勇者属性を持つ新人のパーティーに入ったら国家の危機が目白押し。パーティーが活躍している裏で動かなきゃ国が詰む   作:マツバキクノスケ

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 いわゆるなろう系ってテンプレートされた内容が多いじゃないですか(過激派)
 じゃあ自己供給すればいいじゃんって書くけれどもテンプレートがあまりにも多いから何れかのテンプレートに従っちゃうし、それでクオリティが高いかって言われると『????』てなるからギャップでやる気がなくなる。→結果エタっちゃうわけですわ。
 今まで書いた作品の中で当作品が一番伸びているのでそれなりにクオリティは低くないなって思いつつ書いてたんですが前話のアレが酷くてちょっと落ち込んでます()

 後は感想が来るたびにびくびくしながら見させてもろてます。こういう自信の無さも克服した方が良いのは分かるんですけどね……


ニンニクマシマシ、ボリュームマシマシ

 ヨルアクの各所に設けられている衛兵の詰め所。その一つに俺と、証人として娼夫…もとい名前をレダリア君は待機していた。

 連中を引き渡したのは良いんだが、事が事だし事実確認も兼ねてアイツ等から詳しい事情を聴くために『お話し』しているらしい。素行不良なのは衛兵達も把握しているみたいだし、人権問題とかはあんまりない世界だからな。犯罪者に人権は無いと言わんばかりにそれはもう熱烈に『お話し』ているだろう。

 

「えっと…その、また助けられましたね」

 

「……気にしなくても良い。君が声を出してくれなければ、気が付かなかった」

 

 実際に聞こえなかったら回れ右して大通りに戻ってたからな。

 

「あの…何故あんな場所に? もしかしてお店を利用する為でしょうか?」

 

 いや、違います。人探しです。お店を利用する度胸とか無いです。

 

「いや、人を探していただけだ」

 

「そう、ですか……」

 

 それだけ言ってレダリア君は俯いてしまった。

 き、気まずいぃぃ…会話デッキとか何年も使ってないから何にも話すことねぇよ。

 どうすっか、なんかないかなんかないか……あっそういや

 

「…君は別の大陸から来たと聞いた。どんなところだ?」

 

 そう! 会話デッキの起点カードの一つ、「Youの国はどんなとこ?」だ! 主に出身地が違う人との会話の繫がりになるカード! その人にとって出身地が地雷だったりするパターンもあるので使用する時は気を付けよう!

 

「えっと……広い草原を移動して…家畜の世話をしながら暮らしていました。それで、育った家畜を市場に売ってそれで、必要な物を買って、あの日も…同じようになる筈…でした」

 

「す、すまない! 考えが足りなかった!」

 

 さ、最悪ぅぅぅっ! 碌すっぽ考えずに暇つぶしのつもりで話を聞こうとしたら地雷踏んだぁっ!

 そうだよね誘拐されて故郷から遠い離れた場所で奴隷にされてたもんな! 故郷が恋しいよねほんッとうにゴメェン!

 

「いえ、大丈夫です。今はもう、慣れましたから……」

 

 そう言って彼は物憂げに目を伏せた。俺は申し訳なさで目を逸らした。

 それで会話は完全に消滅。仕方ないだろ、会話デッキに入ってる会話の切り出しカードがどれも地雷になりえるんだから。

 一気に部屋の中の音が途絶えると外の微かに聞こえる喧騒が嫌に耳に入る。互いに目を合わせる事無く気まずい空間が出来上がってしまった。

 

 どれぐらいだろうか。相変わらず喧騒が聞こえる辺り未だそんなに時間は立っていないかもしれん。

 ガチャリとドアが開いて衛兵が入ってきた。

 

「レダリアさん、バーアライド卿。この度はご協力ありがとうございました。事実確認が取れましたので、帰って頂いても良いです」

 

 どうやってこの短時間で確認できたのかはあまり知りたくはない。

 どうでもいいが魔法には人の頭をクチュクチュするものとか操り人形に出来るものがあるらしい。本当にどうでもいいが。

 なんにせよ、これで解決だ。後は彼らの仕事―――

 

「あ、申し訳ありませんバーアライド卿。少し残って頂けないでしょうか」

 

「……ああ」

 

 じゃないですか。まだ何かあるんですか。そうですか。

 レダリア君と別れ、衛兵の後を着いて行く。

 詰め所の上の階、いかにも偉い人が居る場所にその人物はいた。

 

「やあ、バーアライド卿! 夜分遅くにすまないな!!」

 

 全部マシマシを一日に2回食べた気分になった。この世界にラーメンないけど。

 

「…何故ここにおられるのですかカーランド公爵」

 

「おいおいエルフォンスと呼んでくれ、距離を感じるぞ!」

 

 衛兵に礼を言って退出させたエルフォンス公爵は、夜だというのに変わらず闊達に話しながら俺を招きいれる。

 

「さて、卿を呼んだ理由、そして私が此処にいる理由だが至って単純、卿が捕らえた俗物共の事だ」

 

 ああ、確か過去に潰した犯罪組織の仲間でしたっけ? 残党狩りは公爵の仕事の筈だと思ったが……

 

「それなのだがな。奴らの組織、思った以上に厄介なことになりそうだ」

 

「…それはどういう事でしょうか?」

 

「コレを見てくれ。残党の拠点を摘発した際に見つけたものだ」

 

 公爵は複数の紙の束をテーブルに広げる。どれも一見すると何の変哲もない羊皮紙に見える……羊皮紙?

 

「気が付いたようだな」

 

 おかしいな。この世界じゃ普通に紙は普及している筈。前世の物と比較すると質はよくないが。

 高価で生産も容易じゃない羊皮紙はそれに伴って流通は縮小し、今は魔法書に使われる以外であまり使うことは無くなった。

 潰す前の組織でさえ其処までの富は無かった筈の連中がなぜ羊皮紙をこれだけの量持っている?

 

「ではネタ晴らしをしよう」

 

 公爵は部屋の明かりを消し、窓の戸を閉める。完全に暗闇になった中で彼女は羊皮紙の一枚を手に取った。

 その羊皮紙が、暗闇の中で淡く光を放ちながら文字を浮かび上がらせる。

 

「……――隠し文字」

 

「そうだ。それも暗号文と言う二重の対策を施す慎重さ。とてもじゃないがあの程度の連中に出来る芸当ではない。つまり、支援している連中がいる」

 

 …確かに面倒くさいことになってそうだなぁ……

 

「…それで、支援している組織の正体は?」

 

「安心しろ、既に目星はついている」

 

  公爵は部屋の明かりを再度灯し、飾られている地図のある個所をなぞる。ヨルアクから南方、太めの三日月状の土地だ。

 

「…此処は?」

 

「嘗てルクレベが健在の頃に領土となっていた複数の領地だ。王から賜った領地だというのに恩知らずのクズ共が結託し、半ば強引に奪い取りあまつさえ国家を名乗っている始末だ」

 

 恨み節を節々に感じるし、なぞる手にも力強さを感じさせながら公爵は話を続ける。

 

「この羊皮紙に書かれている暗号を解読した所、この『領地』から物資を支援されていることが判明した。つまり、此処に支援している何某がいるという事になる」

 

「…領主が行っているという線はないのか?」

 

「あり得るが、可能性としては低いな」

 

 彼女は俺の何となくな思い付きを否定せずに別の可能性を唱えた。

 

「まず、この『領地』だが、かつては巨大な鉱脈がほぼ全領地に跨って存在していた。独立当初もそれで財を得ていたのだが数十年前に枯渇し、市場も縮小している。にもかかわらず領主…いやクズ共の生活は変わっていない」

 

 詳しいっスね。色々情報を収集してるあたり余程嫌ってるんだろうなぁ……。

 

「モノが無いのに金が生まれる訳が無い。連中は非合法な取引で富を得ていると思われる。それを仄めかす文もこの資料の中に入っていた」

 

 領主は受け取った金を生活で浪費して、それ以外に回すことはしていない。その相手は複数の領主が生活できる金を何処からか調達している。

 あれかなりデカい規模の組織が裏で動いてる?

 

「…カーランド公爵は私に依頼をするために?」

 

「話は最後まで聞くものだぞ、卿。差し当たって、卿に動いてもらうのはまだ先になる。精々がパーティーメンバーに被害が及ばぬように護衛するぐらいだろう。何せ卿は組織を潰した張本人。その弱点となり得る彼女達を狙わない訳が無い。私も護衛の人員を寄越そう…と言いたいところなのだがな。事情が重なっていてそれも難しい」

 

 ……どうする? ジェナ達に話して昇級試験を見送るか? いや、彼女達を俺の事情で巻き込む訳にはいかない。だからと言って、昇級試験を受けさせれば絶好の機会を与えることになる。俺が陰で護衛しようにも一人じゃ難しい………。

 

「全く…最後まで聞けと言ったはずだ。代わりにギルド長に通達して冒険者の安全の為に監視員を増やすよう要請した。今回は特例として最終試験での上位冒険者の付き添いを認めさせた。これなら連中も容易に動くことは出来ない筈だ」

 

 あ、取り越し苦労ですか。そうですか。

 それなら一応安心ではある。大量の敵が襲ってくるなら考え物だが、流石に残党がそんなに多いとも思えない。そんなリスクだらけの選択肢は選ばないだろう。

 

「卿は自分で抱え込むきらいがある。相談が必要な時は積極的に行うことだ。その時は私の所に来ると良い。別の人間でも良い。卿が人間関係を構築できるようになったならそれでも良いのだ」

 

 そんな人間関係構築できれば半年前までボッチで冒険してないです。




 色々解説。

・明かり事情…公共施設、商業施設、其れなりに裕福な家庭は魔石を購入して明かりを確保している。一般家庭ではまだ蝋燭が主流。

・紙事情…過去の異世界転生者によって発案されて以降、主流になっている。魔力を込めたインクが落ちるのを防ぐため、魔法書は羊皮紙によって作られる。そのため高価。

・魔法書…魔法使いの家系が代々受け継ぎ、各家庭に伝え続ける暗号で記されている。また、新たに魔法を開発した場合、それを書き記して次代に受け継がせることもできる。魔法書のページが埋まればまた新たにまっさらな書物を買い、書き記す。
 魔法使いの家系によっては10冊以上の魔法書を所有するところもある。

・カーランド卿の事情…ゴブリンの集落の本格調査の準備で色々と人員が割かれている。

 いつも誤字報告、感想ありがとうございます。質問等ありましたらお気軽に活動報告まで。
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