魔法先生ネギま!~真壁源五郎が行くチート人生~ 作:神爪 勇人
「くあぁぁ・・・・・・」
思わず欠伸が出てきて嚙み殺す。
特別疲れていたわけじゃない。
今日もいつも通りの毎日だ。
いつも通りに朝起きて、いつも通りに朝飯を食べて、いつも通りに学校に行き、いつも通りに授業を受けて、いつも通りにクラスメイトと馬鹿やって、いつも通りにこれから帰宅だ。
「あー・・・マスクうっざ・・・・・・」
人混みから抜けたから外してもいいかと、顔に着けているマスクを外す。
息苦しさから解放されて、ふうっと一息。
数年前から世界的に広がった感染症のせいでマスクの着用が日課になってしまったが、いったい何時になったらこれは収まるのか。
日本経済も右肩下がり、もはや若者に未来を見せられない斜陽の国と化している。
マスクな何かつけなくても閉塞感で息苦しくなってくる。
——————グルルルルル・・・・・・
しかしどんなに息苦しくても腹は減るようで、正直な身体に嘆息する。
どこかで何か食って帰るか・・・・・・。
「・・・・・・いや、確か母さんが今晩はカレーって言ってたっけ」
ああ、そうだ。
朝家を出るときに、妹の蝶羽から次の土曜日にある運動会に絶対来て欲しいと約束させられて、その時に聞いたな。
・・・・・・カレーのために我慢するか。
「我ながら安いな・・・・・・」
再びため息一つ。
しかし今度の溜息は非常に重たい。
いったい何時まで続くんだろうな、この息苦しい日常は・・・・・・。
別段優れたところがある訳じゃない。
いたって普通な学校、いたって普通な成績、いたって普通な交友関係、いたって普通な家族、いたって普通な毎日。
入れ込むような部活動にのめり込むでもなく、恋人作って青春を謳歌するでもなく、何かしらの夢を持って突っ走っているわけでもない。
なんてことはない、つまらない人生だ。
小さい頃はなんか適当なスポーツ選手に憧れたりなんてあったような気もするが、それが何だったのかも思い出せない。
日常に埋もれていく。
なんてことない、いたって平凡な毎日に埋もれていく。
————————————僕はきっと、何者にも成れない。
テレビの向こう側で派手に活躍するスポーツ選手、作品が世界規模で売れる作家、顔も名前も売れてる芸能人、歴史に名を刻む偉人、なんなら国中に忌み呪われそうな大犯罪者にだってなれないだろう。
「退屈だな・・・・・・」
自分が何か最強の力を秘めている的な中二病を患うことすらもなく、唯々退屈な中学二年生。
そんな僕は、一生このままなんだろう。
「ああ、いっそ知らない何処かに行けたら——————」
そんな言葉を呟いたせいだろうか。
——————キキイイィィィィッ‼‼‼
耳を突き刺すそんな音と、眩しい光が目を眩ませる。
ボーっと歩いていた横断歩道の信号はいつの間にか赤に変わっていて、目の前には急カーブしてきた大型トラックが————————————
「あ」
これ死んだ。
と、認識した瞬間、僕はグチャっと潰れて、目の前が真っ暗になった。