兄の事を異性として意識し始めたのはいつの頃だっただろうか
昔は多分純粋に兄として尊敬して家族として愛していた
いつも私に優しく、私の事を一番に考えてくれ
私よりも誰よりも優しい兄の姿が好きだった
だけど、兄は周防家から離れた
小さかった私には兄と離れ離れになるのは凄く辛かった
だけど、お母さんを1人にする事はできなかった
それから私は兄が受けていた教育を始めた
そして改めて兄の凄さを知った
こんなに大変な事を毎日行いながら
私との時間を必ず作ってくれていた
自覚はしてなかっただろうけど、
多分この時には兄に対して特別な感情を抱き始めていたのだろう
中学生となり
兄が生徒会副会長、私が会長として過ごした日々は
私にとってはとても有意義で幸せな時間であった
だけど、兄はそうでは無かったらしい
特別な意味も目標もなく 蹴落としてしまった人達の事をずっと気にしていたようだった
そして兄にとっての生徒会として過ごした時間は
後悔で塗りつぶされていた
あの時の私は浮かれていた
兄が傷ついている事にも気づかなかった
気づいた時にはもう遅かった
だから次は同じ過ちは犯さないと心に決めた
◇
目が覚めると
隣には兄の姿があった
そうだった…昨日は久しぶりに兄の家泊まり
溜まったアニメや漫画を一気に見たんだった
隣にいる兄を眺め微笑む
「ほんとお兄ちゃんはかわいいなぁ」
ツンツンと頬をつつきながら
スースー寝息を立てている兄の顔を眺める
(いつまでもこうしてたいなぁ)
そんな事は許されない
周防家の女として、上流企業の御曹司と結婚しなければならない
それか母のように外交官として1人でやっていけるような人と出会う必要がある
でも私の知る人の中でそんな事ができるのは
ここにいる兄1人である
「血が繋がってなかったらなぁ…」
ボソッと本音がでてしまう
日本の法律では兄と妹では結婚ができない
できたとしてもお爺様が許さない
勘当された人と結婚なんて
◇
身体の上に妙な重さを感じ目を覚ます
寝ぼけて前がよく見えない
目を擦り視界をくっきりさせると
上から抱きつく形で妹が寝ていた
少し顔を動かすだけど唇が重なり合いそうな距離にあり
柔らかなおむねの感覚と共に妹とはいえドギマギしてしまった
このまま突き落としても良かったのだが
あまりに気持ちよさそうに寝ている妹の姿を見て
動けずにいた
「どうしたものか…」
そう言葉を発すと
「お兄ちゃんの意気地無し」
とムスッとした表情をしながら起き上がった
「起きてるならさっさ退け 重い」
人が乗っているのだから重いのは当然だが
人の肉の付き方としてはかなり薄い
ご飯食べてるのだろうかと心配になるくらいに
「正直に言いなよ
妹のご尊顔を間近で見て照れてるんだろ」
不敵な笑みを浮かべながら
いつもの調子でからかってくる
「良いからさっさと降りろ」
といつも通りに仲のいい兄と妹としての朝のやり取りを行った