暗黒錬金術師伝説10 暗黒!ライザのアトリエ2 作:dwwyakata@2024
砲台型のフィルフサ。これほど特化した存在を、セリは見た事がなかった。
セリは元々オーリムの聖地の一つ、ウィンドルでずっと過ごして来た。そこはフィルフサ対策に精鋭を集めた最後の砦とも言える場所だった。だからセリも此方の世界に来るまでは、フィルフサと戦い続けていた。ずっとフィルフサと戦い続けて来たのは、他のオーレン族と同じなのである。
これはもう、オーレン族の宿命だ。
だが、それでも。
今回交戦しているフィルフサの群れは、イレギュラーだらけである。オーレン族最強のあの長老ですら、この異形の集団を見たら驚くのではないのだろうか。
矢継ぎ早に植物を展開して、動きを封じる。
背負っている巨大な砲を向けられたら、ひとたまりもない。とにかく動きを阻害していくしかない。
植物が軋む。
地面がぬかるみ緩んでいるからだ。
どれだけ強靭な蔓で拘束しても、フィルフサは腐っても将軍。虫に似たその体を揺らして、拘束を必死に解こうとする。
その間アンペルが、空間操作の魔術で次々体を貫いているが、どうしても致命打を入れるに至っていない。
後方では、クラウディアが放ったらしい矢が、まとめて十数の小型を撃ち抜いている。
撃ち抜かれた小型は足を滑らせ。この高台から滑り落ち。
そして濁流に呑まれて死ぬ。
セリだって、負ければ同じ運命が待っている。
冷や汗を、飛ぶようにして吹き付けてくる大粒の雨が吹き飛ばす。セリの服のフードは、首の後ろで激しく揺れていた。
良く考えたら。
雨は経験があるが。こんな嵐は、オーリムではなかったか。
それもそうだ。
フィルフサに滅茶苦茶にされた気候の結果、乾燥がオーリムにとって基本だった。オーレン族の最後の砦であるウィンドルでもそれは同じで。ウィンドルにある最後の清浄な泉ですら、悲しいほどちいさな規模だった。
此方の世界に来てから、幾らでもある水に苛立ちを感じたし。
大雨や嵐を経験して、それで驚きもした。
これが昔、オーリムにもあったのだと思うと。
これでフィルフサをどうにかできなかったのかと感じて、とにかく悔しかったのを覚えている。
今は、実際嵐の中でフィルフサと戦いながら。
ある意味高揚すら感じていた。
今、フィルフサを。
良いようにたたきのめせている。
それはオーレン族の悲願。
氏族関係無く、フィルフサに憎悪を抱いていないオーレン族なんて存在していない。
勿論この水害については、良く思わない。
ライザが引き起こした事を考えると、少し悲しくさえある。
だけれども、フィルフサに汚染されるより先に、フィルフサをたたきのめして。
奴らがいなくなった後、ここをどうにか再建すれば。
再建は、出来る。
土の状態は、それほど悪くない。だからこそ、水で押し流してしまうのは口惜しいのだが。
フィルフサの王種は非常に数が少なく、オーレン族以上に繁殖が遅い。
王種さえ仕留めて。
この土地を水と緑で満たせば、フィルフサを充分に防ぐ事が可能だ。
それで、この土地への償いとする。
だから。
ここで、今負ける訳にはいかないのだ。
セリは、魔力を絞り出す。
魔力量に限ってなら、ライザやクラウディアには劣るが。魔力の使い方に関しては、まだまだあの二人に負ける気はない。
魔力を練り上げて、植物を召喚。
ひたすらに、相手を締め上げる。
「まだ。 いつまでも続けられないわよ」
「分かっている! くそ、コアがありそうな場所は、だいたい貫いたのに……」
「貫きさえすれば、倒せるのね」
「それは間違いない」
アンペルといったか。
あの白牙氏族の戦士、リラと一緒にいるくらいだ。ライザと同じで、例外的な錬金術師なのだろう。
錬金術師なんて、全て殺すべきだと此方に来る前は考えていたが。
ライザを見て、考えが変わった。
勿論ライザは例外だと言う事も分かっている。
事実ライザが、それを認めていたくらいだ。
アンペルも、ライザが影響を受けた存在なのだとすれば。
或いは、アンペルが最初に生じた例外で。
ライザはその影響を強く受けたのかも知れない。
いずれにしても、此処を任されたのだ。
負ける訳にはいかない。
力が弱まれば、いつでもこの砲台型は反撃に出てくるだろう。そうなれば、火力が低いセリとアンペルは、ひとたまりもない。
だが、そうはさせない。
切り札を、切るとする。
杖を回転させて、詠唱を杖に代行させる。
セリ自身は、別の詠唱を行う。
この杖はライザに改良させたが、杖そのものを回転させる事で詠唱を行える特別品である。
更に、舞う。
セリがつけている腕輪にも同じ機能があり。
舞う事によって、更に詠唱を行う事が出来る。
人間は喋る事によって詠唱するらしいが。
それ以外にも、こうやって詠唱の手数を増やすことは出来る。
ただし、魔力は自身から絞り出さなければならない。だから、詠唱の手数だけ増やしても。
大魔術を上手く扱えるかは、別問題だ。
たんと、踏み込み。
魔術を完成させる。
以前、一度だけ皆に見せた大技。
その完成形を、此処でぶっ放させて貰う。
「エタニティ……」
ぶちぶちと、植物の戒めを砲台型フィルフサが引きちぎる。まずいと判断したのかもしれない。
セリに砲台を向けようとするが、これこそが好機だ。
最後の一節を唱える。
「ブルーム!」
上下から殺到した大量の植物が、砲台型フィルフサを包み込み、全身を締め上げていく。アンペルが頷くと、立て続けに空間切断の魔術を発動。切り裂く。
ぶつりぶつりと音がする。
砲台型はまだもがいているが。
一瞬だけ、動きが鈍る。
「掠めた……!」
「妙ね」
今まで穴が開いていた射線上に、今のはあった筈だ。どうしてそれで掠めた。
そうか、分かってきた。
此奴は砲台、長距離狙撃に特化している。
恐らくだが長距離狙撃を行う際に、ギミックの一つとしてコアも動いていたと言う事なのだろう。
だとすると、まずい。
あいつは恐らくだが、砲台をこっちに向けなくても、その気になれば射撃してくることが出来る。
額の血管が破れそうになるが、それでも残りの魔力を集中。
フルパワーだ。
砲台型フィルフサに集まった植物が、傷から内部に入り込み、押し広げに懸かる。勿論とんでもなく消耗する。
意識が飛びそうになるが、それでもやるしかない。
砲台型フィルフサも、本気で抵抗していて。植物の戒めが、彼方此方でぶちぶちと引き裂かれている。
どれも鉄以上の強度にしている筈なのに。
如何に狙撃特化と言っても、将軍ということだ。
「穴を拡げたわ! 急いで!」
「くっ……コアが時々見えるが、動きが速すぎる!」
そろそろ限界だ。
セリの魔力量だと、これ以上は厳しい。
もしも砲台型を自由にさせると、それこそライザや他の者の背中を撃ち抜きかねない。それくらい危険な相手だし。
それを絶対にさせないと判断したから。
セリは、任されたのだ。
ライザは信頼に値する。
だったら、セリだって、信頼に応えなければならない。
激しく砲台型がもがいて、ぶちぶちと戒めがちぎられた。そして、砲台型が体をくねらせて。砲台をライザ達が戦闘している方向に向けようとする。
かなりの距離から、結構本気で張った壁をブチ抜くくらいの火力を展開してきた将軍である。
それも、大雨の中。
十分の一以下に弱体化している状態で、だ。
攻撃は魔術を利用はしていたが、投射してきていたのは質量弾だった可能性が高く、なんなら恐らくはフィルフサの甲殻だろう。
だとしたら。
投射させたら、その時点でライザとパトリツィアは死ぬ。
させるか。
意識が半分飛びそうになりながらも、更に植物を召喚。これほど魔力を使ったのはいつぶりか。
人間の世界に出て。
そして今思うと人買いだっただろう連中に絡まれて。
皆殺しにしたときくらいか。
片付けても片付けても出てくるから、結局百人以上は殺した。最後の方は結構しっかりした装備をしているのが出て来たから、或いはあの人買い。何処かの街の権力者とつながっていたのかも知れない。
あの時だ。
顔や手足を出来るだけ隠しておくようにするべきだと、学習したのは。
更に人間への憎悪も募った。
にっと笑う。
ライザは信用できる。
だが、人間はろくでもない。
それでいいではないか。
此処にいる連中も信用できる。
だから、フィルフサを撃滅するために、今は命を張れるのだ。
「はあっ……!」
気合を腹の底から絞り出す。
精神論なんて、何の役にも立たない。
全て魔力を効率よく絞り出すための行動だ。
寿命を削るかも知れない。
だが、此処でセリが敗れるわけにはいかないのだ。
アンペルが、詠唱している。
滅多に詠唱することはないのに、珍しい。だが、何をしようとしているのかは分かった。アンペルも、全力で魔力を絞り上げている。
くるっと、円を描くようにして。
アンペルが、手を回す。
頷くと、セリは。
また植物の戒めを引きちぎろうとするフィルフサの将軍に対して、敢えて拘束を緩めていた。
待っていたとばかりに、フィルフサの将軍が、ライザ達に砲台を向けようとした瞬間。
完全に此方から注意がそれる。
いや、違う。
拘束を解いた瞬間、将軍の全身から多数の針が射出。セリの腕、足、立て続けに突き刺さっていた。アンペルも、攻撃を貰った筈だ。
興奮状態にあるが。
それでも焼けるような痛みが走る。
それでも、セリは嗤う。
何かおかしい。
そう判断したかも知れない。
だが、将軍は命を捨ててでも、ライザを狙いに行く。恐らくだが、ライザが錬金術師で。この一団の最大戦力だと言う事を知っている。だからこそ、命を捨ててでも殺しに行っているのだが。
そうは、残念ながらさせない。
一瞬拘束を緩めたのは。
完全に動きを止めるためだ。
最後の一瞬だけでいい。
植物が先に倍する勢いで成長し、更には切り札を使う。
覇王樹だ。
覇王樹は、水を体内に蓄える事が出来る。それを地下で育てていた。
大量の蔓が、将軍を拘束し、縛り上げるだけじゃない。
覇王樹が将軍に絡みつきながら成長。
砲台を縦一文字にして拘束。
更には、その分厚い葉が炸裂。
大量の水を、砲台の。砲身の中に、流し込んでいた。
土砂降りの中。更に全力での植物での拘束。其処に、大量の水を追加でおまけである。フィルフサが鳴くのは見た事がなかったが。
明らかに苦痛の悲鳴らしい音が響き渡る。
ばたばたともがくフィルフサ。
それはそうだろう。
毒か何かを無理矢理飲まされているのと同じだ。
だが、貴様らが何も考えずに、踏みにじり殺してきた者達はもっと苦しく辛かったのだ。少しでも、その痛みを思い知れ。
「アンペル!」
「おうっ! 世界の基幹たる空間よ。 切り取りくみ上げそして破断せよ。 我アンペルの名において命ずる! 我アンペルの名において願う! 我が敵を、全ての滅びに導け!」
ゆっくりと、空間切断の線が集まっていくのが見える。
なるほど。
文字通りの必殺だが。
動きが遅すぎて、普段は使えないと言う訳か。
セリも、最後の力を振り絞る。
凄まじい金切り声を上げながら、将軍がもがくが、もはや勝負は決した。更に覇王樹から、水を流し込んでやる。
手も足も感覚がない。
だが、勝った。
アンペルが、奥義の最後の一節を唱えた。
「これでチェックメイトだ! リワインドフロー!」
線が、三次元的に纏まり、箱になり。
そして、一気に収縮する。
それは全てを切り裂く線が、一気に収束した事を意味している。つまり、フィルフサのコアは。
完全に寸断された。
あれほど激しくもがいていたフィルフサ将軍が。びくんと痙攣すると。
そのまま、停止していた。
土砂降りの中、命なくそのまま植物に締め上げられている将軍の死体が、ばきばきと砕けて行く。
どうと背中から倒れる。
クラウディアが、駆け寄ってくるのが見えた。
そうか、制圧戦闘はもう終わりか。
後は任せる。
まさか、人間に意識を手放して、手当てを任せる事になるとは思わなかったけれども。それでも、その行動に悔いはなかった。
クラウディアは速射を続け、弱めのフィルフサを次々に討ち取りながら見る。セリさんが、全身に針を浴びていた。
あの砲台型。
思ったよりずっと強かったのだ。
ぐっと歯を噛みしめながら、更に殲滅を急ぐ。
そして叫んでいた。
「クリフォードさん! 支援に回ります!」
「分かった! おおぉっ!」
跳躍すると、クリフォードさんが投擲したブーメランが、えぐい音を立てて回転しながら、立て続けに中型、大型のフィルフサを数体、まとめて薙ぎ払う。隙が出来た瞬間に、クラウディアは走る。
後方に持ってきてある荷車。
其処に薬と消毒剤、更には増血剤。他にも手当て用のキットがあるのだ。
ライザと相談して、誰でもすぐに分かりやすく使えるようにキットを作ったのである。箱を作り、用途ごとに薬を分けて入れてある。考案したのはクラウディアだ。ライザ印の薬を、順番に普及させようと考えて。そして、こういう使いやすいものを、医療関係の施設を中心に売ろうと思っていた。
其処には商魂もあったが。
ライザが今の世界に対して、非常に強い怒りを感じていることは、クラウディアも理解していた。
だから世界を少しでも良い方向に変えるべく。
クラウディアも、全力で努力していたし。
ライザも、それを理解してくれているから。こういうキットの作成には、乗り気で動いてくれたのだ。
走る。
そして、見る。
締め潰されていく将軍。あれは倒れたとみていい。セリさんは。
倒れている。アンペルさんも、倒れているが。それでも、なんとか動けそうだ。
「アンペルさん!」
「こっちは大丈夫だ。 薬はコアクリスタルから補給する!」
「……分かりました!」
セリさんの状態を確認。
まず全身に刺さっている針だが、急所を貫いているものはない。まず増血剤を飲ませて、それで。
刺さっている、巨大な針を引き抜く。
本当はやってはいけない行為だが、ライザの薬は即座に傷を修復するほどの快復力がある。
だから出来る事だ。
傷を消毒して、即座に薬をねじ込む。
セリさんの意識は非常に朦朧としていて。このままだと、命が危なかっただろう。だが、どうにか薬は地力で飲めている。
最悪の場合口移しだったが。
あれは衛生面に問題があるので、出来ればやりたくはない。それくらい、危険な行動なのである。
止血を終える。
至近に、中型のフィルフサが迫ってきているが、ボオスくんが鋭い一撃で食い止め、押し返していった。
ありがたい。
ボオスくんも、だいぶ頼りになるようになってきている。
後は、消耗しすぎた魔力だ。
貴重な魔力の補給剤を飲ませる。手当てをあらかた終えて、担いで荷車に移動する。出来れば雨に当たらない場所に寝かせたいが、そうもいかないだろう。
「クラウディア……?」
「セリさん、もう大丈夫です。 今、手当てが終わりました」
「将軍は倒せた?」
「はい。 もう、動きません」
よかった。
そう、セリさんが呻く。
セリさんにしても、将軍を倒した経験は殆ど無いのだろう。あの凄まじい技量を持っていたキロさんですら、フィルフサに対しては防戦一方だったのだ。
意識を失うセリさん。
クラウディアは、無言でその様子を見て。
それから、ぐっと顔を上げていた。
音魔術で、皆に告げる。
「セリさん負傷。 拠点まで後送」
「了。 掃討戦続行」
クラウディアは、荷車を引いて泥濘の中を走る。
まだ、戦いは終わっていない。
すぐに再参戦しなければならない。
将軍は、まだいる。
それに、雑魚フィルフサが盛り返してきて、乱戦が続いている状態だ。しかも時々見ていたが、ライザとパティが戦っている将軍の戦力は、恐らく三体の中でも図抜けて最強。あれは、出来るだけ急いで加勢しないと危ない。
土まんじゅうみたいな拠点の中にセリさんを運び込んで、横たえる。
大丈夫。
この拠点は、ライザが事前に考えて。幾つも作った簡易拠点の中の最新版。ちょっとやそっとで壊れる事はない。
セリさんは、静かに息をしている。
命に別状は無い。これでもクラウディアも、何人も怪我人を手当てしてきたのである。
ただ。ずっと放置も出来ないだろう。
出来るだけ、急いで戦闘を終結させなければならない。
それに、最後に王種が残っている。
ライザが撃墜して、かなりのダメージを与えたはずだが。王種だ。しかもドラゴンに似ていた。
このフィルフサの群れの特性からして、王種もえげつなく強い可能性が高い。
将軍達を根こそぎに潰している横から、王種に乱入されたら、高確率で全滅するし。
なんなら、皆が万全な状態で将軍に懸かったとしても。
それでも勝てるか怪しいくらいの相手とみるべきだろう。
荷車に薬などを補充。
四つ用意してきた荷車の内、二つは既に空。一つは殆ど空になっている。
最後の一つ。
ライザがいつも愛用している、滅茶苦茶強化してある荷車に、薬などを詰め込むと、再びクラウディアは泥濘の中を走る。
土砂降りの、最後の勢いだろうか。
空に雷。
ごろごろと駆け回っている。
至近に落ちたら、ひとたまりもないが。周囲に高いものはない。多分落ちる事はないと思う。
吹き付けてくる大量の雨粒。
風がばたばたと、クラウディアの髪を嬲る。
後で手入れが大変かな。
だけれども、血と泥と、フィルフサの死を散々浴びているのだ。今更と言えば、今更である。
泥濘に塗れて死闘を繰り広げるのは、三年前になれた。
それに、だ。
ライザから、もう聞いている。
古代クリント王国以上の邪悪が、存在していたのだと。
フィルフサはそれらが作り出した。生物兵器なのかも知れないと。
もしも、それがまだ何処かに存在しているのなら。
戦う事になる可能性が高く。
もし戦う場合には。
その戦力は、フィルフサの群れの比では無いだろうとも。
戦地に到着。
こんな雑魚に、いつまでも手間取っていられない。
雨の中だと、完全に逃げ惑うだけの雑魚に過ぎなかった三年前の群れとは違うが。それでも、あの時と違うのはクラウディアも同じだ。
出会い頭に、制圧射撃。
ボオスくんが苦戦していた大型個体を、つるべ打ちにズタズタにする。とどめはボオスくんに任せて。
クラウディアは、音魔術で告げていた。
「此処から狙撃を続けます! 薬は補給してきました! 負傷者はさがって!」
「よし、すまないがさがらせて貰う」
「了!」
アンペルさんがさがってくる。
リラさんとレントくん、タオくんも雑魚の掃討戦に加わっているが。リラさんは音魔術で薬を補給した旨を告げると、すぐにすっ飛んできた。
「ライザが苦戦している。 私はライザに加勢する」
「お願いします。 私は制圧戦を続けます」
「頼むぞ。 アンペル、拠点までは大丈夫か!」
「大丈夫だ。 ライザと戦闘している将軍は、とんでもない強さだ。 くれぐれも気を付けてくれ!」
まだかなりのフィルフサがいる。
必死の制圧戦が続いているが、ライザとパティに近寄らないようにするだけで精一杯の状態だ。
顔を上げる。
まだ、戦いは終わっていない。
矢を番え、ぶっ放す。
横殴りに、中型のフィルフサを串刺しにする。とどめは任せて、クラウディアはライザが作ってくれた弓と手袋を絶対に信頼しながら。
次々に、敵を射すくめていった。
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