面に大の字になって倒れ伏した。

 

「はぁはぁ、もう二度と合体なんてごめんですよ…」

 

「それはこっちの台詞だ…」

 

 戯言を言い合いながらも、カズマとめぐみんはフッと頬を緩める。その表情は満足という他ない。

 何はともあれ、仲間としての2人の信頼は以前より格段に上がったことは間違いないだろう。

 

「お前こうして横から見てみるとちょっとは膨らみあるんだな…」

 

「おい、私の身体に文句があるなら聞こうじゃないか!」

 

 訂正、前よりちょっとだけ上がった…のかもしれない。

 

 

 

 

「凄い!凄いですよカズマ!簡易的とはいえ爆裂魔法みたいな技を連続して放てます!」

 

「他にも技あるんだろうから使えよ…」

 

 同じ技ばかり使うナーゴに苦言を呈するタイクーンだが、ナーゴは聞く耳持たず。自分の好きを貫く姿勢は立派であるがもう少しどうにかならないものかと、タイクーンは心の中でため息をついた。

 とはいえ召喚体のクウガに全く反撃の隙を与えることなく一方的に攻撃が出来ているところは褒めるべき点であろう。

 

「とはいえずっと使うのは流石にきついですね…」

 

「じゃあ俺に任せとけ」

 

 選手交代と、今度はタイクーンが攻めに移る。対峙するクウガはモーファンパワーを駆使して強力な衝撃波を放って攻撃するが、

 

「甘いぜ」

 

 漆黒のマントをはためかせてタイクーンが衝撃波を無効化する。背中に携えている『デルードマント』はジャミング機能を有しており、簡易的な特殊攻撃を無効することが出来る。

 更に頭部に備わったゴーグルの『ジーナグラス』によって相手の弱点を的確に見抜いて、専用武器である武刃を流麗に振るって斬撃を喰らわせていく。

 その猛攻に流石のクウガも耐えることは出来ず、やがて膝をついた。

 

「決めるぞ!」

 

「はい!」

 

 タイクーンとナーゴはベルトを操作し、それぞれ漆黒と純白の相対するエネルギーを惑わせながら2人とも右足を突き出して蹴りの姿勢へと移った。

 

『BUJIN SWORD VICTORY!』

 

『FANTASY STRIKE!』

 

 両者の強力無比な蹴りはクウガの身体を貫き、その威力の高さたるや、その場に無数の衝撃波を生み出して爆散したのだった。

 

 残るはレジェンドとゼインだけとなったが、両者は幾つものライダーの力を使いこなし、高度な激戦を繰り広げていた。

 

『電王 ライナーフォーム 執行!』

 

『ケミーライド!ゴゴゴゴージャス!電王!』

 

 ゼインが自身の能力でデンカメンソードを取り出すと、レジェンドも対抗してゴージャス電王へと姿を変え、互いに必殺技をぶつけ合った。

 

「フルスロットルブレイク!」

 

「カグヤ様の必殺技!ゴージャスバージョンパート3!」

 

 技の撃ち合いは相打ちに終わり、お互い次なる手として別のライダーの力が内包されたカードを取り出し、再び肉薄する。

 

『カブト ハイパーフォーム 執行!』

 

『ケミーライド!ゴゴゴゴージャス!カブト!』

 

 ゼインの手の中に新たな得物のパーフェクトゼクターが収まり、対するレジェンドもゴージャスカブトへとフォームチェンジを果たす。

 

「「クロックアップ!」」

 

 刹那、両者は高速をも超える速さで縦横無尽に駆け巡り、何度も何度も攻撃を交える。超高速空間に身を委ねるゼインとレジェンドにとっては、自分達以外は止まっていると錯覚してしまう程だ。

 

「やべぇ…放送当時のカブトやディケイドの時も思ったけどついていけねぇ…」

 

 カズマは目で追うことも出来ない、常識など通じる筈もない戦いに渇いた笑いをこぼす。その間にもゼインとレジェンドは音撃戦士、スペードの騎士の力を行使して攻防戦に投じていた。

 そして双方の出方もある程度把握できるようになった頃、

 

「そろそろ切り札を使うとするか…」

 

 レジェンドが徐に取り出したカード。それは群青の装甲を身に纏った飛蝗と蒸気機関車の戦士の力を内包してある1枚。

 

「宝太郎…力を貸してくれ!」

 

 今はここにいない友の名を呼び、レジェンドはベルトにカードを装填し、ベルトを操作する。

 

『ケミーライド!ゴゴゴゴージャス!ガッチャード!』

 

『スチームホッパー!』

 

 再びレジェンドの姿が変わる。それはカズマとめぐみん、そしてタイクーンやナーゴも知るライダーのものだった。

 

「ガッチャードまでなれるのかよ…」

 

「こりゃもう次世代ディケイドだな…」

 

 驚嘆と感心が混ざったようにカズマとタイクーンの口から言葉が漏れる。そしてゼインは錬太郎のライダーとしての姿と瓜二つとなったレジェンドに嫌悪感を示しながら肉薄していく。

 されどそれは予測済みだったようで、ゴージャスガッチャードは錬金術の呪文を詠唱して地面に手を触れた。

 

「『万物はこれなるゴージャスの改造として生まれうく』」

 

 ゴージャスガッチャードの言葉に応じるように地面は液状に変化してやがて黄金に染まり、ゼインの身柄を拘束する。抗おうにも、ゼインの力を持ってしても拘束は強固故、振り解くことが出来ない。

 

「さぁ、幕引きだ。ゴージャスに、散れ!」

 

『ゴージャスアタックライド!ガガガガッチャード!』

 

「ハァァァァァァァ!!!!」

 

 一度巨大なバッタの姿のワイルド体となって空中へ飛び上がるゴージャスガッチャード。そして上空で再び人型に戻ると、右足を前に出して、勢いに乗ってゼインを蹴り貫いた。

 

「そ、そんな…ァァァァ!!!!」

 

 負け惜しみの悲鳴を上げながらゼインは爆発し、その場から黄金で豪華な衝撃波が生じる。

 かくして、凶悪な人工知能の戦士ゼインとの戦いは、レジェンド達のゴージャスな勝利で幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

「いやぁ、助かったぜ!ありがとな、金ピカディケイド!」

 

「金ピカディケイドではない、我が名は仮面ライダーレジェンドだ。貴様達の戦い、中々にゴージャスだったぞ。それに…」

 

 戦いを終え束の間の談笑に浸る中、レジェンドはガッチャ世界のカズマの方へと視線を移す。そして彼の手元に1枚のカードを手渡した。

 

「カグヤ様から見て、貴様はもっとゴージャスに輝ける筈だ」

 

「これは…」

 

「カグヤ様からのプレゼントだ。貴様自身が己の真のゴージャスを見つけた時、時空を超えてきっと力になってくれることだろう」

 

 用が済んだのか、レジェンドは蹄を返してカズマ達の下を去っていく。直後、レジェンドの目の前にオーロラカーテンが出現し、レジェンドはその中へと消えていってしまった。

 

「カズマカズマ!そのカードレンタロウのケミーカードみたいですね!」

 

「力貰えるなんて羨ましいぞコノヤロ〜!」

 

「まぁまぁ、というかこっちのカズマは既にタイクーンの力があるじゃないですか…」

 

 三者三様の反応を見せていたが、カードを受け取ったカズマ本人は物思いに耽るようにカードをじっと見つめていた。

 

「(俺自身の真のゴージャスって…一体何なんだ?)」

 

 

 

 

 その頃、錬太郎達の元いた世界ではレジェンドと同じく突然の乱入者のえみりんが無数に蔓延るジャマトを前に赤いエクスガッチャリバーを振るい、1人圧倒していた。

 

『ビートルクス!エクストラッシュ!』

 

 カブトムシを模した力強い一閃がものの見事にジャマト達を蹴散らし数を大幅に減らしていく。ケミー達に炎属性が付与されているためか、元来植物であるジャマト達には効果覿面のようだ。

 

「まだまだいきますよ、『ファイア・ボール』!!」

 

 今度は杖を取り出して中級魔法を放ち、無数の火球でジャマト達を火炙りしていき、一変の慈悲なく朽ち果てさせて行く。その容赦のなさにアクアは勿論、悪魔であるバニルも少々動転しかけていた。

 

「(ああ、私もあんなふうに蹂躙されたい…)こういう時でも貴様は通常運転であるな…」

 

 相変わらずダクネスは自身の性癖に忠実であった。そしてその後、ウィズの上級魔法やアクアやバニル憑依ダクネスの活躍もあり、この世界のジャマトは全て撃退することに成功した。

 

「ふぅ、やっと終わりましたか…ゴホゴホ!」

 

「大丈夫⁉︎」

 

 突如、えみりんが地面に膝をついて激しく咳き込んだ。慌ててアクアが駆け寄ったが、その際にアクアは見てしまった。えみりんが口元を抑えた手が血で真っ赤に染まっているのを。

 このままではいずれ命に関わる。そう判断したアクアはすぐさま自身の回復魔法を発動した。

 

「待ってて、すぐに回復させてあげるから!『セイクリッド・ハイネス・ヒール』!」

 

 神聖な光がえみりんを包み込み、癒しの効果を齎すと同時に状態異常を打ち消していく。光が収まると同時にえみりんも完全回復したのか、ゆっくりと足を上げアクアにぺこりとお辞儀をした。

 

「ありがとうございます…両親と師匠から聞いていましたが、流石水の女神アクア様ですね」

 

「そうでしょそうでしょ⁉︎もっと褒めてくれてもいいのよ?」

 

 えみりんからの言葉にアクアは上機嫌となり、いつものように調子に乗る。そんなアクアの様子をえみりんはどこか寂しそうに瞳を揺らしながらぽつりと言った。

 

「本当に…貴方が消滅しなければ、師匠やパパとママは…」

 

「ん?なんか物騒なワード聞こえた気が…ていうか貴方なんで私のこと女神って疑うこともなく…あら?」

 

 アクアが再び振り向いた先にえみりんの姿はなく、まるで最初から存在しなかったかのように静寂だけが残されていた。

 

「やはりあの小娘は…」

 

 そんな中、バニルは1人えみりんの正体に勘づいていたようだ。また新たな運命の歯車が動き出す、そんな兆候も共に感じ取って…。




いよいよ次回で特別編が終わります。
本当はレジェンドがケミーライドするたびにカズマさん達の反応入れたかったのですが、同時戦闘している中掛け合いする余裕はないと思い、必要最低限に留めました。もっと掛け合い出来たらやりたかった…

えみりんが咳き込んだ理由は…実は重要な要素だったりするので出来れば記憶の片隅にでも置いておいてくれれば幸いです

クローズビルドのやつ、ギャグっぽく出来てましたかね、ちょっと不安です…
さぁて次回、トラウトハデスとの決戦です
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