この素晴らしい世界にCHEMY×STORYを! 作:山田プロキオン
「えみりん…何で…?」
思わぬ乱入者の存在に錬太郎は驚愕を隠せない。自分を助けてくれたのは前にウィズの魔道具で転送された場所にて邂逅して以来全く接点の無かった彼女が何故。
魔道具で訪れた場所は次元や時を超越した先にあるとも言われていた。となるとえみりんはあの時の自分と同様に何かしらの方法で時空を超えてやって来たとでもいうのか。
これでもまだシルビアマルガムと対峙中だというのに、錬太郎は自身の驚きと疑問に対する問答を脳内で延々と繰り返し、抜け出せることの出来ない情報の奔流の中を彷徨っていた。
「はぁ、全く貴方は… 勇気と無謀の意味を別物と理解しないで、いつも突っ走ってばっかり…」
溜息と共に溢れるえみりんの声に、漸く錬太郎の意識が帰還する。愚痴のように吐き出される言葉の数々。しかし錬太郎の鼓膜を揺らしたその声色に、わずかながら震えと安堵のようなものが混じっているようだった。
くるりと振り向いたえみりんは、懐から2枚のカードを取り出して、とことこと錬太郎の方へと歩み寄る。そしてカードの封印を解くと、錬太郎の下へと向わせた。
「もう勝手に向こうへは行かせません。身体の傷をこの子達で癒してください。ユニコン、ケアリー、お願いしますね?」
『ユニユニ!!』
『ケア〜!』
炎の紋様を宿した赤いケミー達は、えみりんの頼みに力強く応答し、自身らの力を解放する。錬太郎へ向けて優しく温かな光。ユニコンとケアリーの回復効果が、錬太郎の損傷を癒し、折れた肋や鎖骨、左腕を少しずつ治していく。
「あとは私に任せてください」
優しく錬太郎に言い残し、その場を後にするえみりん。そよ風が靡き、えみりんの長い黒髪と緑色のローブがふわりと揺れる。その光景を最後に、錬太郎は緊張の糸がぷつんと切れたのかぐっすりと眠ってしまった。
「何だこの小娘は…何故ケミーカードを持っている?しかも私が知らない…」
己を見据えて徐々に距離を詰めてくるえみりんに、ロードは得体の知れない不気味さを感じた。今まで女神アクアやアルケミアの錬金戦士の技術、自身と同じ転生者のチート特典など、誰しも初見で驚くようなものはこの100年で何度も目にして来たが故に幾分か耐性があるとは自負している。しかしそれらとはまた毛色の違う、どこか読み取ろうにも読み取ることの出来ない奇妙な感覚に、ロードは嫌悪感を抱かずにはいられなかった。
「何れ障害になるやもしれないなぁ…シルビアマルガム、やってくれ」
ロードは自分を肩に乗せている怪物に囁くようにして命じ、姿を消す。主の指示を承認するかのようにシルビアマルガムは咆哮を上げ、右手に出現させた弓の弦に、左手に持った3本の矢をかけた。
弦によって引き絞られた箭の矢尻が、えみりんに狙いを定めて小刻みに揺れる。次の瞬間にマルガムの矢は、空気を押し破って勢い良く弓から放たれ、少女目掛けて一直線に迫る。
対するえみりんは、光速で接近する矢に対して特段焦る素振りを見せず、得物である赤いエクスガッチャリバーの柄を、小さな右手で力強く握り締める。徐に左腕のホルダーより取り出された1枚のカード。えみりんはそれを素早く静かにエクスガッチャリバーのスロットへと装填すると、胸の前で剣を構え直す。カードの中のケミーの力が刀身へと漲り、炎を宿す。
『ザ・サン!ストラッシュ!』
矢の軌道を両目で捉え、両腕を交差させるえみりん。その後、エクスガッチャリバーを目にも止まらぬ速さで振るい、3本の矢を一度に斬り落としてみせた。
しかし休む間はない。次はシルビアマルガムが口から放った無数の火球がえみりんを襲う。先程の矢の量の比ではない。さらにその光弾は不規則な軌道と大きさであるため、回避することは容易ではない。
「面倒ですね…まぁ、撃ち落とせば問題ありませんが…」
今度は空いている左手に小さな杖を携えるえみりん。その後、薙ぐようにして軽く左手首を仰ぐと、えみりんの中の膨大な魔力が雷を生成し、その後無数の短剣のような形へと変わる。
「『ライト・オブ・セイバー』!!」
魔法で生み出されたとは思えない鋭利な刃。上級魔法と呼ばれるだけあって、真っ向からシルビアマルガムの火球を電光石火の速さで迎え撃ち、相殺していく。さらに軌道操作に対抗すべく、赤いケミーのバレットバーンやバンバンブーも助力しており、威力は段違いに底上げされていた。
「さて…次は毒の触手ですね…」
えみりんの読み通り、シルビアマルガムは身体中から猛毒を凝縮した触手を縦横無尽に振り回す。デッドリーポイズンスライムのハンスから受け継いだその毒は、触れた瞬間即死。掠ることさえ許されない。加えて触手の間合いは恐ろしく広く、えみりんだけでなくカズマ達のいる方角や錬太郎のいる場所まで迫る勢いである。
「師匠達にまで攻撃が及ぶのはダメですね…貴方は私にだけ集中しておいてください…『デコイ』!!」
状況を良くないと判断したえみりんは、自身の持つスキルの1つであるデコイを発動させ、シルビアマルガムの注意を自身に向けさせる。目論見は集中し、シルビアマルガムの攻撃は四方八方からえみりん只1人に集中し始めた。
「これで母達も魔法へ集中出来るはず…では、いきますよ…」
新たに取り出したケミーカードがエクスガッチャリバーに装填される。そのカードの中に宿るケミーの力か、刀身からあちこちに雷電が飛び交い、えみりんに迫る無数の触手を次々に焼き落としていく。
そして機は今と見たえみりんも、力強い踏み込みで地面を蹴り上げてシルビアマルガムへ肉薄する。
『リクシオン!エクストラッシュ!』
振り回される触手の荒波を、空中で身体を捻り回転することで躱しながら無数の波状斬撃を繰り出し、シルビアマルガムの全身を斬り刻む。流石はケミー達の頂点に君臨する最強のレベルナンバー10の一角の力か、疲弊していたとはいえガッチャードの攻撃を容易く弾いていた強固な鎧を見事粉砕してみせた。
「…効果はいまひとつですか…」
鎧を穿ち抜いたはいいが、シルビアマルガムの肉体は瞬時に傷口を塞ぎ、回復した。鎧という防御の先に、驚異的な再生能力という新たな壁が立ち塞がる。
まだまだ先は長い。えみりんは深呼吸を1つ挟むと、改めてシルビアマルガム目掛けて攻撃を仕掛けるのだった。
「な…何なんだあの子、颯爽と現れたと思ったら最後の紅魔族だなんて…」
「か、かつてこれほどまで我々の心を滾らせてくれる決まり文句があっただろうか、いやない!!」
「一度でいいから言ってみたい!!最後の紅魔族!!」
一方でカズマ達のいる場所に集まっている紅魔族達はというと、突如現れたえみりんの名乗りに感動し、皆揃って紅い瞳をギラギラときらめかせていた。中には感動のあまり、両目から滝のように涙を流している者さえいる。
分かってはいたが、こんな時でもブレない紅魔族独特の価値観に、アクアとカズマは少々引いていた。
「いや…確かにあの子の登場の仕方は厨二心に突き刺さるし、かっこよかったけど…」
「そんな涙を流すほどか?」
「分かっていないなぁ、2人とも」
外の者であるカズマやアクアに教えてしんぜようと、左目に手を当てたあるえがずいっと近寄る。
「私達紅魔族にとって名乗りというものはアイデンティティ、自己表現の手段なんだ。そこにはいかにカッコよく、いかに相手を惹きつけるかが大事になってくる!!それをあの子は見事に両立させているんだ、こんなに素晴らしく感動的な名乗りは早々ないんだよ?」
最早キャラ崩壊と称した方がいい程に鼻息を荒くして饒舌になるあるえ。いつものどこかミステリアスでクールな面影はどこにも無い。
見た目や雰囲気は年不相応にいい感じなのに、価値観や性格がこれじゃなぁ…と我らがカズマさんは残念なものを見るような瞳をしながらあるえを憐れむのだった。
「それよりカズマ、早く魔力を渡してくれないのかい?」
「急に冷静なるなぁ⁉︎今からやるから!!一列に並べよな!!」
気を取り直して紅魔族全員から受け取った魔力を渡すべく、カズマは左からどどんこ、ふにふら、ゆんゆん、めぐみん、あるえの順に並ばせる。因みに真ん中をどちらにするかでゆんゆんとめぐみんが揉めたため、じゃんけんに勝ったゆんゆんが真ん中を陣取ることとなった。
「やった、めぐみんに勝てた」
ゆんゆんは胸の上で小さくガッツポーズを取り、頬を緩ませる。彼女の勝利を祝うかのようにプラントケミー達も嬉しそうに戯れてくれた。
対してめぐみんは、心ここに在らずというか、放心状態のまま。じゃんけんの時も何処か覇気がなく、負けた後も無心に一点だけをじっと見つめていた。めぐみんの紅い瞳に写っていたのは、たった1人でシルビアマルガム相手に獅子奮迅するえみりんの姿。
その姿はかつて幼少期に自分に爆裂魔法を見せてくれたとある女性と似た憧れに強い何かを齎すと同時に、胸の内を焦がすような、何とも言えない陰を落とした。
「めぐみん?」
「ひゃあ⁉︎な、何ですかカズマ⁉︎」
気配もなく、後ろから声をかけてきたカズマに、めぐみんは間抜けな悲鳴を上げて驚く。カズマ側もそこまで驚くとは予想していなかったようで、こちらも少々動揺していたが、こほんと1つ咳払いを挟むと神妙な顔つきでカズマは口を開く。
「めぐみんお前さ、」
「な、何でしょう…?」
「もしかして怖気付いた?」
「は?」
先程までカズマに見つめられて脈打っていた心臓の鼓動がスン…と静まる。代わりに、腹の底が活火山の中の溶岩の如く、ぐつぐつと滾り始めた。
この男は今何と言った?怖気付いたとか抜かしたのか、この私に?紅魔族随一の天才である自分に?
「ゆんゆんとの勝負にどんな手を使ってでも勝つお前があっさり負けて引き下がるし、調子悪いんじゃ無いのか?今回の作戦お前抜きの4人で…「ないです!!」…へ?」
「私が怖気付いた?たかが魔王軍幹部が変質したマルガム相手に?これまで何度も強敵を屠ってきた私がその程度のことで怖気付くなど有り得ますかいえ有り得ません…紅魔の里に未来永劫語り継がれる爆裂魔法を見せてやろうではありませんか!!」
カズマの推測を食い気味に否定して、荒々しい口調で啖呵を切るめぐみん。自分の心配は杞憂だったとカズマは安心すると、紅魔族の5人に魔力を受け渡していく。本来ドレインタッチで魔力を渡せる人数は最大で2人だが、ズキュンパイアの手も借りて一度に複数人に作用させることが出来ていた。
『カズマくん、集中しなよ。配分を間違えれば最悪対象が破裂するかもしれないからね』
「いや怖いこと言うなよ⁉︎逆に集中出来ねぇよ⁉︎」
『大丈夫、僕や他の
「それを先に言ってくれよ…ん?アクアも支援魔法をかけんのか?」
ズキュンパイアとの会話中、めぐみん達に支援魔法を浴びせるアクアの姿に思わずカズマが声をかけた。
「まぁ…あのキメラを滅茶苦茶強くして消えてったロードは、元はと言えば私が送り込んだ存在だし、その…罪滅ぼしというか、このまま里を滅ぼされると今後の寝つきが悪くなりそうというか…」
口元をモニョモニョとさせながら、申し訳なさそうに理由を述べるアクアを、カズマは少しばかり見直した。普段は高ステータスを持て余し、足を引っ張ることがお決まりのアクアにも罪悪感というものがあったとは。
「アクア…」
「何より罪悪感抱えたままだと美味いシュワシュワも楽しめないじゃない!!」
「ほんの少しでも女神らしいと思った俺の感心を返せこんの駄女神!!」
「ああ〜ッ⁉︎駄女神って言ったぁぁぁ⁉︎」
訂正。結局アクアはアクアのままだった。
めぐみん達の魔法の準備が着実に進む中、えみりんとシルビアマルガムの終わりの見えない鍔迫り合いが続いていた。
「(後少し…後少し…)」
苦しい持久戦がもうすぐで終わる。しかしその一瞬の気の緩みがいけなかった。疲弊によりどうしても鈍ってしまった握力により、シルビアマルガムの触手によって弾かれたエクスガッチャリバーがすっぽ抜けてしまった。
「不味い…」
『ケミーシュート!』
咄嗟に回避態勢に移るえみりん。その時、何処からか飛んできた射弾が彼女に肉薄していた触手を撃ち落とした。
「どうして…」
えみりんがまさかと思って振り向いた先には、肩で息をしながらガッチャートルネードを手に持つ錬太郎がいた。
「ごめん、戦いの途中で寝ちゃって…ここからは僕も行くよ」
「いやいや!!私休んでろって言いましたよね⁉︎あとは任せてって言いましたよね!!」
傷もまだ完全に癒えていないであろうにも関わらず、戦線に戻って来た錬太郎に対して怒号を上げるえみりん。錬太郎は一瞬驚きながらも、えみりんの右肩に優しく手を乗せて言った。
「もう大丈夫、傷も治ったから。それに、アイツの相手は元々僕が受け持ったこと。最後までやり通さなきゃ、カズマ達に合わせる顔がない。
それに…えみりんには前も今も助けられてばっかりだ…助けられてばっかじゃ、道は切り拓けない…」
錬太郎は懐からガッチャーイグナイターの装着されたガッチャードライバーを取り出し、腰に装着する。その時少しだけ錬太郎は顔を強張らせ、えみりんには錬太郎が強がって嘘を言っていることがすぐに分かった。
しかしこの男は一度決めたらどんなことがあろうと止まることはない。それを知っているえみりんに許される答えは1つしかなかった。
「……貴方の意見を尊重します。但し、本当に危なかったら気絶させてでも戦線から引き離しますからね?」
「…わかった」
えみりんの圧を含んだ許諾に、臆することなく錬太郎は応答する。同時に、錬太郎の下に2枚のカードが飛来した。
ファンタスティックケミーのレベルナンバー5のインフェニックス、そしてコズミックケミーレベルナンバー5にして、紅魔の里の魔法学校レッドプリズンの守り神であるファイアマルスのケミーカードだ。
『フェニ!!』
『マルス!!』
「そうか、カズマが向かわせてくれたんだね。ありがとう、一緒に戦おう!!」
錬太郎はガッチャードライバーの右のスロットにインフェニックスのカードを、左のスロットにファイアマルスのカードを装填した。
「今日2回目だけど…オーバーヒートを躊躇っちゃいられないな!!」
『インフェニックス!イグナイト!』
『ファイアマルス!イグナイト!』
カードの装填を終えると、錬太郎は両手で円を描いて両手を重ねた後に両手を反転させて矢印の先端を形作る。そして正面に突き出して声を轟かせ、ベルトのレバーを操作した。
「変身!!」
『ガガガガッチャーーンコ!!ファイヤー!!』
火星と不死鳥、2体のケミーの力を併せ持つ灼熱の炎が錬太郎を包み込み、覆い被さるようにして蒼炎が纏われ鎧を形作っていく。
やがて錬太郎の周囲に広がる炎が晴れ、錬金戦士の新たな姿が露わになる。
『マーズフェニックス!!アチー!!』
紅蓮に染まる肉体に蒼炎を胸部に宿し、雄々しく佇みながら炎の翼を広げる錬金戦士——
仮面ライダーファイヤーガッチャード マーズフェニックス
「
炎の翼をはためかせ、ファイヤーガッチャードは空中へ飛び立つ。手負いの状態とは思えない程に、その飛行速度は疾風迅雷としか言い表せない。シルビアマルガムの放つ火球や触手、弓による狙撃を見事に回避しながら、炎を纏った突進攻撃を何度も繰り出す。
ファイヤーガッチャードの速さには、さしものシルビアマルガムも対応出来ず、加えて見上げる程の巨躯を誇るシルビアマルガムはガッチャードにとっては絶好の的。
攻撃しては距離を取り、攻撃しては距離を取りを繰り返し、完全にガッチャードに注意を引かれているシルビアマルガムに、潜伏スキルを用いてえみりんは忍び寄った。
「今がチャンスです。ジャングルジャン、ゼグドラシル、お願いしますね」
シルビアマルガムが目と鼻の先にまで迫ったその瞬間、えみりんは右掌を前に翳し、ジャングルジャンとゼグドラシルの力に乗せてスキルを発動した。
「『バインド』!!!!」
刹那、シルビアマルガムの足下に根が張り付き、幹を伸ばしてシルビアマルガムを拘束する。抜け出そうと踠くシルビアマルガムだが、木の根は深く大地に巡らされており、自慢の怪力でも脱出することは不可能、加えてゼグドラシルの効力で強力な重力がのしかかり、身動きすることすら叶わなかった。
「今です!!」
えみりんの進言に、空中にいたガッチャードは体勢を整えてベルトを操作し、必殺態勢へ移る。
同時にカズマの魔力の受け渡しも完了して、めぐみん達も魔法を放つ段階へ入っていた。
「よし、魔力全部渡したぞ!!」
「ふぉぉぉ⁉︎⁉︎里の皆とケミーの力が全身を駆け巡っています!!これならいけますよね?」
「「「「ええ(ああ)」」」」
めぐみんに他4人も力強く応答し、一列に並んだ紅魔の少女達は隣にいる者達と手を重ねる。
全紅魔族、ケミーの力を宿した魔力が光となって少女達の手の平から溢れ出し、その手は狙いであるシルビアマルガムへ向けて構えられた。
「魔王軍幹部シルビア!!長きに渡る因縁、ここで決着させてもらいますよ!!『エクスプロージョン』!!」
「お願い、ここで終わらせるためにありったけを…『ライト・オブ・セイバー』!!」
「作家であるというのにこの瞬間をどう形容していいのか分からない…今日という日を、私は一生涯忘れることはないだろう!!『カースド・ライトニング』!!」
「お父さん、お母さん、それに愛しのマイブラザーとんぬら!!お姉ちゃん頑張るからねぇぇ!!『インフェルノ』!!」
「神様女神様エリス様!!この魔法撃ち終わったら私に何かいい随一を授けてください!!『ライトニングストライク』!!」
5人の上級魔法はシルビアマルガム目掛けて一斉に放たれ、螺旋を紡ぐ。溶け合い混ざり合った上級魔法は、宛らレールガンから発射された弾丸の如く魔力の渦を形成し、ドリルのような圧倒的貫通力を備えてシルビアマルガムに迫る。
「これで決める!!」
『マーズフェニックス!!バーニングフィーバー!!』
ファイヤーガッチャードも全身から噴き出す炎を、自身の体を中心に巨大な鳥の形に錬成すると、シルビアマルガム目掛けて激突を繰り出した。
「「「「「いけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」」
紅魔の里の全員の声が重なる。二方向から迫る全紅魔族の想いを乗せた挟撃は、シルビアマルガムの胴を貫いた。
貫かれた部位から炎が湧き上がり、やがてシルビアマルガムの全身を焼き尽くし、火柱が現れる。
火柱が立ち上り、曇天の空が晴れた先には、皆の勝利を祝福するかのように無数の星々が爛爛と輝いていた。
シルビアマルガム戦、終わりました。
ノワールガッチャード戦はまた次回で。