デットエンドホロウに隣接したブリンガーの演説会場に向かう護送車の中....
「....」
そこでは、棒と手に手錠がつけられた星見と向かい側にサラが座っていた。
「おい、ちゃんと運転しろ!虚狩りのご機嫌を損ねたら総局でこってり絞られるぞ!」
「芝居はもういい。さきほど、七つめの交差点でヤヌス区に入ったな。総局へ向かう気などないのだろう」
「へっ...?」
「あら....とっくに気づいていたの?」
と、サラは不気味なニヤケ面をしながら、星見の刀を触る。
「澄ました顔をして、されるがままにしてるけど....それでいいのかしら?」
「悪党どもの企みは奇怪千万....お前達の目的を探るなら近くにいたほうが
「....徒手空拳でも、かしら?」
「ああ、刀を使うまでもない」
と、澄ました顔で言う星見、それに対してサラはちょっとショックしたような感じで言う。
「ま、私たちが格落ちなのは否めないわね....なにせこれは星見の家に代々伝わる家宝だもの....
「お前...!?」
「七代の主を経て、星見家を今の崇高ともいえる地位にまで押し上げた....人々は、星見の類稀な血筋が為せる業だと信じて疑わないけど....実は
と、サラは妖刀をじっくり見ていた。
「でも、星見雅....あなたは違う。星見家が授かった正真正銘の天才、剣に愛されし寵児....」
「なぜ星見家のことをそこまで....?」
「あはははっ!だって私達悪党の
「なっ...!」
「これでようやく、妖刀の真の姿を目の当たりにできる....」
そう言い、サラは妖刀を鞘から出そうとする。
「なんてことだ.....まさか――」
~~~~~
数分前、『Random Play』
タンザナイト達は一旦ホロウ六課とH.D.Dシステムの部屋まで集まっていた。
「『Fairy』は今もまだ本調子じゃないけど.....」
「今、白祇重工から連絡があったけど、パールマンを匿っているらしい、その上で、ブリンガーとヴィジョン・コーポレーションの結託に関する証拠を集めさせているとか....恐らくもうすぐ結果が分かるだろう」
「まさかタンザナイトが裂け目を作っていたとはね....用意周到だね」
『一時的にセーフハウスの通信信号を遮断しているからブリンガーからの追跡は大丈夫だな』
「やれやれ...もしかして相棒、課長がこんなことするって分かってて黙ってた?」
『そうともいう』
「それにしても、どうするか....星見さんの行方が追えそうにない....」
「私の方でも部長など探りを入れましたが、全然....」
『あ~....そのことなんだけど、そんなに深刻なことじゃないよ?』
「えっ?」
すると、馴染みのある人物が慌てて駆け込んできた。
「みなさん、今、パールマンと連絡は取れますか?確認したい、大事なことがあるんです!」
「どうしたの朱鳶さん、そんなに慌てて?」
「うなじです!彼のうなじを見てください!耳の後ろ、生え際のあたりに、小さい傷がありませんか?」
朱鳶がそう言うと、急いで白祇重工に確認を取らせると....確かにパールマンのうなじに2ミリほどの傷があった。
「確かに、小さい傷があったけど....どうしてこんなものが?」
「治安局では、特殊かつ重大な事件の容疑者を収監する場合、中で危険なことをしないように
「GPS?しかもまだ有効だって?それって、飛行船が事故った後も動いてたってことですよね?」
「ええ....」
朱鳶は頷ずくと悠真が驚きながら言う。
「ちょっとちょっと...!それじゃ、治安官はずっとこいつを追跡できたってことになるんじゃないですか?」
「この事件は管轄治安官が、そうしようと思えば....つまり、ブリンガー長官はずっとパールマンを探す手段を保持していたんです。
「我々のこれまでの行動は、
『....妖刀、無尾』
「えっ?」
タンザナイトが口から出た言葉に皆こちらに目を向ける。
『雅が持っている刀....妖刀のエネルギーだとしたら....辻褄が合うんじゃねぇか?』
「「「「「「「!!」」」」」」」
「妖刀の...力?」
「でも仮にそうだとしても....確か、課長の刀には
『あっただろ月城さん....雅のデータを取っていた時が』
「データ?......っ!まさか――」
『そう、それが繋がったら....それはもう確信と言っていい』
「....あのーすみません、言ってることがよくわかりませんが」
と、悠真が何の話か分からず、聞いてくる。
『そうえば、この時、悠真と入れ替わっていたから知らなかったな....実はな――』
タンザナイトがそう言うと、入れ替わりで起こった話を悠真たちに言う。
「....なるほどね。その千面相が
「ヤバいよ!早く星見を探さないと...悪者に悪用されちゃう!」
『ああ~...それなんだが、その心配はないぞ?』
「えっ?」
タンザナイトがそう言うと、手元に空間が出てきて、それを手に突っ込み何かを取り出した――
「作戦は――とっくに始まってるんだぜ!」ドンッ!
「「「「「「「えぇぇぇぇぇっ!?」」」」」」」
タンザナイトが取り出したのは.....『妖刀 無尾』であった。
この出来事はこの場にいた全員が驚いた。
「ちょっとちょっと!それ課長の刀じゃないですか!?なんで相棒が持ってるんですか!?」
「いつの間にそれを....」
『パールマンと一緒に裂け目を出る前にな』
「そんな前から!?」
「....あれ、それじゃあボスが持っている刀って.....」
『雅が持っているのは、俺が
「す...すごい....そこまで見越していたんですか....」
感心する朱鳶にまだまだ説明は続く。
『そして更に、そのエーテル結晶を元に探知すれば、一瞬で雅の所へ行き、回収するって根端よ!』
「すごいな....敵をだますだけじゃなくて、星見さんを回収するなんて...完璧な作戦じゃないか...!」
「さすが相棒!うまくいきすぎて怖いけど、そこまでやってのける!」
と、アキラや悠真が褒める。
『作戦はこうだ....俺が星見を回収する間、リン達はブリンガーを追ってくれ。回収しだいこっちに向かうから』
「その方が合理的ですね....」
「よぉーし!それじゃ早速取り掛かろう!」
こうして、タンザナイト達は星見の救助とブリンガーを追うため、行動にでた。
~~~~
「まさか――ここまで予想通りとはな」
「....なんですって?」
ピキッ....パリィィィンッ!!
するとサラが手にした刀がヒビがはいり、そこでバラバラに崩れる。
「なっ!?妖刀が!.....はっ?」
慌てて掴むと、それはエーテル結晶だと分かった。
「何これ....?エーテル結晶?っ!星見雅、これは一体――っ!!」
「『あっ』」ガチャンッ
サラが見たのは――星見に繋がれていた手錠を破壊していたタンザナイトだった。
「タンザナイト....?何故ここに?――まさかっ....!」
『はーい♪またまたやらせていただきましたぁーん....んじゃそう言う事で―――』
「『チャオ』」ズズズ....
「まっ....!」
タンザナイトは星見と一緒に軽いサインを作りながら、入って来た空間から星見を連れ出していった。
「........」
そこにいるのは、手を伸ばしたまま止まっているサラと運転席にいる部下たち二人だけだった。
「..............」
「あ...あのサラ長官?」
「くそ....」
「?」
「くそがっ!!」ダンッ!!
「「!?」」
怒り狂ったサラは足でじたばたする。
「クソックソックソックソッ!!またしても....またしても邪魔しやがってぇぇぇ!!」ドンドンドンッ!!
「さ...サラ長官?」
「だいたい何なのよあのエーテリアスは!!爆薬作ったり空間作ったりなんやかんや作ったりしてことごとく私たちの計画を台無しにしやがって!!....クソゲー!!クソゲーだよっ!!」ドンドンドンッ!!
「サラ長官!?落ち着いてください!?」
と、キャラ崩壊レベルの怒り狂うサラ止め、落ち着かせる。
「フーフー......ま、まぁいいわ、
と、エーテル結晶を拾い上げ、サラは不気味な笑顔を作った。
「サラ長官、あんな顔するんだな....」ヒソヒソ
「それができるエーテリアスこえーよ....」ヒソヒソ
ねじれポイント
妖刀の力は手に入れなかったけど代わりにタンザナイトのエーテル結晶を手に入れた