ファイアーエムブレム風花雪月-"2度目の自分" 作:ガイアプロローグ
0話 初めての恋人
自分達は今、闇に蠢くものを相手に死闘を繰り広げている。両者共に多くの死傷者を出しながらも戦っている。明日の犠牲を生まない為の犠牲を作ってでも…ここで討つ!
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「はあああぁぁああっ!」
自分の剣撃が相手の体を貫く。その先からまた敵が増援を呼んでくる。数が多過ぎてキリが無い…だがその横から死神騎士及びイエリッツァが一斉に増援を薙ぎ払う。
「ベレス…エーデルガルト達と共に相手の首魁の首を獲れ!…此奴らは私が食い止める!」
「すまない!」
自分はその場を去って、ジェラルトの仇敵の元に走る。道中で多くの敵が襲ってくるが全て斬っていく。走り続けていると、エルとリシテア…二人と合流出来た。
「
「エル!リシテア!他の皆は⁉︎」
「フェルディナントとドロテアは巨大兵器と交戦しています!他の皆さんはそれぞれ巨大兵器を操っている敵を探りながら分散しています!」
自分はリシテアから戦況を聞いて周囲を見渡す。見るからにこちらが優勢だ。カスパルが敵を斧で叩いてカスパルの傷をリンハルトが癒す。別の方角ではベルナデッタが高い位置から弓矢で正確に敵の頭部を撃ち抜く。そして、イエリッツァは単身で多くの敵を鎌で斬っていき、仕留め損ねた敵をペトラが残らず華麗に殲滅する。皆…連携が整っているね!先生として誇らしいよ…
そして自分達はいよいよ闇に蠢くもの…その頭である奴と対峙する。そこには足止めをしていたヒューベルトもいた。
「ヒューベルト!大丈夫⁉︎」
「えぇ…危ないところでしたよ陛下、それと先生」
「来たか…凶星よ」
「っ!」
自分はその姿を見て思い出す。父であるジェラルトを殺す様に仕向けた張本人…こいつがっ!
「タレス!ジェラルトの仇!ここで取らせてもらうぞ!」
自分は剣を向け、苛立つ様に名前を言う。その姿を見たエルが私の手をそっと握ってきた。
「私も…
…そうだ、エルの言う通りだ。今の自分は神祖…ソティスの力を失っている。天刻の拍動も使えない。更に心臓にあった紋章石が無いので感情も表に出やすくなっている。だから私は一息ついて感情を整える。今は冷静に…タレスを討つ事だけを考える。
「…行こう、皆」
自分がエル達に告げると皆も続いて行く。そこからは数分程の激戦が繰り広げられた。だが人数の差もあってタレスは段々と体力が尽きていき、遂に片膝をつく。
「ぐっ!…これ程…とはっ!」
「…とどめだ」
だが自分が剣を振る一瞬の隙を突いてタレスは遠くにいるベルナデッタに向けて闇魔法を放つ。
「っ!」
自分は急いで天帝の剣を伸ばして闇魔法を斬る。…だがその間にタレスは遠くの位置にテレポートして地面に手をつける。何をする気だ⁉︎
「これで…終わりにはせんぞ!」
すると、タレスの足元にある魔法陣が激しく光り出す。…自分は何か嫌な予感がした。だから…
「させない!」
自分はタレスに向かって走る。
「
「エル!ヒューベルト!皆をこの建物から避難させてくれ!」
その瞬間、外にいた鳥の群れが一斉に逃げる様に離れて行くのが見える。
「我らアガルタに…光あれ!」
その一言を放った時には天井を突き破り、ミサイルが落ちて来た。私は瓦礫を利用してそれに向かって天帝の剣を振って破壊する。空を見上げると上から更にミサイルの様なものが降って来ているのが見えた。数が多過ぎる!でも地上に堕ちたらエル達が死ぬかもしれない!だから堕ちる前に私は必死に剣を振る。
「殺らせるものかぁぁあ!」
一つ破壊してもまた次が来る!でもっ!それでも今は私が皆を守らなければっ!私の生徒達を死なせる訳にはいかない!誰一人、欠ける事なく守って見せる!
が…三つ目のミサイルを破壊したと同時に、天帝の剣は完全に壊れてしまった。そして破壊したミサイルの爆風にやられ、私は激しく地面に叩きつけられた。
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私は…大半のミサイルを防いだつもりでいたが、そうでは無かった…ミサイルは私から離れた場所にも堕ちていた。
…私は…守れただろうか?…薄らだが目を開く。体に力が入らない…でも遠くに闇に蠢くもの達の首魁…タレスが瓦礫の下敷きになって倒れてるのが見える。
「…み…な…無事…なら…いい…か…」
誰かが走って来る様な足音が聴こえるのは…気のせいだろうか…こんな時…ソティスがいてくれたら天刻の拍動で戻してくれたかな…この状況で何を言ってるんだろうな…
「…っ!…っ!」
あぁ…この声…来てくれたんだ…
「エ…ル…」
「
「…皆は…無事?…」
「っ!…」
エルの悲しそうな表情からして、私は察した。皆…あのミサイルに巻き込まれて…戦死してしまったんだと…
「…そう…か…」
最期に限って、生徒を救えなかったんだな…何で最期まで守れなかったんだ…
「わた…し…守れな…か…た…」
意識が遠退く…でも…
「…駄目よ…
「エル…私は…」
私はエルの頬に手を添える。
「…君の…中で…フォドラの未来…をっ!…ゴフッ!ゴフッ!」
「っ!
「はぁっ!…はぁ…はぁ…君との…時間を…もっと過ごしたいけど…ここ…ま…で…」
そして…エルの頬に触れていた手は地に落ちる。
[動かなくなったベレスの体をエーデルガルトは必死に何度も揺らしながら名前を呼ぶが…ベレスは反応を示すことは無く、エーデルガルトの膝元で息を引き取った。エーデルガルトはベレスの遺体を抱きながら暫く子供の様に泣き崩れた。間一髪で命を繋いでいたヒューベルトとリシテアを連れガルグ=マク大修道院に戻り…真の意味でフォドラの統一をたった3人で成したのだった。その後の出来事は…未来のフォドラの歴史にも刻まれていない為、彼らがどの様な人生を送ったのかは…誰も知らない。]
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「…」
目を開く。…真っ暗だ…今、どこに自分が居るのかすらわからない。結局…自分は何も守れないまま終わったんだ…これが自分の生徒達を守れない先生の末路…そう言う事なのだろう…このまま、死を座して待とう…なんて言おうとするけど…もう死んでるし、自分の体も宙に浮いているのが感覚でわかる。もう一度…目を閉じると…全て夢だった〜…なんて事はないのかな?そんな都合のいい話は有り得ないよね…
『当たり前じゃろ⁉︎』
「?」
この声…懐かしいな…自分は夢でも見ているのか?
『戯け!夢ではないわ!お主は死んでもその様な冗談をよく言うのぉ⁉︎儂の姿が見えぬか⁉︎』
「?」
『何処を見ておる…ここじゃ』
「?」
声は聞こえるが…その本人の姿はどこにも見えないんだが…
『こ・こ・じゃ!』
「いや…どこ?」
『えぇぇい!こっちを見よ!』
すると自分の真後ろから手が出てきて顔を掴まれる。なので自分は大声で…
「きゃぁぁぁぁあああー‼︎」
『喧しいわ!』
「何だ、ソティスか」
『何だとは何じゃ⁉︎何だとは⁉︎、お主…わざとじゃろ?』
「…ホントだよ?」
『真顔で言われても説得力0じゃ!』
「…ねぇ…ソティス、自分は死んだの?」
確認の為、質問をしてみた。
『…その様じゃな…お主の中でずっと見ていたから知っておる』
「…そうか、そうすると…これから地獄にでも堕ちるのかな?」
するとソティスは不思議な事を言い始めた。
『いや…お主はこれから過去に戻されるぞ』
「…え?」
自分は唖然とする。聞き間違いかな?…過去に戻すではなく、過去に戻される?そして具体的に何処まで戻されるんだ?
「ソティス…過去に戻されるって?」
『そのままの意味じゃ』
「…ごめん…よくわからないんだが…」
理解に追いつかず、頭が痛くなってくる。
『…まあ良い…説明してやる』
「出来るだけわかりやすくお願い…」
『と言いたい所じゃが、周りを見てみた方がわかりやすいかもしれんぞ?』
「っ⁉︎」
ソティスに言われるがままに辺りを見渡す。そこら中には自分が今までに体験した出来事が映し出されていた。闇に蠢くもの達の本拠地シャンバラに潜入する場面、レアやセイロス騎士団と死闘を繰り広げた場面、自分とエル達がディミトリ率いる王国軍を倒した場面、ガルグ=マクにて成長した皆に再会を果たした場面、聖墓で自分が…エルを守ると決意をした場面…
「新しい記憶から順番に流れている?」
『…ベレス一つ言うぞ…先程、儂はお主に過去に戻されると言ったじゃろ?』
「うん…私も気になっていた…私は誰に戻されている?」
『この様な事が出来るのは儂か儂の力を持つお主しかおらぬはず…ここからは儂の仮説じゃが、もしもこの巻き戻しが…もう一人のお主だとしたら?…』
私は嫌な予感を感じた。有り得ない事だがこの巻き戻しがもう一人の自分の仕業だと言うのなら天刻の拍動が使用可能だ。恐らくソティス自身も天刻の拍動を今は使えない状態…つまり…このまま巻き戻しが終わるまでただ待つ事しか出来ないという事になる。
「ソティス!私に捕まれ!」
『はあぁぁああ⁉︎お主何を⁉︎』
そう言いながら自分の方からソティスの手を取り自分の体にくっつけた。
「…温かいね…ソティス」
『こんな時に何を言っとるのじゃお主は!』
すると自分とソティスは突然現れた目の前の眩しい光に包まれ、もう一つのフォドラへと転移されて行ったのだった。
・紅花の章(0話)の戦況
エーデルガルト、ヒューベルト、リシテアを除く