モバジェネワールド・リメイク   作:擬態人形P

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第49話 PHASE4-5『コア・インパクト』

乗機のジム・コマンドが持たなくなっていたテリー・サンダースJr.は、栗原ネネのジーライン スタンダードアーマーに移った事で事なきを得る。

そして、ネネやハロと3人で、M1アストレイ(シュライク)に閉じ込められた少女達に自己紹介を行った。

少女達は、佐々木千枝、市原仁奈、佐城雪美という名前であるらしく、パニックになりそうになる所を、必死に励ましながらゆっくりと曳航を開始する事に。

 

襲い掛かって来たザクⅡは、緒方智絵里や高槻やよいの活躍もあり、順に撃破をしていく。しかし、初戦闘である綾瀬穂乃香や桃井あずきが、人を殺す事への無意識の抵抗感から、危機に陥ってしまう。

戦いの流れで2人とも自力で乗り越える事が出来るものの、相手を撃墜をしてしまった事で放心状態に。

 

更に、アイナ・サハリンの高機動試験型ザクとシロー・アマダのボールK型が共倒れの形で爆発して、互いに脱出。

只、シローの説得?の影響も有り、アイナは大人しくなり2人でネネ機に保護されるのだが、ここでジェネレーション・ブレイクが発生してしまう。

 

後方から人員輸送船であるテンプテーションに乗ったブライト・ノアが、ティターンズに襲われる状態で逃げ惑っており、危機的状態に。

加えて、強力なモビルアーマーであるメッサーラに乗ったパプテマス・シロッコが迫る。

 

果たして、シンデレラガールズ達は、新たに現れた護衛対象も守り切る事が出来るのか?

 

 

 

「ブライト艦長!?どうして、貴方が追われているのですか!?」

 

キャリー・ベースで、千枝達の乗ったM1アストレイの収納を行おうとしていた高垣楓は、突然の事態にオープンチャンネルで、ブライトに呼びかける。

彼は、シンデレラガールズ達の再会に驚きながらも、掻い摘んで事情を説明した。

 

「実は一年戦争のあと、連邦に居座り続ける事になったのだが、そこでティターンズの横暴に異を唱えてしまってな。そしたら、このざまだ!」

「そんな!一年戦争の功労者ですら、反論したら即消し去る気なの!?一体、人の命を何だと思っているのよ!?」

 

思わず元ティターンズである高森藍子が頭を抱えるが、ここで、神谷奈緒が別の問題点に気付く。

丁度、テンプテーションを狙ったサラミス改のビームは、最悪な事にマゼラン残骸を貫通し、キャリー・ベースと、M1アストレイを曳航しているネネのジーラインを寸断する形になっている。

 

「これじゃあ、あのガンダム顔を回収できないぞ!?どうするんだ!?」

「一旦、離れます!流れ弾が飛んで来る事だけは、絶対に回避して下さい!」

 

仕方なくネネは、M1アストレイを庇うようにシールドを構えながら、キャリー・ベースとは反対の方へと移動をし始める。

結果的に右往左往する形になった千枝達は、再度パニックに陥りそうになる。

 

「はあ………はあ………、ち、ちえ………もう………。」

「かかか、過呼吸になっているでごぜーます!?どうするでごぜーます!?」

「私達………やっぱり、ここで………?」

 

「死なん!死なんから、安心しろ!………おい、そこの2人も元気づけてやってくれ!!」

 

特に千枝の状態が危なくなってきているのを見て、サンダースが必死に鼓舞し、同乗しているシロー達にも援護を求める。

一方で話を振られたアイナは、思わずビックリしてしまう。

 

「ええっ!?で、でも私はジ………むぐ!?」

 

ジオン兵と言いそうになった所で、シローが咄嗟にアイナの口を塞いだ。

もしも、アイナが襲って来た側だと伝わってしまったら、千枝達にショックを与えてトドメになり兼ねない。

この場でこれ以上、少女達がパニックになりそうな要因を増やしたらいけない。

だからこそ、シローは我先にと彼女達を励ます。

 

「大丈夫だ!みんなが付いてる!それに、近づく奴は、この機体の巨砲で全てをぶち抜くッ!!」

「きょ、巨砲は無いですが………でも、ハロが居てくれるから大丈夫ですよ!」

「ハロ!ゲンキ!ハロ!ゲンキ!」

「そ、そうですね!大丈夫だから、みんなを信じて!」

 

そのシローが変な発言を飛ばしたので、話がおかしくなりそうになったが、ネネもハロもアイナも必死にコックピットから少女達を鼓舞する。

ビームが飛来する中で、4人と1体は必死に支え続けた。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

「忍ちゃん、そっちの状況はどう?」

 

一方その頃、隊内通信で藍子は、ジム・スナイパーⅡに乗る工藤忍に話しかけていた。

忍の方でチームを組んでいる奈緒のリーオー、智絵里のトーラス、それに喜多見柚のオクト・エイプは弾薬を多少使っただけでそこまで消耗はしていない。

幸い、ビームで寸断されていながらも、この4機はネネ達の方に居たので、いざとなれば彼女達を守る事が出来る。

問題は、ハイザック・カスタムを操る藍子側であった。

 

「穂乃香ちゃんとあずきちゃんの調子は………?」

「やよいちゃんが気遣ってくれているけれど、今はダメ。とりあえず、キャリー・ベースに近いビームの当たらない範囲にまで移動して貰っているけれど………。」

 

ゲルググキャノンに乗った高槻やよいが誘導してくれているが、ガルバルディβに乗った穂乃香とジンに乗ったあずきはもう、戦力として換算しない方が良さそうであった。

こちらも幸いな事にキャリー・ベース側に居たので、2人を先に回収するように楓に進言をしている。

 

「役に立てなくてゴメンね………。」

「索敵で何とか援護します………。」

「初めての戦闘だから、仕方ないよ。あずきチャンも穂乃香チャンもドンマイ!」

 

柚が慰めるが、正直戦える面々が少なくなるのは痛かった。

そんな中、藤原肇のヅダ、渋谷凛のフルアーマーガンダム7号機、島村卯月のジムⅢ・ディフェンサー、本田未央のパワード・ジムが、シロッコのメッサーラと交戦を始める。

4対1と数的には有意な状態であったが………。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

「とにかく、ネネさんとあの子供達、それにシャトルに近づけないで下さい!」

 

テンプテーションとすれ違った肇の指示で、まずはメッサーラをどうにかしようとする。

肇のヅダがザク・マシンガンを、凛の7号機が背部長距離ビーム・キャノンを、卯月のジムⅢがロング・ライフルを、そして、未央のパワード・ジムがハイパー・バズーカをそれぞれ放つ。

威力も手数も優れた飽和攻撃。

しかし………。

 

「避けてますよ!?」

 

思わず卯月が、驚いてしまう。

飽和攻撃を仕掛けても、敵のモビルアーマーは、ビームも実弾も見えているかのように回避してしまったのだ。

しかも、大きく動き回るのでは無く、本当に最小限の動きだけで。

まるで、それぞれの兵装の飛来するコースが、手に取るように見えているかのようだった。

 

「どうなっているの!?」

 

凛は今までに無い敵の登場に、思わず叫んでしまうが、メッサーラは狼狽した隙を見逃さず、高速で凛機に向かって行き、彼女の目の前でモビルスーツ形態に変形した。

 

「くっ!?」

 

凛は素早くビーム・サーベルを引き抜くが、相手も神速の速さで「ビーム・サーベル」を引き抜き、鍔迫り合いに持ち込む。

出力負けしないように必死に堪える凛に対し、シロッコが何とオープンチャンネルで話しかける。

 

「成程、シンデレラガールズの渋谷凛か………。中々面白い組織のパイロットと出会えたものだ。」

「え!?」

 

これには、凛も他の面々も驚きを隠せない。

目の前のシロッコには、組織名も凛個人の名前も、知られていないはずだ。

それなのに、何故この男はさも昔から知っているかのように話すのか。

 

「何で、私の名前を………!?」

「ニュータイプ。興味があったら調べてみるといい。」

「それって………わ!?」

 

ここで、凛の7号機がメッサーラに蹴り飛ばされる。

丁度そのタイミングで、仲間の危機に未央が「ビーム・サーベル」を振りかざして、割り込んで来たのだ。

 

「ねえ………何、私達の仲間にちょっかいかけてるの!?」

 

怒りの言葉と共に、ブルパッブ・マシンガンを放つが、再びモビルアーマー形態になったシロッコのメッサーラは、回転しながら飛び回り回避。

しかも、上下左右に機首を振りながら、両肩にそれぞれ9発ずつ内蔵された「ミサイル・ポッド」を放ってくる。

 

「うわ!?」

 

シールドを構え、ブルパッブ・マシンガンを放ちながら後方に下がる事で、被弾を避けようとする未央であったが、相手の練度が違った。

自分の視界の外の四方向から回り込むように飛んできたミサイルの雨を躱しきる事は出来ず、左腕ごとシールドが吹き飛び、右腕ごと武装を消失し、両足も飛ばされ、頭部も失われる。

 

「未央!?………このッ!!」

「………あー、大丈夫だよ、しぶりん。………というか、滅茶苦茶加減された。」

 

激高しそうになった凛を、未央がコックピットの中の安全な映像を見せて、咄嗟に引き止める。

冷静になって考えると、確かにダルマにされているのだから、コックピットに1発くらい当てられていてもおかしく無かっただろう。

つまり、この男は、シンデレラガールズがテンプテーションを守るから危害を加えただけで、本当は、今は戦う気が無いという事だ。

 

「それはそれで………!」

「冷静さを失ったらダメって!………ユーグ隊長達の教えもパーだよ!ほら、あの人、フルパワーじゃないとはいえ、はじはじのヅダも振り回してるし。」

 

一応、未央を庇う形になっている凛は、メッサーラの動きを見る。

今は肇のヅダと卯月のジムⅢが必死に対処しているが、相手は2人を沈める気配は一切ない。

それだけ余裕を持って戦っているのは、凛にも見て分かった。

一方でシロッコの方も、未央の仲間への気遣いに感心をしたのか、戦闘中にも拘らず彼女にもオープン回線で話をし始めた。

 

「君は、友の為ならプライドを捨てられる性格みたいだな。ならば、敢えて言おう。素直に撤退はしないか?君達のような未来ある少女達を、ここで潰したくない。」

「それはノーになると思うよ。ブライト艦長とは関わりがあるし。むしろ、それだけの実力があるのに、ティターンズに従う形になっていて虚しくない?」

「フッ………それこそプライドだけでは生きていけないからな。………ん?」

 

ここで、シロッコはキャリー・ベースの方を見る。

そして、凛達も驚く事になる。

何と、新たに出撃してきたモビルスーツ………シグーアサルトが、一直線にダルマにされた未央機の所に向かって来たからだ。

 

「くろちーなの!?」

「楓艦長や沙紀に無茶言って、出撃させて貰ったの。あの子供達が苦しんでいるのは、私のせいかもしれないし、何より前に言ったでしょ?私は貴女を八つ裂きにしたいわけじゃ無いって。」

 

パイロットスーツを見に纏った黒川千秋が愛機を駆って未央機の所に駆け付けると、そっとその機体を抱きしめるように抱える。

あの独房で、未央に諭された事で、千秋は変わる道を選べた。

だからこそ、彼女の危機にはどうしても出たいとごねてしまったのだ。

 

「一応、捕虜でしょ?艦長も大胆な事するなぁ………。」

「私は武器はいらないって言ったけれど、ほとんどはあずきのジンの兵装を使い回せるからって、沙紀達が手配してくれたのよ。………とにかくみんな、未央を母艦に戻してくるわ。」

「お願いします!未央ちゃんを頼みま………アレ?」

 

メッサーラに攻撃を続ける卯月が、千秋に頼もうとした所で、再び空間にヒビが入る。

ジェネレーション・ブレイクが再び起こるのかと思った一同であったが、察知をした穂乃香はモビルスーツハンガーで困惑する。

 

「これは………何?」

「どうしたんですか、穂乃香さん!?」

「この現象は………え?「コア・インパクト」?」

 

聞いた事の無い言葉に一同が首を傾げる中、サラミス改の更に後方から、3機の機体が出現する。

だが、それを見た凛達はまた驚愕をする。

 

その顔は、全部がガンダムフェイス。

1機は白いハモニカのような推進剤にもなる盾を持った「ガンダムXディバイダー」。

1機は赤い飛行機への可変機能を持った「ガンダムエアマスター」。

1期は緑色の重装備が自慢である「ガンダムレオパルド」。

 

「ガンダムが………3機も!?」

「ほう……………。」

 

凛が戦慄し、シロッコが興味深げに見る中、次にこの3機が取った行動は、意外過ぎるものであった。

何と、3機のガンダムのうち、エアマスターが二梃の「バスターライフル」を放ち、背後から近くにいたティターンズのハイザックを1機撃ち抜いたのだ。

 

「おいおい、アタシを楽しませる余裕も無いのか?………ま、所詮、こんな物か。」

 

驚いたもう1機のハイザックは反転してビーム・ライフルをレオパルドに放つが、重装備の機体なのに、簡単に回避をしながら接近すると、インファイトで「ビームナイフ」をコックピットに突き刺す。

 

「ごめんね。こんなところじゃ私達、止まれないんだ。」

 

謎の勢力に追い込まれたサラミス改から、ハイザックが新たに3機飛び出し、ブリッジを守るようにしながらとにかく武装を撃ちまくる。

しかし、残ったガンダムXが背中の推進剤の盾を左手に構え、ある程度接近すると、縦に割って中身を開き、19連装ビーム砲である「ディバイダー」を放つ。

 

「私の前から………消えて。」

 

ハモニカ砲とも呼ばれるその大量の拡散ビーム砲は、3機のハイザックごとサラミス改を撃ち抜き、派手な爆発を起こす。

 

『……………。』

 

あまりにも容赦の無い攻撃に驚く凛達であったが、突如エアマスターのバスターライフルが肇のヅダに向いて放たれ、回避を余儀なくさせる。

 

「あ、貴女達は何者なんですか!?敵!?味方!?」

 

「何言ってるんだ?その括りで言えば、敵に決まってるだろ?」

「ここにいるみんなを倒すのが、私達の希望なの。」

「容赦はしないわ。」

 

思わずマイクで叫んだ肇に対し、勝気な声、子供っぽい声、そして何処か冷たい声が聞こえてくる。

発言している言葉を信じるのならば、この新手はここに居る者全員を消し去るつもりだ。

 

「千秋!」

「ええ!」

 

千秋は凛の言葉を受け、シグーアサルトを駆って未央を連れて、即座に戦域から離脱しようとする。

だが、彼女はちょっとだけ、待ったを掛けた。

 

「何を………!?」

「いやさあ、条件整ったんじゃない?」

「条件って、もしかして………。」

 

卯月が思わず怪訝な顔をする中で、未央は敢えて隊内通信で皆に笑顔を見せて、オープンチャンネルで話しかける。

先程までティターンズに従うしか無いからと言って、対立をしていたメッサーラ………シロッコに。

 

「共闘………しない?」

「フッ………利害は一致しているな。………条件は?」

「こっちは、終わったらそっちを見逃す。その代わり、そっちはシャトルを含め私達を見逃す。………どう?」

「君も中々面白い女だ。………いいだろう、今回は共闘しようでは無いか。」

 

『……………。』

 

 

「コア・インパクト」という思わぬ事態を前に、出て来た謎の3機のガンダム。

更に、本田未央の交渉術によって、シンデレラガールズとシロッコのメッサーラが共闘をする形になる。




ここで、gジェネレーションワールドでは、有り得ないワード…コア・インパクトの登場です。
動画版でも無かった展開ですので、そちらから入った方は驚きかもしれませんね。
gジェネオーバーワールドではあった単語ですから、つまり………?

そんな中で、本田未央さんの交渉術のお陰で、一時的にパプテマス・シロッコのメッサーラが味方になる事に。
また、新たに登場した3機の謎のガンダムのパイロットは、本来の乗り手とは違うみたいですが………?
次回をお楽しみに!
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