暗黒錬金術師伝説10 暗黒!ライザのアトリエ2 作:dwwyakata@2024
エアドロップの理論は、クーケン島で最初に思いついた。
クーケン島の外壁部分。特にエリプス湖の内部にある部分も、いずれ調査しなければならない。
水に浸食されていなかった内部ですら、あれだけ傷んでいたのだ。
今は自動修復機能が働きつつあるが。それも内部では働いているのが確認できているだけ。
外部はどうなっているか、直に見ておきたい。
そう考えて、構想しはじめた。
やがて基礎的な部分について考え始め。
水の中にある貴重な素材なども、実際に自分で手に取りたいなと考えるようになり。
やがて、エアドロップの構想に至ったのだった。
湖畔に到着。
クリフォードさんとパティが見ている中、あたしはそれを取りだす。
小型の金属片を重ねあわせたものだ。
軽量で錆びない合金。
それを良く伸びる動物の皮でつなぎ合わせてある。
普段は折りたためる程度のサイズにしているので、荷車に積む事が出来るが。本来は、とても大きな構造体だ。
まずは、それを取りだしてから、湖に放り込む。
そして、呪文を唱えて、ロックを解除。
同時に、爆発的にそれが大きくなった。
「おお……」
「な、なんですかそれ」
「エアドロップ試験機一号。 ちょっと待っていてね」
それは、巨大な魚に見えるものだ。大きさとしては、あたしの背丈の二倍くらいの高さと、歩幅五歩くらいの長さ。左右にはあたしの歩幅二歩くらい。
この中には、常に新鮮な空気が保たれている。
後方は開くようになっていて。中には入れる。
二人には、此処で待つように伝えて。中に乗り込む。
うむ。
わりと悪くない感じだ。
「フィー?」
懐に入っているフィーが、不安そうに声を上げる。
本当は残してきたかったのだが。
まあ、仕方がないだろう。
エアドロップ試作機一号は、水の中に浮かんでいる状態だが。まずは内部で前後左右に歩いてい、試作機そのものの安定を確認。
またこれは、魔物避けの防御魔術を掛けてある。
大きな魔物が湖の中にたくさんいるのは確定なので、使っている皮にも、魔物避けの臭いが出るようにしてある。
要するにとっても普段は臭うのだが。
それも防げるように、調整は事前にしてある。
「揺れは、問題なしと。 次は稼働だね」
「フィー!」
フィーは、興味深々の様子で周囲を見ている。
或いはだけれども。
このエアドロップが、あたしの魔力を動力に動いているのが分かるのかも知れない。
だとするとエサの塊に見えるのかも知れないし。
或いはあたしそのものに感じるのかも知れない。
フィーの普段の食事はあたしの魔力だ。
それもあるから、これは不思議なものに見えてもおかしくは無い。
まずは前進、後退、舵、停止。それらを順番に試して行く。
あたしは前方にある装置に、手をかざしているだけだ。
こっちを興味深そうに見ている魔物。あれは前に見たワニか。ワニはしばらくして近づいて来たが。
エサでは無いと判断したのか、離れていった。
ある程度透過して、周囲が見られるようになっている。
また、空気も汚れない。
圧縮した空気を後方に積んでいるのだ。
これがさっき爆発的にこのエアドロップ試作機一号が膨らんだ仕掛け。
常に新鮮な空気を提供できるようにしてある。
そして、下部から空気を排出できるようにもしてある。
これは吐いた空気が下に溜まる事を、利用しての事だ。
コレを作るまでに、クーケン島で半年以上研究してきたのだ。あたしだって、三年を無為に過ごしていたわけでは無い。
スランプだったのは事実だが。
それでも、やる事はやっていたのである。
とりあえず、一度上陸して、空気を抜く。
疲れたので、しばし休憩。
最大六人乗る事が出来、更には荷車だって積む事が出来る。
それが出来るようになるまでには、まだ調整がいるな。
そう思っていると、クリフォードさんが、大きめの鳥を担いできていた。
「腹ごしらえと行こうや」
「良いですね。 パティも食べる?」
「はい。 しかし、そのブーメラン、凄い精度ですね」
「俺の魔術だからな」
ああ、なるほど。
ブーメランそのものを魔術で操作しているという訳か。
道理で、あたしがゴルドテリオンで強化しようかと言っても拒否られた訳だ。
多分魔術が、ブーメランに徹底的に馴染んでいる、ということなのだろう。
鳥を捌いて、三人で食べる。
貴重な品種だったらともかく、そこら辺で幾らでも見られる鳥だ。
焼いて食べていると、集落の人が来る。
どうやら怪我人らしい。
火はパティとクリフォードさんに任せて、様子を見に行く。
寝かされているのは、大柄な男性だ。どうやら石垣を直している時に、崩落に巻き込まれたようだ。足を折ったようで、うんうんと唸っていた。
「医師は」
「そんな上等なもの、この辺りにはいないさね」
そう、いじけた様子で老婆がいう。
見た感じ、この男性はこの集落の力仕事を一手に引き受けているのだろう。
そうでなければ、あたしが呼ばれたかどうか。
無言で様子を見て、それで薬を取りだす。
足は幸い普通におっただけで、複雑骨折はしていない。
まずは痛み止めから飲ませて。
順番に処置をしていく。
添え木をして。固定して、それで終わり。
終わった時点で、既に痛みは止まっていた様子で、大柄な男性は半身を起こしていた。
「すまん。 助かった」
「石垣は? あたしがやっておきますよ」
「そこまでやってくれるのか」
「金なんか出せないよ」
冷酷にいう老婆。
周りの住民も、呪いでも見るように、あたしの治療を見ていた。
情けない話だな。
王都からドロップアウトしたことは分かるが。こうまでいじけなくても良いだろうに。
集落の長が、たまりかねて怒声を張り上げた。
「いい加減にしろ! トマスが助かったのはこの人のおかげだぞ!」
こそこそと逃げていく集落の人間。
すまなかったと頭を下げられて。
なんだかあたしの方が、申し訳なくなった。
ともかく、崩れた石垣を見に行く。
こんなものでも、ないよりはマシか。
潜水の試験は、明日行うつもりだったから、別にいい。
クリフォードさんとパティを呼んでくる。
そして、さっさと石垣を積み直すと。家屋用の接着剤で固める。
後は、軽く蹴りを叩き込んでみて、崩れないことを確認。集落の長には、きちんと話をしておく。
「今回はサービスにさせていただきます。 今後は、周辺で採れる薬草や魚、鉱石なんかを報酬でください」
「そんなものでいいのか」
「ええ、問題ありません」
「……感謝する」
頭を下げられた。
此方も、胸に手を当てて、それに応じる。
昼メシの残りを済ませて、後は軽く試験を続ける。クリフォードさんが興味を持ったので、一緒に乗ってもらい、操作方法を教える。
飲み込みが早くて、すぐに覚えた。
魔力は今の時代、誰にでもある。
クリフォードさんもそれは例外じゃない。むしろ相当に魔力の練り方、操作方法は上手だ。
的確に、エアドロップ試作機一号を操ってみせるので、あたしは感心した。
「もっと速度が出ればなあ」
「これはそもそも、潜る事が第一の目標なので、速度はあまり出なくても良いんですよ」
「そうか。 でもなあロマンがなあ」
「……」
呆れた。
この人、本当にロマン中毒なんだな。
まあそれはいい。
まだ時間があるので、パティにも運転のやり方は教えておく。
これは、湖底に何かあったとして。
それが遺跡で。内部に魔物がいたとして。
そいつらを、手に負えるかどうか分からないからだ。
最悪の場合、パティだけ無事で、負傷した皆が撤退するという事態もありうる。
その場合は、パティがこの試作機一号を操縦しなければならないのだ。
パティはやっぱりクリフォードさんよりかなり操縦を覚えるのが遅い。というか、かなりぶきっちょだ。
四苦八苦していたが、やがてなんとか覚えてくれたので、安心する。
そのまま、今日は撤退とする。
王都から近いと言う事もある。
夕方よりずっと早く、王都に到着。アトリエ前で解散となった。
「それにしても凄いな、そのエアドロップとやら。 あんなに大きく頑丈なのに、折りたためるんだもんな」
「まだ完成形ではないので、今後調整が必要ですけれどね」
「もうライザさんが、空を飛ぶ道具を作り出しても驚きませんよ……」
「その時には、パティに動かさせてあげる」
解散とする。
さて、此処からだ。
エアドロップ試作一号機は、動かして見て色々と問題がわかった。だから釜に放り込んで、調整を行う。
フィーはその様子をじっと見ていたが。
やがて、空中で色々ジェスチャーを始めた。
本当に翼は空を飛ぶために使っているのでは無くて、魔術で空を飛んでいるんだなと分かる。
それくらい、表現が非常に多彩で。
普通だったら浮けない格好で浮かんでいる。
「フィー! フィーフィー!」
「湖の中に潜るとき、空気の力だけ強くすると、中の人間が悪影響を受ける、かな?」
「フィー!」
ジェスチャーでそれを示すのは大したものだ。
やっぱり凄いなこの子は。
そう思いながら。工夫をしていく。
具体的には皮を二層にする。
そして、その二層の間に空気を入れることで、更に外皮を頑強にするだけではない。
浮かんだり沈んだりするための空気を、其処にため込んで、調整をすることになる。
エーテル内でエアドロップ試作二号機を調整しながら、あたしはそれらについて、考えるが。
やっぱり三年前よりも、思考の動きが鈍い。
それだけは、どうしても認めなければならない。
額の汗を拭うと。
一旦形になった二号機を釜から取りだす。
そして、お薬を増産しておく。
外に出るともうすっかり夜だ。
カフェに出向いて、薬を納品。
そして、街道で魔物が暴れている事。退治を頼むと言われて。
そのまま、出かける事になった。
結局、魔物は退治したのだけれども。大きな百足だったので、素材もなにも採れたものではなく。
毒袋くらいしか得られなかった。
流石に百足の肉はあまり食べられない。内部には肉はあるのだが、寄生虫だらけなのである。
ただ毒袋は、いずれ使い路があるかも知れない。
採っておくことは、損にはならないし。
何よりも、これに噛まれたらまず助からない。
百足が魔物になる程大型化すると、非常に危険だと聞いた事があったが。
確かにどれだけ叩いても死ななかったタフさ加減で。
あたしが加わらなかったら、死人が出ていてもおかしくは無かった。
牙が擦っただけでも、傷口が凄い色になった負傷者がいたので。そういう人達の手当てもして、戻って来たのだが。
まあ、恩は売れたし。
最低限得られるものはあったと言える。
風呂に入って、それで後は寝る。
本番は明日だ。
フィーはもうアトリエに戻った時には寝ていた。
下手な人間の子供よりもう賢いなこれは。
そう思うこともあるが。
だけれども、やはり幼体なのは、こういう姿を見ていれば間違いないのだなと思わされるのだった。
翌日。
タオが加わって、四人で湖畔に出向く。クラウディアはまだだ。基本的に、一通り身辺での仕事が落ち着いたら戦闘に参戦してくれる、ということなので。待つだけである。
実際バレンツが忙しい事は分かっているので、あたしも急げと急かすような真似はしない。
湖畔に着くと、二号機を試す。
まずは昨日と同じ調整から。タオにも操作方法を覚えて貰う。タオは流石で、すぐに覚えていた。
「なるほど、これは分かりやすいね」
「あたしでもすぐに使えるようにって組んだからね」
「それで良いんだよ。 こういうのはユーアイっていうんだけれど、ユーアイは基本的に簡単であればある程いいんだ」
聞いたことがない単語だが。
これも語源がよく分かっていない言葉の一つらしい。
まあ、ともかく動くのは確認できた。
その後は、荷車も積んだり。更に四人全員で乗って、運転を確認する。
魔物は近くによっては来るが、金属で出来ている事を確認すると、食べても美味しくなさそうだと判断して去って行く。
まあそれはそうだろう。
あたしがもっと強かったら、強くて勝てないと判断して近寄れないようにするのだけれども。
今は、こうして追い払うしかない。
さて、此処からだ。
まずは一人に戻って、潜る所から開始。
湖底に入ると、少しずつ状況を確認。
まずは呼吸。
きちんと出来る。
周囲の状況確認。
これはあたしが熱魔術で自身で行う。案の定、とんでもなくデカイ魔物がわんさかいるようだが。
幸い、今まで見てきた中で最大というわけでもない。
以前クーケン島に襲来した奴の方が大きい。
もっと深い海に潜ったりすれば、どうなるかは分からないだろうが。
少なくとも此処では、其処まで巨大な奴はいないようだ。
しばらく湖底で右往左往。
空気が減ったりすることもない。
圧縮した空気は、充分に役割を果たせているようだ。
その後は、浮上。
これが一番ひやひやする。
最悪の場合は、泳いで出なければならないからだ。
ただ、あたしも三年で着衣泳はもうがっつりものにしてある。トラウマまで刻み込まれた水だが。
今はもう怖くもない。
二号機はちゃんと浮上。
湖畔まで、辿りつくと。あたしは二号機を出ていた。
「ライザさん、だ、大丈夫ですか!?」
「問題ないよ。 後もう少し修正を加えたいけれども、多分今日中にいけると思う」
「これで、前よりも鈍くなってんのか。 すげえな」
「本当だよ。 ライザはそうだと思ってないみたいだけれど、僕とは違う方向なだけだと思うね」
クリフォードさんに、タオがぼやいている。
どうもこの二人、話していて似た者同士だと感じあったらしく、もう意気投合している有様だ。
パティがそれを見てむくれているので、時々敢えてタオに話しかけて、パティの方に話を振るように仕向けていたくらいである。
それにしても、やっぱりというか。
天才とバカは紙一重なんだなと思う。
タオは天才だが、こう言うときは完全に子供だ。
クリフォードさんも歴戦の戦士だが、子供のまま大人になっている。
紙一重というのは、誰でもそう。
多分あたしでも。
ともかく、データは採れた。
一度戻って、早めに解散する。
パティは今、必死にカウンター戦の練習をしているようだ。実戦で試すつもりにはまだなれないようだが。
あたしも、早めにこれを片付けてしまう方が良いだろう。
先に進むには。
相応の進歩が必要だ。
パティが戦士として一皮剥けるために、戦闘スタイルを見直しているように。
あたしも、錬金術師として先に進むために。
出来る事を、増やさなければならないのである。
釜にエアドロップを放り込んで、調整を行う。
今回の調整で分かったが、まだ魔物が興味を示している。頭の悪い奴だと、いきなり食いついてくる可能性がある。
それを避ける為に、シールドがいる。
食いつかれたときに、ばちんと電流が走るくらいの奴でないと駄目だ。毒を使う手もあるが、水中を毒で汚染したくはない。常時放出するのは無しだ。
だとすれば、どうすればいい。
また現時点では、推進力はエアドロップ後方にある。
これは圧縮空気を用いているのだが、これは呼吸するための空気と同じ仕組みで、指向性を持たせている。
同じ仕組みが、機体前方にあっても良いかも知れない。
後、四人と荷車で乗って見て分かったが、ちょっと手狭だ。
何よりも、水中だ。どれだけ大きい魔物が来るか分からない。
当初は六人乗れる想定で作っていたのに、もう少し大きくするべきだろうと結論。
物資を追加。
エーテル内で、調整を行う。
「よーし、こんなものかな」
「フィー!」
「エアドロップ試作三号機あらため、エアドロップ完成型一号機!」
嬉しそうに周囲を飛び回るフィー。
でも、あたしは内心はちっとも嬉しくない。
三年前。
時間に追われながらも、試行錯誤して調合していたときには、わくわく感があった。新しいものを作り出すと、わっとくる感動があった。
それがない。
やっぱり頭にもやが掛かっている。
それは、どうしても否めない。
どうしてこんな事になっているのか。やはり病気なのか。しかし、島でエドワード先生に話したとき。
こんな事を言われたのだ。
何でも、普通の人間は普段頭なんて殆ど使っていない。
あたしは、常時何かしら考えているだけで、かなり脳の負担が大きいと。
これがいずれ、どんな風に影響するか分からない。
魔術師として大成して、魔王なんて呼ばれるようになるかも知れないし。
すっかり失われていた錬金術を再興する存在になるかも知れないと。
あたしは、そのどっちにもなりたくはない。
なるとしてもついでだ。
だけれども、そもそもとして。このもやもやは晴れない。それもまた、事実なのだが。
大きな溜息が出る。
フィーはそれを理解している筈だが。
或いは、慰めようとしてくれているのかも知れなかった。
元々改良点は分かっていたのだ。
夕方少し前に作業は終わり、街に出る。
少し足を伸ばして、工業区を見に行く。
今後、クラウディアの紹介で、機械の修理を行うつもりだ。今、王都にはクラウディアの話によると、三十近く動かなくなった機械と。それと同数、壊れかけの機械があるのだとか。
稼働中の機械は例外なく壊れかけ。
良く商人が着ているスーツもその産物である事を考えると。
殆どの貴族が着潰している服も、やがて供給が止まる。
一応糸繰りなどの技術はあるのだが。
機械を使って服を作るのとでは、技術が違い過ぎるのだ。
あたしの作った布から服を仕立てることも出来るには出来るのだが。
貴族でもためらうような金が掛かるらしい。
その内、王都の人間はみんな襤褸を着て過ごすようになり。
服は貴族だけが独占し。
その貴族も、やがて民草よりはマシな襤褸を着るようになる。
それは、このまま事態が推移した場合の、確実な未来だと。クラウディアは言うのだった。
とりあえず工業区を見に行くが、男女ともに恰幅が良い人が多くて。
それでいながら、みんな体調が良く無さそうだ。
懐に入れているフィーが、いやそうな声を上げる。
まあそれもそうだろう。
この辺り、露骨に空気がおかしいのだ。
口を押さえて、早めに離れる。
工業区から出ると、熱魔術で纏わり付いていた汚染物質を吹き払った。それで、やっと一息つける。
熱魔術で追い払えるものでもないのだ。汚染物質は。
恐らく、見境無しに燃料を燃やしたりしているのだろう。それで湯水のように人間を使いつぶし。
体が壊れた人間を、どんどんお払い箱にしていると。
今の時点では、給金は出ているのだろう。みんな屈強な体をしていたし。
でもそれが終われば、多分街の外の集落で魔物に怯えながら暮らすか。
田舎に戻るしかない。
特に田舎に戻った場合は、王都が地獄だったことを周囲に告げて、それで死んで行く事になる。
この傾向は、前から変わらなかったのだろう。
あのアガーテ姉さんが、さっさと見切りをつけて戻ったくらいだ。
ヴォルカーさんも、さぞや苦労して貴族の称号を手に入れたに違いない。
ともかく、彼処は出来るだけ近寄りたくは無い。近寄る場合は、汚染物質対策が必須だなと感じた。
「ごめんねフィー。 後でたくさん魔力を食べさせてあげるからね」
「フィー」
「さて、と」
次だ。
農業区に出向く。
要求されて、回収してきている植物が良い感じに根付いているのを確認。調整をしておく。
カサンドラさんも、水だけは撒いてくれるという話だったので、それに甘える。一方。カサンドラさんは、あたしがあげた肥料で、作物がとても良く育つと喜んでいた。
奧の方は、何だろう。
使いたい人がいると言う事で開けたらしいが、見た事がない事をしている。
雑草は全て排除したようなのだけれども、見た事もない草が植わっている。
それも、あれはそれぞれを大事に育てるように間隔を開けている感触だ。
何かの試験でもしているのだろうか。
「奧、どんな人が使っているんですか?」
「ああ、挨拶はしたんだけれども無口な女の人でね。 フードを被っていて、殆ど顔も見せてくれない。 黙々と作業をしていて、まるで影みたいだったよ」
「ふうん……」
前にすれ違った人に似ているな。
あれはオーレン族のようだったけれども。ひょっとしたら、同一人物かもしれない。
もし同一人物だったら、いずれ顔を合わせることがあるだろう。
話すのはその時で良い。
今あたしは、エアドロップの事と。
それに、この王都に地盤を作っておく事が大事だ。
貴族なんかはどうでもいい。
実際に此処に生きている人達のために。
あたしが扱っている植物については、見た感じこれでいいだろう。後は時期を見て、学園区に話をしにいく。
多分だが、王都出身では無いカリナさんは、農業区に対して変な偏見を持っていない筈だが。
もしも農業区に偏見があるようなら。
その時は、悪い意味で王都に染まっていることになる。
そんな程度の人間だったという事になるが。
多分、ボオスが紹介してきた人間だ。
そのような事はないと思う。
あれでもボオスも、将来の事を考えて、動いてくれているはずだ。
処置を色々と済ませたら、カサンドラさんに肥料を追加で渡して、農業区を出る。
やるべき事は、まだまだ色々とある。
原作では色々なシリーズに登場する、水中活動アイテムエアドロップ。
考えなくても魔物が出る水中に、呼吸が出来るだけで入れるかというと絶体に無理ですね。
というわけでこのアイテムを暗黒!アトリエシリーズで出す時は、毎回色々と工夫しているのですが。
本作ではこのように、折りたたみ式の潜水艇として描写しております。
よしなに。
ライザの素潜りが見たい?原作で見てるんだからそれで我慢してください。
本作の次に連載する作品はどれが良いですか?
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暗黒!アトリエシリーズのまだ未掲載の作品
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真女神転生Ⅲの二次創作(真Ⅴ要素なし)
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流行り神二次創作
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その他二次創作
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オリジナルの長編