ヒロアカ世界に転生したは良いけど主人公不在らしいです。どうしろと!?   作:サブレ.

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第十八話

仮免を取り終えても、新技の開発に取り組みながらの新学期だ。

かっちゃんに対する情報開示の条件の一つに仮免取得があったので、OFA についての情報共有は少しの間お預けだ。

まあその辺のフォローはオールマイトにぶん投げた。仮免試験の面倒までは流石に見れないし、かっちゃんも俺に面倒見られるのは嫌だと思う。

 

 

ビッグ3の体験談を聞いたりなんだりしつつ、話題は校外学習(インターン)で持ちきりとなっていた。

しかしながら、俺が行くべき選択肢は一つだけだ。体育祭での指名の一つに入っていたし、過去に御当主様の関連で名前を借りたたこともある。

 

「字はインターン行くんだよな」

「そうだな」

「どこ行くんだ?」

「サー・ナイトアイ」

「特例関連か?」

「まあな」

 

“特例”の話題はすでにクラスの中では知れ渡ってる。まああんな空気の中で堂々と話したから当然だな。獅子折神と戯れながら、オールマイトにもらった資料を読み込んでいく。

サー・ナイトアイは既に一人の雄英高校生を受け入れていて、それがビッグ3の一人、ルミリオンこと通形ミリオ。

このルミリオン、なんかこう、ヒーロー社会のヒーロー感がすごくてザ・時代錯誤を突き進む字家とはだいぶ反りが合わない感がすごい。

 

「字は通形先輩とは相性悪そうだったよねえ」

「あ、わかる?」

「正反対だな」

「あー気まずい……どうせ行くなら別のヒーローのとこがいい……」

「希望とかあるのか」

「ホークス……?」

 

あの人公安ヒーローでガチで手を汚したり潜入捜査することもあるから、その辺を学びたい。あと空を飛ぶも習得間近だけど、どのあたりまで通用するのかとかさ、気になる。

確か職場体験で常闇君が行ったんだっけなあ。

 

「行けばいいじゃん」

「行けないのー」

 

あーもうやだあ、インターンの行き先ですら自由に決められないの、しんどい!

 

+++++

 

文句を言っても始まらない。オールマイトを介してサー・ナイトアイに渡りをつけてもらったら、向こうも俺に対して指名をしようと思っていたらしい。ちょうど良かった。

 

「やあ!君が字君だね、サーから聞いてるよ!」

「ありがとうございます」

 

まずは通形先輩と顔合わせをした。なんかオールマイトはサー・ナイトアイと気まずいらしい。

いや会えよと袴田夫妻を見てきた身としては思うけど、一応生徒と教師の関係なので口を閉じる。袴田夫妻のプライベートをペラペラ喋るのも良くないしな。

 

「可能なら君をインターンとして受け入れたいってのは以前から言ってたんだ。知り合いなのかい?」

「間接的に、あるいは一方的に。オールマイトと共に御当主様の客人として本邸に招かれたこともあるとは聞いています」

「すごいな!俺もいつかサー・ナイトアイのように字家本邸に招かれるようなヒーローになるのが目標の一つさ!」

「やっぱりヒーローとしては、字家に招かれるってステータスの一つなんですか」

「字家で立案・実行された敵掃討作戦は数多いだろう?それに初代志波烈堂が遺したと言われる超常黎明期における日誌なんかも、現代のヒーローとしては気になるからね」

 

まあ確かに、字家本邸って人にホイホイ見せてはいけないような物が結構あるからな。かっちゃん連れてった時に「ホイホイ連れてくんなや!」ってキレてたけど割と正論だったりする。

そう言う意味ではサー・ナイトアイも結構すごいヒーローでありサイドキックなんだよな。そして数多くの名だたるヒーローを“呼べる”本邸はなんなんだって話にも繋がる。

 

「こんにちは、失礼します。字真墨です」

「ああ、貴様がそうか。とりあえずかけなさい」

「あ、はい」

「ミリオとバブルガールは退室を。少し二人にしてくれ」

「あっはい」

「元気がないな」

「「イエッサ!」」

 

元気よく二人が退室していって、後には俺とサー・ナイトアイが残された。うーん貴様呼びされるだけあって空気が重い。が、御当主様と真面目な話をしてる時の圧よりはなんとなりそう感がある。

お茶を淹れられ、勧められた。素直に受け取って口に含んだところで、サー・ナイトアイの眼光が強く光った。

 

「単刀直入に聞こう、字真墨。貴様のモヂカラは未来を占うことができるのか?」

「んぐぅっ」

 

やべえ、お茶が変なところに。

ゲホゲホ咳き込んでいたら、サー・ナイトアイがやはりといった風に頷いていた。

故意犯か、謀られた……!

とりあえず息を整えてから、改めてサー・ナイトアイと向かい合う。相手は敵ではないが、流石に原作知識の出しどころは調整しないと魔王にどんな形で流れるか読めない。

 

「なぜ、そう思いましたか」

「推定九代目OFA継承者緑谷出久。この男を特定するに至った貴様の手腕だ。貴様の取った一連の動作は、調査の結果緑谷出久が浮上したのではなく、最初からこの男だと仮定を得た上で裏どりをしていたようにしか見えない」

「……なるほど」

 

さすが予知の個性持ちにして、全盛期オールマイトのサイドキック。俺の甘い部分から完璧に詰めてくる。

さて、ここまで確信を持って詰めてこられたら、俺も生半可な誤魔化しでは効かない。

どこまで開示すべきか、頭を回転させながら慎重に言葉を選ぶ。

 

「まず、俺が未来視に近い知識を持っている点については認めます。原因は不明ですが、もしかしたら何らかの個性の可能性もありうる」

「未来視ではないと判断した理由は?」

「俺が見ている未来に字家は存在していない」

 

原作にこの字家が存在していたとして、一言も存在が匂わせられないことはない。そのレベルで字家はでかい。

具体的には雄英高校の敷地のうち三割は元字家の所有物、二割が現在も字家の名義で雄英高校に貸し出している扱いになっている。USJとか字家の、正確には御当主様の土地だからな。

なるほど、とサー・ナイトアイが頷いた。この人も大概頭の回転が速い。

 

「仮に平行世界としよう。その平行世界において、緑谷出久が九代目の継承者だったと?」

「その通りです。平行世界において緑谷出久は俺と同年代ですが、雄英高校の受験前にOFA を継承し、俺の枠に一般入試で合格しています」

 

OFAは生半可な覚悟でホイホイ継承できるような力ではない。影武者の文字で間接的にその力に触れることができるからこそ、扱いの難しさを知っている。

俺でもそうなんだから、御当主様なんか特にだろう。あの人とOFAと魔王の付き合いは長い。

 

「この先の戦いで役立ちそうな知識は」

「この場での回答を拒否します。セキュリティホールの可能性が抜けきれない。必要ということでしたら、俺から御当主様にご報告の上で書面にて回答します」

「分かった。質問事項をまとめておこう。それから」

 

ひょいと取り上げられたのは、インターン受けいれに関する書類だった。そういやこれにサインとハンコ貰えないとインターンできないんだったっけ。

 

「貴様の受け入れを認めよう。志波の侍の名に恥じない働きを期待している。志波烈堂」

「はい!」

 

書類の必要事項記載欄が埋められていた。これで明日からサー・ナイトアイの事務所でインターンだ。

 

「最後に聞こう、志波烈堂。オールマイトの存在を、貴様はどう思う」

「我らに成し遂げられぬことを成し遂げた偉大なる傑物、まばゆき太陽。四十年というモラトリアムを成し遂げた平和の象徴」

「そうか」

 

俺だってオールマイトがめちゃくちゃ凄い人だってのは理解してるからね?

そして、帰ってきたらかっちゃんに呼び出された。

 

「オールマイトの事情、聞いたわ」

「……はぁ!?」

 

何でもオールマイトから色々暴露されたらしい。いや、いいけど……オールマイトが良いならいいんだけど……。

 

「俺の!配慮と根回し返せよ!!!」

 

思わず叫んだらかっちゃんに同情の目とその辺の自販機で買ったコーヒーを貰った。だ、脱力するしかねえ……。




多忙につき次の投稿は多分三連休のどっかです
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