都市で生きていくには   作:ウェザービー

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1.5日目連続投稿です。
2日目業務開始前にちょっとした番外編としてセフィラと職員の絡みを挟みます。
それからこの小説で収容される幻想体はある程度までは私のL社の収容状況を参考にしていき、特定のところでは図書館に出てくている幻想体を設置していこうかと考えています。
オリジナル幻想体を出そうか迷いましたが、私には幻想体を考え出せるほどの優秀な脳はなかったのでそのようにやっていくつもりです。
あと、職員の名前はロボトミにある名前から適当に持ってきてます。


ようこそ、Lobotomy Corporationへ【1.5日目】

[おはようございます!あなたは先日新しくきた職員だね!私はここ指揮チームのセフィラ、『マルクト』だよ!]

 

目の前に使い古したクリップボードとペンを持った箱型の機械が居る。

本人も言っている通り、彼女は『マルクト』私が現在配属されている指揮チームのセフィラだ。

セフィラというのはそのチームの最高責任者のようなものでチーム全体の最終的な指揮権は彼女にある。(まぁ、それよりも上に管理人が居るのだが)

 

[これから新しく入ってきた職員がやってくるから、彼が到着したら一緒に合同訓練を行うよ!]

 

そう言って「ガシャンガシャン」という機械音を鳴らしながら『マルクト』は歩いていく。

私はそれに着いて行った方がいいだろうと思い、すぐさま後を着いて行った。

 


 

「指揮チームに配属されることになりました!『エフゲニ』といいます、よろしくお願いします!」

「よろしく『エフゲニ』、私は前日からこの指揮チームに所属してる『トオル』だよ」

 

橙色の髪が特徴的な明るい青年が爽やかな笑顔で挨拶をする。

私も元気に...とはいかないが挨拶を返す。

 

「『トオル』先輩ですね、よろしくお願いします!」

 

ほんと、眩しく感じるぐらい爽やかな笑顔だ。

 

[二人とも挨拶は済んだね?それじゃ、さっそく合同訓練を始めるよ!]

 

私たちの自己紹介を横で聞いていた『マルクト』が合同訓練を始める旨を伝えてきた。

 

[まずこの施設では幻想体と呼ばれる異常存在を管理し、観測していることはマニュアルを読んでいるなら知っていると思うけど、その幻想体はクリフォト抑止力っていうのが働いているおかげで本来凶暴性を有する幻想体もその性質を抑制されているんだよ!]

 

ここら辺までは私でも知ってる話だな

 

[けど幻想体も意思を持つ存在だから抑制され続けてると抵抗する、そうやって抵抗が発生するとクリフォト暴走っていうのが発生して、あそこにあるハザードマークの付いたメーターがあるでしょ?クリフォト暴走が発生したらあそこのランプが付くの!]

 

え?あのメーターって職員にも見えてたの?

 

[最大で9までの暴走は許容範囲として抑止力で抑え込むことができるんだけど、10回目はさすがに耐えられずに融解して抑え込んでた幻想体の性質を逆に刺激してしまうの。

そうなると幻想体は活発になって収容室から脱走するなんてことが起きてしまうからそうなる前に収容室内にある手動抑制装置を使って暴走を止める必要があるの!]

 

暴走起きた収容室って手動で暴走を止めてたんだ...

 

[それだけなら簡単だから大きな問題はないんだけど、問題はここからよ!]

 

今までの奴は前置きだったんかい!?

いや話長いな?そういえば『マルクト』って完璧を求める気質があるんだったっけか、ってことは今私たちはこれを全部理解できてる前提で話されてるってことだよね?

大丈夫かな?『エフゲニ』君理解できてるか?

私はちらりと横に居る『エフゲニ』の方を見る

「ZZzz」

寝てるし!

『マルクト』さーん!職員一名全く話聞いてませんけど、注意しないんですかー?

 

[問題はクリフォト暴走によって発生したエネルギーによって出現する異常存在達なの!]

 

あ、駄目だ...起こす気配全くなさそうだ

 


 

色々と話が長いので、あの後話したことを要約すると

"クリフォト暴走によって発生する試練は管理できない幻想体だから速やかに排除する必要があること"

"そしてそのための合同訓練をこれから行うこと"

この二つだ。

このことからわかる通り、今私たちは...

 

「先輩!ウサギロボそっち行った!!」

「あぁ!もう...ちょこまかちょこまかとッ!!!」

 

「ウィーン」という音をたてながら床を滑るように移動する教育用ロボットを相手に鎮圧訓練を行っていた。

 

[職員M-01は廊下の入り口前で待機!職員M-02はそのままロボットを廊下まで追い込んで!]

「了解」

「わかりました!」

 

私たちは『マルクト』の指示に従い行動する。

私は廊下の入り口に先回りして待機していると扉が開き、そこからウサギロボが飛び入ってくる。

 

「行ったぞぉ!」

「任せて!」

 

息を切らせた『エフゲニ』が扉を塞ぐように陣取り、先回りしていた私が迎え撃つ挟み撃ち。

ゲームじゃありえない光景だが、ここは現実。

細かい指示に従い行動することができないわけがない。

 

「そこだぁ!!」

 

私は職員全員に支給されている警棒をウサギロボの腹部にある的に向かって突き出す。

「ポコンッ!」という軽い音が鳴り、的に当てられたウサギロボはその機能を停止する。

 

「ち、鎮圧完了...」

[お疲れ様、いい手際だったわ!二人ともしっかりと指示を聞いて行動ができていたからこれなら本物の試練が来ても安心して対処できるね!]

 

鎮圧訓練の最中はずっとせわしなく動き回っていたから疲労困憊だ。

 

[それじゃあこれで訓練を終了するね!この後は30分ほどしたら業務が開始するはずだからそれまでの間しっかりと休息を取っておいてね!]

 

[今日やった訓練を忘れないようしっかりと復習しておいてね]というアナウンスを最後に『マルクト』からの通信は来なくなった。

 

「せ、せんぱい...」

 

鎮圧訓練中ずっと走り続けていた『エフゲニ』は肩で息をしながら壁にもたれ掛かって何とか立っているようだった。

先ほどの説明で爆睡をかまし、鎮圧訓練中に2度ほどドジを踏みロボを逃がした彼はすっかり意気消沈し、出会った当初の元気をなくしていた。

 

「業務開始まで30分しかないけど、しばらく仮眠室に行ってきて休憩してきたら?業務開始する前には起こしに行くから」

「すみません、そうさせてもらいます...」

 

フラフラとした足取りで彼は仮眠室の方へと向かっていった。

その間に更衣室で訓練中は着ていなかったEGO装備に着替える。

 

「先ほどまでの疲労が嘘のように体が軽い」

 

EGOのおかげか、疲労感が薄れた様な気がした。

あくまで気がしているだけなので疲労が残っていることには変わりないが...

 

「まぁ、少しはマシになったかな?」

 

業務が開始するまでの間、懺悔のメイスを磨いておくことにしよう...

 

 

そういえば、今思い出したんだが...『マルクト』って指揮チームだけで試練を鎮圧しようとして失敗してなかったっけ?

...考えないようにしておこう。




誤字訂正したのに追記するの忘れていたことに気が付いたので今更ながら報告いたします。
報告してくださった
名無しのサブカル好き様
ありがとうございます。
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