原神詳しいわけじゃない上に神の目も無いけどそれでも可愛い女の子を守りたい   作:あんに

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しばし休憩

はぁぁ……病院生活ならぬ教会生活……暇だなぁ

 

シスター達が聖歌を歌っているのが聞こえてくる。歌にはあまり興味が無いから上手なのか下手なのか判断がつかない、高い声はよく出ていると思う。

 

横のミニテーブルには3冊本が積まれている。朝方エミちゃん兼フィッシュルが暇だろうからと厳選してくれたファンタジー系の本を持ってきてくれた。全部お姫様が魔王に寝取られる感じのやつだったけど…………まぁ気にしないでおこう。

 

今日は朝からフィッシュルモードだったな……ともかく元気で良かった。

 

コンコンコンッ 

 

誰だろう

 

セイ「どうぞ」

 

赤い大きなリボンが扉から覗く……可愛らしいお顔も出てきた。

 

アンバー「セイー!!」

 

ニコッと明るい笑顔で近づいてくる。んーかわい

 

ギュッ

 

抱きしめられた。立っているアンバーとベッドから起き上がった俺で高低差があるためお胸が俺に押し付けられる形となった……幸せ

 

アンバー「あ……そういえば、セイって変態さんなんだった」

 

アンバーがジト目で俺のことを見つめる。

 

アンバー「………まぁいいや、ご褒美ってことで」

 

アンバーが諦めたように言った。

 

やったぁ!ご褒美だぁ!!抱きしめ返してさらに顔をお胸へ埋める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつ空か蛍がモンドに降り立つのかとか俺の知ってる原神と齟齬は無いかを調べるため、今回の騒動が起きる前アンバーと接触を図っていた。

 

 

 

 

セイ「アンバーってどこに行ったら会えるんだ?」

 

たしか、偵察機士なんていう役職名?を持ってたよな……これって偉いのだろうか。

とにかく西風騎士団所属ではあると思う。

 

じゃあ西風騎士団本部でアンバーさん居ませんかとか聞けよって思うかもしれないがそれだとなんでか自分のことを知っている変なやつ認定をくらい嫌われる可能性がある。それだけは………それだけは避けねばならん事項だ。アンバーもこの世界では美少女だろう……そんな存在に嫌われた暁には……自殺してしまいかねん………

 

ということで自然に会いましたよを装ってアンバーと遭遇したいのだ。むむむ…………む!!!

 

そうだ風の翼だ!!彼女は風の翼を使った大会で優勝したとか聞いたことある。俺もそれに出れば!

 

 

 

 

 

「坊っちゃん、十万モラだが払えそうか?」

 

たっっっっっか!!

 

セイ「たっっっか!!」

 

「風の翼ってのはたくさんの鳥の羽や特殊な素材を使うからな、それ相応に高くなっちゃうんだよ」

 

えぇ!!ゲームでアンバーが旅人に無料でハイってあげてなかった!?!?そんな高価なもの配ってたの!!??

 

セイ「い、一番安いのは?」

 

「風の翼でってことか?他は知らんがうちで取り扱っている風の翼はこれだけだよ」

 

セイ「………」

 

買う………か?月のお小遣い100個分……………買う……………………。

 

セイ「こ…こ、こ、こ…こ、これで」

 

モラが詰まった布袋を震える手で差し出す。

 

「む、無理すんなよ坊っちゃん。今じゃなくたって仕事にありつけるようになってからでも遅くねえと思うぞ」

 

セイ「今じゃなきゃダメなんです……今が良いんです」

 

「そうか……」

 

 

 

 

 

 

うおぉ!!風の翼だ!!

 

さっきの店主に背中に装着してもらった。

 

原神プレイヤーの俺氏感動……見た目に反して凄く軽い。軽くジャンプしてみるが動きに支障はでなさそうだ。

 

よし!いざ!飛行大会へ!!

 

「飛行免許がないとエントリーは出来ません」

 

ひこうめんきょぉ????

 

「飛行免許は飛行者が最低限の技術を持つことを保証するライセンスです。これが無ければ風の翼を持っていても使えないと考えても良いでしょう」

 

セイ「それ取らないといけないんですね……」

 

「まぁ、そんなに難しく無いので取得しちゃいませんか?受講一回10000モラです」

 

セイ「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

手元のカードが日光を反射して煌めく。アッチの免許証もこんな感じだったのかな……取る前に死んだから分からねぇや。

 

なにはともあれようやく飛行大会に出場出来る。スッカラカンのお財布なんて目に入らない!!……………入らない………。

 

「昨日は飛行免許取得お疲れ様でした。お待ちかねの飛行大会にエントリー出来ますよ!」

 

セイ「お願いします」

 

「お名前は?」

 

セイ「セイヘンです」

 

「セイヘンさん……エントリーが完了しました。今日の午後13時にここへ集合です」

 

セイ「わかりました」

 

 

 

 

 

セイ「あーッ!!あーーーッ!!これ知ってる!!」

 

山の上の木で足場を整えられた場所で透明な風で出来たリングを指差しはしゃぐ。

 

これ、くぐると加速するやつ!!

 

「ふふ……かわいい」「若いっていいなぁ」

 

気づくと他の大会出場者が温かい目で俺のことを観ていた……恥ずかしい。

 

アンバーは………居た!!

 

特徴的な大きな赤いリボンが頭に、首元にゴーグル、そしてこれでもかとムチムチの脚を見せつけてくるめちゃくちゃ短いパンツ……間違いない。

 

ゴーグルをかけて息を整えている。話しかけるのは試合後が良さそうだ。

 

まぁ、せっかく大会に出場したからには?勝たせてもらいま

 

 

 

セイ「うわぁぁ!!そっちじゃないってぇ!!!誰かぁぁ!!!!」

 

 

「セイさんは17位でした。こちら、参加賞の風スライムキーホルダーです。お疲れ様でした」

 

役員の人がキーホルダーを渡してくれた。ワッと拍手が巻き起こる。

 

ちなみに俺入れて17人が出場したので最下位である。

 

……………まぁ、わかってたよ…うん。最後らへん運動会のリレーで脚が遅いけど頑張って走ってる子がゴールするまで応援しようみたいな雰囲気でみんなに見守られてる中ゴールしましたよ……。

 

アンバーまだ居るかな……

 

あ……笑顔で拍手してくれてる……これでもう帰ってたら泣いてた。

 

アンバーは何位だったんだろう?飛行大会出場者のうちアンバーと俺だけ比較的年齢が幼く見えるため共通点もある……話しかけやすそうだ。

 

セイ「ねぇ、あん………じゃなくて君」

 

アンバー「わたし?」 

 

アンバーが自分を指差す。

 

セイ「そう!君、早かったけど何位だったの?」

 

アンバー「わたしは3位だったよ、悔しい」

 

セイ「3位でもすごいよ!!どうやったの?」

 

アンバー「どうやった……うーん、頑張った?」

 

セイ「俺も頑張った!!!」

 

アンバー「あ!そっそうだよね!……うーんと、教えるからこっち来て」

 

セイ「うん!」

 

よしよし、良いぞ良いぞ。今日にも友達になれそうな予感!

 

アンバーの近くへ駆け寄る。うぉ……まだ幼いながらもええ胸してまんなぁ……エミちゃんと比べもんにならんわ……

 

アンバー「まずね……君の飛び方見てて思ったのが飛ぶ時に姿勢が低すぎると思う。プロの人はそれでも良いんだけど最初はゆっくりが良いと思うから……」

 

セイ「……うん」

 

身振り手振りで教えてくれてるから胸元の開いた服から揺れるのを凝視する。

 

アンバー「ちょっと傾いてるかなってぐらいが一番……」

 

セイ「………good」

 

アンバー「………聞いてる?」

 

セイ「うん、僕は真面目に聞いてますよ。アンバーさん」

 

アンバー「ほんとー?だってそれどこ見て………っ!///」

 

アンバーが俺の目線を辿って自分の胸に行き着いた。

バッと腕で胸を隠す。

 

アンバー「………ホントにどこ見てんの……しかも今、わたしの名前言ったよね……なんで知ってるの?」

 

セイ「……………終わった」

 

俺の全財産投げ打ってアンバーとの繋がり得たのにぜーーんぶパー!!!そして多分嫌われましたー!!!!!遺影ぃぃ!!!

 

 

よし死ぬか

 

 

 

ポンッと頭に手を置かれた。

 

アンバー「なーんてね、あんまり女の子の胸見ちゃ嫌われちゃうよ?」

 

セイ「……え?」

 

アンバー「名前は大会結果発表の貼り紙から分かったんでしょ?」

 

アンバーが木の側面に貼られている紙を指差す。確かに3位アンバーと書かれている。

 

アンバー「次からは気をつけるように」

 

トンッと指でオデコを押された。

 

セイ「………ぅ」

 

アンバー「?」

 

セイ「びぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

アンバー「!!??!!??」

 

よがっだぁ゛!!!よ゛がっ゛だぁ゛!!!!!!!

もう完全に嫌われたかと思った。まだなんとかなりそうだ。ほんとによかった………

 

アンバー「ご、ごめん!からかいすぎちゃった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なーんてことが有った。それからも俺はちょくちょくボーっとアンバーのお胸を拝見してしまっていることがあり、そのたびに怒られた………俺ってほんと懲りないよな。

 

 

アンバー「本当に心配したんだからね……両腕が……取れちゃったって聞いて」 

 

申し訳無くなって努めて明るい声を出した。

 

セイ「大丈夫!!ほら!手も元通り!!」

 

手をワニワニと動かす。

 

アンバー「もう、調子良いんだから」

 

アンバーはウエストポーチからリンゴをミニテーブルの上に置いた。

 

アンバー「これお見舞い品……元気なのも確認したし、わたしは仕事に戻るね」

 

セイ「もう行っちゃうの……」

 

アンバー「そんな捨てられた子犬みたいな顔しないでよ、また来るから」

 

アンバーが笑顔で手を振って去っていった。

 

あーもうちょっと一緒に居たかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコンコンコンコンコンッ

 

誰や友人宅でピンポン連打みたいなことしてるやつは

 

ベネット「セイッ!」

 

ベネットちゃぁん

 

ベネット「お前、大丈夫だったのか!両腕が大変なことになったって聞いて」

 

セイ「大丈夫じゃなかったけど大丈夫になったよ」

 

ベネット「そうか……俺もヒルチャール暴徒と戦いたかった……」

 

セイ「お前も道連れにしたら良かったな」

 

ベネット「そうだぜ水臭い!!」

 

セイ「嫌がれよ」

 

ベネットが脇に抱えていた何かをミニテーブルに広げた。

 

ベネット「今日はお前の看病してやれってオヤジ達に言われて仕事は無いんだ。からボードゲームで遊ぼうぜ!」

 

セイ「なんていうか……お前そういうとこめっちゃ大好き」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベネットがサイコロの数だけ駒を進める。

 

ベネット「えーとなんだ……10万モラ支払ってアイテム『風の翼』を手に入れる……要らな」

 

セイ「くないッ!!!」

 

ベネット「……そうか?」

 

 

 

コンコンコンッ

 

「セイ、お昼ご飯持ってきたよ〜」

 

!?!!!!!?!?!?!!?!!!??

 

ベネット「誰か来たみたいだな」

 

セイ「ベネット……俺の勝ちだ」

 

ベネット「いやいやまだこのボードゲーム半分も終わってないぞ」

 

セイ「どうぞッ!」

 

木製の扉が開いた。

 

白を基調とし、袖先とスカートのヒラヒラの先が黒になっているワンピースを履いた蒲公英色のツインテールの女の子……バーバラがトレイに料理を乗せて持ってきてくれた。

 

色々置いてあるミニテーブルとは別のベッドテーブルにトレイを置いてくれた。

 

バーバラ「具合はどうですか〜?」

 

セイ「めちゃくちゃ元気です!!」

 

バーバラ「それは良かった!腕の方はどう?」

 

セイ「まだ………動かなくて…………………」

 

ベネット「いや、お前今「げほぉっ!!!げほおっ!!!」…………」

 

バーバラ「だ、大丈夫!?」

 

セイ「全然平気です!!一瞬喉が苦しくなって!!」

 

バーバラ「そう……ちょっと腕見るね」

 

セイ「はい」

 

バーバラ「うーん……血はちゃんと巡ってるから拒絶反応を起こしてるわけじゃないみたい……ありがとう。もう少し様子見よっか」

 

セイ「はい!……それと、申し訳無いのですが……」

 

チラッチラッとトレイに目線を送る。

 

バーバラ「食べさせてほしいのね、もちろん任せて」

 

セイ「ハイッ!!」

 

バーバラがスプーンでスープを掬う。

 

バーバラ「はい……あーん」

 

セイ「あー……ん」

 

モグモグ

 

セイ「美味しい!!」

 

バーバラ「えへへ、良かった」

 

ベネット「…………」

 

ベネットが飼っているカエルが共食いしているところを見たみたいな表情をしている。

 

ベネット「俺も昼ご飯食べてこよ……」

 

セイ「ひってらっさーい」

 

バーバラ「こら!食べ物口に含んで喋っちゃダメ!」

 

セイ「ごめんなさーい」

 

あー幸せ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コン…コン…コンッ

 

おや、今日一お淑やかなドアノック

 

セイ「どうぞ」

 

扉を開けてやつれた様子の赤い男が入ってきた。

 

セイ「……ディルックさん?」

 

どうしたのだろう?もしかして西風騎士団入団へのお誘いだろうか?非常にありがたいのだが俺は将来旅人と旅に出る予定で

 

ディルック「騎士団を辞めてきた」

 

セイ「……そうですか」

 

ディルック「驚かないんだな」

 

セイ「なんとなくわかってましたから」

 

ゲームでディルックが西風騎士団を辞めたこと、毛嫌いしていることは知ってるからな。

 

ディルック「僕は……今、復讐に身を焦がそうとしている。君……セイヘンは……間違っていると思うか?」

 

セイ「……」

 

ディルックは複雑な表情を浮かべ目線は俺の目の少し下を向いている。前のヒルチャール暴徒と対峙していた時のような覇気が無い。

 

……何が起きたんだろう。ディルックがこんなに憔悴するようなイベントがあったなんて俺は知らない。それが西風騎士団をよく思わなくなった理由なのだろうか。復讐………身内を誰かに殺されたか?

 

どうして一度助けただけの俺に言ったのかとかわかんないことも多いけど

 

セイ「やらないと絶対モヤモヤします……なので僕ならコテンパンにやっちゃいます」

 

ディルック「……そうか」

 

セイ「ただ……ディルックさんには帰る場所が有ることを忘れないで下さい。そして、もし帰りたくても帰れなくなったら……」

 

言葉を区切り、息を吸う

 

セイ「俺を呼んでください」

 

ディルック「……お前に、俺が止められると?」

 

険しい目で見つめられる。

 

セイ「あぁ」

 

一度と逸らすこと無く見つめ返した。

 

ディルック「………ふっ、寄って正解だったな」

 

ディルックはお見舞い人用の椅子を立った。

 

ディルック「僕は……旅に出る。しばらく帰ってこないだろう」

 

セイ「そうですか」

 

ディルック「居ない間のモンドは君と………ジンに任せることにしよう」

 

セイ「まぁ……頑張ります」

 

ディルック「じゃあ……な」

 

セイ「また」

 

彼の顔は入ってきたときより幾分か明るくなったように見えた。

 

 

 

 

 

 

………夜になった。

 

コンコンコンッ

 

セイ「どぞ」

 

ガチャ

 

ピンクのパジャマ姿のエミちゃんが入ってきた。

かわよ

 

セイ「エミちゃ〜、来てくれて嬉しいよ」

 

エミ「はい♡セイ様」

 

セイ「せ、セイ様?」

 

エミ「お慕いしております」

 

セイ「は、はぁ、結構な御点前で」

 

エミちゃんがベッドへ潜ってきた。彼女が抱きついてくる。やわはだ

 

エミ「どこまでも連れて行って下さい♡」

 

セイ「お、おぉ……じゃあフォンテーヌ辺りまで行くか」

 

なにこのノリ

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