モバジェネワールド・リメイク   作:擬態人形P

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第65話 PHASE5-4『白いモビルスーツ』

AEUイナクト指揮官機に乗って乱入して来た輿水幸子。

彼女は、ガンダムエクシアの仲間になる為に、色々とおかしな行動を始める。

 

しかし、エクシアはそれに構わず、GNソードでパトリック・コーラサワーのAEUイナクト(デモカラー)を含む機体を、次々と破壊していってしまう。

非武装状態のハイザック・カスタムで交渉を行う高森藍子が戸惑う中、ジェネレーション・ブレイクが発生。

ベスパのモビルスーツが乱入し、無差別爆撃を開始してしまう。

その中に、Vガンダムに乗るウッソ・エヴィンを見つけた栗原ネネは、リガ・ミリティアの仲間との再会をする事になった。

 

ネネの口から語られるベスパの非道な行動に震え上がる幸子を藍子は逃がそうとするが、ここでシークレット・ユニットも乱入。

ガンダムシュピーゲルの速さに対応出来なかった事もあり、藍子はハイザック・カスタムを失ってしまう。

尚も生身にトドメを刺されそうになった所で、本田未央がガザDで援軍に駆け付ける。

シュピーゲルは深追いをせず、そのまま撤退をしていってしまった。

 

ベスパと思わぬニューロの乱入を受け、混沌とする戦場。

高垣楓は、どんな策を見出すのか………?

 

 

 

キャリー・ベースの操縦士である姫川友紀は、仮面・ニューロの声に既視感を感じていた。

昔、何処かで聞いた事のある声。

しかし、何処だったかまでは思い出せない。

 

(何だろう………今の人の声、本当に何処かで聞いたことあるような………?)

 

「艦長!!応急処置、何とか済ませたっす!キャリー・ベース飛ばせるよ!!」

 

しかし、その思考は整備士の吉岡沙紀の声が聞こえて来た事で、打ち切られる事になる。

 

「友紀!このまま爆撃に巻き込まれるわけにはいきません!キャリー・ベースを浮上させます!」

「ええッ!?交渉打ち切って、とんずらするの!?」

「このままベスパの爆撃で、混沌とした基地にいるわけにもいきません!」

 

爆撃による被害が発生した事で、このままここに居たら、確実に事情聴取などで面倒な事になるのは明白であった。

ならば、この混乱に乗じて離脱を計った方が、安全である。

楓は友紀の傍にまで行くと、その肩に手を置いて、艦内通信で格納庫に指示を出す。

 

「リガ・ミリティアのウッソ君と共に、ベスパを迎撃します!空戦部隊は千秋を筆頭に、奈緒、柚、やよいで連携を!智絵里もトーラスを変形させて、ガザDと攪乱を行ってください!友紀!!」

「わ、分かった!エンジン起動!離脱体勢に入るよ!!」

 

そのうえで、マイクを外に向けて、キャリー・ベースの外にいる藍子やネネに直接事情を話す。

 

「ガザDは藍子にパイロットを変更し、モビルアーマー形態に!ネネはキャリー・ベースの上で対空砲火を担当!敵機を近づけないで!!」

 

流石に病み上がりで寝間着姿の未央にこのままパイロットを任せるわけにはいかなかったので、コックピット内で藍子に操縦を切り替えて貰う。

その上で、シグーアサルトに乗った黒川千秋をリーダーに、グフ・フライトタイプ搭乗の神谷奈緒、オクト・エイプ搭乗の喜多見柚、M1アストレイ(シュライク装備型)搭乗の高槻やよいの4人でチームを急遽結成。

藍子はガザDで、緒方智絵里のトーラスと共に、モビルアーマー形態で別チームを組むことに。

更に………。

 

「後、そこのイナクトのパイロット!貴女も藍子………ガザDのパイロットと協力して、この母艦の進行ルートを確保してください!!」

 

「ハァッ!?ちょっと待って下さい、何を馬鹿言っているんですか!?どうしてボクが貴女達に従わないといけないんですか!?」

 

いきなり話を振られた………というか命令をされた幸子は、思わず動揺しながらも抗議。

彼女にしてみたら、いきなり見ず知らずの母艦の面々に何故従わないといけないのか?………という想いでいっぱいであった。

しかし、楓は敢えて冷徹に声音を落とすと静かに告げる。

 

「先程の戦いで、自分の実力は把握できているでしょう?今新たに出て来たベスパという組織は、モビルスーツの性能は恐らく格上です。それに、ネネの言っていた事、貴女も聞いていたでしょう?」

 

「う………!?流石にギロチンって言っても、女子供は………。」

 

「例外なしです!!貴女も容赦なく首をはねますよ!!」

 

恐らく青ざめていると思われる幸子のイナクト指揮官機の傍に、ゾロの爆撃が落ちて炎が上がる。

完全に固まってしまった幸子の傍に、奈緒機が素早く移動すると、マイクで耳打ちをした。

 

「おい、お前。悪い事は言わねえ。ウチの艦長には従っておけ。過去に大戦でパイロット生命絶たれた人なんだ。舌先三寸の奴等より、余程言っている事に信ぴょう性がある。」

「わ、分かりましたよ………。従ってあげますよ………。」

 

奈緒の言葉が決定打になり、渋々と納得したのか、幸子はイナクトをモビルアーマー形態に変形させ、ガザDに続いて飛行を開始する。

楓や奈緒の物言いは厳しかったが、パニック状態に陥っていた幸子に明確な行動指針を示した事で、上手く彼女をコントロールさせられた。

これにより、今後滅茶苦茶な行動を起こす可能性は低くなったと言える。

只………。

 

「なあ、お前………ついでに聞くけれど、人殺した事無いだろ?」

「え!?な、何を物騒な事を言うんですか!?というか、皆さんあるんですか!?」

「やっぱりなぁ………。」

 

空に飛びあがりながら追加で質問した奈緒は、あからさまに溜息を付いてしまう。

先程幸子は、パトリックのAEUイナクト(デモカラー)のコックピットでは無く頭部を狙った。

その上、自身のコックピットを狙われた時に、明らかに動揺をしてしまったのだ。

どういうわけか、モビルスーツの扱いは少し出来るのに、敵機を撃墜した事が無い。

これは相当面倒な立場の人物と一緒に行動する事になると、奈緒だけでなくシンデレラガールズのパイロット達は内心思ってしまっていた。

 

「藍子、何か有ったら頼む………。」

「う、うん………努力するから………だから、私達の後ろに付いて来てね。」

「は、はい………分かりました………。」

 

それで、前線に向かっていく奈緒のグフ・フライトタイプ。

幸子はどうしてこうなってしまったんだろう………と頭を痛めていた。

一方で、楓はキャリー・ベースを離陸させながらも、指示を出していく。

 

「ウッソ君はともかく、そこの青と白のガンダム。勝手ですけれど、援護させて貰います。こうなった以上、貴方達がどう思おうと私達は運命共同体になってしまっていますからね。」

「……………。」

「えっと………こっちとしては嬉しいですけれど、貴女達は………?」

 

ガンダムエクシアの方はずっと無言を貫いているが、ウッソの方はネネ以外の人達と話すのは初めてだったのか、おずおずと聞いてくる。

そこで、柚がオクト・エイプの肩をVガンダムにくっつけて、接触回線で話す。

 

「シンデレラガールズって言うんだよ、ここでは公に出来ないけれどネ。」

「シンデレラガールズ………。」

 

「何をガタガタ話してやがる!!」

 

しかし、ここでガリー・タンのゴッゾーラが2機に向かって、大胆にもマイクで叫びながら「マルチ・ランチャー」の弾頭を放ってくる。

下手に撃ち落とすと閃光弾であった時に不利なので、ウッソと柚は離れるようにして回避。

尚も、Vガンダムを僚機のゾロの2機と共に狙おうとするガリーであったが、1機が爆発を起こす。

 

「チッ!?俺達はイエロージャケットだぞ!?」

 

Vガンダムと爆撃に気を取られるあまり、体勢を立て直し、編隊を組みなおしたAEUヘリオン4機の「ミサイル」の一斉射を喰らってしまったのだ。

慌てて残りの僚機のゾロが「マルチ・バズーカ」の実体弾を放ち、ヘリオンを撃ち落としにかかる。

だが、その隙を逃すほど、シンデレラガールズの一員になった千秋は甘くない。

 

「懐が、がら空きね!」

 

素早くアサルトシュラウドの高機動力で接近すると、敢えて下から斬り上げるようにゾロを重斬刀で斬り裂いてみせた。

自分達に有利な動きを見たのか、まだ2機残っていたヘリオンは、引き続きリニアライフルを放ちながら、リカールへと向かう。

 

「舐めて貰っては困る!」

 

ところが、メッチェ・ルーベンスが上手くリニアの弾を回避しながら、機体両脇の「ビーム・キャノン」で瞬く間にヘリオンを同時に蒸発。

尚も、機体中央部の「メガ粒子砲」で千秋のシグーアサルトを狙うが、千秋は敢えてギリギリの挙動で回避。

 

「何かフライパンみたいです………ね!」

 

千秋が囮になった事で、やよいのM1アストレイが、ビームライフルを横合いから連射。

その内の一撃が、リカールの後部を掠める。

しかし、初めて実戦で使う部分があったからか、少々照準にズレが生じてしまった。

 

「もう一撃………あ!?」

「……………。」

 

だが、ここでやよい機の横合いまで来ていたガンダムエクシアが「GNバルカン」を放ち、リカールに追撃を放ってくれる。

斬撃に比べると杜撰な一撃であったが、やよいに合わせる形で放たれた事も有り、リカールはダメージが蓄積し、後部から煙を吹く。

 

「メッチェ、ここは退くぞ!!」

 

尚もGNソードで追撃をしようとするガンダムエクシアを見て、ファラ・グリフォンはメッチェに撤退を指示。

メッチェも深追いはせず、リカールを反転させて飛び去って行く。

 

「……………。」

「援護してくれたんですね、ありがとうございます!」

「……………。」

 

エクシアのパイロットはずっと無言だ。

しかし、やよいはしっかりと礼を伝えた。

 

 

 

 

「どいつもこいつも………!俺を雑魚と一緒にするなよ!!」

 

一方で僚機が簡単にやられ、リカールが想像以上に早く撤退した事で、ガリーは苛立ってしまっていた。

単騎になっても勇ましくウッソ機に向かおうとするが、ここは多勢に無勢。

状況が読めなくなってしまった以上、注意力は散漫になってしまっていた。

 

「うお!?」

 

気付けば浮上するキャリー・べースに接近しすぎていた為、ネネのジーライン スタンダードアーマーの弾幕をまともに受けてしまう。

左足が破壊され、ビームローターで保っていたバランスを崩してしまった。

 

「し、しまっ!?」

 

「ぶった斬る!!」

 

ここで奈緒のグフ・フライトタイプが「ヒート・サーベル」で斬りかかった。

咄嗟にゴッゾーラは飛びのくが、下半身を斬り裂かれた事で、戦闘継続が不可能になる。

 

「俺は………俺は、ガリー・タンなんだ!貴様等などに、負けるはずが………!」

 

悔しそうに呻き声を放つが、ガリーはそのままリカールを追いかけ北へと逃げて行った。

 

 

 

 

ベスパの敵機は、迎撃する事に成功した。

しかし、ここでまた空間にヒビが入る。

ジェネレーション・ブレイクが更に発生したのだ。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

タワーの更に北西部分の上空で、青いジェット機のような母艦………「スーパーソニックトランスポーター」が戦場を注視していた。

その艦長を勤めるOZ士官が、隣の仮面の人物に話しかける。

 

「ゼクス特尉、目標を補足しました。OZ本部の話が正しければ、あの小型の白いモビルスーツが、リガ・ミリティアの新戦力であり、反抗活動の象徴、ガンダムらしいです。」

「そうか………。しかし、それとは別に、様々な種別のモビルスーツがいるな。特に、あの光の粒子を発する青と白の機体。あのような機体は、初めてだ。」

 

話を振られた仮面の人物は、戦場をマジマジと眺めながら、興味深そうに呟く。

GNソードを構えてスーパーソニックトランスポーターを睨みつけてくるエクシアに対し、あくまでも冷静だ。

それだけその人物………ゼクス・マーキスは実力者であるとも言える。

 

「次元の歪みの影響とは思いますが、どういう機種でしょうかね?」

「分からん………。確かなのは、「連合」と「OZ」と同等か、それ以上の技術が積められているという事だ。………「トールギス」は使えるか?」

 

ゼクスの言葉に、OZ士官は僅かに驚く。

 

「はい。しかし………まさか、トールギスであの不明機と?」

「私のトールギスは十分速いさ。それに………あのような強敵、無下にできんだろ。」

 

そして、素早く格納庫へと向かうと、「エアリーズ」2機と共に、白い騎士のような機体………トールギスは出撃を行う。

 

「最強の敵として認めあい戦う。その申し出を受けざるを得まい。ガンダムのパイロットとして!」

 

ライトニング・バロンの異名を持つゼクス・マーキスが、戦場へと君臨した。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

「うわああああああ!?トールギス!?てことは、もしかしなくても、連合かOZか!?」

 

そのトールギスの姿を見るなり、震えあがったのは奈緒。

いきなり、恐慌状態に陥る彼女の異常さに、やよいは思わず問う。

 

「OZ?トールギス?奈緒さん知っているんですか?」

「トールギスはバケモノクラスのモビルスーツなんだよ!下手なガンダムよりも、数段ハイスペックな機体なんだ!単機でもアタシ達全員相手に出来るんだぞ!?」

「ええ!?」

 

奈緒のとんでもない発言に、やよいは衝撃を覚える。

 

 

戦場に乱入してきたトールギスというモビルスーツ。

乗り手と合わせ、その実力は如何に………?




ゲームの仕様上仕方ないのですが、対立するはずの敵勢力同士が一緒に襲ってくる現象に、ツッコミたくなった方も多いと思います。
小説だと、そういう所は柔軟に描けるのが利点ですよね。

そういうわけで、ベスパ陣営はあまり活躍出来ませんでしたが、次に出て来たOZは一味違うみたいで…。
神谷奈緒さんは、何かトールギスの事を知っているみたいですが…?

次回、激戦です!
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