ヒロアカ世界に転生したは良いけど主人公不在らしいです。どうしろと!?   作:サブレ.

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短いです


第二十二話

はーやれやれ。字真墨だ。

イン病院にて。ヒーロー側もなかなか満身創痍になりつつも死者ゼロで良かったぜ。まあサー・ナイトアイは俺を庇って無個性になってしまったが。あとで土下座しよう。

俺は全身の筋繊維がずったずたになり、皮膚の何箇所かと喉は扱いきれず半分暴走した炎によって焼け爛れ、骨も何箇所か自壊ダメージでヒビ入ってた。

とりあえず喋れないのはまずいので喉だけ優先してリカバリーガールに治癒してもらい、あとは数日かけて治すことになった。走れはしないが歩けるので、授業に気をつければとりあえず日常生活は送れる。

どちらかというとサポートアイテム的な効果の真化と違って、竜化は強化倍率が高い分反動も強い。ここは要鍛錬だな。

 

 

「字、終わったな?来い」

「はい、先生」

 

相澤先生から話を聞く。サー・ナイトアイは無個性になったが、ヒーロー陣営は全員命に別状はなし。先生は十針縫ったらしい。

エリちゃんは現在気力が尽きたのか緊張が切れたのかは不明だが発熱、隔離されているとのこと。ここはもう仕方ない。

 

「海賊と直接会話したのはお前だけだ。後でサーが話を聞きたいと」

「わかりました」

「それからオールマイトも話を聞きたいと」

「二人から、ですか。ではオールマイトとサー・ナイトアイが揃う日は……」

「いや、別々に打診された。合理的じゃない」

「はい?」

 

相澤先生曰く。サー・ナイトアイは無個性になってしまい合わせる顔がない。オールマイトは会うのが気まずい、らしい。

 

「……」

 

流石にイラッときた。ので。

サー・ナイトアイの病室の前で佇んでいるオールマイトの所までやってきた。相澤先生は色々察しつつため息をついて傍観体制。

 

「オールマイト、こんにちは」

「やあ、字君。海賊の件についてなんだが」

「その前に」

 

オールマイトの腕を掴む。そして、床をしっかりと踏み締めて。

 

「会え!!!」

 

オールマイトを病室に向かって投げ飛ばした。引き戸を薙ぎ倒してオールマイトの体は大きな音と共に病室へと突っ込まれる。唖然としたオールマイトとサー・ナイトアイの表情を意図的に無視して、相澤先生へと親指を立てた。

 

この後相澤先生と並んで看護師に怒られた。反省はしてるけど後悔はしてない。

 

+++++

 

数日後。

オールマイト、サー・ナイトアイ、そして俺で病院の一室を借りて軽い歓談……というか会談の場が設けられた。

海賊について情報共有して、今後の俺の行動と字家の方針についてすり合わせを行う。

サー・ナイトアイは事務所の運営をサイドキックの二人に任せ、自分は裏方の事務作業へと回るらしい。落とし所としては妥当か。ルミリオンは個性を奪われてないそうで、あれは単純に海賊とアンジャッシュして軽くやり合ったこと、オーバーホールから海賊を庇った結果であるとのことだった。

概ね予定されていた内容の擦り合わせが済み、空気がひと段落する。そういえば、とオールマイトが話を振ってきた。

 

「字君は、サーの未来予知を変えられた件についてどう思う?」

「ああ、そういえば、俺と海賊で未来予知覆してたみたいですね」

 

一応、論理を聞いた上での仮説はある。が、通じるんだろうかこの例え。

 

「あくまで俺の解釈なんですが。サー・ナイトアイの予知って週間少年ジャンプの早バレみたいなものじゃないですか?」

「は、早バレ?」

「すでに掲載確定した、発売前の内容をよろしくない手段で見て『認めるか!』って一人でキレても紙面は差し替えされないですけど、炎上させて複数人から『認めるか!』って抗議運動に発展させたら掲載キャンセルさせられる、みたいな」

「はあ」

「あと、一読者が叫んでも無視されますけど、同業の編集者とか漫画家とか、あと政治家とか、そういう人の一声って重いじゃないですか。未来介入に適した個性、適さない個性もあるんじゃないですかね」

「なるほど……?」

「あと、早バレ見に行った人って文句言ってても周囲から顰蹙買いますし、未来を直接見たサー・ナイトアイ自身の未来介入能力自体、低いんじゃないですか?」

 

知らんけど。

 

 

そんな感じで肩の凝る会談をおわらせたら、相澤先生が病院に迎えにきてくれた。インターン受け入れてくれた相手に失礼だけど、やっぱり相澤先生の方が落ち着く。

さて、会談直前に御当主様から伝えられた内容を相澤先生に報告しなきゃな……めちゃくちゃ頭と胃が痛いけど。

 

「どうだった?」

「平和に終わりました。ただ、それと別個に報告がありまして」

「報告?」

「御当主様から、俺専属に執事が付けられることになりました」

「はあ!?」

 

うわっ、相澤先生の首がぐりん!って動いた。びっくりした。

でも、気持ちはめちゃくちゃ分かる。俺もそんな感じの反応しましたので。

 

「執事って……あの」

「あの執事ですね。一応、寮に来ることはありません。あと執事といっても雇用形態がそうってだけで、業務自体は秘書に近いです」

「サイドキックみたいなものか……?」

「ヒーロー免許持ってるので、先生の例えもあんまり間違ってないですね……」

「お前、一年でサイドキックって……」

「一応仮免取得、インターンひと段落まで待ったらしいデス」

 

あっ、相澤先生が本格的に頭を抱えてしまった。本当にすみません。

 

「えー……その執事の人定事項、書面で出した方がいいですか」

「そうだな……そうしてくれ。ヒーローなんだよな、どんな人だ?」

「情報的な側面ですと、まず性別は男です。名前は七村十蔵、私立高校ヒーロー科を卒業後にオランダにある執事養成学校に入学、その後は字家で執事の経験を積んでたそうです」

「字家の予備ヒーローか」

「そうですね。ただ、字家の血筋ではないので、予備ヒーローの中でも“ナナシ”という団体に属しています」

 

字家は結構たくさんの予備ヒーローを抱えているが、当然字の人間じゃない人の方が多い。その人たちは“ナナシ”というグループに属して情報交換などを行っている。

 

「というか、執事養成学校とかあるんだな」

「あるみたいですね。一応、二ヶ月のコースを卒業したと聞いてますが」

「ヒーローなんだろ?ヒーロー名と個性は」

「ヒーロー名は天使。個性は浮揚」

 

ヒーロー免許取得後はサイドキックにもならずオランダに執事の勉強をしに行ってたので、当然名前に心当たりはないらしい。

その後、その人についてぼちぼち話をしながら雄英高校に戻った。

俺もすれ違ったり同じ空間にいたことはあるかもしれないけど、直接対面したことないはず。

どんな人なんだろう。




筆者「侍と海賊が並ぶなら天使も必要かなって(特撮脳)」

今日か明日あたりに今後の更新について活動報告載せます。
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