ベスパの爆撃が始まる中、吉岡沙紀達の尽力もあり、キャリー・ベースの応急修理が直ったので、高垣楓は巻き添えを回避する為、急遽離陸させる決断をする。
その中で、素早くシンデレラガールズの面々に指示を飛ばしていくが、パニックになっていた輿水幸子にも、強気の姿勢で強引に従える事に。
更に、ガンダムエクシアのパイロットや、Vガンダムに乗ったウッソ・エヴィンにも運命共同体だと言って協力を無理やり取り付けると、共にベスパの迎撃を始める。
ベスパのモビルスーツはゴッゾーラやリカールと強力であったが、軍事基地のAEUヘリオンの抵抗が激しかった事と、相手の機体数が少なかった影響も有り、撃墜&撤退をさせる事に成功させる。
しかし、ジェネレーション・ブレイクは続き、ここでゼクス・マーキス率いるOZが参入。
トールギスで出撃した彼の姿に、何かを刺激されたように戦慄する神谷奈緒が、1機でシンデレラガールズ全機を相手に出来るという衝撃的な言葉を放つ。
ライトニング・バロンと呼ばれるゼクスの登場。
その実力の前に、シンデレラガールズはどうするのか………?
「では、参ろうか。」
ガンダムエクシアの粒子により通信は相変わらず阻害されているので、ゼクスはマイクで高らかに宣言をする。
そして、トールギスのシールドの裏から「ビームサーベル」を取り出すと、背中のバーニアを展開し………。
「まずは………挨拶と行こうか、オレンジのガンダム。」
「え………?」
自分のM1アストレイ(シュライク装備型)の事を言われた高槻やよいは、次の瞬間目を見開く。
バーニアを展開したトールギスは、今までのモビルスーツでは有り得ない………それこそ、あのハイザック・カスタムを細切れにしたガンダムシュピーゲルよりも更に高機動の動きを見せたかと思うと、M1アストレイに向かって、真っすぐ突っ込んできたのだ。
「うわ!?」
眼前に迫ったトールギスが、いきなりビームサーベルを薙ぎ払うように振って来たので、たまらず耐ビームシールドで防御。
しかし、トールギスの推進力が馬鹿にならなかった為、シールドごと押し飛ばされるように思いっきり弾き飛ばされてしまう。
「やよいチャン!?」
慌てて喜多見柚のオクト・エイプがバランスを崩したやよい機を捕まえて墜落を防いでくれるが、やよい自身は強烈な眩暈を覚えてしまう。
だが、事前に攻撃を宣告されていなければ、防御すら間に合わなかったと思うと、彼女は恐ろしい物を感じた。
そして、この突進力には、やよいの隣にいたガンダムエクシアのパイロットも意表を突かれていたらしく、すぐさまGNソードを振りかぶり、応戦しようとする。
「その力量では当たらないさ!」
「!?」
だが、今まで臨戦態勢の敵は全て斬り刻んでいたその刃は、咄嗟に飛びのかれた事で簡単に外れてしまう。
あっという間に距離を取ったゼクスは、今度は「ドーバーガン」を構え、動き回りながら実弾を連射。
この射撃の際の機動力も有り、ガンダムエクシアは初めて左腕部のGNシールドで防御をせざるを得なくなる。
「気を付けろ!トールギスのドーバーガンは、実弾と強力なビームを使い分けられる!」
「ねえ、奈緒………貴女まさか、そのトールギスに乗った事があるの?」
「………不本意ながらあるんだよ!ついでに言えば、あの丸いシールドは耐ビームコーティングがされている!ビームなら通用するって思うなよ!!」
シグーアサルトを駆る黒川千秋の質問に、グフ・フライトタイプに乗る奈緒は、苦虫を潰したように答える。
この奈緒の情報もあり、トールギスの武装に関しては事前に知識を得る事が出来たが、だからと言って、それで驚異的な機動力に対処できるわけでは無い。
今度は、ビーム・ライフルを連射していたウッソのVガンダムの傍を上下左右に縦横無尽に動き回ると、斜め上からドーバーガンを放つ。
「うっ………!?」
次に放たれたのは、実弾とはスピードも威力も異なるビーム砲であった為、初見であるウッソは回避が追い付かない。
奈緒の事前情報があったから撃破される事は無かったが、右膝から下を持っていかれてしまう。
「何なのアレ!?ベスパ何かよりも、全然動きが違う!?」
ウッソの言う通り、ゴッゾーラやリカールとは全然速さが違う為に、ここにいる全員が戸惑ってしまっていた。
そして、その隙を逃すまいと、今度は僚機のエアリーズ2機がウッソに向かって襲い掛かって来る。
「不味い!迎撃します!」
「分かりました………!」
「え?え?え!?」
そうはさせまいと、ガザDに乗った高森藍子を筆頭に、トーラスに乗った緒方智絵里、そして戸惑いながらもAEUイナクト指揮官機に乗った幸子がモビルアーマー形態で向かって行く。
「幸子ちゃん………だっけ!その機体も「ミサイル」を撃てるのならば、適当に撃って!」
「は………はい!?」
言われた幸子は、その通りに先行していた1機に向けてミサイルを乱射。
流石に直撃が怖かったのかエアリーズには当たらないが、回避コースを狭める事は可能だった。
「智絵里ちゃん、時間差攻撃!」
そこに、藍子がモビルアーマー状態の機首に装備されている2門の「ビーム・ガン」を発射。
エアリーズは、それでもきりもみ回転をするようにして回避をするが、この時を狙っていたかのように、智絵里がトーラスのビームライフルを放つ。
これにはエアリーズも対処しきれず、直撃を受けて落とされてしまう。
「う、うわ!?本当に落とした!?」
「あ………もう1機、来ます!?」
幸子が騒ぐ中、智絵里の警告通り残ったエアリーズが、藍子達の編隊を横切るように加速すると、後方で急旋回して、最後尾の幸子機に向く。
明らかに殺意を向けた敵機は、左手で「ミサイルポッド」を放ち、更に右手で「チェーンライフル」を連射する。
「何でボクを狙うんですか!?」
だが、何故か操縦技術だけは優れている幸子は文句を言いながらも、有り得ない位に綺麗に宙返りをして攻撃を回避。
そのまま、驚きを見せるエアリーズの背後に回り込む。
「ボクに………ボクに撃たせたのは貴方ですからね!?」
流石に狙われた事で、四の五の言っていられないからなのか、そのまま機首を加速しようとしたエアリーズに向けると、「リニアライフル」を乱射。
この背後からの砲撃には対処しきれなかったのか、もう1機のエアリーズは反転する事も出来ず爆散する。
「へ?………お、落とした?ボクが………?」
「幸子ちゃん!キャリー・ベースに着艦して!」
「で、でも………。」
「いいから!ネネちゃん、お願い!!」
初めて人を殺してしまった事で動揺をした幸子に、これ以上の戦闘継続は無理だと考えた藍子は、素早くジーライン スタンダードアーマーでキャリー・ベースの対空砲火を担当している栗原ネネに指示を飛ばす。
幸子は言われるままにモビルスーツ形態に変形すると、フラフラと飛行をしながら、ネネのジーラインの手を取る形で母艦に預けられた。
一方、片足をやられたウッソのVガンダムは、柚のオクト・エイプが支えていた。
だが、何とか戦線に復帰出来たやよいは、奈緒と共に迎撃をしようとするものの、トールギスの機動力の前に、ビームライフルもガトリング・シールドも当てられない。
むしろ、積極的に斬りに行っているガンダムエクシアの邪魔になり兼ねないので、上手く射撃が出来ない状態だ。
そのエクシアも、トールギスに簡単に翻弄されている。
「………柚、ビームサーベル貸してくれる?」
「いいけど………千秋サン、策があるの?」
「そんな名案は私には無いわ。でも、あのトールギスって機体………「死角」はあるんじゃないかしら?」
「死角?」
あくまで冷静に敵機を分析していた千秋は、柚からビームサーベルを受け取ると、代わりにこの戦いでは使い物にならない重斬刀を預ける。
彼女が言うには、トールギスはビームサーベルによる接近戦とドーバーガンによる遠距離戦の2種類がメインとなっている。
しかし、ドーバーガンは実弾もビームもその火力故に、チャージタイムが存在する。
つまり、ある程度つかず離れずの接近した絶妙な間合いを保てば、相手はビームサーベルも含め、武装を上手く扱えないと踏んでいるのだ。
「確かにトールギスは、ビームライフルのような便利な武器は無いけれど………その為の機動力とシールドだろ?現にあの粒子を放つガンダムが振り回されてるし………。」
「大振りの大剣を考え無しに振り回してるからよ。………こっちはその分、戦える人数がいるわ。やよいとあのガンダムのパイロットと3人で挑めば、現状よりは状況は良くなるはず。」
千秋はそう言うと、76mm重突撃銃とキャットゥス500mm無反動砲を下がって来た奈緒のグフ・フライトタイプに預ける。
そして、右手で柚のビームサーベルの感触を確かめながら、左手の前腕部と肩の武装………28mmバルカンシステム内装防盾を奈緒に見せた。
「その為のカギになるのは………「バルカン」よ!」
「バルカン!?」
驚く奈緒を後目に背中のアサルトシュラウドを展開すると、機動力を最大まで高める。
そして、左前腕部のバルカンを撃ちながら、やよいにマイクで叫ぶ。
「やよい!ビームライフルは仕舞って、イーゲルシュテルン乱射!耐ビームシールドで突撃する勢いで突っ込んで行って!」
「はい!」
やよいは千秋の言う真意を理解してなかったが、言われた通り、両手でシールドを構えるようにして、頭のイーゲルシュテルンを連射する。
更に、下から周り込むようにしながら、エクシアのパイロットにも命令を出す。
「そこのガンダムのパイロット!さっきフライパン相手にバルカンみたいな物を使ったわね!?剣を無駄ぶりせずに、なるべく上を取って、盾で身を守りながらそれを連射して!私は下!やよいは正面から攻めるから、ちゃんと言いつけを守って!」
「……………!」
こちらは、千秋の言いたい事を即座に理解出来たのか、無言でありながらもGNソードを仕舞い、なるべく上を取りながらGNバルカンを連射する。
千秋もまた、左腕の盾からバルカンを放ちながら、ビームサーベルを右手で構えて下から突っ込む。
当然、千秋の指示はゼクスも聞いており、その戦況を見極める目に内心舌を巻いていた。
「突進します!」
やよいのM1アストレイが、馬鹿正直にイーゲルシュテルンを放ちながらシールドを構えて突っ込んでくるので、ゼクスはシールドとビームサーベルを構えなければならない。
もしも、ここで離れてドーバーガンを撃とうとしたら、チャージタイムの内に3機のバルカンで武装が破壊されてしまうだろう。
しかし、シールドとビームサーベルで対処しようとするにも、やはりバルカンが邪魔になる。
誰かの武装を受け止めてしまったら、上下左右後ろの何処かの死角から、残りの2機に襲われるからだ。
たかがバルカンとはいえ、牽制攻撃が想定以上に邪魔になってしまい、ゼクスは先程までのように思うように攻撃できなくなってしまっていた。
「だったら………これならどうかな!?」
そこで、彼は戦術を変える。
動き回りながらシールドを構えていた彼は、ビームサーベルを突きの構えにすると、むしろ自分からやよいのM1アストレイに突っ込んで行く。
トールギスは装甲にも長けているらしく、ある程度のイーゲルシュテルンの弾は無視してやよいの構えているシールドに、思いっきり突進突きを喰らわせたのだ。
「くっ………!?」
ビームの突きはコーティングで守れるとしても、突進力まではシュライク装備のM1アストレイでは対処できないらしく、また弾き飛ばされてしまう。
しかし、その隙に下から千秋が左前腕部と両肩のバルカンを撃ちながらビームサーベルを同じく突きの構えを見せてコックピットを狙う。
「予想の範疇だ!」
ビームサーベルで受け止めたら、バルカンで破壊されると思ったゼクスは、シールドで砲撃と突撃を受け止める。
シグーアサルトの推進力は相当な物であったが、トールギスには及ばない為、こちらは吹き飛ばない。
「ソード!!」
「おっと!」
千秋の叫びの意味を理解したゼクスは、咄嗟にトールギスでシグーアサルトを蹴り飛ばすと、上からGNソードを振りかぶって来たエクシアの一撃を、後ろに飛びのく事で回避して距離を取る。
だが、エクシアはすぐにGNソードを仕舞い、GNバルカンとGNシールドを構えて隙を見せない。
更に、ここでシールドを構えてやよいが復帰してきた為、戦いは振り出しに戻る。
「中々やるな。ここは、根競べと行こうか?」
「………その割には余裕ね。」
続けて千秋も復帰してきたので、縦に並んだ3機がトールギスと相まみえる体勢に変わる。
勿論、ゼクスはまだまだ余裕だ。
しかし、千秋の方も声音は強気だ。
やよいも千秋を信じているので、弱気にはならない。
エクシアのパイロットは、相変わらず臨戦態勢だ。
だが………ここで、驚く事に、初めて「彼」が喋った。
「………この先の策はあるのか?」
「え?」
マイクに反応したやよいは、声変りをしたような少年の声に一瞬呆けたが、すぐに笑みを向けると話をする。
「大丈夫ですよ、千秋さんは強いですし………私達には、沢山の頼もしい仲間がいます。」
「仲間……………?」
エクシアのパイロットが、何処か自信のあるやよいの言葉に、疑念を示した時であった。
「な!?」
再び攻撃に転じようとしたトールギスの円形のシールドに破壊力のある弾丸が炸裂し、上半分が粉々に吹き飛んだ。
黒川千秋さんが考えた戦法は、ぶっちゃければトールギスが射程2マスに穴がある事を利用した物になります。
三位一体で囲い込むように攻める事で、相手に隙を作ろうという忍耐力が求められる作戦っですね。
只、ゲームの序盤では、こうした強敵に対しては、射程の穴を攻めていくのが基本になりました。
エクシアのパイロットが疑問を持つ中、トールギスにダメージを与える事に成功しますが…果たして、誰が何を撃ったのか?
実体弾ではありそうですが…次回、答え合わせです!