「バスと列車を乗り継いで3日か」
「どうするどこかで車でも捕まえて最寄りのバス停か駅まで連れてい行ってもらう?」
「いいや、たしか倉庫にバイクが置いてあったはずだ」
そういって倉庫まで足を運ぶ。
するとそこにはガレージを開けて待っている少年が一人いた。
「兄ちゃん、姉ちゃん、どこに行くつもり?」
「おいおい、英司。まだ午前2時だぜ」
「そうだよ英司。健全な男の子はまだ寝てる時間だよ」
「どうせシスターの眼を盗んでなんかしに行くんだろ?」
はぐらかしてもよくなさそうなので真実を口にする。
「シスターが未知のウィルスに感染した」
「それの抗体を作るためにちょっと火星まで足を運ぶつもりなの」
「姉ちゃん、それはちょっとていうような場所ではないと思うんだが」
英司はガレージから退いた。
「シスター助けに行くためならバイク使ってもいいぜ」
「シスターには、長期海外旅行中とでも言っといてくれ」
「あぁ、わかったよ。だけど兄ちゃんたち絶対無事に帰って来いよな」
「大丈夫だ。仕事内容はただコケとか拾ってくるだけらしいから」
ガレージの中に入ってサイドカー付きのバイクのエンジンをいれる。
「10年以上も動いてなかったはずなのにエンジン動くんだな」
「あたりまえだ。俺が5年間ずっと整備してたんだから」
英司がうちに来たのが3つの時だから。
「おまえ、8つの時からいじってたのか?」
「シスターに教えてもらったんだ」
「あの人、ほんと何でもするな」
そう言いながら俺は二人分の荷物をサイドカーに入れる。
「シルヴィー、後乗れ」
俺は運転席の後ろにシルヴィーを乗せたことを確認するとバイクを走らせた。
「ちゃんと帰って来いよな!」
英司が後ろから声をかけたので俺たちは手だけ振っておいた。
それから1時間、休むことなくバイクを走らせる。
「あとどれぐらいで着くの?」
シルヴィーの質問に答える。
「あと1時間ぐらいでU-NASAの近くまで行ける駅に着く」
「ありがと—」
走り続け駅に着く。
「バイク、どうするの?」
「孤児院に送る」
「どうやって?」
「先生を使う」
シオンは携帯電話を取り出した。
そしてアドレス帳から名前を探し出し電話を掛ける。
「もしもし、先生ですか」
はて、先生とはどちらだろうか。
シオンは剣術と合気道を孤児院で教わっていた。
「はい、今駅の前にいます」
その言葉から十数秒後、目の前にトラックが止まる。
「シオン、何を運んでほしいんだ?」
トラックの窓から顔を出したのはシオンに剣術を教えてくれていた先生だった。
「このバイクを孤児院まで運んでほしいんですが」
「べつにいいぜ」
「ありがとうございます、ジョニー先生」
「べつにいいってことよ」
ジョニー先生はバイクをトラックの荷台に乗せると車を走らせていった。
「それじゃ列車に乗るぞ」
「ジョニー先生、何も聞かなかったね」
「あの人はそんな人だ。陽気なように見えて深くには絶対入ってこない」
「変な先生だね」
「俺の師匠はどっちも変な人だったぜ」
「シスターも?」
「あぁ、そうだ。あと乗車券だ」
シオンから乗車券を受け取る。
「もうすぐ列車が来るぞ」
私たちは急いで乗車券を見せ列車に乗る。
「UーNASAまで6時間だ。寝れる時に寝ておけよ」
「あんたもね」
俺たちは個室に入って目覚ましをかけ睡眠をとる。
『・・・・・』
あれから何時間たっただろう。
大きな音が聞こえる。
まだ寝ぼけているせいかうまく聞き取れない。
「シオン、もうすぐ目的地だよ!」
今度はシルヴィーの声が聞こえる。
「あぁ、・・・すまない。ちょっと寝すぎてた」
目覚ましを見ると時間は過ぎていて音はなっていなかった。
たぶんシルヴィーが止めてくれたのだろう。
「あと、一駅か」
「なに、ビビってんの?」
「別にそう言うわけじゃないが」
「なら、いいけど」
あと少しでシスターを助けてあげられる。
だが、コケ取りに行くだけなのにここまで大きな募集をする必要があるのか?
考え事をしていると目的地に到着した。
俺たちが列車から降りると目的地は見える場所にあった。
「あれがU-NASAの基地」
「あれがシスターを助けられるかもしれない場所」
二人は目的地へとまっすぐにむかっていく。