暗黒錬金術師伝説10 暗黒!ライザのアトリエ2   作:dwwyakata@2024

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2、濁流は竜のごとく

壁を開ける。それと同時に、なだれ込んでこようとしたフィルフサの前に立ちふさがったのは、文字通りの水の壁だった。

 

どっと流れ込む水。

 

更に一カ所、堤防を崩してきたのだ。それによって、遺跡にひたひた、程度だった水が。一気に池のように。

 

そして、壁を開けると同時に。

 

水が濁流となって、フィルフサを押し流し始めたのである。

 

今までも洞窟の中で、水を浴びていたフィルフサ達だ。

 

必死に耐えながらここまで来たのだろうが、それも此処まで。何百年もかけて此処まで来たのだろうが。

 

それももうおしまいだ。

 

どっと凄まじい水流が、フィルフサに襲いかかる。

 

小型は押し流されていく。中型以上は、あたしとアンペルさん、それにクラウディアでつるべ打ちに。

 

飛行型は、とにかくクリフォードさんが主体になって、叩き落とす。

 

叩き落としてしまえば、後は濁流が始末してくれる。

 

ただこの戦術だと、そもそも水が流れすぎていて、あたし達も踏み込めない。水流というのは見た目以上に危険で、川遊びで死ぬ人間が後を絶たない事からも分かるように、どれだけ鍛えていても逆らえないのだ。

 

手を上げる。

 

フィルフサの動きが止まったからだ。

 

作戦を次の段階に進める。

 

一旦タオがまた、作業を行う。これにはカーティアさんと、一緒に来ている戦士達も加わってもらう。

 

つまりカーティアさんは一度後方にさがる。

 

破壊した堤防を復旧するのだ。

 

これで、一度戦線を無理矢理押し上げる。その後、水位が下がると同時に、洞窟内に突入。

 

洞窟内の状況を確認しつつ、門まで戦線を押し上げるのだ。

 

門まで行く事が出来れば、其処からはまた違う作戦をとれる。

 

水を奪う道具。

 

昨日の間に、作った。

 

そして、近くにある湖から、水を相当量取得しておいた。

 

状況次第で、これを切り札として使う。

 

勿論必要なければ使わないが、いずれにしても状況次第で使う事を考えなければならないほど戦況は厳しい。

 

壁を突破されたら、水浸しにしていたくらいでは、フィルフサの大侵攻が始まったらとめられないのだから。

 

タオが戻ってくる。

 

「堤防の復旧、上手く行きそうだよ!」

 

「よし、水が減り次第、突入する!」

 

「やっとか……」

 

「耐幻惑の装備、しっかり確認して! 「迷いの森」以上の五感攪乱をして来るはずで、もしはずれたら多分助からないよ!」

 

皆に警告はしておく。

 

これは脅しではなく、完全な真実だ。

 

水が少しずつ引いていく。

 

元々、先に金属板を幾つか作っておいて、それをスライドして穴を開けた堤防を防げるように準備しておいたのだ。

 

錬金術は、こうやって大量の物資を一気に作り出せるのが強みであり。その品質も完全に均一に出来る。

 

故に、堤防に穴を開けて、すぐに塞ぐような離れ業が出来る訳だ。

 

これは機械生産の技術では出来ないだろう。

 

少なくとも、今まであたしが見て来た機械には、それが出来るものはなかった。

 

水が減ってくる。

 

フィルフサは、もう壁の先にある洞窟から出てこない。相当量の水が流し込まれたからである。

 

なんなら、これから更に大量の水をプレゼントも出来るが。

 

それは最後の手段である。

 

「足下は滑る。 それは俺たちにもマイナスに作用する! 皆、気を抜くなよ! こけたら、誰かがすぐに助けろ!」

 

「レント、頼もしくなったな」

 

「うん。 じゃあ、行くよ! 突貫っ!」

 

あたしが声を張り上げると同時に。

 

全員で、一気に壁を越えて、洞窟に入る。傾斜がかなり厳しい。既に滑って転びそうだ。

 

水も激しく流れている。

 

これでは、必死に此処まで上がって来たフィルフサ達も、どうにもならなかっただろう。ともかく、下へ急ぐ。

 

彼方此方の壁に、あの幻惑の効果がある土が埋め込まれているのが分かった。本当に、絶対に洞窟を出られないように。大きな犠牲を出しながら、戦士達は耐え抜いたのだろう。

 

生活も家族もあっただろう。

 

背後がケダモノ以下の古代クリント王国におびやかされていて、気が気ではなかっただろう。

 

それでも必死にやり抜いた。

 

みんな聖人だった訳でもないし、悪党だっていた。国そのものは、古代クリント王国と大差なかった事だって分かっている。

 

だけれども、此処で戦った人達は最後までやり抜いた。

 

不死の魔女だってそう。

 

決して聖人でもなんでもなかったけれども。

 

それでも、自分の命と世界を天秤に掛けて。世界を選ぶ事が出来た。

 

それだけで、人間としては尊敬できる。

 

無駄には、しない。

 

「すげえ坂だ!」

 

「フィルフサだ!」

 

「!」

 

走りながら、前方にフィルフサを確認。

 

そういえば、フィーはオーリムが近い筈なのに、別に元気そうでもないな。

 

まあ、それはいい。

 

ともかく前に出て、必死に水の中坂にしがみついているフィルフサに躍りかかる。中型の個体で、サソリのようなよく見る奴だ。

 

必死に抵抗しようとするが。

 

水で装甲がびしょ濡れである。

 

そうなれば、どれだけ強力な個体だろうが関係無い。

 

レントが一刀両断し、更に見えたコアをパティが一撃で切り裂いていた。

 

皆の連携が、非常に鋭い。

 

三年前は、文字通りこの連携を超える事はないと思っていた事もあったが。

 

やはり世界は拡げるべきだ。

 

「飛行型が来る!」

 

「クリフォードさん、あわせて!」

 

「任せろっ!」

 

洞窟の中を、低空飛行してくる中型フィルフサ。その翼は、全てを打ち砕くように巨大で鋭い。

 

だが、出会い頭にクリフォードさんがブーメランを叩き込み、それが僅かに飛行を揺るがせる。

 

そして飛行体というものは。

 

ものすごく精緻なバランスで飛んでいるのだ。

 

僅かなずれで翼が揺れ、それが壁にぶつかると、思い切り水の中に突っ込む中型。皆で一斉に袋だたきにして、飛ぶ暇もなく仕留める。

 

だが、此方も足場が危ない。

 

踏ん張って。

 

叫んで、皆に注意を促す。降っているこの坂。此処をひたひたにして戦っていた戦士達は、多く足を滑らせてしたに。そして、フィルフサのエジキになってしまったのだろう。それでも、此処の優位は捨てられなかった。

 

だから皆、必死だったのだ。

 

走る。

 

小型が数体、水の中でもがいている。

 

一体も逃さない。

 

パティに任せる。コツを掴んで来たらしく、水を浴びている装甲を貫いて、一気にこじ開ける。

 

反撃はしっかりかわして。

 

その反撃さえ利用して、コアを切り裂く。

 

素晴らしい。

 

最初に出会った時にもう基礎は出来ていたが、これはもうじきタオは戦闘力で追い抜かれるとみて良い。

 

立て続けに右に左に似たような感じでフィルフサを屠るパティだが、どうしても泥に足を取られる。

 

転びかけた所を、タオが腕を取ってそれを防ぐ。

 

もし転んでいたら、坂の下まで真っ逆さまだ。

 

「タオさん!」

 

「大丈夫! 相互支援しながら行くよ!」

 

「はいっ!」

 

タオも、水に必死に抗いながらこっちまで来るフィルフサを、次々に仕留めている。今は、水があるから充分に戦えている。

 

しかし、水があってこの強さか。

 

やはりこの群れ、侮れない。もしも門を越えた先に、三年前のように百万を超える群れがいた場合。

 

とても撃退は不可能だ。

 

多分時間を稼ぐ事すら厳しい。

 

大雨を降らせて、それでどうにかやっと戦いが出来る状況になるだろう。それくらい、厳しい。

 

「水音が変わった! 多分水たまりがちけえ!」

 

クリフォードさんが叫ぶ。

 

頷くと、更に先に。

 

自ら飛び出してきた、蜥蜴に似たフィルフサの顔面を、出会い頭に蹴り砕く。そこにセリさんが植物操作の魔術で蔓を出して、フィルフサを拘束。

 

もがいている其奴を、リラさんがまたたくまにバラバラにしてしまう。

 

中型以上は、単独で瞬殺は無理だ。

 

これだけゲタを履いている状態でも。

 

無言で、次々に必死に迫ってくるフィルフサを叩き伏せる。

 

フィルフサには、指揮官個体を除くと知性らしいものはない。

 

ただ本能のまま、新しい母胎……生物の要素をしみこませた土を求めているだけ。

 

その過程で殺戮を行う。

 

その過程で蹂躙する。

 

それは、此方としては容認できない。

 

だが、植物が放っておけば際限なく増えていくのと、それは似ている。

 

果たしてその行為は悪なのだろうか。

 

むしろフィルフサよりも、人間の方が。

 

雑念を追い払う。

 

一気に、腰あたりまで水に浸かった。

 

どうやら、洞窟の最深部に来たらしい。あたしは、水の中でも平気なようにしてあるカンテラを腰から外して照らす。

 

水の中で、相当数のフィルフサがあっぷあっぷしている。

 

そして、中央部。

 

せり上がった土の上に、それはあった。

 

間違いない。

 

ゆっくり回転する、黒い空間の穴。異界オーリムへの道。

 

門だ。

 

「アンペルさん!」

 

「状況証拠から間違いないと知っていたが、あれは自然門だ」

 

「自然に出来たものであって、古代クリント王国が作ったものじゃあないって事だよな」

 

「そうだ。 聖堂の仕組みは理解しているが、短時間で作れるものじゃない。 フィルフサを倒しきるか、我々が押し負けるかだ」

 

分かっている。

 

殺さなければ殺される。

 

そういう戦いだ。

 

だが、本来フィルフサとは其処までどうもうな生物だったのか。どうしても疑問が残ってくる。

 

仮にそういう存在が誕生したとしたら。

 

全てを蹂躙し尽くした果てに、自分達もいなくなってしまうのではないのか。

 

どうしてもそれは、疑念を感じてしまう。

 

ともかく、周囲で水浸しになってもがいているフィルフサを潰す。かなりの広さの人工湖だ。

 

深さは腰くらい。門にも水が今も流れ込み続けている。

 

この状況で、新しく斥候が来るとは思えない。

 

また、見た所、将軍級のフィルフサもいない。

 

将軍の戦闘力は、個体によっては王種に迫る。

 

前に、「蝕みの女王」を守ろうと立ちふさがって来た個体のように。あいつはとにかく強かった。

 

つまり敵は、まだまるで本気を出していないということ。

 

「徹底的にこの場にいるフィルフサを駆除! 門への逆侵攻の足がかりを作るよ!」

 

「分かりました!」

 

皆が掃討戦を始める。

 

此処にいるフィルフサは、五感を狂わせる幻惑に耐えながら、必死に門を突破して、此方に抜けてきた個体ばかり。

 

何百年も苦労してきただろうに、一瞬で終わりだ。

 

それを思うと、少し申し訳ないとすら思うが。

 

此奴らを通したら、それこそ一瞬でこっちの世界が終わりでもある。

 

だから、容赦は出来ない。

 

徹底的に駆逐を進める。

 

小型だって、瞬殺とはいかない。

 

中型は、基本複数で掛かる。

 

既にグランツオルゲンを粗悪品とはいえ仕上げているあたし達でも、これだけ苦戦する相手だ。

 

万全の状態でのフィルフサを相手にするのは。

 

やはり、あまり考えたくは無かった。

 

短いが、激しい戦いが続く。

 

水の中で死んでいるフィルフサも少なくないが、それ以上に必死に此方に向かってくる個体も多い。

 

恐らく五感を幻惑する環境に適応して、近くの相手だったら知覚できるようになっているのだろう。

 

確実に、正確に反撃してくる。

 

勿論五感幻惑を防ぐ装備は、耐水で作ってきてあるが。戦闘が激しさを増す度に、不安になる。

 

帰路だって、これがないと生きて帰るのは不可能だろう。

 

激戦が続く。

 

ともかく、水がまだ相手の領地に流れ込んでいる状況だ。

 

斥候は来ないし、当然フィルフサも来ない。

 

だが、川の流れを無理に変えている以上、いずれは無理が出てくるし。相手が強行突破を図ってきたら、こんな洞窟あっと言う間に抜かれる。封印だって、長くはもたないのだから。

 

大きな百足に似ている中型を、皆で切り刻む。コアが中々見つからない。その間も、百足型は体を振るって大暴れするが。レントがその度に大剣で弾き返して、皆に攻撃が届かないように防ぎ抜く。

 

気合とともに、あたしが蹴り砕いた腹の装甲の奧、核が光っている。

 

それを粉砕すると。

 

暴れ回っていた百足型が、嘘のように静かになり。水にどうと倒れていった。

 

呼吸を整える。

 

「タオ、伝令お願い。 門への到達成功。 これより、敵本拠に侵入作戦を開始する」

 

「分かった。 いってくる」

 

この中で、一番の快足はもはやタオだ。

 

すぐにタオがすっ飛んでいくのを見送ると、皆で集まって、門からの新手を警戒する。水は引かない。

 

そもそも最初から、ある程度水が溜まっている洞窟だった筈だ。

 

其処に更に水を流し込んだのだから。当然だと言えるだろう。

 

埋めるのは悪手だ。

 

フィルフサの事だから、掘り返して何処かからか地上に来かねない。

 

斥候に出て来た将軍級のフィルフサが、同じようにしてかなりの距離を掘って移動した例をあたしは知っている。

 

だから、そんなリスクは侵せなかった。

 

タオが戻ってくるまで、ひやひやする。

 

レントは常に一番前で、大剣を構えている状態だ。その背中を見ながら、クリフォードさんに聞いてみる。

 

「どうですか、門の向こう……」

 

「考えたくもないな。 魔界ってのがあるんなら、そういう場所だろうぜって印象だ」

 

「……」

 

「私が矢を撃ち込みます。 それで状況をある程度分析出来ますか?」

 

クラウディアがいう。

 

でもあたしがとめる。

 

タオが戻ってからだ。

 

今は、どれだけでも戦力が欲しい。外で、最悪の状況に備えているメンバーとは。しっかり連携を取りたい。

 

タオが戻ってくる。荷車を一つ引いている。四つ用意してきた荷車だが、全てをいきなり運び込むのは早計。

 

そう判断したのだろう。

 

いい判断だと思う。あたしも頷くと、どうだったかと確認した。タオも、すぐに状況を説明してくれる。

 

「外の皆は、準備を整えたまま待機してくれているよ。 とんでもない魔物とやりあっているのは理解してくれているから、皆気も抜いていない」

 

「よし。 クラウディア、お願い!」

 

「分かった!」

 

クラウディアが、大きな鏃の矢を作り出す。

 

音を立てるためのものだろう。いわゆる鏑矢という奴だ。

 

音魔術の専門家であるクラウディアだけれども、流石に門の先の状況まで聞き取るのは厳しい。

 

此処で一番勘が優れているクリフォードさんと連携して、これで偵察を行うのだ。

 

緊張の一瞬。

 

水の中で矢を引き絞ったクラウディアが、それを放つ。

 

門に吸い込まれた矢が、ぎゅうんと、凄い音を立てて飛んでいくが。門に消えると、すぐに音は聞こえなくなった。

 

「もう一発頼む」

 

「分かりました」

 

クラウディアが、もう一矢をつがえる。

 

この間も、敵が仕掛けて来る可能性は幾らでもある。

 

皆が腰まで水に浸かって厳しい状態で構えている中、クラウディアが矢を撃ち放った。また、凄い音。

 

矢が門に吸い込まれて。

 

そして、クリフォードさんが、しばし黙り込んだ後、いう。

 

「いるぞ、たくさん。 こっちを囲んでいるようにしている」

 

「向こうは死地って事だな。 こっちがそうであるように」

 

「当然の判断だな。 フィルフサの指揮官個体は知能がある。 逆侵攻を仕掛けられた場合を、想定していない筈がない」

 

「……それでも、やるしかない」

 

ともかく、持久戦は生じ得ないし。

 

千日手になれば相手が有利だ。

 

これは将棋じゃない。ゴト師じゃないが、相手はルールの上からこっちをつぶしに来るようなものだ。

 

千日手になったら、フィルフサはこっちの寿命が尽きるまでそれを続ければ良い。

 

王種や将軍は長い時間を掛けて生まれてきて、オーレン族も驚くほどの長寿を誇るのである。

 

人間の寿命なんて、フィルフサに取ってはあっと言う間。

 

ましてやフィルフサの母胎になっている土壌の上にいるのだったら。

 

いくらでも失った戦力なんて、補充が可能なのである。

 

「仕掛けるんだな……」

 

「皆、門の側に。 迅速に動けるように」

 

「分かった!」

 

皆が、水から上がる。門の側の土は、フィルフサが盛り上げたのだろう。かなり強靭な群れだが、それでも水にひたひたになり続けるのは、ダメージになる筈だからである。土盛りは、かなりしっかりしていた。

 

門の外の地面がどうなっているか知りたいが。

 

それについては、クリフォードさんが先手を打って教えてくれる。

 

「外は沼になっている筈だ。 足を取られるぞ」

 

「そんな事も分かるんですね」

 

「思ったほど、外は乾燥していないらしい。 フィルフサってのが水に弱いのだという話からして。 それで数があんまり多く無いのかもな」

 

「……」

 

フォーメーションを決める。

 

先頭はレント、それにリラさん。

 

その後に皆が続く。

 

しかし、囲まれているとなると、そう長い時間はもたないだろう。そこで、水を吸い取る装置を使う。

 

同じ手で行く訳じゃない。

 

前は地面が乾燥していたから、地面にフルパワーでの熱槍を全部叩き込んで、粉塵を巻き上げ。

 

更に空に膨大な水を撒くことで、雲を作り出し、土砂降りにして対応した。

 

同じ手は、今回は使えないとみていい。

 

だとすると、どうするべきか。

 

決まっている。

 

一度状況を見て、それで判断する。

 

地形に関しては、沼地になるくらい平坦だと言う事がわかっている。外に出たら、いきなり崖と言う事はないだろう。

 

ただ、どうにもならないと判断したら、引くことも大事だ。

 

「最悪、一度引くことになるよ。 レントも、やられないように注意して。 リラさんは、そんなの言うまでもないか」

 

「愚問、といいたいが。 この強さのフィルフサは、私も初めて見る。 どうなるかは正直わからんぞ」

 

「とにかく、周囲の地形を把握します。 それまで、耐えてください。 タオ、クラウディア、お願い」

 

「うん!」

 

門を抜けたら、クラウディアが音魔術を全力展開。周囲の地形を把握。タオが地図にする。

 

最悪、それが出来たら、一旦門の向こう側に引き上げてもいい。

 

だけれども、フィルフサの群れは向こうで待ち構えているとみていい。猛攻を受けるだろうし、最悪追撃もだ。

 

セリさんに頷く。

 

植物魔術で壁を作って欲しい、という意図だ。

 

セリさんも頷く。

 

大丈夫。

 

セリさんも歴戦の戦士だ。それくらいは、把握できているだろう。

 

3。2。1。

 

0。

 

叫ぶと同時に、門の中に突貫。ふと、懐に入れているフィーに気付く。ずっとフィーは、半目になって、心地が良さそうだった。

 

空気が良くないと、あの夢の中で言っていたっけ。

 

あれってまさか。

 

この門が、ドラゴンに関係しているのだとしたら。

 

可能性としては、そもそも前提として、間違っているのかも知れない。

 

フィーはオーリムの空気に適応しているのじゃあない。

 

エンシェント級のドラゴンの何かに、適応しているのかもしれなかった。




※今回交戦するフィルフサについて

ライザのアトリエ1の時に比べて圧倒的に強いライザのアトリエ2のフィルフサ。

食物連鎖の上位個体では無いかと言う説が作中で語られていましたが、ライザのアトリエ3で開示されたフィルフサの設定を考えると、どうにもそれは考えにくいですね。

いずれにしてもこの群れは、通常フィルフサの20万~60万で構成される群れに対して、2万数千程度の規模しか持ちません。

その代わり、戦闘力は通常の群れに比べてそれぞれの個体が十倍はあります。

首魁である王種も、それは同じです。

本作の次に連載する作品はどれが良いですか?

  • 暗黒!アトリエシリーズのまだ未掲載の作品
  • 真女神転生Ⅲの二次創作(真Ⅴ要素なし)
  • 流行り神二次創作
  • その他二次創作
  • オリジナルの長編
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