少し後、バレエツインズのホロウエリア内にて.....
「あっタンザナイトさんが来ましたね....それと、プロキシさんがオンラインになりました。朱鳶治安官の方は大丈夫だったでしょうか?」
『さっき治安局に戻って情報が本当か確認しに行ったぜ....朱鳶なら大丈夫さ。きっと正しい選択をしてくれる』
「けれど...僕たちは、朱鳶さんにとって
すると、悠真が感づいたように言う。
「うーん?僕はプロキシのことも、その朱鳶さんって人のことも良く知らないけど....『あんな反応』のわけが、上司の告発じゃないってことくらいはわかるよ」
「それは....すっごく反省してる....」
「私は朱鳶という人間をよく知っている。彼女は決して、正義に反するようなことはしないだろう。それに、朱鳶をなだめるのは難しくない。手を握り、真っ直ぐ目を見て、思うことを伝えればいい。試してみるんだな。なお、
『へー....試してみるわ』
「「お前(あなた)はしなくていい(です)」」
『WHAT!?』
と、月城と星見が言うのであった。
「さて、みんな。H.D.Dシステムはちょっと色々あったけど、『Fairy』がパールマンのバイタル信号を見つけたよ!悪いおじさんを奪還しに行こ!」
リンがそう言い、タンザナイト達は先へと足を運んだ。
「傭兵たちの連絡地点はこの先だよ。パールマンの情報があるかもね」
「付近に敵、多数。慎重に行動してください」
「うむ」『分かった』ダッ
スバァァンッ! バキャアッ! ドォォォン!
星見とタンザナイトは、道中にある仕掛けを片っ端から破壊する。
「 」
「慎重のしすら無かったですね」
「ま、まぁそのおかげで安全に進めるから....」
そう言い先へと進むと、悠真が口を開く。
「どこもかしこも
「守りが固いのなら、パールマンはここにいるということだ」
「そうそう!お肉が大きいほど、ネギが沢山入るもんね!」
『ラーメン?ラーメンの話?』
「バレエツインズの構造は本当に複雑ですね.....敵が潜伏場所に選んだのも納得がいきます」
「心配ない。どんなに複雑だろうとリンには敵わないからね」
そんな会話をしながら先へと進むと、伏兵たちが現れる。
「おっと...前方に伏兵発見伝....あれで隠れてるつもりか.....僕らナメられてる?」
『なら....それはそれで倒すのみ....!』ダッ
タンザナイトが空中に飛び出すと、右腕を槍に変えて上に突き上げ、そこからエーテルエネルギーを溜め込む。
『『
ドゴォォォォンッ!!
「「「「ぎゃあぁぁぁぁっ!?」」」」
エーテルエネルギーによって巨大化した槍を飛ばし、兵や戦闘モジュールなどまとめて吹き飛ばす。
「.....流石にやりすぎない?」
『そうか?』スタッ
「むぅ....これでは『一分でどれだけ弾丸を斬れるか』という修行ができない....」
「もうあの人だけでいいんじゃない?」
「諦めないでくださいプロキシさん....まだ先ですよ」
なんやかんやで伏兵をバッタバッタと倒して、連絡地点まで着いた。
「うん、解読してみたら予想通りだね。ちょっと厄介なことになっちゃったなぁ」
「プロキシ、どうした?」
「
「そんなまどろっこしいより相棒の空間でパールマンを奪還できないのかい?」
『うーん....出来なくはないが、そのためには
「そっかぁ...そう簡単にはいかないか....」
「でも、安心して。データベースのホロウ観測記録から、この周辺にある空間の裂け目をいくつか特定したの。雅さん、これを使ってショートカットしてみて。かなり時間を節約できるはずだよ!」
リンが言うと、空間の裂け目が現れ、タンザナイト達は早速その裂け目に入った。
先に進み、連絡地点に着くと、見張りが一人もいなかった。
「見張りさえいないなんて....いささか拍子抜けですね....」
「我らに有利なら、それでもいい」
『一応警戒はしとこう』
「ここの連絡地点に、もしかしたらパールマンの手がかりがあるかも.....」
リンがシステムをいじくると....パールマンの位置情報が出てきた。
「よっし!パールマンが拘束されてる場所を見つけたよ。この近くみたい!」
『.....よし、場所を掴めたからいつでも行けるぞ』
「良かったです、プロキシさん、タンザナイトさん!さぁ、早速出発しましょう!」
「ここのセキュリティ権限を取得して、防衛機構を停止させないと.....ん?ここのシステム設定、ちょっと変かも....誰かがわざと手を加えたみたい。ちょっと時間がかかりそうだね。みんな、もうすこし待ってて!」
そう言いリンが権限が取得すると――警報が鳴り響く。
「権限を取得!えっ....?」
「プロキシ、この音はなんだ....?」
「やっば!権限のリクエストで爆弾が起動したみたい!」
『っ!急いで俺が作った裂け目に入れ!この部屋が吹っ飛ぶ!』
そう言い、急いでタンザナイト達は裂け目の中へ入って行った。
『全員いる!?』
「なっ...何とか....」
全員いるのを確認すると、裂け目を閉じる――すると遠くから爆発音が聞こえてくる。
「この威力....軍用の硝安爆薬?ビルの中でそんなものを....どうりで誰も守っていないわけですね」
「人質はどうなってもいいようだな.....」
「何だこいつら!どっから現れた!?」
すると、ここを守っている守衛がいた。
「いつでも抜けるぞ....!」チャキッ!!
『『
ドゴォォォォンッ!!
「「「「ぎゃあぁぁぁぁっ!?」」」」
星見は高速で抜刀、タンザナイトは拳を飛ばして爆発させ、守衛を
――そして、やっとパールマンの所へ着くことが出来た。
「のわああああ!」
『あっいた』
「えっ....エーテリアス!?――い、いや、六課の連中もいるのか....いいところに来た。は、早く助けてくれぇ!この辺りは吹き飛ぶぞ!とっととこのとんでもない場所からでなければ!」
「相棒、空間の脱出は?」
「うーむ....難しいな、今崩壊してるせいで不安定な状態だ....どこに着くか分からんぞ?」
「安心して!外にでるルートは確認済みだよ!」
『よし、それじゃ早く脱出しよう!』
タンザナイト達はパールマンをつれて、脱出するために駆けだす。
次々に出てくる敵をなぎ倒しながら、進んでいくと....ある裂け目が光を放っている。
徐々に迫りくる爆発音。その時、H.D.Dの耳障りな警告音が再び鳴った―――
[H.D.Dの音声出力に失敗。予備出力デバイスを起動 警告!前方のルートにはリスクがあります!]
「うん、確かに出口は前方だね.....でも、測定結果がちょっと気になってて。普通ならいくつかあるはずの出口が、ひとつしかないから....」
『っ!....雅ちょっといい?』
「なんだ?」
「プロキシさん、時間がありません!速やかにここを突破しなければ!」
「....まことか?」
『ああ、出ないとパールマンを生かす理由はない....頼む』
「わわわ、私はまだ死にたくないぃぃぃぃいいい!!」
「...分かった、信じよう」
『すまん、助かる雅』
「気にするな、お前とはやり合った仲だ....」
爆発が大きぼな崩壊を引き起こし、混乱の中、一行はホロウの裂け目へと逃げ込んだ。
裂け目の光が瞬時に五感を渡り、ホロウ特有の奇妙で重々しく、不吉な雰囲気は突然消えた。次の瞬間......
「これはこれは....本当に予想外の邂逅だ!」
『やっぱか....』
「えっ....?」
「.....ブリンガー」
そこにいたのは部下達とサラを引き連れたブリンガー長官であった。
「パールマン!ヴィジョン・コーポレーション事件の黒幕め、司法府の飛行船を乗っ取り、郊外に逃げたかと思えば...選挙のデリケートな時期に乗じて、この街に戻ってくるとはな。よほど治安局に捕まりたいとみえる!それと....H.A.N.D.所属、対ホロウ六課の執行官達と『ホロウの英雄』と名高い『蒼光の騎士か』か。重大な被疑者であるパールマンと共に現れたということは、やつのホロウへの出入りを幇助していた可能性もあるな.....」
「ヤヌス区治安総局副総監の名において....治安総局で、じっくり話を聞かせてもらえるかね....?」
ブリンガーがそう言うと、部下たちが銃を構えて、こちらへ向ける。
「星見雅課長。君は重要事件の犯人パールマンと
「....ふふっ」
『.......』
「おおお....終わった!もう駄目だ...!全部、お終いだ....!」
「お待ちください!ブリンガー長官、どうやら貴方は大きな誤解をされているようです。対ホロウ六課内部で、重要な容疑者と水面下での接触を行った疑惑があるのは、確かです。ですが...それは課長の個人的な行動にすぎません」
「えっ!?」
「.....」
その言葉にリンは驚く。
「我々は対ホロウ六課として、上司の不適切な行動を止めるべくここへ駆け付けました。それが今ご覧になっている状況です」
「ハハハ!つまり....君たちは無関係だと?君は、次期総監たるこの私を、
『実際、お飾りだろ...』ボソッ
「ただ事実を述べているだけです。異議があるのでしたら、治安局の監察官に報告し、検証を要求することもできます」
すると、急に星見はパールマンに問題をだした。
「...『人間万事』、これに続くのは?」
「はあ?わ、私に聞いているのか?」
「不正解だ」
ガッ
「へ?な、何をす―――」
ブォン!!
「うわぁぁぁぁ....!」
星見は、パールマンをホロウへ投げ込んだ。
――その時デバイスらしきものは落ちて壊れた。
『おっと』スッ
パールマンがホロウに入るその時、かぶさるように裂け目が現れ、パールマンが入った。このことは
「星見雅!何をしている!?」
「まともに答えられなかったため、怒りからホロウに投げ捨てた。柳の言う通り、私は独断専行型でな。今ので分かっただろう。部下達は与り知らぬ。捕えたければ、捕えればいい」
「私だけを、な」
と、星見は刀を突き出しながら言う。
「キサマ――!」
「もうすぐ演説よ。こじれる前に、適当なところで切り上げましょ」
と、サラは怒るブリンガーを落ち着かせる。
「チッ...いいだろう。お望みどおりにしてやる!ヤヌス区次期総監の名において―――対ホロウ六課課長、星見雅!公共の安全を脅かした容疑により....」
ガチャン!!
「逮捕する!」
星見が連行する時、小さい声でタンザナイトに呟いた。
「後は頼む」
『ああ....』
そうして星見は、ブリンガーの手によって連行されたのだった。