「んーーー、いい天気だ。」
明るい太陽、青い空、そして美味しい空気。
今日は日向ぼっこ日和だ。
「んはーー、とりあえず一眠りでも『ヴァルタ』…………どうしたの?」
せっかく俺が眠ろうとしていた所にアルファが登場した。せっかくシャドウガーデンのことも忘れてゆっくりしようと思ってたのに。
「クレア・カゲノーが攫われたわ。」
「…………クレアが攫ったんじゃなくて?」
「攫われた方よ。」
へぇーあのクレアを誘拐って、相当のやり手か卑怯者のどちらかかな。
「まぁ、とりあえず了解。俺も行く。それとシドは?」
「彼なら先に向かったわ。」
あいつも流石に姉貴が攫われたら黙ってないか。
……………いやどうだろうな、怪しい。
「了解。いつも申し訳ないね。」
俺はシャドウガーデンの案件をたまにド忘れしてアルファに呼ばれることがいくつかあって、3回連続ですっぽかした時には流石に怒られた。
「これも私の仕事だし、大丈夫よ。」
「そう言ってくれると助かるかな。」
………今更だけど、アルファが来たってことは教団絡みか。丁度いい。俺の日向ぼっこを奪った罪だ、俺の力の実験台にしてやる。
「お、皆いるじゃん。」
俺が予定の場所に着くとそこには七陰の全員が待機していた。
「ヴァルタ様、七陰全員、いつでも出撃可能です。」
キリッとした顔でベータが俺にそう言った。
こんな堅苦しくなくても良いんだけどなー?
「わかった、では行こう。」
俺が号令を出すとデルタがものすごい勢いで先陣を切った。
「デルタが先に行くのです!」
「あ、待ちなさい、デルタ!」
「まぁまぁ、好きにやらせたら?」
「ヴァルタ、あまりあの子に優しくし過ぎてもダメよ。」
「それならアルファがあいつに厳しくしてやってくれ。」
「………はぁ、わかったわ。」
うん。やっぱり俺は厳しくは出来ないかな。
だって凄い楽しそうだもん、デルタ。
今も凄いニコニコの本能のような笑顔で狩りまくってるもん。あれ止めるの面倒くさいんだよなぁ。
そう思いながら俺は先陣を切るデルタの後ろに着いていく。
「貴様等は誰だ!」
「言う必要はないだろう、なぜなら。」
「君たちはこれから死ぬのだからな!」
そう言って俺は目の前にいた教徒の心臓を剣で刺した。
その光景を見た他の連中も突っ込んできたが一人目を撫で切りにし、二人目の首をちょんぱし、三人目は魔力を少し込めた剣でバラバラにした。
「やっぱりヴァルタは強いね。」
隣にいつの間にかいたゼータかこっちを覗き込んでいた。
その後ろには数々の死体。
「伊達にあいつの相棒をしてないって訳よ。」
そうして他の七陰と合流した。
最弱とかなんとか馬鹿にされてたガンマも頑張っていたようだ。
懐かしいな、ガンマが最弱と呼ばれていた時代。
俺はガンマによく頼まれて教え込んでいた。
実際、ガンマは俺のトレーニングと個人の努力も相まってその辺で転がることも体感50%ぐらいになった。
だが、完全には治っていなくてガンマの様子をこっそり見ていた俺の隣にガンマの大量の魔力込みの剣が刺さって割とガチ目な恐怖を覚えたということもあった。
彼女は知能が高いし、努力も出来るのでとても信頼している。それに七陰の中でも少ないまとも枠だし。
「皆やっぱり強いな。」
俺は労りと褒める為に七陰みんなに言った。
「いつもボコボコにしておいてそれを言う?」
「同感。」
「あはは……。」
「副ボスの方が強いのです!」
意外と不評だったようだ。
アレェ?
そうして合流した俺達は少し強目な敵に会ったりもしたが、その時はもう面倒くさくなっていた俺が雷の力を使ってまとめて感電させてたおした。
そして、大体の教徒達を狩りまくった(デルタが)俺達はそのままこの臭い洞窟を進んでいく。
臭いというのはなんか、腐卵臭みたいな匂いだ。
あれ、俺ダメなんだよね。
七陰は何ともなさそうだけど大丈夫なの?
デルタに聞いてみるか。
「なぁ、この洞窟臭くない?」
「そうなのです?」
デルタはこっちを向いてそう答える。
んーー。そうか……デルタは特に何も感じなかったか。
んじゃ、ゼータに聞いてみるか。
「ゼータは?」
「私も特に何も思わないけど……。」
あれぇ?もしかして俺の鼻がやばいんじゃないの?これ。
そうだとしたらマジでショックなんだけど…。
アルファが訝しみながらこっちを見てきた。
「ヴァルタ、何か感じたの?」
「え?いや、そういうことじゃないんだけど……。」
俺の鼻が終わってるってアルファは気づいたのか?
………うん、この話やめよ。
考えるだけ損な気がする。
俺がそう切り替えた瞬間、七陰達は顔を集中させる、
そう、誰かが奥から来たのだ。
「貴様らは一体何者だ!!!」
誰、あのおっさん。
それにいきなり名前聞いてくるじゃん。
そういうのは自分から名乗れって聞かなかったの?
本当にね、良くないよそういうの。
俺がそう思いアルファの方に目を向けた瞬間にアルファが口を開いた。
「我等はシャドウガーデン。」
ん、アルファ今何つった?
え、今めちゃくちゃ言っちゃったよね?
すると他の七陰も口を開いた。
「「「「「「陰に潜み、陰を狩るもの。」」」」」」
…………………そっすか、俺だけ仲間外れなんだ。泣いていい?俺。
「私達は全てを知っている。魔人ディアボロスと英雄の子孫、そして悪魔付きの正体もーー」
そこまで言うの!?
俺がそう思っていると良く分からんおっさんがこっちに突っ込んできた。
「その秘密どこで知った!!いずれも幹部クラスの情報だぞ!」
そうしてその男がこっちに剣持って突っ込んできた。
はぁ、ちょっと戦いますか。
なんか偉そうだし、強いでしょ!
そう思ってそのおっさんの剣を狙う。
「何!?」
「あれ、思ったより弱い…。」
意外と弱くてびっくりしている自分がいる。
何なの?ディアボロス教団ってこんな奴しかいないの?
「はぁ、本当にイラついてきた。」
そう思って俺はその男に剣を向ける。
すると、その男は何か錠剤のような物を取り出してそれを飲み込んだ。
そして……あぁ、壁突き破ってどっか行っちゃった。
でもそっちにはシドがいるんだよなぁ。
「早く追いましょう!」
「その必要はないぞ、ベータ。あっちにはシャドウがいる。」
するとベータは目を輝かせてぶつぶつなにか言い始めた。
何となく尊敬してくれているってのはわかるんだけどオーバな気がするんだよなぁ。
ちなみにその後、俺は七陰と共に気絶してたクレアを救出、治療をしてそしてクレアをカゲノー家のベットに放り込んで解散となった。
あとなんかシドが俺にこそっと
「アルファ達ってどうやってあんな数の盗賊の居場所見つけてるんだろうね。」
と聞いてきた。俺はそうだな。でその会話を終わらせた。
改めて思ったけど意外と使えるな、そうだな。って言葉……。
馬鹿な時は馬鹿すぎる馬鹿の話をぶちぎる時には最適だ。
翌日、とある場所。
俺とシドと七陰の皆で集まっている。
何か大事な話があるらしいのだが、何だろう?
「私達は貴方達の元を去ることになったわ。」
…………あ、そういうことね。
「ねぇねぇちょっと。」
……………何じゃ、シド。
手招きされた俺はシドと二人で話す。
「何?」
「彼女達は付き合いきれなくなったってことだよね?」
「そうだな。」
そして俺は速攻で会話を断ち切り彼女達の前に向き直る。
「その話了解した、俺とシドは表立って動けないからそういう仕事は任せるよ。」
「ただし、何かあった時は定期報告関係なく報告することだ!わかったな!本当にな!」
「えぇ……わかったわ。」
ここまで押して言っておけば大丈夫だろ。
俺少し過保護になってるかも。
そんなこんなで、アルファ達、七陰は世界中に旅立っていった。
後日ずっとシドが
「やっぱり卒業したんだよ。彼女達も。」
と言ってくるので
「お前一回黙ってててくれ。」
と割とガチでキレた。
こいつ、本当にシャドウガーデンのリーダーだよな?