ファイアーエムブレム風花雪月-"2度目の自分" 作:ガイアプロローグ
ベレス視点
自分達は騎士団長の部屋でジェラルトと母さん、そしてソティスと一旦別れて士官学校を見て回る事にした。そう言えばマヌエラ先生とハンネマン先生を見ていないな…何処にいるんだろうか。
「ねぇベレト」
「何だ」
「士官学校の事って誰から聞いた?」
「お前とロリスがいない間、レアから直接聞かされた」
「レアから?」
可笑しいな。その説明はマヌエラ先生達から聞かされる筈なのでは?一階に降りようとした時、言ったそばからマヌエラ先生がハンネマン先生を支えながら上がってきた。
「マヌエラ君、我輩は自分で歩けるから離したまえ!」
「あたくしも好きであなたを支えているわけないでしょこのクソジジィ!」
「「…」」
ハンネマン先生が杖ついている状態でマヌエラ先生にくっついている姿を見て自分達はただ見ている事しか出来なかった。一応挨拶くらいはしておこうかな。
「こんにちは、本日よりこの士官学校の教師になるベレスです」
「同じく、ベレトだ」
「あら〜こんにちは、随分と若い子達ね?」
「なに、教師の資質さえ有れば年齢など関係あるまい…いでっ!」
「ちょっとハンネマン!無理して動こうとしないでちょうだい!」
この二人仲良いのか悪いのかはわからないな…てかハンネマン先生がこんなに足腰随分弱ってるけど何かあったの?
「あっ…そうだ君達、後で我輩の部屋に立ち寄ってくれたまえ!」
「その前にハンネマンはまずその腰をどうにかしなさいよ!紋章なんて後にして!」
「聞き捨てならん!紋章学としての直感が言っているのだ!新たな紋章を宿している可能性があるのだと!」
その後も二人はガミガミと言い合いながら医務室へと入って行った。
「紋章て何だ?」
「ベレト、今は士官学校を見て行こうか」
自分達は一階に降りて士官学校がある場所に向かって行った。
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???視点
私は書庫でガルグ=マク大修道院の歴史についての本を読み終え、書庫番のトマシュさんに御礼をして士官学校に向った。今日から私は正式に士官学校の教師になる日、先ずは見学からしてみようかしら。どんな子達がいるのかな?
「あの子…一人で掃除してるのかな?」
私は目の前にいる少年に声を掛ける。
「私も手伝うわ、一人じゃ大変でしょ?」
「これくらい僕一人で十分です、気遣いをしてくれるのは嬉しいけど」
そう言うと少年は別の部屋に入って行ってしまった。そう言えば名前…聞きそびれちゃった。でも今は士官学校に向かう事にしましょう。
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ベレス視点
今、自分はベレトと別行動をして士官学校を見て回っている。
「黒鷲の学級は〜あそこか?」
自分は黒鷲の学級の教室に入るとそこには見た事のある面子がいた。ヒューベルト、ドロテア、フェルディナント、ベルナデッタ、ペトラ、カスパル、リンハルト…この世界でもまた君達に会えてよかった。でもエルの姿が見えないな…
「君が噂の傭兵かね?」
「ん?そうだけど」
自分に始めに気付いたフェルディナントが髪を整えながら声を掛けてきた。
「私は黒鷲の学級の級長、フェルディナント=フォン=エーギルだ!よろしく!」
「くくく…貴殿如きが級長などと、実に下らぬ戯言ですなフェルディナント殿」
「ヒューベルト、君はいつも人を見下す様な事を…」
ヒューベルトが自分に視線を向けた。
「それはさておき…我が主エーデルガルト様を救ってくれたそうですな、感謝しますよ」
目が笑ってない…相変わらずヒューベルトは何処か自分を見定める様に言ってくる。気が抜けないな…何か教室の隅っこに縮こまっている?本で頭を隠しているつもりではいるんだろうけどちゃんと見えてるよベルナデッタ。なので自分から近づいてみる。
「ひゃああ!何なんですかあなたは!ベルに関わらないでぇぇ!命だけはお助けをぉぉ!」
「驚かせてごめん、私はただ挨拶をしただけだよ?」
「ふぇ?挨拶?」
「うん、そんな物騒な真似はする気ないから警戒しないでね?私はベレス、よろしく」
手を差し伸べるがベルナデッタは警戒を解く事は無かった。少し悲しいな…別の机にはリンハルトがぐっすり眠っている。当分は起きなそうだな。すると隣に座っていたカスパルが声を掛けてきた。
「お?あんたがエーデルガルトを助けた傭兵か?」
「うん」
「すげぇな!あ、俺はカスパルって言うんだ!なぁこれから俺と闘ってくれないか?」
「何で?やめといた方がいいと思うよ?」
「じゃあイエリッツァ先生に許可取りに行ってくるぜ!」
「人の話を聞いてる?カスパル、相手なら後でしてあげるから今は大人しくしてね」
「おっ!本当か!約束だぜ!」
自分はカスパルの腕を掴んで引き留め、カスパルとは後で相手する事を約束してしまった。次は教卓の方で自分をじっと見つめてるドロテアの方へと足を運ぶ。
「ふふ、見ない顔ね貴女」
「ベレスよ、よろしく」
「綺麗な顔ね、とても傭兵には見えないわ」
そんな事を言われたのは初めてだ。なのでお返しに…
「ありがとう、でも君の方がすごく綺麗だよ?」
「え〜謙遜しなくてもいいのよ?化粧はしてないの?」
「やり方が分からないからしてない」
「嘘⁉︎羨ましいわ…何だか妬いちゃいそう」
会ったばかりなのにドロテアとはそれから暫く色々な事を話してしまった。すると教室の入り口からこちらに気付きペトラが駆けつけて来る。
「はじめまして、わたし、ペトラいいます!よろしくです!」
「よろしく、私はベレスよ」
「あらペトラちゃん、何処に行ってたの?」
「商店街、行く、武器、揃える、しました!」
「…えっとペトラちゃん、今日は訓練の授業は…ないわよ?」
「ごめんなさいドロテア、わたし、間違える、しました」
「まぁそれはいいけどその武器は何処に置いてきたの?」
「騎士団の人、渡すしました!」
「まっ…騎士団の人なら大丈夫よね」
「はいっ!」
騎士団の人って言ってもいっぱいいるな。この時期だと多分アロイスの事を言ってると思うけど…そして自分は暫く、黒鷲の学級の生徒達と世間話をして行く事にした。
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ベレト視点
俺は訓練場の前にいる男に声を掛ける。
「何用だ?」
「新任教師のベレトだ」
「ベレト…初めて聞く名だな、私はイエリッツァだ」
「イエリッツァ、覚えておこう」
「それで何用だ?」
「その扉の中に入ってみていいか?」
「今は何も準備が出来てない、後にしろ」
「そうか、邪魔したな」
俺は訓練所から離れ、学級の教室を見て回る。先ずは一番近い黒鷲の学級の教室を覗く。見ただけで分かるが色々と個性的な奴がいるな。
「ん?あんたは?」
「ベレトだ、そう言うお前は誰だ?」
「俺はカスパル!あんたら兄妹か?」
何故ベレスを知っている…いやベレス自身がとっくに教室の中に入ってある程度話したのか?よく見ると女子生徒二人に囲まれてるベレスの姿がはっきり見えた。あの様子だと他の学級にはまだ行ってなそうだな。多分…すると突然オレンジ髪のナルシストっぽい奴が俺に近づいて来る。
「私の推測が正しければ、君も噂の傭兵の一人かね?」
「誰だ?」
「我が名はフェルディナント=フォン=エーギル!」
「ベレトだ、それじゃ」
長い名前だ。略してエーギルと覚えておこうか。
「ちょっ⁉︎待ちたまえ!」
「何だ」
「あまりにも興味がない様だが、君は貴族が嫌いなのか?」
「いや別に嫌いではないが」
「なら少し私の話を聞きたまえ」
面倒だが俺は少しだけエーギルの話を聞く事にした。どれも専門的な事で話してくる為、俺はいいところで区切り、頭を抱えるエーギルを置いていき再びカスパルの所に向かう。
「また会ったなベレト!フェルディナントの話は相変わらず長ぇぜ」
「そうだな、眠くなってくる」
「それよりも俺と後で勝負しようぜ!」
「機会があればな」
黒鷲の学級以外の教室をベレスより先に見てみるか。隣にある青獅子の学級の教室に入ると大修道院の入り口にいたドゥドゥーがこちらに気づいて来た。
「ドゥドゥーか?」
「お前は…殿下を救ってくれた…」
「ベレトだ」
俺がドゥドゥーと会話をすると周りがざわつきはじめる。そんなに珍しいか?
「この恩は必ず返す、何か力になれる事があったら遠慮なく言ってくれ」
「わかった…その時はドゥドゥー、お前に頼る事にする」
俺は教室の隅っこに赤髪の少年が一人の女に何か話しているのが見えた。
「今から、俺とお出かけでもしないか?お嬢さん」
「う〜んごめんね?今はちょっと忙しいの、じゃあね」
アッサリと振った女は俺に気付くと話しかけてきた。
「こんにちは、貴方が噂の傭兵さんかしら?」
「そうだが…あんたは誰だ?」
「あぁ…ごめんなさい!いきなり馴れ馴れしすぎたわよね?…私の名は…セリカよ」
皆と違いセリカと言う女は制服ではなく、鎧の様な服装を見に纏っていた為俺はつい聞いた。
「あんたはここの生徒じゃないのか?」
「ん〜今はまだ言わないでおくわ」
「ますます気になるんだが?」
「その内、分かると思うからまたね」
セリカとの軽い挨拶を終えて、俺は再び教室を歩くと次に目に入ったのは鋭い目つきをした男と金髪の女がいたので近づいてみる。
「こんにちは、貴方達が殿下を救ってくださった方ですね?」
「あぁそうだ」
「腕が立つとも聞いている、俺はここでお前と刃を交えたいものだ」
「フェリクス⁉︎初対面の人に向かって喧嘩売る様な事しないで!」
「お前は少し黙ってろイングリット」
フェリクスと言う男が武器(訓練用剣)を構える。俺から見ればまだまだ未熟に思える。だがここは教室だ。場所を変える様に俺が言うとフェリクスが俺について来る形で訓練場に向かう事になった。途中でベレスとすれ違いになり…
「ベレト、何してるの?」
「今から訓練場に行くところだが?」
「いやそっちじゃなくて、何で生徒まで一緒に同行させてるの⁉︎」
「こいつが戦えと言うからだ」
「だからって…何でも間に受けないで?」
いや、フェリクスは本気で俺と戦いたがっているんだが…ん?
「フェリクスいい加減にして!」
イングリットが割り込んでくる。
「イングリット、邪魔するな…久々に俺は、かはっ!」
するとイングリットはフェリクスの頭にチョップして気絶させた。その姿に俺達は一瞬固まる。
「申し訳ありませんでした、失礼します!」
イングリットは深々と頭を下げた後、フェリクスを引きずりながら教室の中に入って行った。
「…(次の教室に行くか)」
俺はそう言い、金鹿の学級の教室に足を運ぶことにした。
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ベレス視点
ベレトが金鹿の学級の教室に向かうのを確認した後、自分は少しずわついている青獅子の学級の教室に向かう。すると見た事のない人がメルセデスとアネットと一緒におしゃべりしているのが見えた。自分がいた世界ではあの女の子は一度も見たことがない…声を掛けようとすると隣からシルヴァンが話しかけきた。
「いい光景ですね〜」
「…何が?」
「メルセデスちゃん、アネット、そしてセリカちゃん…三人共可愛い」
相変わらず女の人に目が無いな。セリカ…でも格好からして生徒では無いよね…でもセイロス騎士団とも何処か違う様な気もするし…すると隣にいたシルヴァンが突然自分の顎を勝手に軽く持ち上げて言う。
「勿論、君も三人に劣らずの美人です…今度の休みに一緒にデートしませんか?」
自分は顎クイしているシルヴァンの腕を掴みこう言った。
「君、その内半殺しにされるよ?」
「美人にされるならご褒美です」
「あっそ…じゃあ…」
なので自分は笑顔を作りながら少し力を入れてシルヴァンの腕を握った。シルヴァンは少しずつ表情がキツくなっていって…
「いででででっ!」
シルヴァンは自ら腕をはなした。
「あそこに倒れてるフェリクス君みたいになりたくなかったら、女遊びは程々に…ね?」
そう言い残して自分はメルセデス達の所に向かって行った。シルヴァンは暫く石像の様に固まっていた。
「こんにちは」
「あらあら〜初めて見る顔ね〜?大修道院の方かしら〜?」
「あっ!メーチェ!この人が噂の傭兵さんの一人じゃない?」
「あ〜そう言えば、ディミトリがそんな事を言ってた様な〜私はメルセデスよ〜よろしくね〜」
「メーチェ…メルセデスの友達のアネットです!これからよろしくね!」
「うん、こちらこそよろしく…それで君は?」
「こんにちは、私はセリカよ」
「セリカ?」
初めて聞く名前だな…近くで見るとエルには及ばないが綺麗な顔だな。
「どうしたの?」
「ん?一つだけ聞きたいんだが、君は士官学校の生徒…じゃないよね?」
自分が問うとセリカは微笑んで…
「ん〜そう見える?」
「いや、士官学校の制服を着ていないから…」
「ふふ…その内分かるわ、楽しみにしてて」
セリカはそう言って自分達に小さく手を振って、黒鷲の学級の教室の方へと向かって行った。
「あ、そうだ〜セリカにお菓子渡しそびれちゃったわ〜」
「あたしも一緒に行くよメーチェ!えっと…」
そう言えばまだ名乗って無かったな。
「ベレスよ」
「ベレスも一緒に行く?」
「ごめん、まだ会ってない子がいるからまた後でね」
「そっかー、うん!また会おうねベレス!」
「うん、またね」
ついて行きたいのは山々だけど、自分はまだ会ってない子達がいる事に気付きメルセデス達と別れイングリットとフェリクスの所に向かう。
「あのー、また…会ったね」
自分は恐る恐るイングリットに話しかける。するとイングリットが振り向き挨拶してくる。
「先程は申し訳ありませんでした…初対面の方にあの様な事を見せてしまって、反省します」
「いや、元気がある子だなと思って…別に気にしてないから大丈夫」
「そんなに気を遣わなくていいんですよ?私の不注意が招いた事ですので」
自分は床に倒れてるフェリクスを見ながら言う。
「フェリクスはまだ起きない感じかな?」
「はい…手加減はしたのでその内目を覚ますと思います」
「…うん…そうだね」
あまり詮索しない方がいいと思い、話題を変える。
「フェリクスとは友達?」
「はい、子供の頃からフェリクスとシルヴァン、殿下とは幼馴染みです」
「殿下…(ディミトリの事か)」
「はい、ディミトリ殿下の事です」
「…」
「あの、貴女はどうして傭兵を?」
イングリットから意外な質問がきた。
「そうだね…生まれた時からジェラルトの元で生きてきたからその流れで傭兵として生きるのが普通だと思っていたから…特に理由はないかな」
まぁ今の自分は傭兵としてでは無いんだけどね。
「そうなんですね…」
そして自分はあと一つの学級に行っていない事を思い出した。
「あっ…まだ金鹿の学級を見ていなかったんだった」
「ご、ごめんなさい!引き留めてしまって」
「いや君のせいじゃないよ、またねイングリット」
「はい…あ、しまった…名前聞きそびれた」
自分は金鹿の学級の教室に向かうと入口付近でローレンツと接触する。
「これはこれは、今度僕と一緒に紅茶でもいかがかな?」
「いや結構」
「即答⁉︎」
「それじゃ」
「待ちたまえ!まだ名すら名乗っていない…僕はこの学級の級長、ローレンツ=ヘルマン=グロスタール!覚えてくれたまえ」
「級長?」
「クロードは何も言っていないようだな…まあいい、金鹿の学級の生徒になる時は改めて僕の素晴らしさを教えよう」
見栄張ってるのバレバレなんだよね。君は級長じゃなくて生徒だよ?改めて教室の中に入ると次に目に入ったのは伸びをしてるヒルダとおどおどしてるマリアンヌだった。
「こんにちは」
「あれれぇ?もしかして貴女が噂の妹さん?」
「妹?(もしかしてベレトが勝手に私の事を言った?)」
「はい、さっきまで私達と一緒に話してたイケメンから"俺の妹が来るから仲良くしてあげてくれ!"って言ってたので〜」
恥ずかしいからやめてほしいんだが…
「勘弁してくれ…」
「双子なだけあって美形よね〜、最初に来たセリカちゃんも美形だったけど〜…あ、まだ名前言ってませんでしたね?あたしはヒルダ=ヴァレンティン=ゴネリルです〜そしてこっちの可愛い子がマリアンヌちゃん!」
「あの…えっと…マリアンヌ=フォン=エドマンド…です」
「よろしくねヒルダ、マリアンヌ」
自分が手を差し伸べるとヒルダが抱きついてくる。
「こちらこそよろしく〜」
思っていたよりもヒルダの腕力が強くて少し苦しくなってくる。するとヒルダがマリアンヌに手招きして自分に抱きつく様に誘う。
「え?」
「いいからいいから」
「は…はい…失礼します」
そしてマリアンヌは赤面になりながら自分にそっと抱きつく。なんか二人ともいい匂いがするな。いや待って!それよりもそろそろ離してくれないかな。身体中が痛くなってきた。
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ベレト視点
俺は金鹿の学級の教室でオレンジ髪の女と筋肉男と会話をしていた。
「あんた、客人かぁ?食堂探してんならここじゃあねぇぞ?」
「バーカ違うよ!ジェラルト師匠の子供だろ?あんた」
「ベレトだ、ジェラルトの事知ってるのか?」
「昔、師匠に助けられた事があってね、そのまま師匠に弟子入りしたんだ」
「初めて聞いたな…ジェラルトに弟子がいたのは」
「師匠、私の事…覚えてるかな」
「ジェラルトなら騎士団長の部屋にいるぞ?」
「そうなのか!ちょっと顔出して行ってみようかな!」
俺に礼を言って立ち去ろうとした時、俺の方へ振り向き…
「私はレオニー=ピネッリ!師匠の一番弟子であり、いつかあんたを超える女だ!じゃあね!」
そう言ってレオニーは騎士団長の部屋へ向かって行った。残された俺は筋肉男と話をする。
「ベレト君は筋肉をいじめてるかぁ?オデは毎日欠かさずいじめてるぞぉ!」
「そうか、例えばどんな感じだ?」
「朝起きてトレーニング!腹空いたら食う!そんでまたトレーニング!夜は寝る前までトレーニング!、こんな感じだ!」
「…あぁ…すごいな」
こいつ、俺よりも力だけは強いかもな。
「オデはラファエル=キルステンだ!ベレト君もオデ達と同じ学級になれるといいな」
俺は教師になるんだがな。まだどの学級かは分からないが…一旦ラファエルと別れ、俺はベレス達の方を見ながら絵を描いている生徒に声を掛けてみる。
「何してる?」
「え⁉︎いつからそこに⁉︎」
驚いた様子で俺に視線を送り慌てて描いていた絵を隠す。一瞬見えたが絵の才能が高いな…
「絵が好きか?」
「あ、はい…先程は夢中になって気付かずにすいません」
「いや気にする事じゃない」
「自己紹介がまだでしたね…僕はイグナーツ=ヴィクターです、名前だけでも覚えてくれると嬉しいです」
「俺はベレトだ、よろしくな…紙とペンはあるか?俺も絵を描いてみたい」
「っ!もちろんあります!一緒に描きましょう!」
「あぁ」
俺はイグナーツと一緒にベレス達がイチャついている場面をこっそり絵にして描く事にした。
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ベレス視点
自分はヒルダ達にようやく解放されて、机の椅子に座っているリシテアに声を掛けてみる。
「こんにちは」
「ん?貴女はクロードを助けたやり手の傭兵さんですね?」
「情報が早いね」
「いえ、少なくともここにいる生徒達はみんな知ってると思いますよ?私はリシテア=フォン=コーデリアと言います、同じ学級になった時はよろしくお願いしますね」
「よろしくね、私はベレスよ」
軽く挨拶を済ませるとまたヒルダがこちらに近づいてきた。
「リシテアちゃん!」
「何ですかヒルダ、私は今ベレスとお話し中なのですが?」
「これあげるよ〜」
微笑みながらヒルダがリシテアに焼き菓子セットを渡してきた。どこから持ってきたんだその量…
「あ…ありがとうございます」
「一人でその量って…すごいねリシテア」
「私は大食いじゃありませんよ⁉︎これはみんなの分です!」
「みんなって?」
自分は視線をヒルダに向けて質問した。
「え?リシテアちゃんの一人分ですけど?」
「え?そうなの?」
再びリシテアに視線を向けると膨らました顔で焼き菓子セットを抱えながらこちらを見ていた。
「…馬鹿」
小さい声でリシテアが呟くとヒルダがリシテアの頭を優しく撫でる。
「子供扱いしないでください…」
自分はその隙にコッソリと教室から出て空いている庭のベンチに座って空を見上げる。
「ほんと、個性的な子達だな」
そう言えば、まだ会ってない生徒がいる気がするんだよな。そんな風な事を思っているとチャイムが鳴り、生徒達が一斉に食堂の方へと歩いたり走ったりする姿が見えた。
「もうお昼の時間か…丁度お腹空いているし、私も行くか」
自分も生徒達の後についていき食堂へと足を運ぶ。中に入ると厨房にアッシュが料理人に混ざっている姿が見えた。
「(そこにいたのか⁉︎)」
自分は軽く手を振ってみるが、アッシュがこちらに気付く事はなかった。
料理長↓
"ごめんねアッシュ今日料理人が一人欠けてるから手伝ってくれない?"と言われた為、丁度ベレス達が散策している間にいなかった。