とある日、タンザナイトは『Random Play』の奥の部屋にお邪魔していた。
「見て見て、タンザナイト!テレビエリーが特番やっているよ」
『おぉそうだな....にしてももうすぐか』
どうやらリンがもうすぐニコの訴訟があるためテレビの番組を一緒に見ようというのでタンザナイトは菓子や飲み物を持ってきたのである。
「『ヴィジョン爆破事件』公判直前特別番組です!ヤヌス区治安局の屋上にあるヘリポートからお送りしております」
「まもなく、被告人のチャールズ・パールマン、被害者らの代理人を務める『邪兎屋』等が.....慣例に則り、司法府の専用飛行船で、予め新エリー都最高裁判所に前乗りする模様です」
「公正な判決を見守るべく、我々は本件の公判を生中継でお届けいたします!....」
一方、ニコ達はその飛行船に乗るため、準備をしていた。
「ニコ、もうすぐ搭乗時刻だけど....まだ荷造りをしているの?」
っとハンバーガー片手に食べながら聞くアンビー。
「つーかニコの親分、裁判に出るだけなんだろ?にしちゃ荷物が多くねぇか?」
ビリーがそう言うと、目の前にはパンパンなアタッシュケースがあった。
「分かってないわね!都市中を震撼させた大事件なのよ。邪兎屋の名を広めるまたとないチャンスじゃない!注目を浴びるんなら、完っべきに決めて行かないと!でしょ!」
ニコが鏡で服を決めながら言った.....
っと如何やら邪兎屋を広めるために色々準備をしていたらしい.....おまけに顧客用アピールにパンフレットを沢山刷ったもよう。
ブーブー
突然、ニコの携帯から着信が来た。
「ニコ、スマホが鳴ってるぞ!ノックノックの通知じゃない?」
「あら、ありがと」
そう言い確認する....
「――!!」
「ん?ニコ、どうしたの?」
「....な、何でもないわ」
っと苦い顔しながら言うニコ。
すると猫又はとあることを推理した。
「あっ!分かったぞ――借金の催促だったんだ!?」
「違うわよ、もう!人聞きの悪いこと言わないで!」
どうやら違ったらしい。
「借金なんかしてないわ.....『タンザナイト』以外には.....」
「ニコの親分.....タンザナイトに借金してたのかよ.....」
っと細い目で見るビリーだった。
「しょっ...しょうがないでしょ!タンザナイトが今まで邪兎屋が借金した人たちからをまとめて支払ったのよ!その返済先がタンザナイトに変っただけよ!」
「うわー.....ますますタンザナイトに足向けて寝られない状況まできたにゃ.....」
「ニコ、何があったの?誰からのメッセージ?」
っとアンビーは聞いてくる。
「......」
「あれ?おっかしいぞ、ホントに誰なんだ?いっぱい送ってきてるくせに、全部空のメッセージ.....」
そこには空のメッセージが大量に送られた場面だった.....これにニコは叫ぶ。
「....あーーーーー!もー我慢できないわ!」
~~~~~
「....などが、公判の争点となるでしょう。続いては、スペシャルゲストをお迎えして....」
「パールマンはどう見ても黒なんだから、審理はスムーズに進むつもりでいたけど....法廷ではどんな些細なことでも議題に上がるらしいし、油断できない展開になりそうだね。道理で、ずっとニコがこの件に悩まされていたわけだ」
『そうだな....(そして、
「『パエトーン』!!」
すると、突然ニコたちが押し掛けてきた。
「こんにちは、プロキシ先生にタンザナイト」
『ニコ達じゃねえか....どうした急に』
「君ら、今日は専用機で最高裁に向かうんだろう?」
「ええ、本当だったらね....でも、あんたたちにどうしても相談しておきたいことがあるの。でなきゃ、おちおち法廷にも出らんないわ」
「相談って....何かあったの、ニコ?」
そうして、ニコは口を開く。
「『パエトーン』、『タンザナイト』。この前白祇重工の記憶素子を解読するために、あたしに頼んできたわよね。ハッカーの『レイン』に繋げてほしいって」
「ニコ、この期に及んで良心の呵責に耐えかねたのかい。本当は知り合いじゃなかったと白状されても、今更ぁ.....」
『いや違うだろアキラ、この状況は.....否定はできないけど』
「否定しなさいよぉ!!」
っとニコは盛大にツッコミを入れる。
「コホンッ....実は何だかあっちの方で、妙なことに巻き込まれてるみたいなの」
「なになに?なんかゴシップの匂いがする!」
『たぶん、そんな楽しめるような内容じゃねえぞ.....』
「あのね....ドラマじゃないのよ?視聴者気分でいられるほど、気楽な展開じゃないんだから。とにかく、事の経歴をまとめると....最近あたし含め、レインと連絡先を交換してる大勢がちょくちょく空のメッセージを受信するようになったの」
「最初はみんな、特に気にも留めていなかったわ。でも、それが二週間も続いて....おまけに当のレインはそのメッセージを送ってくる以外、蒸発しちゃったみたいに消息がないの!そっからどんどん妙なことになってきて....」
『妙なこと?』
「前は何日かに一回送ってくるくらいだったけど、今朝になってもう5、6回も送ってきてるんだから!」
「なるほど....確かに妙だな」
「『Fairy』、レインが送ってきた内容を見てくれない?本当にただ空っぽのメッセージなの?」
[助手2号、分析の結果、このメッセージになにも成果も、得られませんでしたぁぁぁ!*1 確実にいかなる内容も含まれていません]
『そうか....(今のはツッコまないでおこう....)』
[ですが、位置情報は暗号化されていないようです。解析の結果は――新エリー都市内の『バレエツインズ』という建築物付近です]
「ちよっとタンマ――ば、ばば、バレエツインズですって!?」
っとニコは顔が青くなる。
『どうしたニコ....顔が青いぞ』
「タンザナイトは都市伝説の類に興味がないようね。バレエツインズと言うのは、とあるツインタワーの名前なの。最近、そこで心霊現象が起こると話題になってて、噂によると....」
「ストップ!アンビー、そこまでよ!とにかく、事実として言えるのは.....あの二棟はもう何年も前から、ホロウに飲み込まれてるってことだけ。」
っとニコがアンビーの説明を遮った。
「レインがあそこからメッセージを送ってるだけだなんて、考えられないわ。あんたたち二人が特別なだけで、普通はホロウの中と外部では一切通信ができないはずだもの」
『そうなると....直接捜査するしかないか(本当は行きたくはねえけど)』
「そうだね、僕たちだってレインの助けを必要としている。直接に行って確かめるほかないね」
「おぉ、お兄ちゃん、だんだん度胸がついてきたじゃん!私の秘蔵ビデオたちのおかげだね!」
「リン、君のホラー映画祭りに付き合わされた話はどうかやめてほしいな....」
っと苦い思い出を思い出す。
「ということでニコ、僕たちとタンザナイトが直接現場に行ってみるよ」
「分かったわ。タンザナイトならどんな敵だろうと楽勝よね!」
『えっ....お、おうまかせろ』
(あれ今、歯切れが悪かったような?)
「あっそうそう、顔が分かってたほうが何かといいでしょ、これを持ってて」
っとニコはアキラ達にピンク髪の少女が風船ガムを加えて車に入る姿が写っていた若い女性の写真を渡した....きっとこの子が『レイン』だろう。
「ん?....ニコ、この写真の通学リュックを背負った女の子がレインなんだね?」
「そうよ、それがどうかした?」
「この子、うちの常連さんなんだ。へぇ~...人は見かけによらず、だね」
『そうなんだ....』
「あんたたちがそれ言う?『パエトーン』がビデオ屋をやってるし、タンザナイトはエーテリアスなのに公認から認められたプロキシもどきのも大概よ...とにかく、レインのことは任せたわよ。あたしはこれから治安局に行って専用機に乗るから、お先に失礼するわ」
そう言うと、ニコ達は一足先に専用機の方へ向かった。
『そんじゃ...行くとしますか』ゴキッ
「あぁ、そうだね」
「よーし!早速向かおうよ。『バレエツインズ』へ!」
こうしてタンザナイト達は新たなページの幕を開けた。
ねじれポイント
本来ならアンビーの他にビリーと猫又来るが、タンザナイトだけで行くことになった