恋と愛   作:ゼロ少佐

2 / 2
2話

兄の事を異性として意識し始めたのはいつの頃だっただろうか

昔は多分純粋に兄として尊敬して家族として愛していた

いつも私に優しく、私の事を一番に考えてくれ

私よりも誰よりも優しい兄の姿が好きだった

 

だけど、兄は周防家から離れた

小さかった私には兄と離れ離れになるのは凄く辛かった

だけど、お母さんを1人にする事はできなかった

 

それから私は兄が受けていた教育を始めた

 

そして改めて兄の凄さを知った

こんなに大変な事を毎日行いながら

私との時間を必ず作ってくれていた

 

自覚はしてなかっただろうけど、

多分この時には兄に対して特別な感情を抱き始めていたのだろう

 

中学生となり

兄が生徒会副会長、私が会長として過ごした日々は

私にとってはとても有意義で幸せな時間であった

 

だけど、兄はそうでは無かったらしい

特別な意味も目標もなく 蹴落としてしまった人達の事をずっと気にしていたようだった

 

そして兄にとっての生徒会として過ごした時間は

後悔で塗りつぶされていた

 

あの時の私は浮かれていた

兄が傷ついている事にも気づかなかった

気づいた時にはもう遅かった

 

だから次は同じ過ちは犯さないと心に決めた

 

 

目が覚めると

隣には兄の姿があった

 

そうだった…昨日は久しぶりに兄の家泊まり

溜まったアニメや漫画を一気に見たんだった

隣にいる兄を眺め微笑む

 

「ほんとお兄ちゃんはかわいいなぁ」

 

ツンツンと頬をつつきながら

スースー寝息を立てている兄の顔を眺める

 

(いつまでもこうしてたいなぁ)

 

そんな事は許されない

周防家の女として、上流企業の御曹司と結婚しなければならない

それか母のように外交官として1人でやっていけるような人と出会う必要がある

 

でも私の知る人の中でそんな事ができるのは

ここにいる兄1人である

 

「血が繋がってなかったらなぁ…」

 

ボソッと本音がでてしまう

日本の法律では兄と妹では結婚ができない

できたとしてもお爺様が許さない

勘当された人と結婚なんて

 

 

身体の上に妙な重さを感じ目を覚ます

寝ぼけて前がよく見えない

目を擦り視界をくっきりさせると

上から抱きつく形で妹が寝ていた

 

少し顔を動かすだけど唇が重なり合いそうな距離にあり

柔らかなおむねの感覚と共に妹とはいえドギマギしてしまった

 

このまま突き落としても良かったのだが

あまりに気持ちよさそうに寝ている妹の姿を見て

動けずにいた

 

「どうしたものか…」

 

そう言葉を発すと

 

「お兄ちゃんの意気地無し」

 

とムスッとした表情をしながら起き上がった

 

「起きてるならさっさ退け 重い」

 

人が乗っているのだから重いのは当然だが

人の肉の付き方としてはかなり薄い

ご飯食べてるのだろうかと心配になるくらいに

 

「正直に言いなよ

妹のご尊顔を間近で見て照れてるんだろ」

 

不敵な笑みを浮かべながら

いつもの調子でからかってくる

 

「良いからさっさと降りろ」

 

といつも通りに仲のいい兄と妹としての朝のやり取りを行った

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。