暗黒錬金術師伝説10 暗黒!ライザのアトリエ2 作:dwwyakata@2024
元々ギリシャ神話の存在で、親はあの台風の語源となったギリシャ神話最強の邪神テューポーン。つまり種族名ではなく固有名です。実力も高く、あのギリシャ神話最強の英雄ヘラクレスが殺せず封じるのがやっとで、その毒は以降様々に悪用されます。
本作では、ある理由からこの名前を持った魔物が出現します。
ギリシャ神話のヒュドラほどの実力は流石にありません。
再び、精霊王(多分)の前まで来た。
昨日よりも、精霊王の服装が豪華になっている。
目が冷めてから、少しずつ自我が戻って来ているのだろう。服装とかは、元々他の精霊王を見ても自由自在の筈だ。
それに加えて、黄金の髪の毛が縦ロールになり。
顔も少し若返ったようだ。
肌の色が妙に青白くて、いわゆる透け肌とはだいぶ違うのだが。
それでも綺麗に見えるのは。
いわゆる不気味の谷の向こう側にいるから、なのかも知れなかった。
これらの様子からして、多分この存在が寝起きの精霊王か、違ったとしても同格の存在であると断言できる。
いわゆる神……。
クーケン島にも信徒がいたが。
いるとしたら、それに近い存在であると断言できるだろう。
それに届きうるのが錬金術だと思うと凄まじいが。
それにしても、神代の連中は。
文字通り神に近いか、それ以上の存在を創造できていた。そういう事なのだろう。
「約束通り、圧縮した魔力塊を持って来ました」
「本当だ。 凄い強い魔力を感じる。 どうやら少しずつ僕も記憶が戻りつつある。 それをいただけるだろうか」
「条件があります」
「聞かせて貰えるだろうか」
まずは攻撃をしない。
それについては、即座にうんと精霊王は頷いた。
まあそれはそれでいいだろう。
この手の存在が、どれだけ約束を守るかは、存在による。
約束にガチガチに縛られるタイプだとすると、そういう存在は頑なになりがちだ。下手な約束をすると、死活問題だからである。
このあっさりな引き受けぶり。
或いは精霊王ではないのか。
そうとすら感じた。
「僕はまだ自分が何者か分からない。 キミ達が言う精霊王かも知れない。 どちらにしても、約束は守るよ。 其方が約束を守ってくれたのだから」
「ありがとうございます。 もう一つは、この遺跡の探索を正式に許可してくれますか」
「別に良いけれど……ふむ」
精霊王が考え込む。
多分機能が復旧し始めているのだろう。
体の中はどうなっているのだろう。
エレメンタルは数限りなく倒して来た。連中は倒すと消えてしまう。
この精霊王は、もしもエレメンタルたちの王だとすると。
構造は根本的に同じ……練りに練り上げられた魔術生命体である可能性も高い。
いずれにしてもそういう存在なら。
あたしが持っている魔力塊は、文字通り喉から手が出る程欲しいはずだ。
「この遺跡の中枢。 僕が寝る前に契約した守護対象の前に、面倒なのが居座ってる」
「!」
「僕は此処から動けない。 もしもそれを退治してくれるのと、守護対象……一目で分かるとおもうそれを破壊しないのなら、遺跡は幾らでも探索していいよ。 もう誰も使う者もいないから、遺物も好きなだけ持ち出して。 遺跡の稼働に関わらないものであるのならね」
「分かりました」
魔力塊を引き渡す。
しばし目を細めてうっとりした様子でそれを見ていた精霊王と思われる存在は。文字通り塊を飲み下していた。
その体から放たれる光が、更に強くなる。
熱まで帯びているほどだ。
「うん、おいしい。 これでもっと目が覚めると思う」
「契約は大丈夫ですか」
「目は覚めていないけれど、キミ達は信用して良いとおもうからへいき。 ただし、嘘をついたら僕も容赦しないよ」
「心しておきます」
タオに聞いて、持ちだして良いものかは判断した方が良さそうだ。
クリフォードさんにも頷く。
下手なものを動かせば、ドラゴンを越える存在が殺しに来る。それは理解しているのだろう。
精霊王が、手をかざすと。
遺跡が動き出す。
階段を作っておいた。精霊王は、そうにっこり微笑んで告げてくる。頷くと、ドームを飛び出す。
回廊に、岩がどんどんつながっている。それが螺旋階段のように連なり、階段になっている。
上の層の回廊につながっている。
そして、ワイバーンはもういなくなっていた。
「ワイバーンがいなくなっていやがる」
「此処の主が目覚めたからだろうね。 どこから出入りしていたのかは調べたいかな」
「みんな気を付けて。 もしも精霊王の魔力に動じていないとなると、今までで最強の魔物の可能性が高い」
「そうだね。 その通りだ」
近くで見ると冷や汗を掻くほどの魔力を精霊王は放っていた。
あれに逃げないとなると、相当にとんでもない存在だと判断して良いだろう。
魔物は人間より魔術を使いこなしている個体も多いのだ。
そういうのは、魔力に敏感である。
クーケン島近くの小妖精の森だと、最近はあたしが出向くと。魔物は逃げ去るか、或いは頭を垂れる。
それくらい、魔物は力に敏感なのである。
階段を、荷車を護衛しながら上がって行く。パティは下を極力見ないようにしているようだ。
クラウディアが音魔術を展開して、階段の状態を常時確認してくれている。
それがとても助かる。
あたしが探知魔術で魔力を消耗しなくて済むからだ。
「クラウディア、ちょっといい?」
「どうしたの、ライザ」
「二つあってさ。 もし次にこれくらいの問題が起きたら、最初にクラウディアを呼びたいと思ってね」
「うーん、そうだね。 私もライザのためだったら、どこからでも駆けつけたい。 分かった、王都近くにいて、準備は出来るようにしておくよ。 ただ私も、自分で戦わないといけない場面が結構多いから、絶対の約束は出来ないかな」
頷く。
もう一つ、頼みたい事がある。
「実はフィーがあたしの魔力では足りなくなるかも知れないんだ」
「あら、大食いさんだね」
「クラウディアもちょっと頼める?」
「分かった。 それくらいならやすいよ」
助かる。
階段を上りきると、やはり埃が積もったフロアだが。
随分と雰囲気が違うな。
なんというか、全域に植物が生えている。これはどうやって光を取り込んでいる。
光がないと一部のもの以外植物が育たないのは周知の事実だ。
ずっと曇りが続くと、農作物に大打撃があったりするくらいで。農家の人間だったらそれくらいは誰でも知っている。
見回して、二つのものに目がいく。
一つは天井近くにある装置だ。
岩盤の内側……本来はどうなっていたのかは分からないが。
少なくとも今はこの星の都は、岩盤の内側にある。
この位置からだと、天井が見える。
其処に複数の恐らくは生体装置と思われるものがあって、光を発し続けていた。
光を発する生物はホタルを例に出すまでもなく幾らでもいるが。
あれは光が少し強すぎるように思う。
天井にびっしりとついているそれは。
少なくとも、大人しそうには見えず。
触手がのたうちながら、光をずっと放ち続けているのだった。
もう一つ。
此方が本題だ。
ゆらりと身を起こすそれは、体だけみれば四足獣に思えた。
だが、違う。
この天井部分の回廊に住み着いていると思われるそれは、真ん中で我が物顔に寝ていた。それがあたし達……多分既に精霊王の気配に気付いて起きていたが。あたし達が直に乗り込んで来たので、対応しようと身を起こしたのだ。
そいつは体だけなら大きくて長い尻尾を持つ四足獣だが。
頭部は文字通り存在しなかった。
代わりに鞭のようにしなる触手が無数に生えていて、それの内側に鋭い牙が円形にならんだ口がついている。
触手にも鋭い吸盤と牙がついているようで。
あれに捕まってしまえばどうなるかは明らかだった。
触手を蠢かせながら此方に向く四足獣。
明らかに此方を獲物として認識している。
普段はどうやってエサを取っていたのか分からないが、もしワイバーンをエサにしていたのだとしたら。
獣が、角笛のような鳴き声を上げる。
思わずずり下がる。
物理的な圧力を、その音は伴っていた。
全身が禍々しい色をしているそいつは、よく見ると背中や足に背びれみたいなのがついている。
或いは水生生物か。
確かに頭足類を魔改造したような生物だが。
「ヒュドラだ……」
「クリフォードさん、知識があるなら詳しく」
「あ、ああ。 たまに遺跡で目撃例がある魔物だが、あんなに大きいのは始めて見る。 触手で獲物を捕らえて貪りくらう水陸両用の魔物で、思った以上に動きが速い。 それに感じる魔力からして、魔術も使うはずだぜ」
「分かりました。 どうやらインファイトは避けるべきかな……」
ヒドラが眠っていた側。
霊墓でも見かけた、砕けた魔石の欠片に似たものが見えている。
だとすると、こいつはそれの影響を受けて巨大化したのかも知れない。
ずしんと、一歩だけで床を揺らしながら。
ヒュドラは此方に近づいて来ていた。
「総員、接近戦厳禁。 まずは火力を投射して様子を見る」
「了」
ハンドサインを出して、それで一斉に皆が散る。
また角笛のような凄まじい鳴き声を、ヒュドラが上げていた。
触手が鞭のようにしなり、辺りを滅茶苦茶に撃ち据えながら、こちらに突貫してくるヒュドラ。
流石にあたしも、あれを相手にインファイトをする自信は無い。
触手は凄まじい速度の上に、巨大で長大。
体部分があたしの歩幅で十歩分ほどだが、触手も一本ずつが同じか、それ以上はあると見て良い。
それが、不規則に振り回されて、しかも地面に当たった部分は石を砕くほどなのである。
触手は筋肉の塊と見て良かった。
まずは挨拶代わりに、熱槍を連射して叩き込んでやる。クラウディアも、矢継ぎ早に矢を放つ。
その全てが、途中で砕けた。
文字通りの意味だ。
跳躍。
突貫してきたヒュドラを、真上に跳んでかわし。更に熱槍を放って空中機動して、背後に回る。
パティは大太刀に手を掛けたまま、チャンスを窺っている。
それでいい。
ヒュドラは振り返るのも、かなり動きが速い。
熱槍を連射連射連射。ヒュドラが触手を振り回しながら、全てを砕く。
当たっていない。
途中で熱槍が粉砕されているのだ。
理解した。
あの触手の動き、角笛のような鳴き声、両方が詠唱なのだ。
クラウディアが音魔術で会話できるように、魔物にもよく分からない呪文詠唱をしてくる奴がいる。
彼奴は魔術をかき消す魔術を放てる。或いは物体に干渉すらできる。
そういう事だろう。
「そうらっ!」
裂帛の気合とともに、クリフォードさんがブーメランを投擲。投擲しながら、後方に跳んでいるのが上手い。
ブーメランがヒュドラの触手を直撃して、大きく切り裂く。
触手が青紫の体液を噴き出すが。
すぐに傷が塞がっていく。
体勢を低くするヒュドラ。
触手が蠢き続けている。
あれは全部詠唱だとすると。
ブーメランを受け取ったクリフォードさんが、恐らく本能的にさがる。
あたしは警告の声を上げると、全魔力を展開して壁にする。
同時に、爆風のような音が、辺りを蹂躙。
植物を、薙ぎ払っていた。
これは、まずい。
耳がおかしくなりそうだ。
また突貫してくるヒュドラ。
あたしはそこに、ローゼフラムを投擲していた。
凄まじい勢いで無理矢理触手を地面に叩き付けて止まるヒュドラ。しかも、そのまま逆立ちのような姿勢になり。
尻尾を無理に振るって体勢をたてなおしてみせる。
凄い身体制御能力だ。
そして、触手を円形に束ねて、防御姿勢を取る。
こいつ、ひょっとして錬金術製の爆弾を知っているのか。
炸裂するローゼフラム。
ごっと熱風が吹き付けてくる。薔薇の形に、凄まじい熱量がヒュドラを襲う。
流石にこれは、効いている。
だが、熱風が収まった後、触手を失いつつも、致命傷は受けていないヒュドラが、そこにいた。
「嘘……」
「パティ!」
絶望の声を上げるパティに、タオが叱責。
それでいい。
あたしは詠唱を続けながら、立て続けにもう一つの爆弾を投げ込む。
今度はクライトレヘルン。
体の傷が即座に回復していくヒュドラだが、飛んでくるクライトレヘルンを見て、流石に面倒だと思ったのだろう。
目が何処にあるのかは分からないが。
詠唱を始めるヒュドラ。
中途で粉砕するつもりだ。
だが、それこそ、あたしの狙いである。
あの粉砕魔術は、今使っているのを見ても、多分魔術だけでは無く、色々なものに通じるとみていい。
だけれども、広域に一度展開出来るとしても。
長時間連続発動はしていない。
それについては。さっき熱槍を連射して、リズミカルに砕いているのを見て確認済みである。
触手を動かしながら、粉砕を奴はしていた。
つまり、そういうことだ。
「接近戦準備!」
「分かった!」
「正気ですか!?」
クラウディアもあたしを見て、詠唱を開始している。
クリフォードさんも詠唱している様子だ。
行くぞ。
あたしはそう呟くと。向こうも此方の総力攻撃に気付いている事を悟った上で、詠唱を終える。
クライトレヘルンの接近を、少なくともヒュドラは面倒だと判断したのだろう。
詠唱で粉砕。
だが直後に、あたしの熱槍と、クラウディアの矢が。それぞれ奴に着弾。
特に熱槍は、石造りの家屋を粉砕するものを百発束ねたものを、十二発着弾させている。
普段の熱槍よりも、かなり敵への着弾速度を上げた高速型だ。
あたしも三年で、熱槍に関しては、工夫をして改良し。色々なバージョンを作っているのである。
文字通り触手数本が吹っ飛ぶ。
更に、其処にクラウディアの矢が立て続けに突き刺さる。
クラウディアは周囲に人型を展開。
飽和攻撃の態勢に入っている。
だがヒュドラも踏ん張ると、触手を再生させに掛かる。あたしは第二射を準備。タオと、少し遅れてパティが突貫。
二人を追い抜くようにしてクリフォードさんのブーメランが跳び。まっすぐヒュドラの口に向かう。
触手を束ねると、叩き落としに掛かるヒュドラ。
だがぐんと伸びるブーメラン。
あの物理法則を無視した動き、多分クリフォードさんの固有魔術だ。投げてから速度があんなに上がるのは、ちょっと投げ方とか回転とかでは説明がつかない。
それでも対応して、再生しかけの触手で、地面に叩き付けてみせるヒュドラ。
こいつ、強いな。
数百年、此処に住み着いていて。
たくさん飛んでいたワイバーンを寄せ付けなかったのだとしたら、それも納得だ。
多分もっと小さかったものが、どうやってか此処まで辿りついて。そして時を掛けて大きくなったのだろう。
だが、それもここまでだ。
タオが、相手の足に凄まじい連撃を叩き込む。
パティがそれに反応しようとした触手を、抜き打ち一閃で叩き斬る。
ゴルトアイゼンの刃だ。
完璧なタイミングで斬れば、刃の大きさもある。
あれくらいだったら、一刀両断だろう。
ヒュドラが、ぐらりと傾き。
それでもふんばる。
体の方も再生出来るのか。
飛び離れるタオ。
だが、パティは間に合わない。ように見えた。
踏ん張るパティを、触手が横殴りに襲い。
その触手が、文字通り叩き斬られていた。
「よしっ!」
パティが気合の篭もった声を上げる。
完璧に入ったカウンターだ。
あたしは、さがるようにパティに叫ぶ。パティも頷いて、今のカウンターで出来た隙をついて、跳びさがる。
その間もクラウディアが飽和攻撃を続けていて。ヒュドラは時々クラウディア自身が放つ巨大矢を防ぐので精一杯だ。
クラウディアも消耗が激しいが、ここであたしが勝負を付ける。
詠唱完了。
上空に、熱槍四千をまとめた圧縮熱槍が出現していた。
更に、地面に落ちていたはずのクリフォードさんのブーメランが、突如動いて、防ごうとうごめき始めたヒュドラの触手を下から叩き斬る。
「こいつは俺の一部なんでな!」
絶叫するヒュドラ。
同時に、辺りを鎌鼬が襲う。
懐は、どうにか守った。
だが、手足をざっくり切り裂かれる。
みんな、今ので相当に傷ついたはずだ。それくらい、攻撃の密度が危険だった。
更に、ヒュドラは触手の残りを地面に叩き付ける。それそのものが詠唱なのだと分かる。
多分だが、あの崩壊魔術をこの辺り全域にぶっ放すつもりだ。
そんな事をすればあいつだって無事には済まないだろうに。
追い込まれた獣のように。
もう見境がなくなっている。
そうか。
だったら、今此処で、楽にしてやる。
あたしは、熱槍を投擲。
ヒュドラの詠唱が間に合わない。
熱槍が、ヒュドラの背中を貫通。
一瞬、世界に無音が訪れ。
そして、ヒュドラの全身が、トーチさながらに燃え上がっていた。
更にあたしは、シュトラプラジグを取りだす。なんと、ヒュドラは燃え上がりながら再生している。
それどころか、熱を周囲に反射しようとしているようだ。
あたしの熱槍を逆利用するつもりか。
古豪の中の古豪。
とんでもない魔物だ。
気合とともに、タオが突貫。
ヒュドラの周りを回りながら、片っ端から斬撃を叩き込む。
刃を鞘に収めると、パティもそれに続く。相手の側を走り抜けながら、抜き打ちを叩き込んでいた。
更に、最後の猛射をクラウディアが叩き込むが、ヒュドラは燃えながらも触手を使って無理矢理上空に躍り出る。
あんなに跳べるのか。
もしワイバーンをエサにしていたのなら、それが出来るのも当然か。
かっと、口を開くヒュドラ。
お返しだといわんばかりに、此方に超巨大熱球を叩き込んでくる。
だが、即応したクラウディアが、それを中途で矢で迎撃。バリスタのような巨大矢が、反射された熱球を中途で粉砕する。
それでも辺りに致命的な熱波が降り注ぐ。
ちょっとこれは、きついな。
そう思いながらも、あたしは。
流石に回復も追いつかなくなってきているヒュドラに、シュトラプラジグを放り込んでいた。
落ちてくるヒュドラが、触手で対応しようとするが。
その体に、ブーメランが文字通り食い込む。
口から、大量の血が噴き出るのが見えた。
今までのダメージに加えて、かなり体の奥深くに今のブーメランが突き刺さり、致命打になったのだ。
しかし今まで見せている再生力を見ると、それでも死なないかも知れない。
更に彼奴は、外に出してはいけない。
どれだけの被害を出すか、知れたものではない程の危険生物だ。
シュトラプラジグを起爆。
もろに入った雷撃爆弾が、文字通りヒュドラの全身を蹂躙。
次の瞬間。
ヒュドラの全身は限界を超えたのか、爆ぜ割れ。
地面に落ちながら、燃え尽きていった。
呼吸を整えながら、体の傷を確認する。勿論傷薬は多数持って来ている。
三年前だったらもう少し楽に勝てたか。
それとも、三年前だったら勝てなかったか。
どっちも、ちょっとなんとも言えなかった。
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