大罪と美徳
それぞれ神が与えられた聖典に記述される概念である
大罪は『人間が人間である限り人間を罪に導く欲望や感情をさし』であり
美徳は『人間的徳の中心的役割を果たすもの』である
そして大罪と美徳はそれぞれ対応している
大罪は人を死に至る罪を犯させ、美徳はそんな大罪を打ち倒す
憤怒に慈愛を、嫉妬に忍耐を、怠惰に勤勉を、強欲に救恤を、暴食に自制を、色欲に純潔を、傲慢に忠誠を
それらは恐ろしく素晴らしく、そして神々しい
……何故いきなりこう考えたのか
それは簡単だ、自らに突き刺さる刃物、溢れ出る血、刺した者に歓声を送る者、刺した者に怒る者、これらを見てふと思ったのだ
――政治を行い人を救う美徳を持とうと思った……しかし世の中というものは刺激を求め助けた者達に刺された
誰より正義を行こうとすれば正義で救った者が理不尽に怒り、誰よりも悪を行けば助けなかった者達が何故助けなかったと怒る
この人の世では美徳を持つ者などおらず全てが大罪を持つ者達だ
……怒りが湧く、私が……俺が助けたのに何故俺を殺す……何故、正義を進む俺をまるで悪かのように蔑む……愚かな俗物共め、次があるなら貴様達を救って……そして踏み躙ってやる‼︎
つまらない俺の人生はそんな最期で終わった……はずだった――
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「な、なんなんだよぉ‼︎お前‼︎俺たちがお前になんかしたのかよ‼︎」
俺の目の前にいる無様な“ヴィラン”がそう叫ぶ
……何か、何かか
「俺の目の前で“生きてる”じゃないか、それにムカついたんだよ」
「生き、てる……だけで?」
「んー“だけ”?……そうそうよく分かるじゃないか‼︎愚かしい俗物の中では話が分かる方じゃないか‼︎」
――俺の前で息をするな、俺の気分が汚れる
そう呟いてから目の前のヴィランを消す
路地裏が血まみれになっちまったが……俗物が生きているよかマシだな
「あぁ〜そろそろ俗物処理も欲の発散も出来なくなるとは……だが目的に近づくのだから仕方ないな」
そう言って月に真っ赤に染まった両手を向ける
「誰よりも優れて誰よりも尊敬され誰からも信頼されるヒーローになって――」
俺の影が歪み異形の姿形となり吠える
『――全てを裏切って最高のパーティを‼︎‼︎』
鳥も鼠も猫も近くにいたあらゆる生物が“ソレ”に怯えてこうべを垂れる
“悪魔”その二言が誰よりも似合うソレは近く来たるヒーローへの一歩を待ち遠しく思いながらその場を去った
裏切られ、強くなる……
ありきたりですがここから面白くして行きたいと思いますので今後の話も是非見てください
ついでに、感想が欲しいです!!