TERRAFORMARS 英雄の名持つ二人   作:ルノア

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長らくお待たせしましたかなり久しぶりの投稿です。
もしかしたらへたくそになってたりするかも知れませんがどうぞお読みください。


つかの間の休息

地球から旅立ちあれから数日39日で火星に到着すると聞いたが。

そんな緊迫感もなく今は膝丸やマルコス、アレックス達とキャッチボールをしている。

アレックスの投げたボールが俺のミットに吸い込まれていく。

受け止めたボールからミット越しにまで伝わるぐらいの威力が手につたわる。

「本当にこれだけは勝てる気がしないぜ」

ミットをはずし手を開いたり握ったりして感覚を治す。

「これだけとか言うなよ!」

ミットからボールを拾い上げアレックスめがけてかるく投げる。

「もういっぺん言ってみろテメェ!」

少し離れた場所から大きな声が聞こえた。

「あの金髪ってお前らの班のとこだろ?」

「ピリピリしてんなー」

「止めに入った方がよくない?」

どうやらマルコスと同じ班の人間らしい。

シーラの止めに入るっていう点には同感だ。

「じゃぁ、俺が止めてくる」

俺は走って金髪の男の前に出る。

それと同時に金髪の少女、つまりシルヴィーが黒髪の男のまえに立つ。

「おい、金髪ゴリラ。これ以上騒ぐならぶん殴るぞ」

「誰がゴリラだ!」

おや、さらに怒らせてしまっただろうか?

「そんな言い方じゃ、気持ちは伝わらないよシオン」

シルヴィーはそう言い黒髪の男に向き直る。

「そういうのはこういうんだよ」

「なんだお前もそこのゴリラと同じ親に捨てられたたちかとんだクズだなその親」

シルヴィーは無言で男の玉を蹴りぬく。

「アガァ!!?」

男は悶絶し倒れ伏す。

(シスター)を馬鹿なしたなお前」

憤怒がこもった眼で男を見下げる。

「おいゴリラ、お前もこうなりたくなかったらおとなしくしといたほうがいいぞ」

「お、おう」

金髪の男はシルヴィーの豹変ぶりに気おされ下がっていく。

「うわぁー、スゲー痛そう」

「こっちまで伝わってきそうだぜ」

思わず膝丸とアレックスは又の物を押さえる。

マルコスに関しては顔を真っ青にしてあとずさる。

「おら、なんか詫び入れろや!」

シルヴィーは男の脇腹に蹴りを決め吹き飛ばす。

「おい、止めなくていいのかよ?」

「膝丸、俺たちにとって親とは命の恩人だ」

「おう」

「故にそれを馬鹿にしたあいつの身など決して案じん」

「でもよ、あのままじゃ」

シルヴィーは男の頭を踏みにじる。

「その口は飾りか?」

シルヴィーの声は低く響く。

「大丈夫だ、任務に支障をきたすレベルの怪我はさせないだろうよ」

「なんか言ってみろよ」

シルヴィーの蹴りが男の腹へと吸い込まれようとした瞬間静止の声がかかる。

「そこらで止めておけ」

その声はアドルフ班長のものだった。

「いくらそいつがクズでもそれ以上は任務に支障が出るだろ」

「いいえ、これぐらいならあと3発は問題ないはずです」

「いいや、3発ぐらい我慢しろ」

男はその間に逃げようとする。

「わかりました」

シルヴィーは振り返り男をつかみ上げ拳を振るう。

男に吸い込まれていくはずだった拳は割り込んだ少年の顔にめり込んだ。

「イワン!?」

シルヴィーは思わず手を放しイワンを受け止める。

「何やってんの?あんな奴かばう必要はないのに」

「いや、仮にもシルヴィーさんはうちの班の人間ですしこれ以上手を汚す必要はないっすよ」

男はその隙に逃亡する。

「シーラ悪いが救急箱持ってきてくれ」

イワンの顔は鼻血で赤くなっていた。

シルヴィーはイワンを抱え背をかけれる通路のベンチまで移動する。

それに俺たちもついていく。

「全く、たいして間なんてなかっただろうによく潜り込めたな」

「待てよ、そこ褒めるとこかシオン!?」

「シオンも燈もイワンを茶化すな」

「待てよアレックス、俺は関係ないだろ!?」

「僕毎回あんなことしてるんであれぐらいなら楽勝ですよ」

「それなら受け身の摂り方とかも覚えるべきだな」

「精進します」

「だけど身をもって静止させるその勇気はかっこいいと思ったよ」

シーラのその言葉にイワンが顔を染める。

「わかりやすいなお前」

「ひ・・・他人が一目ぼれするところ初めて見た・・・」

「だってこんな優し子ロシアにいません・・・」

「でもなーイワン」

燈が言わんとしてることは予想がついた。

だから俺とシルヴィーは思わず目をそらしにやけてしまった。

「シーラに恋するなら険しい戦いになるぜぇ?」

そうだ何せ競争相手は・・・

「なんたってシーラの好きな人はあの艦長だからな」

シルヴィーはたまらず吹き出し、

マルコスとアレックスは驚いたような顔をし、

エヴァの静止は燈には届かず、

シーラは顔を染める。

「い・・今のオフレコです。書いたらもうその社終わりだから」

「遅いよ!!!」

「ていうか何で知ってんだよ」

「いや・・前にミッシェルさんが言ってた気が・・」

「部下のことを知ることはいい上司につながるていうことか」

「そういやあの人は何で知ってたんだろ・・」

「おいッしっかりしろマルコス!」

「べ・・・別に・・・?うちの方が男子力高いし」

その後、一度解散しおのおの艦内で到着までの時間を待つ。

 

 


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