暗黒錬金術師伝説10 暗黒!ライザのアトリエ2   作:dwwyakata@2024

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1、星の都の今の主

街道を抜けて、湖畔の村に。

 

途中で魔物を数体蹴散らしたが、それくらい。

 

ただ、倒しても倒しても人間を襲うのは出てくるから、恐らくはこの辺りの魔物はまだまだたくさんいるし。

 

あたし達がいなくなれば、すぐに街道に戻ってくる奴も多いだろう。

 

本来だったら、王都の警備がもっと積極的に駆除しなければならないのだが。

 

ヴォルカーさん一人だけだとやっぱり限界はある。

 

責めるわけにもいかない。

 

もっとましな貴族がいれば話は別なのだろうが。そうもいかないのが、悲しい所である。

 

湖畔の村で、クラウディアが顔役と話をつけていた。

 

そして、案内されたのは、襤褸小屋だ。

 

此処を好きに使って良いという。

 

何回か助けた恩というよりも。

 

クラウディアが、知り合いの戦士に、ここへの常駐を頼んでくれたらしい。

 

それが原因らしかった。

 

「狭い小屋だけれども、物資の中間集積地としては悪くないかな……」

 

「ただ掃除とかすると、一日かかっちゃうね」

 

「それなら、うちの商会でやっておくように手配しておくから大丈夫だよ」

 

「ありがとうクラウディア。 助かるよ」

 

クラウディアは、胸当てを指して。これの料金だという。

 

まあ確かに、貴族が尻込みするくらいの価値があるそうだから、それくらいの事はしても当然かも知れないが。

 

どうにもあたしにはぴんとこない。

 

あたしはたくさんのお金を扱うのは向いていないと思う。

 

だけれども、それが悪い事だとは、思わなかったが。

 

準備は整ったので、エアドロップに全員で乗る。

 

しっかり全員で乗れる広さがある。皆が狭い中窮屈をするわけでもない。

 

「中に入ったら、予定通り一直線に行くよ。 地図はもう出来ているよね」

 

「問題ない。 僕が先導するよ」

 

「よし……」

 

精霊王が多分いることが分かった翌日。一日を掛けて、精霊王のいる部屋へのルートの地図はしっかり確認したのだ。

 

向こうから恐らくは仕掛けてこないことも確認した。

 

問題は、実際に会ってみるとどうなるかわからない、ということだが。

 

それについては、もう当たって見るしかない。

 

攻撃を仕掛けてくるようだったら、それはそれで仕方がないが。

 

その場合も、やられてやるつもりはない。

 

「じゃ、しゅっぱあつ!」

 

エアドロップを操作。

 

そのまま移動する。

 

湖の中の生物も、仕掛けて来る様子はない。しっかりバリアは作動している。

 

無言で移動を続けて。いつものように星の都に出る。

 

殺気の類は感じない。

 

何体もこの辺りを縄張りにしているサメを仕留めてきた。

 

倒しても倒しても次が来たが。

 

昨日遭遇したサメは、あたし達を見るとさっと逃げに入った。

 

もっと格上のサメが、悉く返り討ちに遭ったのを悟ったのだろう。

 

こういう賢いのが一番危ないのだが。

 

それでも、どうにかするしかないだろう。

 

今日も、そのサメらしいのが陸に上がってエサを物色していたが。 あたし達を見ると、さっと逃げ出す。

 

やっぱりあいつ、かなり危ないな。

 

帰路に消耗していたら、襲いかかってくるかも知れなかった。

 

「周囲安全。 問題なし」

 

「了解。 行軍」

 

ハンドサインで会話して、即座に奧へと移動開始。

 

移動速度はかなり高めだ。

 

遺跡の中は、移動しやすいように少しずつ整備している。

 

荷車も、スムーズにいけるように。

 

一部の破損した通路などは、修復をわざわざ掛けたくらいだ。

 

そういえば、だが。

 

霊墓の鍵について、アンペルさんが欲しいと言われたので渡してある。アンペルさんは今は書類を中心に調べているそうだが。あたし達が踏破した遺跡も、調査してくれるらしい。

 

まああたし達はもう用はない。

 

アンペルさんとリラさんが、別方向から何か分かるのなら、それはそれで良いことだと思う。

 

無言で移動して、奥へ奥へ。

 

向こうも此方に気付いた。

 

ただ、やはり戦意はないようだ。

 

ただ、とんでもなく魔力が大きくて、冷や汗がでる。あたしがフルパワーで総力攻撃を叩き込んでも倒せるかどうか。

 

錬金術でエーテルを大量に絞り出すようになって、あたしの魔力量は滅茶苦茶に上がったけれども。

 

それでも、魔物にはあたしよりも魔力量が多いのがザラにいる。

 

それは分かっているので、油断はしない。

 

パティが冷や汗を掻いているのが見えた。

 

パティを死なせる訳にはいかない。

 

今はともかく。未来は世界最強に手が届くかも知れない子だ。

 

人材は生えてこない。

 

後輩の成長の苦労を、少しでも減らすのが先達の役割だ。

 

階段を走り上がる。

 

そこには、大きなドーム状の建物があった。

 

どういう構造なのか、外から見ても分からない。

 

複雑に絡んでいる回廊の中で、そこだけ露骨に大きなスペースが取られている。

 

動力炉は、流石に古代クリント王国以前のテクノロジーでも、これだけ大型にせざるを得なかったのだろう。

 

無言で皆を見回す。

 

大丈夫、腰が引けている者はいない。

 

後は、やるだけだ。

 

あたしが真っ先に踏み出す。

 

壁の一角に、魔力の壁みたいなのがある。触って解析しようと思ったら、すっと向こうに突き抜けていた。

 

そして。そこは庭園のようになっていて。

 

噴水まである。

 

噴水か。

 

そしてその噴水の上には。

 

椅子に腰掛けてまどろむ、人のような姿。

 

今まで目撃した精霊王は、みな若々しい姿をしていたが。その中で、一番落ち着いた雰囲気の。

 

金色の髪の毛を持つ女性にみえる存在が、鎮座していた。

 

皆遅れて突入してくる。

 

あたしは手を横に。

 

まだ戦闘になるとは限らない。

 

咳払いすると、話しかける。

 

「始めまして。 錬金術師ライザリン=シュタウトです」

 

「……しばらく此処に侵入と撤退を繰り返していたのはキミ達だね。 僕は……あれ、誰だったかな。 ずっとずっと眠っていたから、忘れてしまったのかもしれない」

 

「貴方は精霊王では」

 

「うーん、どうもそういう名前だったような気がする。 だけれども、どうにも思い出せないなあ」

 

この人の一人称は僕か。

 

今まで遭遇した地水火風の精霊王は、恐らく互いの区別をつけるために、それぞれキャラを変えていた。

 

もしもこの存在が、あの地水火風と同じ精霊王で、しかも光だったとしたら。

 

また違う個性にしているのも、不思議では無いだろう。

 

それにしても、こんな狭いドームの中なのに明るい。

 

外は岩盤だというのにだ。

 

植物も、光を受けてたくさん生えている。

 

見るとかなり貴重な薬草もあるようだ。

 

これは、欲しいな。

 

そう思う程のものもある。

 

「それで、何の用だい?」

 

「この辺りで、複数の遺跡を用いた大規模な結界が存在している可能性があります。 その結界で、何かを封じ込んでいるようなんです」

 

「ふむ……」

 

「心当たりはありませんか? 何を封じているのか、そもそも結界の状態がなんなのか、知っておきたいんです。 私達の故郷では、世界を滅ぼしかねない危険なものが眠っていて、私の時代に目覚めました。 そういう事態を避けなければなりませんから」

 

考え込む精霊王らしき存在。

 

しばし小首を傾げていたが。

 

やがて、人差し指を立てる。

 

ずっと眠っていた割りには身ぎれいで、埃一つ体には積もっていない。

 

多分目覚めた時に、強い魔力で誇りは吹っ飛ばしてしまったのだろう。

 

「まだ思い出せないけれど、分かってきた事がある。 どうも僕の元気が足りていなくて、この場所の彼方此方が動かなくなってる」

 

「この遺跡もですか。 前に調べた遺跡もそうでしたが」

 

「うん……。 提案なのだけれども、僕が元気になるように力をくれるかな。 錬金術というのは、どうにも聞き覚えがある。 圧縮した魔力の塊が欲しい。 僕には、それがごちそうになるんだ」

 

「分かりました。 すぐに作ります」

 

頷く精霊王らしきもの。

 

いずれにしても、寝起きだ。

 

大丈夫なのかと、クリフォードさんが視線を向けてきたが。

 

一番好戦的で人間を嫌っていた土の精霊王ですら、いきなり仕掛けて来る事はなかった。

 

勿論人間の理屈で他の存在を測ってはいけないが。

 

そもそも星の民というのが、人間が錬金術で作り出した生命だったら。

 

まあこの場合は魔法生命なのだろうが。

 

あたしですら、技術を理解すれば人間が作れそうなのだ。

 

それを考えると、この精霊王が、人間の生産物である可能性は低くないし。

 

だとすれば、人間で理解出来る思考回路にする筈だ。

 

一礼して、一度部屋から出る。

 

どちらにしても、この段階では手がなかったのだ。提案をして、相手に譲歩した方がいい。

 

部屋の外で、クラウディアが無駄かも知れないけれどと、遮音の魔術を展開する。

 

それで、軽く話をした。

 

「あたしは提案に乗ろうと思う。 皆はどう思う?」

 

「僕は賛成かな。 今は手詰まりだ」

 

「私は反対はしないですけれど……あの存在の魔力、側でびりびり感じました。 あんな存在に、力を戻してしまって大丈夫なんですか!?」

 

「そうだな。 俺もその不安はある」

 

クラウディアは、賛成だという。

 

今までの精霊王と同じで、強い敵意は感じても。

 

気にくわないから殺すというような、人間のような身勝手さは感じないというのだ。

 

パティとクリフォードさんは不安のようだが。

 

タオとあたしとクラウディアは賛成か。

 

ともかく、これでまずは判断するしかないか。

 

「わかった。 魔力の塊だったら、その気になればすぐ作れる。 この辺りにある魔石を出来るだけ集めて」

 

「おいおい、流石だな……」

 

クリフォードさんが呆れながらも、辺りに散らばっている魔石を集めてくれる。

 

タオは議事録を書いていた。

 

後でアンペルさん達に展開するのだ。

 

当然の話である。

 

それにしても、周囲にある魔石。

 

一つを喜んでフィーが魔力を吸い込んで、ただの石にしてしまっていたが。

 

ともかく、これだけの魔石があるのだ。

 

あの存在が精霊王か。

 

そうでなくとも、それに近い力の持ち主であるのは確定だろう。

 

魔石を充分に積み込んだので、荷車の重さを確認してから、戻る事にする。

 

元々強烈な魔力の波動を感じていたが。

 

ちょっと会話したことで、更に目が覚めたのだろう。

 

周囲に放たれる魔力の波動を感じ取ったのか、ワイバーンが明らかに嫌がるように飛んでいる。

 

或いは彼等しか知らない場所から、この遺跡を出るのかも知れない。

 

あれは戦いになると面倒だと思っていたし、いなくなってくれると助かる。

 

荷車を引きながら、周囲の状況も確認する。

 

ドームから更に上の方に、ちょっとあたしが全力で跳んでも届かなそうな回廊があって。そこに何か大きな構造体が見えていた。

 

この間の霊墓では崩れてしまっていたものの正体かも知れない。

 

「フィー……」

 

「さっきの魔力美味しかった?」

 

「フィー? フィー!」

 

「良かった。 ごめんね。 とにかく、遺跡のものにあまり無理に手出しはしないようにしてね」

 

フィーは理解しているらしく。しっかりフィーと鳴いて返してくる。

 

あの精霊王(仮)と交渉がしっかりできてからだろう。

 

羅針盤を使うのは。

 

エアドロップに乗って、帰路を急ぐ。

 

どうやら、最初の段階はクリア出来たようである。

 

問題は此処からだ。

 

あの精霊王が満足する代物が出来るのには、何度も駄目出しを貰う可能性がある。一発クリア出来ればいいのだが。

 

それくらいは、相手が相手だ。

 

覚悟はしておかなければならなかった。

 

 

 

アトリエ前で解散する。

 

帰路も魔物と戦闘はあったが、それほどの大物との交戦はなかった。パティはカウンター戦術を試したいようだったので、好きにさせる。まだそこまで上手では無いが、かなり出来ている。

 

モノにできるまで、そう時間は掛からないとおもう。

 

今のパティの年が、一番伸びるのだ。

 

「それではタオ、アンペルさんに連絡お願いね。 あたしはカリナさんと話をしてくるよ」

 

「カリナさん?」

 

「学生だよ。 なんか植物学で凄い成績がいいっていう」

 

「……あ、そんな女の子がいたな。 ボオスと時々一緒に顔を合わせるんだけれど、ずっと黙り込んでいて、すごく寡黙なんだよ。 そういう名前だったような気がする」

 

それを聞いて、すぐにぴんと来たのだろう。

 

パティの表情が少しだけ強ばったが。

 

別にタオとパティが正式に交際しているわけでもない。

 

やきもちをちょっと焼いただけで終わったようだった。

 

まあ、神経質になる状況だし仕方がないだろう。

 

おかしな話で、ヴォルカーさんまでパティのために外堀を埋め始めているのである。多分反吐を吐くような相手に対しても頭を下げたりと、根回しをしている筈だ。

 

それなのに、当のタオは完全に蚊帳の外。

 

まあタオも、学問を好きなだけ出来るのなら、アーベルハイムに婿入りするのはまったく嫌ではないだろうし。

 

見ていてパティを嫌っている様子もない。

 

むしろそれなりに評価しているようだし、余程の事がなければ上手く行くと思うが。

 

いずれにしても下世話な話か。

 

「ともかく、時間もないしもう行くよ」

 

「じゃあ今回は解散だね。 明日も全員で集まった方が良いかな」

 

「うん、お願い。 とにかく、精霊王(多分)とのネゴをしっかり終わらせないと、あの遺跡は危なくて探索人員をもう減らせないよ」

 

皆が納得したところで、解散とする。

 

まずは学園区に。

 

カリナさんを迎えに行く。ボオスが丁度いたので、案内して貰うと。カリナさんは、ボオスを見てひっと小さな声を上げていた。

 

まあ愛想は悪いから、仕方がないか。

 

なお、他の奴がいる前で頭に乗るなとボオスが言ったのを、フィーはしっかり理解しているようで。

 

身内がいないところで、ボオスの頭に乗る事はしていない。

 

この辺り、多分もう普通の人間の子供よりずっと頭が良い。

 

「久しぶりですね、カリナさん。 指定された植物、いつでも調査できる準備が整いましたよ」

 

「は、はいっ!」

 

「農業区ですけれど、大丈夫ですか」

 

「大丈夫です」

 

そうか、それは良かった。

 

ボオスはそれを見て、じゃあ俺はもう行くぞと言い残してさっさと帰っていく。

 

見た感じまだ疲れが取り切れていない。

 

さっさと帰って休むのが吉だろう。

 

軽くカリナさんと話ながら移動する。農業区は夕方だが、まだまだ明るい。何も遮るものがないからだ。

 

場所だけ今日は案内するのも大きい。

 

後は日中、好きな時間にくればいいのだから。

 

「はい、この畑ですよ。 他に何か指定があれば、持って来て植えますが」

 

「いえ、いえ! 本当に根付いてる! これは、助かります! 研究の論文をそのまま書けると思います!」

 

「分かっていると思いますけど。 他の畑に勝手にこれらを植えたりしないようにしてください。 それだけは注意してくださいね」

 

「大丈夫です! ああ、良かった。 これなら本当に、幾らでも調査できます!」

 

目まで擦っているカリナさん。

 

彼女もタオと同じく眼鏡を掛けているから、眼鏡を外して涙を拭っていた。

 

確かに見た感じ、それほど裕福にも見えない。

 

論文なんて書きたくても書けなかったのだろう。

 

一応、農業区の外までエスコートする。

 

途中で義賊の三人組にであったので、カリナさんを紹介しておく。

 

また真っ青になるカリナさんだが、義賊のボスのドラリアさんは。カリナさんを見て、ふんとだけ鼻をならした。

 

「まあ貴族ではないみたいだしいいか。 安心しな。 そこの超強い奴がいない場合でも、あたしらがこの辺りを警戒してる。 与太者が襲ってきても、好きにはさせないさ」

 

「は、はい。 ありがとうございます」

 

「ドラリアさん、この人恐がりなので……」

 

「性別関係無く度胸は必要だよ。 それと、本当に危険な相手かどうか見極める目もね」

 

頷くと、あたしは学園区までカリナさんを送っていく。

 

さて、此処からだ。

 

アトリエに戻ると、大量の魔石を用いて調合をする。

 

超圧縮魔力塊を作る。

 

フィーが物欲しそうにしていたが、あたしが大量の魔力を放出。そうすると、嬉しそうに周囲を飛び回って食べ始めた。

 

本当に魔力がごちそうなんだな。

 

そう思う。

 

ただ、今でも結構魔力を食べる。

 

もしこれ以上食べるようになったら。何か手を考えなければならないかも知れない。

 

あたしは畜産業経験者だ。

 

動物に人間と同じ考えを持つ事はない。

 

フィーがどれだけ賢かろうと、必要に応じて殺す覚悟だって出来ている。

 

ただ、今は。

 

あたしの事を誰よりも慕ってくれていて。

 

全幅の信頼を向けてくれているこのフィーに。

 

危害を加えるつもりはないし。

 

大事にしたいと思うのも、本音だった。

 

エーテルの中で、魔石をどんどん組み合わせて、圧縮していく。

 

圧縮がどれだけ出来るのか、その見極めもあたしは既に出来ている。

 

魔力というのは、自分で練り上げてみて分かったが。

 

極限まで圧縮すると、爆発する。

 

精霊王などの超ド級の魔力持ちは、基本的に全身に高密度の魔力を張り巡らせてはいるが、それが圧縮されすぎないように常に体を循環させている事が分かっている。というか、魔力を更に練り上げたことで、分かったと言うべきか。

 

いずれにしても、今のあたしは魔力を極限まで圧縮する事が出来るし。

 

それがどうなるかも分かっている。

 

極限まで圧縮すると、魔石は輝くようになる。

 

普段でも光を放っているが、それ以上に。

 

魔石というのは、魔力がある場所……世界中の何処にでも出来る。

 

クーケン島などでもあったように。

 

今の時代は少なくともそうだ。

 

誰もが魔術を使える時代が終わったら、それもなくなっていくのかも知れないが。

 

タオの話によると、少なくとも神代の頃から誰でも普通に魔術を使えるのが当たり前だったらしく。

 

それから考えると、まあ当面世界の魔力が切れることはないのだろう。

 

調合は、それほど難しく無い。

 

大量の魔石を放り込んで出来たのは、拳一つほどの大きさの魔力塊だが。

 

フィーのために全力で魔力を放出したので、ちょっと疲れたかな。

 

しかもフィーは、それでも物足りなさそうにしているし。

 

「フィー……」

 

「だめだよフィー。 これはあの精霊王だと思う人のためのものなんだから」

 

「フィー!」

 

「分かればよろしい」

 

さて、伸びをして。

 

薬や爆弾を補給しておく。

 

夕ご飯までには間に合うか。

 

もう面倒なので、カフェで食べる事にする。

 

調合を終えて、カフェに出向く。

 

相変わらず綺麗なカフェの女店主さん。良くコレで、荒くればっかりくるだろう店を廻せているものだ。

 

もっとも、見た感じかなりの手練れのようだし。

 

それくらいは出来て当然かも知れないが。

 

「いつものように、懐に隠れていてね」

 

「フィー!」

 

「魔力を大量に使うと、おなか減るんだよねえ……」

 

こればかりは仕方がない。

 

更にあたしは、外で実戦だってしている。

 

おなかが減るのは、それはそれで仕方が無い事なのかも知れなかった。

 

なお、カフェでの夕食は、普通に美味しかった。味付けが濃い王都式にも、少しずつ慣れてきているかも知れない。




※王都の料理について

原作でも王都の料理はクーケン島の料理に比べて味付けが濃いことが明確に描写されています。この辺りは、本邦とは逆ですね。本邦では田舎料理の方が味付けが濃く、都会料理の方が味付けが薄くなる傾向が(勿論傾向ですが)ありました。

これについては、王都の人間の農業区などの軽視の風潮によって、外から食糧を仕入れざるをえず。
結果生鮮食料を塩漬け、砂糖漬け、香辛料漬けなどにして、もたせなければならなかったという理由を考察し。設定しております。

本作の次に連載する作品はどれが良いですか?

  • 暗黒!アトリエシリーズのまだ未掲載の作品
  • 真女神転生Ⅲの二次創作(真Ⅴ要素なし)
  • 流行り神二次創作
  • その他二次創作
  • オリジナルの長編
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