転生先はエーテリアス   作:YEX

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カリュードンの子

意識を失って、どれくらい時間が経ったんだろう.....そこはブレイズウッドだった――

 

「.....」

 

そこでソファーに寝かせた、気を失っているリンに小さい赤猪が葉っぱをお供えしていた

 

「クソッ、責任感じるぜ.....カリュドーンの子は客人をキッチリと弔ってみせっからな!

 

と、シーザーは言う。

 

「ライト!」

 

「ん?」

 

「棺はオマエが担げ!」

 

「責任重大だな....」

 

と、ライトはサングラスをかけなおした。

 

「霊柩車は安全運転でな、パイパー!

 

「ファー....あいよ。ゆ~っくり走るぜい」

 

とあくびしながら言うパイパーだった。

 

バーニス!――強火で、送ってやってくれ!」

 

「おぉー!骨になるまで燃やしちゃうんだね!?」

 

と、火炎放射器で発射しながら言う。

 

『じゃねぇよ』ゲシッ

 

「あうっ!?」

 

「ん?――あっつぅああぁぁぁっ!!

 

そんな中、タンザナイトがバーニスを蹴って、火炎放射器の炎がシーザーに当たり、引火する。

 

「ふん、因果応報ですわ.....」

 

「んっ....ん?」

 

そんな茶番をしていると、リンが起き上がる。

 

「あつっ.....怒んなよ、荼毘に付すってやってみたかったんだ」

 

『他人でやんな、それ』

 

「はー....アホまみれですわ」

 

すると、そこにアキラが来る。

 

「リン、無事か!?怪我はないかい?」

 

「悪ぃ悪ぃ....つい興が乗りすぎた。灰から蘇ったな!歓迎するぜ!

 

それからしばらく経った後――

 

「まったく...こんなことになるとは思わなかったぜ、『パエトーン』。とんだアクシデントだ.....結局二人とも、おいでいただくことになっちまったなぁ。さっきは脅かしてすまねぇ....ハハハ、そう強張るなって。おたくたちも、ビリの字とは同じ穴のムジナなんだろ?なら、オレらはダチだ

 

「あー...そうそう。私達、もうけっこう長いこと、グルっていうか、あはは....ねっ、タンザナイト!」

 

『えっ?俺に振るそれ?』

 

「ちゃんと自己紹介しとこう。オレらは『カリュドーンの子』。郊外の走り屋チームだ。そんでオレ様はここの首領、シーザー!

 

と自己紹介し、早速本題に入った。

 

「今日、オマエらに来てもらったのは他でもねぇ。ビリの字達から話は聞いていると思うが....カリュドーンの子は、オマエらの力を必要としてるんだ。」

「オマエらがご執心のパールマンだが、やつの飛行船は墜落してぐちゃぐちゃだった。やつ自身はしぶとく生きちゃいるものの、()()()()()()でな、まだ意識は戻ってねぇ

 

「えっ!?それって、パールマンはあんたたちのところにいる....ってこと?」

 

と、リンは驚く。

 

「そうだけどよ....なんだ?ルーシーの奴は言っていなかったか?安心しな、きちんと治療はしといてやるぜ。目ぇ覚ましたらオマエらに任せる.....それでいいよな」

 

「ちょっ、ちょっ、ちょ~っとよろしくて?」

 

と、ルーシーが止めに入った。

 

「シーザー!交渉はまだ始まってもいないんですわよ!?なのに大事なカードをいきなり切ってしまって....あなた、ドのつくアホですの??

 

「交渉?カード?ルーシー....オマエはまーたそんな小せえこと言ってんのか。そういう()()()()()()()()()()()()()()()じゃ、覇者の気迫ってもんにかけるだろうが!」

 

「簡単に言ってくれますわね!....情報が漏れないように私が今日まで身を砕いてきたのは、なんのためだと....!『パエトーン』達との協力が得られなかったら、『ツール・ド・インフェルノ』をガイドをできる実力のプロキシをどっから探してくるっていうんですの!?」

 

と言う、ルーシーに対し、シーザーはこう返した。

 

『ツール・ド・インフェルノ』はこっちの事情だぜ。オレ様はハナッから、運命を他人に委ねようなんてつもりはねぇからなぁ!」

 

そう言うと、シーザーはリン達の話に戻る。

 

「安心しろプロキシ、タンザナイト。オマエらが郊外まで来てくれたことで、オレらのメンツは立った。そっちが手を貸さないと言おうが....パールマンについて、オレ様は言ったことを違えるつもりはねぇ」

 

「シーザー、君の親切は受け取った。けれど言うだろう?『旅は道連れ、世は情け』だ」

 

アキラが言ったことにリンも賛同する。

 

「お兄ちゃんの言う通り。実を言うと、パールマンの行方のこと、ちょっとでも情報があればいいなってくらいの気持ちだったんだけど....こんな()()()()()があるなんてね。そっちが誠意を示してくれたんだもん。私達だって、できるだけ力になるよ――ねっ、タンザナイト」

 

「ああ、そうだな.....()()()()()()()()()()()()()()()()()()()....」

 

「ハッハッハ!実に気持ちのいい答えだぜ!聞いたかルーシー?これでオマエの心配事も、消えてなくなっちまったな?」

 

と、シーザーは高笑いする。

 

「.....コホン。感謝しますわ、『パエトーン』、『蒼光の騎士』。そちらから協力を申し出てくださるなら、こっちとしては大助かりですもの」

 

ルーシーが言うと、本題に入るのであった。

 

「それで....プロキシの力が必要っていうのは?さっき『ツール・ド・インフェルノ』って言ってたけど、なんなの、それ?」

 

「おうよ!『ツール・ド・インフェルノ』っていうのはな....オレらのいる旧油田エリアの()()()()()()だ。最強と謳われる走り屋チームだけが参加できて、ホロウで真の強者を決めるために競い合うんだぜ!

 

「シーザー?そんな説明じゃ誰ひとり理解できませんことよ....」

 

と、代わりにルーシーが簡単に説明してくれる。

 

「簡単に言うと....『ツール・ド・インフェルノ』は、オートバイでホロウを突っ切るクロスカントリーの一種ですの。参加できるのは2チームのみで、ルールもとっても簡単。ホロウを突っ走り、先にゴールの『シンダーグロー・レイク』に、『火打石』を投げ入れたチームの勝ちですわ」

 

「こ、郊外の人たちってすっごく危ない競技をしているんだねぇ....」

 

と、ルーシーの説明に引くリンだった。

 

「プロキシさん、『ツール・ド・インフェルノ』は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことよ。レースの形式をとりつつ、石油資源の安全を定期的に確保する目的があるんですわ。石油は旧油田エリアの命ですもの。まぁ当然....私たち走り屋にとって、『ツール・ド・インフェルノ』にはもうひとつ、もっと()()()()()があるんですわ――」

「レースの勝者は、旧油田エリアにおける走り屋連盟の『覇者』たる地位に就けるんですの!」

 

その言葉にシーザーが賛同しながら言う。

 

「そのとおりだ!『パエトーン』、『蒼光の騎士』、覇者ってのはな....走り屋連盟でも最強と認められるってことなんだぜ。今の覇者陣営は『トライアンフ』ってチームだ。連中の大将張ってるおっさんが、もう()()()()()()()()()()()()()()()。オレ様はずっと前から、あいつとやり合ってみたいと思ったんだ!」

 

「つまり....カリュドーンの子は、名誉のために戦っているってこと?」

 

「お~っほっほ...プロキシさん?そんな零点解答を吐き出してくるのは、あなたの目の前にいる単細胞だけで間に合ってましてよ!」

 

と、リンの答えを笑い、否定した。

 

「みんながみんな、『最強』の称号のために()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。格闘漫画に夢中の小学生じゃあるまいし。旧油田エリアの石油産業は、様々な意味で走り屋連盟の支援によって存続できているんですの

()()となれば、連盟のトップとして輸送ルートの割り当てを決める権限が手に入るんですわ。実質的に、その利益を思い通りにできるも同然ですわね

「この半年間ずっーと、『トライアンフ』は私たちにすべての中でも最悪のルートを割り当ててきてるんですの。裏でよからぬことを企んでるに違いありませんわ!」

 

(実際、ルーシーの考えは少なからず当たってるんだよな....)

 

「どういうわけか尋ねに参りましたら....向こうのナンバーツー、ルシウスが気味の悪い作り笑顔でこうほざきましたの。『覇者の親分はいない。ルートはくじ引きで決めた』....」

 

「んー....そういや覇者のおっさん、確かにここ半年ばかりツラを拝んでねぇな。いったい何の用事でそんなに忙しくしてんだか。それはそれとして、ルーシーがビビってるワケも見当つかねぇけどな。ルートが悪かろうと、オレらの走りが鈍るわけでもなし....だいいち、オマエがキレてんのは、輸送ついでに化粧道具やら菓子やら買えねぇルートだからじゃ...?」

 

「おおお、お黙りなさいですわ!シーザー!客人の前で私のそういう話をするなって以前に合意しましたでしょ!?」

 

と、声を震わせるルーシーにシーザーが返す。

 

「ハッ、誰でも知ってることだろう?合意のうちに入んねーよ。オマエこそ、さっきから何度もアホ呼ばわりしやがって....オレ様のメンツもズタズタなんだが?

 

「開口一番、私の計画をぶち壊して....どうして称賛の言葉が貰えるとおもったんですの??

 

『.....なんか雲行き怪しくねぇか?』

 

「へいへい、ルシアーナ・デ・モンテフィーノのお嬢様.....オレ様は計画をぶち壊しました――でもオマエ、憧れていた伝説のプロキシとホロウの英雄に会えたのが、誰のおかげかわすれてねぇか?()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう言うと、ルーシーの顔が真っ赤になり、キレた。

 

「ちょっ、ちょ、ちょ――!....も、もうブチギレましてよ、シーザー!決闘を申し込みますわ!あなたがカリュドーンの子の大将でいられるのも、今日限りですわぁぁぁ!

 

「ハッハッハ!かかってこいよ。そんなんでオレ様がビビるかってんだ。ライト!オマエ、こっちきて立ち会い人やれ!」

 

そう言い、二人はライトを連れて、別の場所に移動した。

 

「あの二人...ほっといて大丈夫なの?」

 

とリンが聞いた。

 

「だいじょぶ、だいじょぶ~プロキシさんたち、気にするこたないぜい。日に2、3回は起きることだからな~」

 

「そーそー、ホントなんでもないから!捕まって立会人にされちゃうと....下手したら二人から同時に詰められちゃうから、それだけ気をつけてね!」

 

と、バーニスたちが言うのであった。

 

「とにかく、よかったよ~....お三人さんが『ツール・ド・インフェルノ』に協力してくれる気になって。これから、みんなで一緒にがんばろうぜい」

 

そう言い、リン達は、バイパーたちの野営地に泊まることとなったのだ。

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