皇帝と呼ばれるドイツ人のラインハルト様 作:ロシデレは良い
朝7:30
この日ラインハルトは生徒会監査として所属している、生徒会の用事、その後、来週のお昼に、放送委員会から出演を打診されているお昼の放送企画、"カイザーの意思"なる、ラインハルトのインタビュー企画の打ち合わせと、朝から用事が立て込んでおり忙しい時間を過ごしていた。
その為、暇を持て余したヒルデは
音楽室
「ヨイショっと」
暇つぶしにピアノの演奏をするため、音楽室に足を運んでいた。
正直、他にもスマホを見たり、アニメを見たり、本を読んだりも、他にも暇つぶしの方法はあったが、今日はピアノを弾きたい、そんな気分であった。
因みに、ヴァイオリンを習い、多くの大会での優勝実績があるラインハルト程ではないが、ヒルデも、兄であるラインハルトとセッションをしたいと言う理由で、ピアノを習っており、その腕は一流に匹敵するものであり、過去にフランス、ミュンヘンの大会で金賞、ウィーンとプラハの大会で銀賞の実績を持っているほどであった。
そして、そんなヒルデのオハコは、ローデのマリオネットと言う曲…まさに、情報操作を駆使し、人を操る事が得意なヒルデにピッタリな曲であり、ピアノを弾くヒルデは楽しそうな様子で、その曲を弾き、誰もいない音楽室、そしてその外の廊下にまで、ヒルデの奏でる美しいメロディーが響いていた。
「おっ…この曲は…」
そして、その曲に惹かれるように、一人の女子生徒が、音楽室の戸を静かに開き、中で楽しそうにピアノを弾いているヒルデの姿を覗いた。
そして
「いやーいつ聞いてもうまいね、ヒルデっち」
演奏が終わり、ヒルデが一息ついた所で、覗き見していたその女子は、演奏者であるヒルデに拍手した。
「盗み見とは、中々いい趣味してるねー乃々亜ちゃん」
ヒルデは、自分に拍手する女子生徒こと、宮前乃々亜に、まるで揶揄うようにそう言った。
ヒルデと乃々亜…
この二人の関係は2ヶ月前、偶々不良に絡まれている乃々亜を、ヒルデが助けた事から始まった。
ちなみに余談だが、その際ヒルデは、改造したペンシル型スタンガンを使い、不良を背後から襲い気絶させ、その後気絶した不良を、近くにあった、人が入れるほどのゴミ箱の中に放り込むという、とんでもないやり方で救出しており、それが決めてとなって、彼女に興味を持たれた。
「それにしても、乃々亜ちゃんも変わってるね。私みたいな、危険人物に興味を持つなんて」
「うーん、まぁそうだね、ヒルデっちは何というかー私と同類?見たいな。だから少し興味が出るだよね」
ヒルデの質問に乃々亜は、そう言った。
実はこの宮前乃々亜は、一見ただの人畜無害なギャルに見えるが…その実態は共感性が欠落し、他人に対する関心が薄く、罪悪感もあまり感じないサイコパスであり、何故カエルに石を投げたり、動物を殺してはいけないのかと、疑問に感じ、人を平気で扇動し、必要なら切り捨てる事も辞さない、危険人物である。
因みに、彼女を助けた後、話の中で自然な流れで、上記の質問をヒルデに投げかけた。
その際ヒルデは
「必要性が無いから」
そう答えた。
「あの答えを聞いた時ピンと来たんだよね〜ヒルデっちは、あたしの同類…仲間なんだって。だから、興味が出た的な?」
「確かに、私と乃々亜ちゃんは、多くの面で似てるよね〜」
そんな性格だからか、彼女と同じように、人を扇動することも、利用する事も、または誰かを排除する事も、兄であるラインハルトの為に、その必要性があるならば、迷わず実行するヒルデと乃々亜
は、似たもの同士、結構仲が良かった。
最も
「所で、谷山さんとは、最近どうなの?」
「沙也加っち?いつも通りっすわ〜ヒルデっちこそ、お兄様とは上手くいってるの?」
「当然」
双方の飼い主…もとい、乃々亜の親友である谷山沙也加とヒルデの兄であるラインハルト程では無いが。
しかし、それでも二人だけの間で交わされる事もあった。
それは
「それはそうと、はい、例の資料…」
「どうもーそれじゃあ、私からはこれを」
それは情報交換…
乃々亜は、スクールカーストに君臨する事で手にした多くの人脈
ヒルデは、保安委員会の権限、そして例のラインハルトのファンクラブである、皇帝親衛隊の隊員を使って築き上げた、情報ネットワーク
二人とも、この学園の生徒達の中に、多くの情報源と、それを収集するルートを築き上げており、その事から、こうしてたまに、それぞれの情報源から手に入れた情報を交換していた。
「そんじゃ、ありがたく情報はいただいておくねーじゃあ、また演奏聞かせてねー」
「じゃねー」
そして情報交換を終えた二人は、互いにそう言い、それぞれのクラスへと向かった。
その頃
生徒会執務室
「これが、今月の活動報告と、会計報告になります、剣崎会長」
「早いな、さすがラインハルトだな」
当の、ヒルデの兄であるラインハルトは、生徒会長である剣崎会長と面会を持っており、今月の生徒会の活動や予算に関する監査済みの報告書を、USBメモリで渡した。
そして剣崎会長は、頼んでから4日でチェックや、諸々の処理を終えたラインハルトの敏腕ぶりに感激し、そう言った。
「部下が優秀なだけですよ、自分だけの力ではありません」
「だが、その人材を見出したお前の観察眼、そして一年にして、一つの委員会をまとめる手腕はさすがとしか言えんよ。正直、お前や妹のヒルデ、そして石上…それに、ウチの生徒会の九条妹と周防、優秀な人間と言うのは、居る所にはいる物だと、本当に実感するよ」
「ふっ、カリスマ生徒会長と呼ばれる剣崎会長にそこまで評価していただけるとは」
「買い被るな。俺なんて、所詮死ぬほど努力しただけの凡人に過ぎんさ。」
謙遜するラインハルトに、剣崎会長はそう言った。
一方、ラインハルトはとある事に気がついた。
(あれは…)
剣崎会長の座る机に、さりげなく置いてある紙…今日の日付が発行日として記録されてある、倉庫の備品確認リストと書いてある、一枚の無記入の紙であった。
なんて事ないただの紙…だが、この紙を見たラインハルトの頭脳はとてつもない回転をしていた。
「まぁ、なんにせよお前達がいれば俺が引退した後も、この学園は安泰だな。これからもよろしく頼むよ」
「会長が安心して学園を卒業出来るよう、微力ながら努力いたします。では」
しかし、そんなラインハルトの頭脳の中を知らずそう言って来た剣崎会長に、ラインハルトは少し微笑みそう言うと、敬礼し部屋を出て行った。
「周防…九条妹…そしてラインハルト…来年の生徒会長戦は、過去に類を見ない、激戦になりそうだな」
そして、一人部屋に残っていた剣崎会長は、来年の生徒会長の…おそらく、学園の歴史にも残しそうなほどの激戦となる戦いを予感し、思わずそう言った。
生徒保安委員会執務室
風紀委員会と並び、学園の治安を維持する委員会の執務室である。
広めの部屋には、局長と呼ばれる、委員会の幹部達が座る長机と、委員長であるラインハルトが座る執務机、そして来客用も兼ねたソファー、そして壁には、委員長の私物である、ビスマルクやフリードリヒ2世、ロンメル将軍やマンシュタイン将軍など、ラインハルトが尊敬する過去の偉人達の肖像画が飾られているなど、その部屋の中の全体的なデザインは、一言で言うと、権威的な軍の執務室という言葉が似合う、そんな部屋であった。
「あっ委員長、お疲れ様です…」
そんなラインハルトが理想とするドイツ色に染められた部屋に一人、パソコンに向かう根暗で地味そうな男子生徒が一人いた。
「石上」
この一見地味で根暗な男子生徒こそ、ラインハルトが率いる、生徒保安委員会において、部活動の不正を監視し調査する組織監査局のリーダーを務める人物…石上御幸その人である。
アメリカ・カリフォルニア州で起業され、現在は世界的なグロバール企業のNo.2の地位を確立する最高幹部の父と、同会社の顧問弁護士を母に持つ彼は、保安委員会きっての情報処理のエキスパートである。
ヒルデが、スパイ網と人の心理を分析し、真実や情報を導き出すのとは対象に、彼は数字とデータを分析し、確実な情報と真実を導き出すプロであり、先のラグビー部の不正摘発も、彼の手腕があればこそ可能だったと、ラインハルト自身が認める人物である。
因みに余談だが、御幸と言う名前の名付け親は、彼の父が務める社長との事である…
「そう言えば、ついさっき、剣崎会長にデータを渡して来たが、満足が行く結果だったと誉めていたぞ。改めて、手伝ってくれて感謝する」
「別に構わないですよ。委員長、が手伝えと言えば、俺も喜んで協力するので」
この一見素っ気なく冷淡な態度をとっているようではあるが、石上とラインハルトは、互いを信頼しており仲は良い。
だからこそ、石上はラインハルトに頼まれれば、よほどの事でない限り、手伝ってくれる。
なので…
「そうか…なら、今日の放課後、もしかしたら手伝って欲しい事が出来るかも知れないが、良いか?」
ラインハルトは、徐にそう石上に述べると、ある事を頼んだ。
石上御幸
所属 私立征嶺学園高等部1年D組
役職 生徒保安委員会副委員長(組織監査局長)
年齢 16
誕生日 5月2日
身長 165cm
血液型 B
趣味 パソコン、アニメ
好物 ポテチ
異名 ヤングファッカー石上
保安委員会のメンバーの一人であり、部活動などの生徒活動における不正を摘発する、組織監査局のリーダー。
高い事務仕事能力と、データ処理のエキスパートであり、ラインハルトへの尊敬の心、そして何より青春を楽しむリア充への恨みと憎しみを動力源にし、部活動などの不正調査の指揮を行っている、インキャである。
また、日々の激務のストレスと陽キャとリア充へのヘイトが溜まると、まるでスラスラとリア充達への悪口とヘイトスピーチが飛び出す為、Müllとヒルデから呼ばれる事もある。
父、母、姉の四人家族であり、彼の父親はアメリカにも勢力を伸ばしている新興のグローバル企業の最高幹部、母はその企業の弁護士、姉は征嶺学園とは別の学校に通っているが、仲はまあ良いとの事。
因みに、全体的な顔や雰囲気は、
父親似らしい。